新型リーフの5グレード|高いグレードほど長く走れるか?

ベージュの日産 リーフ B7 G(ZAA-ZE2)の試乗車を左斜め前から見た外観。細く横に伸びたLEDヘッドライトと、前輪の黒いアルミホイールが見える
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC0 1.0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けた笑顔でシキに話しかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている リーフって、上のグレードほど長く走るんだよね?
シキが白紙を1枚、胸の前で持ってクラに見せながら、落ち着いた表情で説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口をすぼめて聞いている 逆。B7はXが702kmで、Gは685km。17km短い
画面左のシキが白紙の束を片手に持ち、もう片方の手のひらを軽く上げて、真顔で答えている。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げた心配そうな顔で問いかけている じゃあ長く走りたい人は、安いほうを選ぶの?B5のGより、B7のXが約46万円安くて233km長い
画面左のシキが白衣の前で両手を軽く組み、口元をゆるめて穏やかに微笑んでいる。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、目を閉じて明るく笑っている プロパイロット2.0を足すと、702kmは687kmになる電池の大きさを先に決めてから、装備を足そう
クラ

リーフを見に行くんだ。B5とB7が電池の大きさなのは分かったんだけど、長く走りたいなら、その中でも上のグレードにしておけばいいんだよね

シキ

そこが合っていない。B5は、いちばん安いSの521kmが3グレードで最長。B7も、Xの702kmのほうがGより長い

新型リーフ(ZAA-ZE2)は、55kWhのB5がS・X・Gの3グレード、78kWhのB7がXとGの2グレードで、合わせて5つです。この5つを値段の順に並べると、一充電走行距離の順とは3か所でずれます。 これとは別にAUTECHとNISMOがあり、装備一覧も諸元表も別に用意されていて、そちらには一充電走行距離の行そのものがありません。以下はB5とB7の5グレードの話です。

価格は2026年9月現在の東京地区のメーカー希望小売価格(消費税込み)、距離と電力量消費率はWLTCモードの国土交通省審査値です。

グレード電池の総電力量車両本体価格一充電走行距離交流電力量消費率車両重量
B5 S55kWh4,389,000円521km118Wh/km1,750kg
B5 X55kWh4,738,800円469km131Wh/km1,770kg
B5 G55kWh5,648,500円469km131Wh/km1,820kg
B7 X78kWh5,188,700円702km130Wh/km1,880kg
B7 G78kWh5,999,400円685km133Wh/km1,920kg

値段の順と、走れる距離の順が合わないのは3か所

1か所目はB5の中です。いちばん安いB5 Sの521kmが、B5の3グレードで最長です。約35万円高いB5 Xは469kmで、52km短くなります。B5 Xからさらに約91万円高いB5 Gも469kmで、B5 Xと同じ値です。交流電力量消費率も、B5 XとB5 Gはどちらも131Wh/kmで並びます。約91万円の差を払っても、走れる距離は1kmも増えません。

2か所目はB7の中です。B7 Xが702km、約81万円高いB7 Gが685kmで、こちらは17km短くなります。

3か所目が、電池をまたいだときです。B5 Gは約565万円で469km、B7 Xは約519万円で702km。B7 Xのほうが約46万円安く、233km長く走ります。 電池の大きいほうが安くて、走れる距離も長い組み合わせは、5グレードの中でここだけです。

クラ

B5のGで見積もりを出してもらうつもりだったけど、B7のXも一緒に出してもらったほうがいいってこと?

シキ

金額と距離だけを見るならそうなる。ただしB5 Gには、B7 Xに付かない装備がいくつかある。その装備は後ろで並べる

プロパイロット 2.0を含むセットを足すと、カタログの距離の欄が変わる

諸元表の一充電走行距離と全高の欄には、括弧つきの値が並んでいます。括弧は「プロパイロット 2.0装備車」の値です。

グレード一充電走行距離プロパイロット 2.0装備車全高プロパイロット 2.0装備車
B5 S521km設定なし1,550mm設定なし
B5 X469km461km1,550mm1,565mm
B5 G469km461km1,550mm1,565mm
B7 X702km687km1,550mm1,565mm
B7 G685km670km1,550mm1,565mm

B5 Sの欄に括弧の値がないのは、B5 Sにプロパイロット 2.0の設定そのものがないからです。メーカーオプションでも選べません。

残りの4グレードでも、プロパイロット 2.0は単独では選べず、セットのメーカーオプションに入っています。B5 XとB7 Xは◆2、B5 GとB7 Gは◆3という別々のセットです。

  • ◆2(B5 X・B7 X):フロント車速感知無段間けつ式ワイパー(雨滴感知付)/ステアリングスイッチ(プロパイロット 2.0)/ヘッドアップディスプレイ/ダブルシャークフィンアンテナ/プロパイロット リモート パーキング/プロパイロット 2.0/ワイパーデアイサー/リヤLEDフォグランプ〈中央〉
  • ◆3(B5 G・B7 G):ステアリングスイッチ(プロパイロット 2.0)/アドバンスド アンビエント ライティング(マルチカラー)/ダブルシャークフィンアンテナ/プロパイロット リモート パーキング/プロパイロット 2.0/ワイパーデアイサー/リヤLEDフォグランプ〈中央〉

◆2にあって◆3にない雨滴感知付ワイパーとヘッドアップディスプレイは、B5 GとB7 Gではもともと標準装備です。装備一覧にセットの値段は載っていないので、いくら足されるかは見積もりで確かめることになります。

全高は1,550mmから1,565mmに上がります。高さ1,550mmまでの機械式駐車場を使う前提で探しているなら、この15mmで車庫に入らなくなります。

クラ

あとからディーラーで付けてもらう、っていうのはできないの?

シキ

できない。装備一覧の注記が『メーカーの工場で装着するため、ご注文後はお受けできません』と書いている

一充電走行距離の差は、暮らしのなかでは充電の回数に変わります。VW ID.4のLiteとProでは、178kmの差を年1万kmで充電7回ぶんと置き換えています。

5グレードで同じ行と、分かれる行

諸元表を縦に並べてみると、5グレードで同じ値が続く行のほうが多いことに気づきます。

全長4,360mm、全幅1,810mm、ホイールベース2,690mm、最低地上高135mm、室内長1,970mm・室内幅1,540mm、乗車定員5名、最小回転半径5.3m。ここまでが5グレード共通です。前がストラット式、後ろがマルチリンク式というサスペンションの形式も、原動機の型式YM52と定格出力70kWも、駆動方式の前輪駆動も5グレードとも同じです。車名型式も5グレードとも「ニッサン ZAA-ZE2」で、頭のZAAという識別記号まで揃います。

距離と電力量消費率のほかに値が分かれるのは、重さ・トレッド・タイヤ、電池とモーターの欄、それに括弧つきの値が入る全高(プロパイロット 2.0装備車)と室内高(調光パノラミックガラスルーフ装備車)です。

行B5 SB5 XB5 GB7 XB7 G
車両重量1,750kg1,770kg1,820kg1,880kg1,920kg
車両総重量2,025kg2,045kg2,095kg2,155kg2,195kg
トレッド 前/後1,585/1,580mm1,575/1,565mm1,575/1,565mm1,575/1,565mm1,575/1,565mm
タイヤ 前・後215/55R18 95H215/55R18 95H235/45R19 95V215/55R18 95H235/45R19 95V
駆動用バッテリー 総電圧372V372V372V353V353V
最高出力130kW(177PS)/3,600-11,700rpm同左同左160kW(218PS)/4,400-11,700rpm同左
最大トルク345N・m(35.2kgf・m)/0-3,500rpm同左同左355N・m(36.2kgf・m)/0-4,300rpm同左

モーターの型式YM52と定格出力70kWは5グレードとも同じですが、最高出力と最大トルクはB5の3グレードが130kW・345N・m、B7の2グレードが160kW・355N・mです。総電圧は容量の大きいB7のほうが低く、372Vに対して353Vになっています。

車両重量は、B5 Sの1,750kgからB7 Gの1,920kgまで170kgの幅があります。諸元表の欄外には「メーカーオプションの装着により、車両重量が変更となる場合があります」という注記もあるので、ここに書かれた重量はオプションを付けない状態の値です。

B5 Gが持っていて、B7 Xには付かないもの

値段と距離だけで選ぶとB7 Xになりますが、B5 Gには、B5 SにもB5 XにもB7 Xにも付かない装備が、B7 Gと共通でまとまって入ります。

装備B5 S・B5 X・B7 XB5 G・B7 G
前席運転席シートリフター前席パワーシート(スライド、リクライニング、前後独立リフター、4WAYランバーサポート)
シート地ファブリックテーラーフィット
運転席の記憶なしパーソナルドライビングポジションメモリーシステム(ドアミラー連動)
オーディオ4スピーカーBOSEパーソナルプラスサウンドシステム(10スピーカー、運転席用アナウンス)
ヘッドライトハイビームアシストアダプティブLEDヘッドライトシステム
バックドアなしリモコンオートバックドア(ハンズフリー機能、挟み込み防止機構付)
回生ブレーキなし回生ブレーキコントロールパドル
ヘッドアップディスプレイB5 Sは設定なし、B5 X・B7 Xは◆2標準
ワイパー車速感知無段間けつ式(B5 X・B7 Xは◆2で雨滴感知付)雨滴感知付
タイヤ・ホイール215/55R18+18インチ(B5 Sはフルホイールカバー、B5 X・B7 Xはアルミホイール)235/45R19+19インチアルミホイール

毎日座る部分にも差があります。B5 S・B5 X・B7 Xの運転席は、高さを変えるシートリフターまでが装備で、前後の位置も背もたれの角度も手で動かします。B5 GとB7 Gは前席がパワーシートになり、腰を支える位置を4方向に動かせるランバーサポートが付きます。運転する人が2人いる家なら、乗り替わるたびにシートとドアミラーを合わせ直す手間が、ポジションメモリーでなくなります。

サイドウォールの高さは、215/55R18が約118mm、235/45R19が約106mm。19インチのほうが12mm薄くなります。

日産 リーフ B7 X(ZAA-ZE2)の左前輪まわりの接写。タイヤのサイドウォールに「215/55R18」の刻印が見え、黒地に白いスポークの18インチアルミホイールが付く
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

アリアの4タイプは、価格差が約140万円あっても装備表で違うのは3行です。リーフの5グレードは、シートもヘッドライトもスピーカーもホイールも、Gに上がるところで一度に入れ替わります。

クラ

毎日座るところと、年に何回かの長距離。どっちを取るかって話か

シキ

B5 GはB7 Xより約46万円高い。その46万円で、いま並べた装備を買うかどうかになる

B5 Sで選べないもの、5グレードとも同じもの

B5 Sは、5グレードで唯一プロパイロット 2.0を選べないグレードで、次の装備にも設定がありません。

  • インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)※B5 Sはバックビューモニター
  • インテリジェントルームミラー
  • ヒートポンプシステム(省電力暖房システム)
  • ETC2.0ユニット(ビルトインタイプ)、ワイヤレス充電器、ドライブレコーダー(前後セット)
  • リヤセンターアームレスト(カップホルダー付)、リヤのカップホルダー2個
  • ◆4のセット(オーバーヘッドコンソール/ルーフレール/調光パノラミックガラスルーフ)

ステアリングヒーターは、B5 X・B5 G・B7 X・B7 Gでは標準です。B5 Sだけが◆1というセットのメーカーオプションに入っていて、ドアミラーのヒーター、後席用吹き出し口、リヤのUSB電源ポート(TYPE-C 2個)、後席ヒーター付シート、リヤヒーターダクト、バッテリーヒーターと同じセットです。ステアリングヒーターだけを単独では選べません。

前席のヒーター付シートは、5グレードとも標準です。後席のヒーター付シートは5グレードともメーカーオプションで、B5 Sは◆1、残る4グレードは◆5に入ります。

運転支援も5グレードで揃います。プロパイロット、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、BSI&BSW(後側方衝突防止支援システムと後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、標識検知機能、衝突回避ステアリングアシスト、SOSコール、プロパイロット緊急停止支援システムは、B5 Sにも標準で付きます。12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイと統合型インターフェースディスプレイ、チルト・テレスコピックステアリング、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、e-Pedal Stepも5グレード共通です。

100V AC電源(1500W)は、センターコンソールに1個・ラゲッジに1個という内容で、5グレードともメーカーオプションです。AC外部給電コネクターと6kW普通充電器(車載用)、普通充電ポート、急速充電ポート、タイヤ応急修理キット(スペアタイヤレス)は、5グレードとも標準です。

一充電走行距離が同じ数字で並ぶのは、リーフのB5 XとB5 Gだけではありません。サクラとeKクロスEVは2台とも180kmです。

8月の台数は1,395台。ZAA-ZE2の買取相場はまだ出ていない

リーフは、自販連の「乗用車ブランド通称名別順位 2026年8月分」で33位に入り、台数は1,395台でした。前年対比は722.8で、前年の同じ月の7倍を超えています。

一方で、カーセンサーのリーフの買取相場のページが扱っているのは、2010年12月の初代と2017年10月の2代目です。グレード別に並ぶ15行の型式は、11行が先代のZAA-ZE1、4行が初代のZAA-AZE0でした。現行型(ZAA-ZE2)の行はまだ出ていません。 平均買取相場として挙がっているのも2010〜2017年式と2017〜2025年式の2本で、現行型の年式は入っていないので、いま下取りの目安には使えません。

決める順番は、電池・グレード・セットオプション

最初に決めるのは、B5かB7かです。 ここで一充電走行距離の上限(521kmまたは702km)と、総電圧・最高出力・最大トルクが同時に決まります。電池は納車後に替えられません。B5 Gを考えているなら、この段階でB7 Xを並べておくと比べやすくなります。約46万円安く、233km長く走れる組み合わせだからです。

次に決まるのは、毎日手と体が触れる部分です。 S・X・Gで、前席がパワーシートになるか、シート地がテーラーフィットになるか、ヘッドライトがアダプティブLEDになるか、スピーカーが4個か10個か、ホイールが18インチか19インチかが分かれます。シートの形も表皮も、あとで単品で買える部品ではなく、グレードごとに決まっています。

最後がセットのメーカーオプションです。 プロパイロット 2.0を含む◆2と◆3、ガラスルーフの◆4、後席まわりの暖房の◆5、B5 Sだけの◆1。◆2か◆3を選ぶと、カタログに載る一充電走行距離はB5 XとB5 Gで8km、B7で15km短い側の値になり、全高は1,565mmに上がります。数字が変わるのはこの段階なので、機械式駐車場の高さ制限がある人は、見積もりの前に上限を確かめておくことになります。

この順を逆にして装備から積み上げていくと、B5 XやB5 Gで予算を使い切ります。そのときの一充電走行距離は469kmです。B5 Gの予算なら702km走れる組み合わせが表の中にあることは、見積もりを取る前に知っておくほうがいいのではないでしょうか。

※価格は日産自動車のグレード別価格データによるメーカー希望小売価格(2026年9月現在・東京地区・消費税込み)で、税金・保険・諸費用・オプション価格は含みません。諸元と装備は「リーフ 主要装備一覧・主要諸元」(2026年9月版)から読み取りました。交流電力量消費率および一充電走行距離は定められた試験条件での値で、使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況によって値は異なります。いずれも執筆時点の情報で、最新の内容は販売店にご確認ください。