型式の頭の記号 E-・DBA-・6AA-|何が読み取れる?
6AA-って何の記号?
真ん中がAならハイブリッド1文字で分かるんだ
乗用車で数字始まりなら平成30年規制
3文字なら、まず真ん中の1文字それなら覚えられる! 中古車情報の型式欄には、「E-AE86」や「6AA-ZWR90W」のように、ハイフンの前に短い記号が付いています。ハイフンより後ろはメーカーが決める型式で、手前は国土交通省が定めている識別記号です。そのクルマがどの排出ガス規制に適合しているか、低排出ガス車の認定を受けているか、燃料は何か、ハイブリッドかどうか、用途の区分は何かを、この1〜3文字が表しています。
うちは夫婦2人で、年式の古い中古車を1台探してるところ。掲載ページを見てると『GF-』のクルマもあれば『DBA-』のクルマもあって、何が違うのか分からないまま眺めてた
先に文字数を数えてください。3文字なら平成17年規制以降の記号、1〜2文字ならそれより前の記号で、読み方の表が別になります。DBA- は3文字のほう、GF- は2文字のほうです
3文字の記号は、真ん中の1文字から見る
平成17年規制以降の識別記号は3桁です。1桁目が排出ガス規制の年と低排出ガス車の認定、2桁目が燃料とハイブリッドの有無、3桁目が用途と重量の区分を表します。

3つのうち最初に見るのは2桁目です。A ならガソリン(または LPG)のハイブリッド車、B ならハイブリッドではないガソリン車です。
| 記号 | 燃料 | ハイブリッド |
|---|---|---|
| A | ガソリン・LPG | 有 |
| B | ガソリン・LPG | 無 |
| C | 軽油 | 有 |
| D | 軽油 | 無 |
| E | CNG | 有 |
| F | CNG | 無 |
| G | メタノール | 有 |
| H | メタノール | 無 |
| L | ガソリン・電気/LPG・電気 | 有 |
| M | 軽油・電気 | 有 |
| Y | その他 | 有 |
| Z | その他 | 無 |
2桁目から見るのは、車名やグレード名からは分からないことが、ここで分かるからです。VW ゴルフの eTSI は 3AA-、メルセデス GLA 180 は 4AA- で始まります。どちらも名前に「ハイブリッド」とは入っていませんが、2桁目は A です。
48Vのマイルドハイブリッドって、制度上はハイブリッドに入るの?
識別記号では入ります。ゴルフ eTSI の2桁目の A は、表でいうと『ガソリン・LPG、ハイブリッド有』です。メルセデス GLC 220 d は 3CA- で、C は『軽油、ハイブリッド有』。ディーゼルに ISG(Integrated Starter Generator)を組み合わせたクルマが、この区分に入っています
掲載ページに型式が書いてあれば、販売店に聞く前に自分で確かめられるね。A だったら、モーターの出力まで分かる?
2桁目で分かるのは、燃料の種類とハイブリッドの有無までです。電動機の定格出力は、識別記号ではなく諸元表に書かれています
ゴルフ eTSI の装備はVWゴルフのグレードの違い、GLC 220 d の電動機はメルセデス GLA・GLB・GLCの年式で扱っています。
1桁目が Z の記号だけは、2桁目と3桁目の読み方が別です。Z は排出ガス規制の適用を受けない自動車に付き、このときの2桁目は A が電気、B が燃料電池、3桁目は A が乗用車、B が貨物を表します。「ZAA-」で始まる型式は、電気自動車の乗用車です。
1桁目は、適合した規制の年と認定のレベルを表す
| 規制年 | 認定なし | 25%低減 | 50%低減 | 75%低減 |
|---|---|---|---|---|
| 平成17年規制 | A | — | C | D |
| 平成19年規制 | E | — | G | H |
| 平成20年規制 | K | — | — | — |
| 平成21年規制 | L/F | — | M | R |
| 平成22年規制 | S | — | — | — |
| 平成23年規制 | U | — | — | — |
| 平成24年規制 | W | — | — | — |
| 平成25年規制 | X | — | — | — |
| 平成26年規制 | Y | — | — | — |
| 平成28年規制 | 2 | — | — | — |
| 平成30年規制 | 3/7 | 4 | 5 | 6 |
| 平成32年規制 | 8 | — | — | — |
| 令和6年規制 | 9 | — | — | — |
この表には、二輪車や特殊自動車、重量車などに適用される規制も並んでいます。平成28年規制の「2」は、対象がディーゼル重量車と二輪車です。乗用車に数字の記号が付くのは、平成30年規制の 3〜7 からです。
乗用車の型式が数字で始まっていれば、平成30年(2018年)規制に適合したクルマです。3 は認定なし、4 は25%低減、5 は50%低減、6 は75%低減を表します。7 も認定なしの記号で、国土交通省の表では「無(排出ガスの上限値規制)」と書かれ、注記で対象が「PHP車」とされています。PHP は輸入自動車特別取扱制度のことで、輸入台数の少ない自動車のために設けられた認証制度です。
行が多いね。乗用車を探してるうちが見るのは、どの行?
国土交通省の表の注記で乗用車が対象に入っているのは、平成17年、平成21年、平成30年の3つの規制です。乗用車で1桁目が Z 以外のアルファベットなら、前の2つのどちらかになります
うちが見てる DBA- は、D だから平成17年規制で75%低減の行だね
3桁目は用途の区分で、末尾 D は貨物・乗合の軽自動車
3桁目は、用途と重量の区分です。乗用車と貨物・乗合とで、使う記号が分かれています。下の表では、二輪車や原動機付自転車、特殊自動車の記号を省いています。
| 記号 | 用途 | 区分 |
|---|---|---|
| A | 乗用車 | 平成17年規制のディーゼル車以外 |
| B | 乗用車 | 平成17年規制のディーゼル車(車両重量1,265kg以下) |
| C | 乗用車 | 平成17年規制のディーゼル車(車両重量1,265kg超) |
| D | 貨物・乗合 | 軽自動車 |
| E | 貨物・乗合 | 車両総重量1.7トン以下 |
| F | 貨物・乗合 | 車両総重量1.7トン超、3.5トン以下 |
| G | 貨物・乗合 | 車両総重量3.5トン超 |
| Y | 超小型モビリティ | 貨物自動車 |
| Z | 超小型モビリティ | 乗用車 |
見落とされやすいのは、D の「軽自動車」が貨物・乗合の区分に置かれていることです。ダイハツ ハイゼットカーゴの 3BD-S700V、スズキ エブリイの 3BD-DA18V は、どちらも末尾が D です。一方、軽の乗用車は乗用車の区分に入るので、末尾は D になりません。ホンダ N-BOX の型式は 5BA-JF5 と 5BA-JF6 で、どちらも末尾は A です。
末尾が A なら普通車、って読もうとしてた。軽かどうかは、末尾の文字からは分からないんだ
末尾が D なら、貨物・乗合の軽自動車だと言えます。末尾が A のときに分かるのは乗用車だということまでで、軽かどうかは3桁目からは分かりません
1桁目から3桁目まで読むと、トヨタ ノアのハイブリッド車の 6AA-ZWR90W は次のようになります。
| 桁 | 記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 1桁目 | 6 | 平成30年規制に適合+排出ガス75%低減レベルの認定 |
| 2桁目 | A | ガソリン・LPG でハイブリッド有 |
| 3桁目 | A | 乗用車で、平成17年規制のディーゼル車以外 |
国産車と輸入車の型式を、同じ規則で並べます。
| 型式 | 車種 | 読み方 |
|---|---|---|
| 6AA-ZWR90W | トヨタ ノア/ヴォクシー HV | 平成30年規制・75%低減/ガソリンHV/乗用車 |
| 6BA-MZRA90W | トヨタ ノア 2.0ガソリン | 平成30年規制・75%低減/ガソリン非HV |
| 3BA-ZRR85W | トヨタ ヴォクシー(先代・2.0) | 平成30年規制・認定なし/ガソリン非HV |
| 6AA-MXPJ10 | トヨタ ヤリスクロス HV | 平成30年規制・75%低減/ガソリンHV |
| 5BA-MXPB10 | トヨタ ヤリスクロス ガソリン | 平成30年規制・50%低減/ガソリン非HV |
| 3BD-S700V | ダイハツ ハイゼットカーゴ | 平成30年規制・認定なし/ガソリン非HV/貨物・乗合の軽自動車 |
| 3BD-DA18V | スズキ エブリイ | 同上 |
| 3AA-CDDXD | VW ゴルフ eTSI | 平成30年規制・認定なし/ガソリンHV |
| 3DA-CDDTT | VW ゴルフ TDI | 平成30年規制・認定なし/軽油・非HV |
| 3CA-254605C | メルセデス GLC 220 d(ISG) | 平成30年規制・認定なし/軽油・HV有 |
| 5LA-254656 | メルセデス GLC 350 e | 平成30年規制・50%低減/ガソリン・電気(PHEV) |
| 4AA-247784M | メルセデス GLA 180 | 平成30年規制・25%低減/ガソリンHV |
1〜2文字の記号は、平成16年規制までの記号

平成16年規制までの識別記号は、1文字か2文字です。国土交通省の一覧では、1文字の記号が昭和50年度規制から平成4年規制まで、2文字の記号が平成5年規制から平成16年規制までに割り当てられています。記号が短いほど、適合した規制は古くなります。
旧車やネオクラシックの乗用車で目にする記号を、3文字の記号とあわせて並べます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| E | 昭和53年度規制に適合(乗車定員10人以下の乗用車) |
| GF | 平成10年アイドリング規制+昭和53年度規制の乗用車(非HV) |
| GH | 平成12年規制(ガソリン・LPG、非HV、乗用の普通・小型・軽) |
| TA | 平成12年規制+25%低減(ガソリン・LPG、非HV、乗用) |
| LA | 平成12年規制+50%低減(同上) |
| UA | 平成12年規制+75%低減(同上) |
| XA / YA / ZA | TA / LA / UA のハイブリッド版 |
| ABA | 平成17年規制・認定なし(ガソリン非HV) |
| CBA | 平成17年規制・50%低減 |
| DBA | 平成17年規制・75%低減 |
| DAA | 平成17年規制・75%低減・ハイブリッド |
冒頭の写真の2台は、左の E-AE86(スプリンタートレノ)が昭和53年度規制に適合した乗用車、右の GF-S15(シルビア)が平成10年アイドリング規制と昭和53年度規制に適合した、ハイブリッドではない乗用車です。
候補の中に E- のクルマもある。昭和53年度規制ってことは、昭和50年代に作られたクルマなの?
記号から言えるのは、昭和53年度規制に適合しているところまでです。作られた年は記号からは分かりません。GF の定義には、平成10年アイドリング規制と並んで『昭和53年度規制に適合させたもの』とあって、平成10年の規制の記号にも昭和53年度規制が出てきます
掲載ページの年式が平成で、型式が E- でも、おかしくはないんだね
同じグレード名でも、記号が違えば別の仕様として見る
同じ車種の同じグレード名なのに、ハイフンの前が違う2台が並んでることがあるんだけど、あれは同じクルマとして比べていいの?
別の仕様として見てください。記号が違うなら、適合した規制、低排出ガス車の認定、燃料とハイブリッドの区分、用途の区分のどれかが違います。メルセデス GLB 180 は、ハイフンより後ろは同じで、前の記号が変わっています
| モデル | 型式 | 読み方 |
|---|---|---|
| 旧 | 5BA-247684M | 50%低減/ガソリン非ハイブリッド |
| 現行 | 4AA-247684M | 25%低減/ガソリンハイブリッド |
2桁目が B から A に変わっているので、ハイブリッドではないガソリン車の区分から、ハイブリッド有の区分に変わったことが読み取れます。現行の Data Information(メルセデス・ベンツ日本の諸元・装備表)には、定格8kWの電動機(EM0025)が記載されています。1桁目も 5 から 4 に変わり、低排出ガス車の認定は50%低減から25%低減になっています。
年式が近い2台を並べるときほど、グレード名だけでは違いに気づきにくくなります。5BA と 4AA の違いは、GLBの年式による違いで扱っています。
型式欄は、文字数、真ん中の1文字、1桁目の順に見る
車検証や掲載ページの型式欄では、最初にハイフンの前の文字数を数えます。3文字か、1〜2文字かで、読み方に使う表が変わります。
3文字なら、次に見るのは真ん中の1文字です。燃料の種類とハイブリッドの有無を確かめてから、1桁目で適合した規制を読みます。1桁目が Z 以外のアルファベットなら平成17年から平成26年までの規制、数字なら平成28年以降の規制で、乗用車に付く 3〜7 は平成30年規制です。
年式は掲載ページで確かめます。候補が2台あって記号が違っていたら、同じグレード名でも別の仕様として、装備を1台ずつ照合してください。
※制度の内容は執筆時点の情報です。国土交通省の「平成17年規制以降の自動車排出ガス規制の識別記号」(令和7年1月10日現在)と「自動車排出ガス規制の識別記号一覧」にもとづきます。記号の体系は改正されることがあります。個別の車両の区分は、車検証と販売店で確かめてください。