車検の有効期間|毎年か2年ごとかは何で決まる?
道路運送車両法 第六十一条が定める車検証の有効期間は、1年・2年・3年の3通りです。初めて車検証が交付されるときの年数(初回)と、継続検査を受けたあとの年数(2回目以降)が違う車もあります。自家用の乗用車は、レンタカーなどを除いて初回が3年、そのあと2年ごと。軽自動車を除くと、車両総重量8トン未満の貨物は初回が2年、そのあと毎年です。車検のある軽自動車(法令では「検査対象軽自動車」)は、貨物でも毎年にはなりません。
年数そのものは、電子車検証の券面に印字されていません。一方で、1年か2年か3年かを分ける条件は第六十一条と同法施行規則 第三十七条に書かれていて、その当てはめに使う「自動車の種別」「自家用・事業用の別」「用途」「乗車定員」「車両総重量」は、どれも券面に記載される欄です。レンタカーかどうかは、ナンバーの平仮名で見分けられます。
欄の組み合わせごとの、初回と2回目以降の年数
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトにある「車種別の有効期間一覧」の区分に沿って、車検証とナンバーで見るところと、根拠の条文を並べました。上の8行が検査対象軽自動車以外、下の2行が検査対象軽自動車です。
| 車検証とナンバーで見るところ | 初回 | 2回目以降 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 事業用で、旅客を運ぶ車(バス、タクシー) | 1年 | 1年 | 法 第六十一条第一項 |
| 用途が貨物で、車両総重量8トン以上 | 1年 | 1年 | 法 第六十一条第一項 |
| 用途が貨物で、車両総重量8トン未満(自家用・事業用とも) | 2年 | 1年 | 法 第六十一条第一項、同条第二項第一号 |
| 自家用で、乗車定員11人以上 | 1年 | 1年 | 施行規則 第三十七条第一項第一号 |
| 自家用で、専ら幼児の運送を目的とする車(幼児専用車) | 1年 | 1年 | 施行規則 第三十七条第一項第二号 |
| レンタカー(ナンバーの平仮名が「わ」など)。貨物・乗車定員11人以上・幼児専用車を除く | 2年 | 1年 | 施行規則 第三十七条第一項第三号、同条第二項 |
| 自家用の乗用車(分類番号が3・5・7で始まる)※1、二輪の小型自動車 | 3年 | 2年 | 法 第六十一条第二項第二号 |
| 自家用で、特種の用途に供する車(分類番号が8で始まる)※2 | 2年 | 2年 | 法 第六十一条第一項、施行規則 第三十七条第三項第六号 |
| 検査対象軽自動車の自家用乗用 ※1 | 3年 | 2年 | 法 第六十一条第一項、同条第二項第二号 |
| 検査対象軽自動車の貨物(自家用・事業用とも) | 2年 | 2年 | 法 第六十一条第一項 |
※1 施行規則 第三十七条第三項に挙がる車(車両総重量8トン以上、乗車定員11人以上、レンタカー、幼児専用車、自家用三輪自動車、特種の用途に供する車、自家用大型特殊自動車)を除きます。
※2 乗車定員11人以上、幼児専用車、レンタカーは、それぞれ上の行に入ります。
『4ナンバーのバンは毎年車検』って聞いてたんだけど、毎年になるのは2回目からなんだ
軽のバンでなくて、車両総重量8トン未満なら。新車で最初に受け取る車検証は2年
中古で買ったバンだと?
初回の2年は、初めて交付されたときだけ。買ったあとに受ける継続検査からは1年
第六十一条は1年と2年に分け、初回の年数だけを別に決めている
自動車検査証の有効期間は、旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車、貨物の運送の用に供する自動車及び国土交通省令で定める自家用自動車であつて、検査対象軽自動車以外のものにあつては一年、その他の自動車にあつては二年とする。
2 次の各号に掲げる自動車について、初めて前条第一項又は第七十一条第四項の規定により自動車検査証を交付する場合においては、前項の規定にかかわらず、当該自動車検査証の有効期間は、それぞれ当該各号に掲げる期間とする。
一 前項の規定により自動車検査証の有効期間を一年とされる自動車のうち車両総重量八トン未満の貨物の運送の用に供する自動車及び国土交通省令で定める自家用自動車であるもの 二年
二 前項の規定により自動車検査証の有効期間を二年とされる自動車のうち自家用乗用自動車(人の運送の用に供する自家用自動車であつて、国土交通省令で定めるものを除く。)及び二輪の小型自動車であるもの 三年
(道路運送車両法 第六十一条第一項・第二項)
第一項は、車を1年と2年の2つに分けています。1年になるのは、旅客を運ぶ自動車運送事業に使う車、貨物を運ぶ車、国土交通省令で定める自家用自動車で、いずれも検査対象軽自動車を除きます。それ以外は2年です。検査対象軽自動車は、事業用でも貨物でも2年のほうです。
第二項は、初めて車検証を交付するときだけの定めです。「前条第一項」は新規検査に合格したときの交付、「第七十一条第四項」は予備検査を受けた車に使用の本拠の位置が定まったときの交付を指します。1年に分けられた車のうち、車両総重量8トン未満の貨物と、省令で定める自家用自動車は、初回が2年。2年に分けられた車のうち、自家用乗用自動車と二輪の小型自動車は、初回が3年です。
継続検査に合格した車の車検証には、第六十二条第二項によって新しい有効期間が記録されます。この記録に第二項はかからないので、2回目以降は第一項の年数です。
「検査対象軽自動車」は、第五十九条第一項の括弧書きで、検査対象外軽自動車を除いた軽自動車として定義されています。検査対象外軽自動車は、施行規則 第三十五条の二で、二輪の軽自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、一部の被牽引自動車の3つとされていて、車検の要らない軽はこの3種類です。四輪の軽乗用車や軽バン、軽トラックは、検査対象軽自動車に入ります。
省令で定める自家用自動車は、施行規則 第三十七条にある
法第六十一条第一項の国土交通省令で定める自家用自動車は、次に掲げる自動車とする。
一 乗車定員十一人以上の自家用自動車
二 専ら幼児の運送を目的とする自家用自動車
三 第三十一条の三第二号の許可に係る自家用自動車
2 法第六十一条第二項第一号の国土交通省令で定める自家用自動車は、前項第三号に掲げる自動車のうち、貨物の運送の用に供する自動車並びに同項第一号及び第二号に掲げる自動車を除いたものとする。
3 法第六十一条第二項第二号の国土交通省令で定める人の運送の用に供する自家用自動車は、次に掲げる自動車とする。
一 車両総重量八トン以上の自家用自動車
二 乗車定員十一人以上の自家用自動車
三 道路運送法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車
四 専ら幼児の運送を目的とする自家用自動車
五 自家用三輪自動車
六 広告宣伝用自動車その他特種の用途に供する自家用自動車
七 自家用大型特殊自動車
(道路運送車両法施行規則 第三十七条)
第一項第三号の「第三十一条の三第二号の許可」は、道路運送法 第八十条第一項の許可を指します。同項は「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。」という規定で、この許可を受けて貸し出される車を、ポータルサイトの一覧は「貸渡自動車(レンタカー)」と呼んでいます。ナンバーの平仮名では、この許可に係る自家用自動車に「わ」などが割り当てられています(自動車登録規則 別表第三、施行規則 別表第二の五)。
第二項は、第一項の3つのうち初回が2年に延びる車を、レンタカーから貨物・乗車定員11人以上・幼児専用車を除いたものに絞っています。貨物のレンタカーは、貨物の行で当てはめます。
第三項は、初回3年から外す車を並べています。表で自家用の特種用途自動車の初回が2年なのは、第六号の「広告宣伝用自動車その他特種の用途に供する自家用自動車」に当たるためです。
ナンバーの分類番号だけでは、年数が決まらない
自動車登録規則 別表第二は、登録自動車の分類番号を自動車の種別と用途で振っています。先頭の数字は、1が貨物の普通自動車、2が乗車定員11人以上の普通自動車、3が乗車定員10人以下の普通自動車、4と6が貨物の小型自動車、5と7が人を運ぶ小型自動車、8が特種の用途に供する普通自動車と小型自動車、9と0が大型特殊自動車です。検査対象軽自動車は施行規則 別表第二の四で、4と6で始まる番号が貨物、5と7が人の運送、8が特種の用途です。
分類番号は普通自動車と小型自動車を分けますが、第六十一条は分けていません。車両総重量8トン未満の貨物なら、1ナンバーでも4ナンバーでも初回2年、そのあと1年です。逆に、同じ1ナンバーでも車両総重量が8トン以上なら、初回から1年になります。
4で始まる番号は、小型自動車の貨物にも、検査対象軽自動車の貨物にも使われています。年数は、小型自動車なら初回2年・そのあと1年、検査対象軽自動車なら2年ごとで、この2つを分けるのは券面の「自動車の種別」の欄です。
別表第二で乗車定員の区分を持つ番号は、普通自動車の2と3だけです。小型自動車の5と7には乗車定員の区分がありません。1年になる条件は第三十七条第一項第一号の「乗車定員十一人以上」なので、当てはめには分類番号ではなく乗車定員の欄を使います。
一覧に行が無い組み合わせも、同じ条文で当てはめる
キャンピング車は、国土交通省の「自動車の用途等の区分について(依命通達)」で、特種用途自動車等の車体の形状の1つに挙がっています。
(4) キャンプ又は宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車であって、車体の形状が次に掲げるもの
キャンピング車、放送宣伝車、キャンピングトレーラ
(自動車の用途等の区分について(依命通達)4-1-3)
8ナンバーのキャンピング車なら、初回から2年ごと、で合ってる?
自家用で、乗車定員10人以下で、レンタカーでなければ。第三十七条第一項第一号の『乗車定員十一人以上の自家用自動車』は用途を限っていないから、11人以上なら特種の用途でも初回から1年
8ナンバーのキャンピング車を、レンタカーとして貸し出していたら?
第一項第三号も用途を限っていない。検査対象軽自動車ではなくて、乗車定員10人以下なら第二項に入って、初回2年、そのあと1年
検査対象軽自動車のうち、特種の用途に供する自家用の車(分類番号が8で始まる軽)、レンタカー、幼児専用車は、初回も2回目以降も2年です。軽は第六十一条第一項で2年に分けられ、初回を3年にする第二項第二号からは、第三十七条第三項の第六号(特種の用途)、第三号(レンタカー)、第四号(幼児専用車)で外れます。
車両総重量8トン以上の自家用の乗用車は、初回から2年ごとです。第六十一条第一項では2年に分けられ、初回3年の対象からは第三十七条第三項第一号で外れます。
車中泊の車を選ぶ前に、車検の予定を並べてみる
施行規則 第四十四条は、満了する日の2か月前から満了する日までに継続検査を受けた場合、新しい有効期間を満了する日の翌日から数えると定めています。この期間内に継続検査を受け続けると、有効期間は、初回と2回目以降の年数を足した時期に満了していきます。
| 区分 | 初めて交付されてから、有効期間が満了するまでの年数 |
|---|---|
| 自家用の乗用車 ※1、検査対象軽自動車の自家用乗用 ※1 | 3年、5年、7年、9年… |
| 検査対象軽自動車以外で、用途が貨物・車両総重量8トン未満の車と、レンタカー(貨物・乗車定員11人以上・幼児専用車を除く) | 2年、3年、4年、5年…(最初の2年のあとは1年ごと) |
| 自家用の特種用途自動車 ※2、検査対象軽自動車の貨物 | 2年、4年、6年、8年… |
車中泊用に、軽じゃない4ナンバーのバンか、10人乗り以下の8ナンバーのキャンピング車を、新車で買うとする。最初の車検が来るのは、どっちも2年後なんだね
そう。予定が分かれるのは2回目の車検から
旅行で借りる『わ』ナンバーの車も、自分の乗用車とは周期が違うんだ
検査対象軽自動車ではない乗用のレンタカーは、初回2年のあと1年ごと。同じ乗用でも、第三十七条第一項第三号に入るかどうかで年数が変わる。軽のレンタカーは初回も、そのあとも2年
国土交通大臣は、有効期間が過ぎる前に保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めた車について有効期間を短縮でき(第六十一条第三項)、天災などで継続検査を受けられない地域について、期間を定めて伸長を公示できます(第六十一条の二)。
満了する時期は、フロントガラスの検査標章に表示されます。車外から見える面は年と月(施行規則 第三十七条の三第二項)で、車内から見える面に満了する日の年月日があります。
制度の記述は執筆時点(2026年9月15日)の道路運送車両法・同法施行規則・自動車登録規則と、国土交通省の公表資料によります。