クラウンのセダンの全幅|1,700mmを超えたのはいつか?

1979年発売の6代目トヨタ クラウン セダン(型式E-MS110の2000EFI・スーパーサルーン)を左斜め後ろから見た外観。濃い茶色のボディに細いピラーと、橙と赤に分かれた横長のテールランプが並び、ホイールと車高を変えた個体
写真: 先従隗始 / Wikimedia Commons ( CC0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
シキが白紙を両手で胸の前に持って立ち、クラがマグカップを持って口を開けて話しかけている クラウンって、いつから3ナンバーになったの?
シキが白紙を片手に持ち、もう片方の手のひらを上に向けて説明し、クラがマグカップを持って真顔で聞いている セダンで全幅が1,700mmを超えたのは1979年
シキが白紙を両手で体の前に持って立ち、クラがマグカップを持ったまま手を口元に添えて目を丸くしている 同じ6代目でも、2000は1,690mmえ、同じ代で超える車と超えない車が並んでたの?
シキが白紙を持って手のひらを上に向けて告げ、クラがマグカップを持って笑っている 2001年のセダンは3グレードとも1,695mm年式じゃなくてグレードを見るんだね

クラウンのセダンで全幅が1,700mmを超えたのは1979年です。ただし、その年からクラウンが丸ごと1,700mm超えになったわけではありません。

トヨタ自動車75年史の車両詳細で、6代目(1979年9月18日発売)のページを開くと、載っている3グレードの全幅は1,715mm・1,690mm・1,690mmです。1,700mm超と1,700mm以下が、1ページの中に並んでいます。

「クラウンって、何年式から3ナンバーなんだろう」。古い個体を探していると、まず年式で当たりを付けたくなるところです。ところが全幅を決めているのは、年式ではなくグレードのほうです。1,700mmは小型自動車(5ナンバー)の幅の上限にあたる数字で、区分そのものは幅だけでは決まりません。条件の全体は5ナンバーと3ナンバーの分かれ目にまとめてあります。

追うのは、75年史の系統図に「セダン」として並ぶ11件です。9代目(1991年10月)からは「クラウン ロイヤル ハードトップ」が別のエントリーになり、1999年9月には「クラウン ロイヤル/アスリート」がさらに別の系統に分かれます。マジェスタもコンフォートもハードトップも、この11件には入っていません。1964年4月発売のクラウンエイト(VG10)も別の車名として載っていて、こちらは全幅1,845mmです。75年史が扱うのは2012年までなので、いまのクラウンの話はクラウン クロスオーバーとスポーツのほうにあります。

各ページには「代表するグレードのスペックを表示しております」という注記が付いていて、載るのは1〜3グレード。その代のすべてではありません。

11代分の全幅を1枚に並べる

代発売日代表グレードの全幅(mm)1,700mmを超えるグレード
1代目1955年1月7日1,680なし
2代目1962年10月1日1,695/1,695/1,695なし
3代目1967年9月13日1,690/1,690/1,690なし
4代目1971年2月16日1,690/1,690/1,690なし
5代目1974年10月25日1,690/1,690/1,690なし
6代目1979年9月18日1,715/1,690/1,6901グレード
7代目1983年8月31日1,720/1,690/1,6901グレード
8代目1987年9月1日1,720/1,695/1,6951グレード
9代目1991年10月28日1,720/1,720/1,7203グレードとも
10代目1995年12月7日1,710/1,710/1,7103グレードとも
11代目2001年8月20日1,695/1,695/1,695なし

1,700mmを最初に超えるのは、6代目の1行目にある2800EFI・ロイヤルサルーンの1,715mmです。1代目から5代目までに載る13グレードは、いちばん広い2代目でも1,695mmで、1,700mmに届いていません。

11代分を1枚に並べてみると、1,700mmを超えるかどうかが変わるのは、代の変わり目とはかぎらないと分かります。6代目から8代目までは、同じ代の中に、1,700mmを超えるグレードと超えないグレードの両方があります。9代目で3グレードともそろい、そのあと10代目で1,710mm、11代目で1,695mmと2回下がります。全幅は、代を重ねるごとに広くなり続けてはいません。

6代目・7代目・8代目は、1つのページの中で幅が分かれる

1,700mmを超えるグレードと超えないグレードが同じページに載る代が、3つ続きます。

代代表グレード車両型式全幅(mm)全長(mm)車両重量(kg)
6代目2800EFI・ロイヤルサルーンE-MS1121,7154,8601,490
6代目2000EFI・スーパーサルーンE-MS1101,6904,6901,350
6代目2000・デラックスE-MS1101,6904,6901,350
7代目2800EFI DOHC・ロイヤルサルーンE-MS1231,7204,8601,480
7代目2000EFI・スーパーサルーンエクストラE-MS1201,6904,6901,415
7代目2000EFI・スタンダードE-GS1201,6904,6901,250
8代目3000EFI DOHC・ロイヤルサルーンE-MS1351,7204,8601,590
8代目2000EFI・スーパーサルーンエクストラE-GS1301,6954,6901,400
8代目2000EFI・デラックスE-GS1301,6954,6901,340

3代とも、同じ並びになっています。広いほうは全長が4,860mm、狭いほうは4,690mmで、差は170mm。幅の25〜30mmだけを見ていると小さな違いに思えますが、長さがこれだけ違うので、比べているのは同じ車体の広い版と狭い版ではありません。重量も、6代目なら1,490kgと1,350kgで140kg違います。

全幅が1,700mmを超えるかどうかは、載せているエンジンと車両型式で分かれています。6代目でいえば、1,715mmの2800EFI・ロイヤルサルーンが5M-EU型の2,759cc・145PS/5,000rpm でE-MS112。1,690mmの2000EFI・スーパーサルーンはM-EU型の1,988cc・125PS/6,000rpm、2000・デラックスはM-U型の1,988cc・110PS/5,600rpmで、どちらもE-MS110です(出力はネット値)。

75年史の表は、E-MS112-SENQE のように型式のうしろに記号を続けた形で書いています。先頭のE-やTA-は排出ガス規制の識別記号で、意味は型式の頭に付く記号のほうにまとめてあります。

濃紺のトヨタ クラウン セダン デラックス(型式E-GS130)を右斜め前から見た外観。角形4灯のヘッドライトと縦桟のグリルが並び、車体側面に細いモールが1本付いている
写真: 先従隗始 — Wikimedia Commons(CC0)
クラ

同じ年に売られていた車で、片方が1,715mmで片方が1,690mm。中古車サイトの写真だけでは見分けられないよ

シキ

1台でも分かる。車検証の型式の欄と、幅の欄を見ればいい

クラ

売る側が『クラウンの何代目』って書いてても、そこは見ないんだ

シキ

代では決まらないから

9代目でそろい、10代目と11代目で数字が下がる

9代目(1991年10月28日発売)のページに載る3グレードは、3000EFI DOHC・ロイヤルサルーンG、2500EFI DOHC・ロイヤルサルーン、2000EFI DOHC・スーパーサルーンエクストラで、全幅はどれも1,720mm、全長もどれも4,860mmです。車両重量は1,680kg・1,610kg・1,480kg。この1,680kgが、11代分の代表グレード31件のなかでいちばん重い数字です。同じころのトヨタの上級セダンなら、セルシオの3代の寸法も並べてあります。

見落とされやすいのは、次の10代目(1995年12月7日発売)のほうです。全幅は3グレードとも1,710mm。9代目より10mm狭くなっていますが、1,700mmは超えたままです。このページの解説文には「5と3ナンバーサイズの2種を用意し」とありますが、表に並ぶ3グレードはどれも1,710mmで、狭いほうの数字は表に出てきません。各ページの注記どおり、表に載るのはその代の見本です。10代目の1,710mmも、その見本の数字にすぎません。

11代目(2001年8月20日発売)は、3グレードとも全幅1,695mm、全長4,695mmです。1,700mm以下に戻ります。75年史はこの車を「主として公用車や社用車、ハイヤーといった用途向け」と書いていて、同じ解説文に「全長を延ばした3ナンバー仕様も存在する」ともあります。表の3グレードには、その仕様は入っていません。

クラ

2001年で1,695mmって、クラウンが小さくなったってこと?

シキ

ロイヤルサルーンやアスリートは、1999年から別の系統で並んでる。いま追っているのはセダンの系統だ

クラ

名前が同じでも、並んでいる系統が違うんだ

ホイールベースは、2代目から6代目まで2,690mmのまま

代ホイールベース(mm)代表グレードの車両重量(kg)
1代目2,5301,210
2代目2,6901,350/1,265/1,235
3代目2,6901,310/1,255/1,215
4代目2,6901,360/1,365/1,370
5代目2,6901,470/1,405/1,385
6代目2,6901,490/1,350/1,350
7代目2,7201,480/1,415/1,250
8代目2,7301,590/1,400/1,340
9代目2,7301,680/1,610/1,480
10代目2,7801,530/1,510/1,400
11代目2,7851,380/1,380/1,370

ホイールベースは、2代目から6代目まで2,690mmのまま変わっていません。代でいえば5代ぶん、発売日でいえば1962年10月1日から1979年9月18日までの約17年ぶんです。そのあいだに全幅は1,695mmから1,690mmへ5mm狭くなり、6代目で1,715mmが加わります。全長は、2代目のデラックスとスタンダードの4,610mmから、6代目の2800EFI・ロイヤルサルーンの4,860mmまで長くなっています。前後の車軸の間隔だけが変わらないまま、全幅と全長のほうが変わっています。

いちばん軽い代表グレードは1代目のRSで1,210kg、いちばん重いのが9代目のロイヤルサルーンGで1,680kg。差は470kgあります。ただし重量も代を重ねるごとに増えているわけではなく、11代目は1,370〜1,380kgで、5代目や6代目の上級グレードより軽くなっています。

代を重ねるほど広くなる、という読み方が当てはまる車種もあります。トヨタのクーペでは、セリカXXとスープラの4代の全幅が一度も縮んでいません。クラウンのセダンは、そうなっていません。

見に行く前に、どの行から確かめるか

候補の個体を見に行くとき、確かめる順番があります。

最初に見るのは型式で、年式ではありません。6代目から8代目までは、同じ代のなかでE-MS112とE-MS110のように分かれていて、その型式の違いが、全幅が1,700mmを超えるかどうかの違いと重なっています。年式が決まっても幅は決まりませんが、型式が決まれば絞り込めます。

次に見るのは、車検証に記録された幅の数字そのものです。型式で見当を付けたら、値で確かめます。75年史の表にあるのは寸法だけで、ナンバーの区分そのものは書かれていません。車検証のどの4項目を突き合わせるかは5ナンバーと3ナンバーの分かれ目に手順があります。

3つめは、「新しいほうが広い」で当たりを付けないことです。年代順に並べても、幅の順にはなりません。

置き場所の確認は、この3つのあとではなく同じタイミングで進めるのが安全です。機械式駐車場なら、入れられる幅はその駐車場の表に書かれています。1,690mmの個体と1,720mmの個体で入るかどうかが変わることがあるので、車を決めてから測りに行くより、先に表を見ておくほうが早く済みます。どの車を買うかより先に、入る幅のほうが決まっているためです。