クラウン クロスオーバーとスポーツ|後席が広いのはどっち?

トヨタ クラウン クロスオーバー Z(6AA-AZSH35-AEXGB)の前方斜めからの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC0 1.0 )

クラウンで紛らわしいのが「RS」です。クロスオーバーのRSはプレミアムガソリン指定の2.4Lターボ、スポーツのRSはEVで90km走るPHEV。同じバッジで、動力の種類そのものが違います。

そのうえで結論を1つ挙げるなら、クロスオーバーのZです。

「RS」の2文字を外すと、見る項目は3つになる

どちらも全グレードが4WD(E-Four)で5人乗り、最小回転半径も5.4mで同じです。取り回しと定員では差が付きません。

比べるのは3つです。後席を含めた室内の広さ、タイヤの厚み、そしてGとZで変わる装備。「RS」という名前は、いったん忘れたほうが早く決まります。

背が高いのはスポーツのほう、厚いタイヤはGのほう

クロスオーバーのほうが背が高い?

低いです。最低地上高はクロスオーバーが145mm、スポーツがRSで155mm、Z・Gで160mm。名前から受ける印象と逆になっています。全高もクロスオーバーが1,540mm、スポーツが1,565〜1,570mmです。

全長が210mm違うと、駐車で困る?

最小回転半径はどちらも5.4mです。全長はクロスオーバーが4,930mm、スポーツが4,720mmで210mm差ですが、切り返しの数値は変わりません。ただし全幅はスポーツが40mm広い1,880mmです。

タイヤは上位グレードほど良い?

乗り心地の面では逆です。標準タイヤでいちばん厚いのはクロスオーバーGの225/55R19で、サイドウォールは約124mm。同じクロスオーバーの21インチより約23mm厚くなります。

“THE 70th”はどう違う?

価格ページには載っていますが、諸元PDFには列がありません。この記事の数値は、諸元表にある3グレードのものです。

クロスオーバーGとスポーツGの差は5万円

クロスオーバー価格(税込)スポーツ価格(税込)
CROSSOVER G5,150,000円SPORT G5,200,000円
CROSSOVER Z5,950,000円SPORT Z5,900,000円
CROSSOVER Z“THE 70th”6,000,000円SPORT Z“THE 70th”5,970,000円
CROSSOVER RS6,700,000円SPORT RS7,650,000円
CROSSOVER RS“THE 70th”6,800,000円SPORT RS“THE 70th”7,700,000円

GとZの価格はほぼ並びます。差が開くのはRSで、95万円。PHEVのぶんです。

価格・装備・相場は執筆時点の情報です。装備と数値はトヨタの主要諸元表・装備一覧とグレード別主な標準装備比較表(クロスオーバーが2025年4月版、スポーツが2025年10月版)、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。版が違うため、2台の比較には年式差を含みます。 最低地上高と室内寸法は社内測定値です。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態や装備で変わります。

室内長1,980mmのクロスオーバーZが、5グレードで最長

クロスオーバー Z(595万円)|迷ったらこれ

迷ったらクロスオーバーのZです。 室内長1,980mmは5グレードでいちばん長く、スポーツより130mm前後の余裕があります。ホイールベースの差80mmを上回る開きです。

装備もRSとほぼ同じだけ揃います。本革シート、前席シートヒーター(3段階)とシートベンチレーション、ステアリングヒーター、運転席8ウェイ+助手席4ウェイのパワーシート、2メモリーのマイコンプリセットドライビングポジション、電動チルト&テレスコピックステアリング、アドバンスト パークとアドバンスト ドライブ。

タイヤのアルミホイールも、ノイズリダクションのものが組み合わされます。5グレードでこの記載があるのはZだけです。 スポーツ側の標準タイヤに、この記載はありません。

弱点はその21インチです。225/45R21でサイドウォールは約101mm、Gの19インチより約23mm薄くなります。ただしクロスオーバーは全グレードで225/60R18のアルミホイールを減額オプションに持っていて、Zなら−130,900円。サイドウォールは135.0mmに伸び、5グレードの標準タイヤとオプションを通していちばん厚い選択肢になります。ノイズリダクションを取るか、厚みと13万円を取るかです。

もうひとつの弱点は後席のシートヒーターです。クロスオーバーではリヤサポートパッケージ(★A・279,400円)に入っていて、単体では選べません。

クロスオーバー G(515万円)|いちばん安く、いちばんタイヤが厚い

5グレードでいちばん安い515万円で、標準タイヤは225/55R19。サイドウォール約124mmは、5つの標準タイヤの中でいちばん厚い数字です。 さらに225/60R18の減額オプションを−27,500円で選べば135.0mmになります。乗り心地を最優先するなら、いちばん安いグレードがいちばん有利という並びです。

電動ランバーサポート、電動チルト&テレスコピックステアリング、カラーヘッドアップディスプレイ、ハンズフリーパワートランクリッドは、Gにも標準で付きます。

落ちるものははっきりしています。シートヒーター、シートベンチレーション、ステアリングヒーターの3点がなく、シート表皮は上級ファブリック+合成皮革、助手席は4ウェイのマニュアル調整、2メモリーもアドバンスト パークもパノラマルーフもありません。リヤサポートパッケージもGには選べません。Zとの差は80万円です。

クロスオーバー RS(670万円)|460N·mと6AT。ここだけ別物

2.4Lターボに6速ATを組み合わせます。エンジン単体で460N·mを2,000〜3,000rpmで出し、変速機は無段変速ではなく段付きのDirect Shift-6AT、リヤモーターも59kWと大きめ。駆動方式もここだけE-Four Advancedです。

1トンあたりに直すと、エンジンの460N·mで約241N·m。スポーツRSはフロントモーターの270N·mで約133N·mなので、数字だけならクロスオーバーRSが上回ります。ただしモーターは回転ゼロからトルクが出るので、発進直後の感じ方まではこの数字で比べられません。

弱点は燃料と燃費です。5グレードで唯一、無鉛プレミアム指定です。 WLTC燃費は15.7km/Lで、Zの22.2km/Lとは差があります。

スポーツ Z(590万円)|40mm広く、210mm短い

クロスオーバーZとほぼ同額です。装備もほぼ同じで、本革、前席シートヒーターとベンチレーション、ステアリングヒーター、2メモリー、アドバンスト パークとアドバンスト ドライブが揃います。

フロントガラスの書き方は、こちらのほうが具体的です。スポーツは全車標準で「UVカット機能付ウインドシールドグリーンガラス(合わせ・遮音ガラス)」、クロスオーバーは「ウインドシールドグリーンガラス(遮音・UVカット機能)」。合わせガラスと明記されているのはスポーツのほうです。どちらの装備一覧にも、吸音についての記載はありません。

もうひとつ、助手席肩口のパワーシートスイッチが付くのはスポーツのZだけです。RSにもGにもありません。カタログのグレード紹介ページにも「助手席肩口パワーシートスイッチなし」「あり」と書き分けられています。

弱点は室内長1,850mmと、タイヤの選択肢です。標準は235/45R21でサイドウォール約106mm、減額オプションの225/45R21(−6,600円)を選ぶと約101mmまでさらに薄くなります。スポーツに、厚いタイヤの設定はありません。

トヨタ クラウン スポーツ Z(6AA-AZSH36W-BNXGB)の前方からの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

スポーツ RS(765万円)|EV90km。後席シートヒーターが標準で付く唯一のグレード

エンジンは他と同じA25A-FXSですが、フロントモーターが134kW・270N·mまで大きくなり、リチウムイオン51Ahを積んでEVで90km走ります。

そして後席左右のシートヒーターが標準です。5グレードで、後席シートヒーターがパッケージ抜きで付くのはここだけです。 シート表皮もスポーツレザー(本革)になります。

弱点は重さと価格です。車重は2,030kgでZより220kg重く、価格はスポーツZより175万円、クロスオーバーZより170万円上がります。助手席肩口のパワーシートスイッチもRSには付きません。

数値と装備の一覧

項目クロスオーバースポーツ
全長4,930mm4,720mm
全幅1,840mm1,880mm
全高1,540mm1,570mm(RS)/1,565mm(Z・G)
ホイールベース2,850mm2,770mm
トレッド(前/後)1,605/1,615mm(RS・Z)/1,600/1,605mm(G)1,605/1,615mm
最低地上高145mm155mm(RS)/160mm(Z・G)
最小回転半径5.4m5.4m
室内(長/幅/高)1,980/1,540/1,170mm1,855/1,540/1,175mm(RS)/1,850/1,540/1,175mm(Z・G)
乗車定員5名5名

※クロスオーバーのトレッドは、RS・Zが18インチ装着時に1,600/1,605mmへ変わります。Gは標準の19インチで最初から1,600/1,605mm。パノラマルーフ装着時の室内高は、クロスオーバーではRSの列にだけ1,125mmの注記が付き、スポーツは1,145mmです。

項目クロスオーバー RSクロスオーバー Z・Gスポーツ RSスポーツ Z・G
区分2.4Lターボハイブリッド2.5Lハイブリッド2.5L PHEV2.5Lハイブリッド
エンジン型式T24A-FTSA25A-FXSA25A-FXSA25A-FXS
総排気量2.393L2.487L2.487L2.487L
使用燃料無鉛プレミアム無鉛レギュラー無鉛レギュラー無鉛レギュラー
最高出力200kW(272PS)/6,000rpm137kW(186PS)/6,000rpm130kW(177PS)/6,000rpm137kW(186PS)/6,000rpm
最大トルク460N·m/2,000〜3,000rpm221N·m/3,600〜5,200rpm219N·m/3,600rpm221N·m/3,600〜5,200rpm
変速機Direct Shift-6AT電気式無段変速機電気式無段変速機電気式無段変速機
フロントモーター1ZM/61kW・292N·m3NM/88kW・202N·m5NM/134kW・270N·m3NM/88kW・202N·m
リヤモーター1YM/59kW・169N·m4NM/40kW・121N·m4NM/40kW・121N·m4NM/40kW・121N·m
主電池ニッケル水素5Ahニッケル水素5Ahリチウムイオン51Ahニッケル水素5Ah
駆動E-Four AdvancedE-FourE-FourE-Four
車両重量1,910kg1,810kg/1,760kg2,030kg1,810kg/1,800kg
WLTC燃費15.7km/L22.2/22.4km/L20.3km/L21.3km/L
EV走行換算距離ーー90kmー

減速比はクロスオーバーRSがフロント3.329/リヤ10.755、スポーツRSがフロント3.412/リヤ10.781です。サスペンションの形式は2台とも共通で、フロントがマクファーソンストラット式コイルスプリング、リヤがマルチリンク式コイルスプリング。ブレーキも前後ベンチレーテッドディスクで揃っています。

車種・グレード標準タイヤサイドウォール高さ
クロスオーバー RS225/45R21101.25mm
クロスオーバー Z225/45R21(ノイズリダクション)101.25mm
クロスオーバー G225/55R19123.75mm
スポーツ RS235/45R21(マットブラック)105.75mm
スポーツ Z・G235/45R21(グロスブラック)105.75mm

※サイドウォール高さは断面幅×扁平率で求めた値です。クロスオーバーの225/60R18オプションはRSが−104,500円、Zが−130,900円、Gが−27,500円。スポーツの225/45R21+21×8½Jアルミは全グレードで−6,600円(消費税抜き−6,000円)です。

クラウン クロスオーバーの装備表

装備RSZG
シート表皮本革本革上級ファブリック+合成皮革
前席シートヒーター(3段階)標準標準ー
前席シートベンチレーション標準標準ー
ステアリングヒーター標準標準ー
後席シートヒーター(3段階)★A★Aー
電動ランバーサポート(運転席)標準標準標準
運転席8ウェイパワー+助手席4ウェイパワー標準標準ー
運転席8ウェイパワー+助手席4ウェイマニュアルーー標準
助手席肩口パワーシートスイッチ標準標準ー
マイコンプリセットドライビングポジション(2メモリー)標準標準ー
電動チルト&テレスコピックステアリング標準標準標準
カラーヘッドアップディスプレイ標準標準標準
ハンズフリーパワートランクリッド標準標準標準
パノラマルーフ110,000円110,000円ー
アドバンスト パーク(リモート機能付)標準標準ー
アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)標準標準ー

クラウン スポーツの装備表

装備RSZG
シート表皮スポーツレザー(本革)本革上級ファブリック&合成皮革
前席シートヒーター(3段階)標準標準ー
後席左右シートヒーター標準ーー
前席シートベンチレーション標準標準ー
ステアリングヒーター標準標準ー
電動ランバーサポート(運転席)標準標準標準
運転席8ウェイパワー+助手席4ウェイパワー標準標準ー
運転席8ウェイパワー+助手席4ウェイマニュアルーー標準
助手席肩口パワーシートスイッチー標準ー
マイコンプリセットドライビングポジション(2メモリー)標準標準ー
チルト&テレスコピックステアリング全車標準←←
カラーヘッドアップディスプレイ全車標準←←
ハンズフリーパワーバックドア標準標準ー
パノラマルーフ110,000円110,000円ー
アドバンスト パーク(リモート機能付)標準標準ー
アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)標準標準ー

電動ランバーサポートは、両車ともGを含めた全グレードに入ります。逆にシートヒーター・ベンチレーション・ステアリングヒーターの3点は、両車ともGだけ付きません。

トヨタ クラウン スポーツ Z(6AA-AZSH36W-BNXGB)の運転席まわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

★A リヤサポートパッケージ(クロスオーバーのみ)

279,400円(消費税抜き254,000円)のメーカーパッケージオプションで、RSとZにだけ設定されます。Gには選べません。同梱されるのは次の9点です。

  • 電動式リヤサンシェード
  • 後席シートヒーター(3段階温度設定)
  • 40/20/40分割リクライニングリヤパワーシート
  • リヤセンターアームレスト(カップホルダー+トランクスルー+ボックス+各種コントロールスイッチ付)
  • 上下調整式フロントヘッドレスト(助手席可倒式)
  • シートアシストグリップ(運転席・助手席)
  • 3席独立温度コントロールフルオートエアコン(S-FLOW:1席/前席集中モード付)
  • イルミネーテッドエントリーシステム
  • リヤオーディオコントロール

後席を電動にして、独立温度エアコンとサンシェードまで付く内容です。単体では選べません。後席に人を乗せる時間が長いなら、この約28万円を足すかどうかが判断の分かれ目になりそうです。

買取相場

車種平均買取相場額
クラウン クロスオーバー236.2万円〜343.7万円
クラウン スポーツ337.5万円〜436.1万円

年式別も出ています。クロスオーバーは1年落ちで318.7万〜390.8万円、3年落ちで234.7万〜345.8万円。スポーツは1年落ち362.4万〜427.9万円、3年落ち328.7万〜378.2万円です。スポーツのグレード別相場は「2.5 Z E-Four 4WD」の1件のみ掲載で、376.3万〜436.1万円(新車価格590.0万円)。PHEVのRSは、この時点では載っていません。掲載件数はどちらのページにも表示がありません。

クロスオーバーかスポーツか、GかZか、タイヤはどれか

あとから変えられないものから順に、3つ確かめれば決まります。

  1. 後席に人をよく乗せるか。乗せるならクロスオーバーで、室内長が130mm前後長くなります。後席を電動にして独立温度エアコンまで付けるなら、リヤサポートパッケージが選べるのはRSとZだけです。
  2. GとZの80万円(スポーツは70万円)を装備で見る。付いてくるのは本革シート、シートヒーター、シートベンチレーション、ステアリングヒーター、助手席パワーシート、2メモリー、アドバンスト パーク。どれも後から追加できません。
  3. タイヤを最後に決める。クロスオーバーなら225/60R18の減額オプションでサイドウォールが135.0mmまで伸びます。ここは見積書に印を付ける前の判断で、納車後にホイールだけ買い替えても減額は戻りません。スポーツにこの選択肢はないので、厚いタイヤが要るなら車種の段階で決まります。

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