3ナンバーと5ナンバー|車検証のどの欄で見分ける?
3ナンバーの中古車は、維持費が高いから外していい?
ポロは999cc。それでも幅1,750mmの1項目で普通自動車
じゃあ税金も、3ナンバーだから高くなるわけじゃない?自動車税を決めるのは排気量。分類番号じゃない
ナンバーで絞る前に、車検証の種別と排気量を見るんだね超えたのが幅だけか、排気量までかを見る 車検証を見て「3ナンバー」という言葉を探しても、見つかりません。「5ナンバー」もありません。車検証に何を書くかは道路運送車両法施行規則の第三十五条の三が定めていて、29の項目が並んでいます。その中に、3ナンバー・5ナンバーという語は入っていません。
見分けに使うのは、29のうち次の5つです。
| 車検証の欄 | 施行規則第三十五条の三 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 自動車登録番号 | 第一号 | ナンバープレートの数字。分類番号(3・5・7など)はここに含まれる |
| 種別(普通・小型・軽など) | 第五号 | 普通自動車か小型自動車か |
| 用途 | 第十二号 | 人を運ぶのか、貨物か、特種か |
| 長さ・幅・高さ | 第六号 | どの項目で小型自動車の枠を超えたのか |
| 原動機の総排気量又は定格出力 | 第十号 | 毎年の自動車税の区分 |
3ナンバーかどうかを知るだけなら、自動車登録番号の欄に数字そのものが載っています。ただし分類番号は種別と用途の掛け合わせで決まるので(後述)、番号だけを見ても、幅で小型自動車の枠を超えたのか、排気量まで大きいのかは分かりません。
普通か小型かを直接読めるのは、種別の欄です。 「普通」と書いてあれば分類番号は3、「小型」なら5か7になります(乗車定員10人以下で、用途が人の運送の場合。貨物や特種なら数字が変わります)。
中古車を見ていると、「3ナンバーだから維持費が高い」という説明に出会うことがあります。けれども、ナンバーの数字からは、幅で枠を超えたのか、排気量で超えたのかまでは分かりません。乗用車の毎年の自動車税(令和7年度分までは自動車税種別割)は、総排気量の区分で決まる税で、分類番号では決まりません。幅だけで3ナンバーになった車と、排気量まで大きい車とでは、払う額が違ってきます。
広告に『3ナンバー』としか書いてなかったら、どうすればいい?
販売店に車検証の写しをもらう。種別の欄で普通か小型か、総排気量の欄で毎年の税の見当が付く
別表第一に、普通自動車の数字は載っていない
判定の根拠になる道路運送車両法施行規則の第二条は、区分の分け方は別表第一で定めると書いているだけです。
法第三条の普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車の別は、別表第一に定めるところによる。
別表第一の小型自動車の欄は、次のように書かれています。
四輪以上の自動車及び被けん引自動車で自動車の大きさが下欄に該当するもののうち軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの(内燃機関を原動機とする自動車(軽油を燃料とする自動車及び天然ガスのみを燃料とする自動車を除く。)にあつては、その総排気量が二・〇〇リットル以下のものに限る。)
下欄に並ぶのは、長さ四・七〇メートル以下/幅一・七〇メートル以下/高さ二・〇〇メートル以下の3つです。
条文を並べてみると、普通自動車の欄のほうがずっと短いことに気づきます。
小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外の自動車
普通自動車の欄には、長さや幅の数字がありません。小型にも軽にも特殊にも当てはまらなかった車が普通自動車になる、という決め方です。
そのため判定は、小型の条件に当てはまるかを先に見て、外れたら普通、という順番になります。たとえば「3ナンバーは幅何メートルからか」と別表第一を探しても、その数字は出てきません。普通自動車との境目として載っているのは小型自動車の上限だけで、3ナンバーのほうから測る基準はありません。
ポロは、幅の1項目だけで普通自動車になる
書き出した4項目は、次の表と上から1つずつ突き合わせます。
| 項目 | 小型自動車(5ナンバー) | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 長さ | 4.70m以下 | 3.40m以下 |
| 幅 | 1.70m以下 | 1.48m以下 |
| 高さ | 2.00m以下 | 2.00m以下 |
| 総排気量 | 2.00L以下 | 0.660L以下 |
4つは、すべてを満たして初めて小型自動車になる条件です。どれか1つでも超えた時点で普通自動車になり、どの項目で超えても結果は変わりません。
ステップワゴンは、AIR系の全長が4.800m、SPADA系が4.830m、全幅は1.750mです(ホンダ 主要諸元)。長さも幅も枠を超えているので、普通自動車です。
目を留めておきたいのは、フォルクスワーゲンのポロです。全長4,085mm・全幅1,750mm・全高1,450mmで、1.0 TSIの総排気量は999ccです(VW 主要諸元表・2026年6週以降生産車両)。長さも高さも排気量も、小型自動車の上限を下回っています。
それでも全幅の1,750mmは、1.70mを50mm超えています。この1項目だけで、ポロは普通自動車になります。
排気量1リットルの小さなハッチバックが3ナンバーというのは感覚に合いませんが、条文どおりに読むとこうなります。
広告のナンバー表示だけで3ナンバーを外していたら、ポロみたいな車まで候補から落ちてたってこと?
落ちていた。外れた理由が幅だけなら、自動車税を決める排気量は999ccのまま
排気量の上限は、ディーゼル車と電気自動車にはかからない
別表第一の小型自動車の欄をもう一度見ると、排気量の上限には括弧書きで条件が付いています。上限がかかるのは「内燃機関を原動機とする自動車」で、そこからさらに、軽油を燃料とする自動車と、天然ガスのみを燃料とする自動車が除かれています。
つまりディーゼル車は、総排気量が2.00Lを超えていても、長さ・幅・高さの3つが枠に収まっていれば小型自動車になり得ます。
逆に、5ナンバーのディーゼルなら維持費も安い、とは言えないってこと?
維持費のうち自動車税なら、言えない。2.00Lを超えるディーゼルでも小型自動車になり得るし、税はその排気量で決まる
では、電気自動車はどうでしょうか。条文は「内燃機関を原動機とする自動車にあつては」と条件を付けているので、内燃機関を持たない車には排気量の上限が及びません。長さ・幅・高さの3つを満たせば小型自動車、という読み方になります。
分類番号の3・5・7は、自動車登録規則の別表第二で決まる
寸法と排気量で決まるのは「種別」までです。ナンバープレートに入る数字は、別の省令である自動車登録規則に定めがあります。
第十三条が自動車登録番号の組み立て方を定めていて、その2つ目の要素が「自動車の種別及び用途による分類番号」です。中身は別表第二にあります。
| 自動車の範囲 | 分類番号 |
|---|---|
| 貨物の運送の用に供する普通自動車 | 1(10〜19、100〜199 ほか) |
| 人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車 | 2(20〜29、200〜299 ほか) |
| 人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車 | 3(30〜39、300〜399 ほか) |
| 貨物の運送の用に供する小型自動車 | 4・6(40〜49、60〜69 ほか) |
| 人の運送の用に供する小型自動車 | 5・7(50〜59、70〜79 ほか) |
| 特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車 | 8(80〜89、800〜899 ほか) |
この表で見落とされやすいのは、用途のほうです。3ナンバーと5ナンバーは種別だけで決まるのではなく、人を運ぶのか、貨物を運ぶのかとセットで決まります。同じ小型自動車でも、貨物の運送の用に供するなら分類番号は4か6です。
5と7は、どちらも「人の運送の用に供する小型自動車」です。5と7は別表第二の同じ欄に並ぶ番号で、2つの間に区別はありません。中古車の広告で7ナンバーの車を見かけても、5ナンバーの車と同じ区分の車です。
キャンピングカーなどの8ナンバーは、普通自動車と小型自動車の両方にまたがる区分です。8ナンバーであること自体からは、車体の大きさは読み取れません。
中古車の候補を絞る前に確かめる順番
最初に、車検証の種別の欄で普通か小型かを確かめます。次に「長さ」「幅」「高さ」「総排気量」を書き出します。分類番号を見るのは、そのあとで足ります。
まだ車検証を見せてもらえない段階の車だと、どうすればいい?
カタログの主要諸元表でも、同じ4項目を突き合わせられる
次に、小型自動車の4条件と上から1つずつ突き合わせ、どの項目で枠を超えたのかを特定します。ディーゼル車や電気自動車なら、突き合わせるのは長さ・幅・高さの3つです。
最後に総排気量の欄に戻ると、毎年の自動車税の見当が付きます。「3ナンバーだから維持費が高い」という説明は、ここまで確かめてから受け取れば足ります。
区分の根拠は、道路運送車両法施行規則の別表第一と自動車登録規則の別表第二です。この記事は執筆時点の条文によるもので、制度は改正されることがあるため、判断が必要な場面ではe-Gov法令検索で最新の条文を確かめてください。
型式の頭に付く記号は型式の頭の記号の読み方、型式のあとに続く番号は型式指定番号と類別区分番号で扱っています。