VW ID. Buzzの標準とロング|ロングの7人目はどこに座る?
ロングは7人乗り。7人目は、いちばん後ろに座るの?
3列目はProもロングも2席。増えるのは2列目の1席です
長くなるぶん、小回りはどうなるの?最小回転半径は5.9mから6.3mへ。0.4m大きくなります
先に決めるのは、2列目に3人座らせるかですえ、装備より先に席の数なんだ 「7人乗りのロングなら、3列目に3人座れるはず」と考えるところですが、フォルクスワーゲン ID. Buzz の Pro Long Wheelbase で7人目が座るのは、3列目ではなく2列目です。3列目は6人乗りの Pro と同じ2席で、どちらも1席ずつ取り外せます。
増えるのは、2列目の3人目の1席です。
日本仕様には、Pro と、ホイールベースの長い Pro Long Wheelbase があります。ホイールベースは2,990mmと3,240mm、全長は4,715mmと4,965mmで、差はどちらも250mmです。全長とホイールベースが同じ長さだけ伸びているので、前後のオーバーハング(車軸より外に張り出した部分)の合計は変わっていません。伸びた250mmは、すべて前後の車軸のあいだの長さです。
その1席が増える代わりに、最小回転半径は5.9mから6.3mになります。半径で0.4m、直径にすると0.8mぶん、Uターンに要る道幅が広くなります。
小回り・定員・航続を、Pro と Long Wheelbase で比べる
| Pro | Pro Long Wheelbase | |
|---|---|---|
| 車両型式 | ZAA-EB01 | ZAA-EB01L |
| ホイールベース | 2,990mm | 3,240mm |
| 全長 | 4,715mm | 4,965mm |
| 全幅×全高 | 1,985×1,925mm | 1,985×1,925mm |
| 乗車定員 | 6名 | 7名 |
| 最小回転半径 | 5.9m | 6.3m |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 524km | 554km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 168Wh/km | 173Wh/km |
| 駆動用バッテリー総電力量 | 84kWh | 91kWh |
| 車両重量 | 2,550kg | 2,720kg |
| ラゲージ容量(VDA方式・2列目を倒し3列目を外した値) | 2,123ℓ | 2,469ℓ |
| タイヤ(前/後) | 235/55 R19・255/50 R19 | 235/50 R20・265/45 R20 |
Uターンに要る道幅が、0.8m広くなる
全幅1,985mmと全高1,925mmは共通です。幅や高さの制限で入れない場所は、Pro でも Long Wheelbase でも同じように入れません。全長と、曲がるときに要る広さは違います。
半径で0.4mの差は、Uターンでは道幅0.8mの差になります。
0.8mって言われても、広いのか狭いのかピンとこないな
ID. Buzz の全幅は1,985mmです。車体の幅の4割ぶん、余分に道幅が要ります
けっこうあるね。いつもUターンしている道に、そのぶんの余裕があるかを先に見てくるよ
同じフォルクスワーゲンでは、ID.4 と ティグアン の最小回転半径がどちらも5.4mです。Pro の5.9mはこの2台より0.5m大きく、Long Wheelbase の6.3mは0.9m大きくなります。立体駐車場のスロープや住宅街の丁字路は、この0.9mの差が切り返しの回数の差になって表れる場所です。
7人目の席は2列目にある

3列目は、Pro も Long Wheelbase も同じ「分割可倒式シート(3列目、2席独立取外し)」です。前席の2席と合わせて、ここまでの4席は2台で変わりません。定員6名と7名の差は、残る2列目にあります。
装備表では、分割可倒式の2列目シートは Pro Long Wheelbase とその 1st Anniversary Edition に設定され、Pro の2列目にこの設定はありません。チャイルドシート固定装置は、Pro が「助手席/2列目/3列目」、Long Wheelbase が「助手席/2列目左右/3列目」で、Long Wheelbase は2列目の席の位置まで書かれています。
Pro の2列目は2席、Long Wheelbase の2列目は、左右に分けて倒せる3人掛けです。
3人掛けなら、2人で乗る日は真ん中を空けて使えるよね。それならロングにしておけば困らない?
アームレストの記載が違います。Pro は『前席内側/2列目内側』、Long Wheelbase は『前席両側』です
2列目の肘掛けは Pro に付くのか。2人で乗る日と3人並ぶ日、どっちに合わせて選ぶかだね
どちらの日が多いかは、諸元表には載っていません。そこは家ごとに決めるところです
2列目に3人並んで座る予定がないなら、Long Wheelbase を選ぶ理由は、席の数以外で探すことになります。
Long Wheelbase の荷室は、2列目を倒して3列目を外した状態で Pro より346ℓ大きくなります。ほかに航続、タイヤ、標準装備が Pro と違います。
航続が30km長いのは、電池が7kWh大きいぶん
一充電走行距離は Pro が524km、Long Wheelbase が554kmで、差は30kmです。ところが、交流電力量消費率を隣に並べてみると、距離の長い Long Wheelbase のほうが、1kmあたりの電気を多く使っていることに気づきます。Pro が168Wh/km、Long Wheelbase が173Wh/kmです。
Long Wheelbase は電池が大きく、駆動用バッテリーの総電力量は Pro の84kWhに対して91kWh、総電圧は353Vに対して383Vです。電池が7kWh大きいぶん伸びる距離のほうが、消費率が5Wh/km多いぶん縮む距離より長く、その差し引きが30kmです。
年1万km走るとして、満充電ぶんを走り切る回数に直すと、Pro が約19回、Long Wheelbase が約18回になります。
違いは、年に1回です。
交流電力量消費率は、モード別にも公表されています。
| 交流電力量消費率 | Pro | Pro Long Wheelbase |
|---|---|---|
| WLTCモード | 168Wh/km | 173Wh/km |
| 市街地モード | 139Wh/km | 148Wh/km |
| 郊外モード | 158Wh/km | 163Wh/km |
| 高速道路モード | 189Wh/km | 193Wh/km |
高速道路モードだけで見ると、Pro が465km前後、Long Wheelbase が495km前後という見当で、差は30kmのままです。市街地モードでは630km前後と650km前後になり、差は15kmほどに縮みます。街乗りが中心の使い方だと、航続の差は Long Wheelbase を選ぶ理由にほとんどなりません。
荷室の2,123ℓと2,469ℓは、2列目を倒して3列目を外した値

三面図に載っているラゲージスペースは、Pro が2,123ℓ、Long Wheelbase が2,469ℓで、差は346ℓです。どちらもVDA方式で、後席2列目を倒し、3列目を取り外した場合の値だと明記されています。
7人で出かける日は3列目に人が座ってるから、この2,469ℓは使えないよね
使えません。3列目を立てたままの容量は、三面図には出ていません
3列目は2席を別々に外せるので、片方だけ残して、人を乗せながら荷物も積む使い方もできます。荷室の装備では、ラゲージネットパーティションとマルチフレックスボードが Long Wheelbase では標準で、Pro ではアップグレードパッケージに含まれます。スライディングカバーと12V電源ソケット(ラゲージルーム)、パワーテールゲートは、どちらにも標準で付きます。
タイヤは Pro が19インチ、Long Wheelbase が20インチ。横の厚みは Pro が1cmほど厚い
タイヤは Pro が前235/55 R19・後255/50 R19、Long Wheelbase が前235/50 R20・後265/45 R20です。ホイールは Pro が8Jx19・9Jx19、Long Wheelbase が8Jx20・10Jx20で、後ろは径が1インチ大きく、リム幅も1J広くなります。
タイヤの横の厚み(サイドウォールの高さ)は、Pro が前約129mm・後約128mm、Long Wheelbase が前約118mm・後約119mmです。Pro のほうが1cmほど厚くなります。
サスペンションは前がマクファーソンストラット、後ろが4リンクで、どちらもスタビライザー付きです。ブレーキは前がベンチレーテッドディスク、後ろがドラムです。ここまでは、1st Anniversary Edition を含む4タイプとも共通で、足まわりの違いはタイヤとホイールです。サイドウォールの厚い Pro のほうが、タイヤのたわむ量が大きく、路面の細かい凹凸を吸収しやすくなります。
車両重量は Pro が2,550kg、Long Wheelbase が2,720kgで、差は170kgです。Pro はマルチフレックスボードを付けると2,560kg、Long Wheelbase はパノラマガラスルーフを付けると2,730kgになります。
モーターは共通で、560N·mが0回転から出る
原動機は4タイプとも同じ交流同期電動機(ECN)で、最高出力は210kW(286PS)/3,581-6,500rpm、最大トルクは560N·m(57.1kgm)/0-3,581rpmです。定格出力は89kW、トランスミッションは1段固定式です。
最大トルクは0回転、つまりモーターが回り始める時点から出ます。モーターが同じなので、車両重量あたりのトルクは、2,720kgの Long Wheelbase のほうが2,550kgの Pro より6%ほど小さくなります。ID.4 Pro の545N·m/0-3,675rpm と比べると、ID. Buzz の最大トルクは15N·m大きい数字です。
主要装備一覧の電源ソケットはラゲージルームの12Vで、AC100Vの記載はない
主要装備一覧に載っている電源ソケットは、ラゲージルームの12Vです。AC100Vのコンセントの記載はありません。車中泊で家電を動かすところまで考えるなら、電源は別に用意することになります。
充電に使う装備は、普通充電ポート、急速充電ポート、200V・7.5mの普通充電ケーブルが4タイプとも標準です。スマートフォンのワイヤレスチャージング、パワースライドドア(リヤ左右)、Keyless Access、エレクトロニックパーキングブレーキ、チルト&テレスコピックステアリング、ステアリングヒーターも、4タイプとも標準で付きます。
同一車線内全車速運転支援システム “Travel Assist” も、4タイプとも標準です。ID.4 では Pro だけの装備で、Lite には付きません。
アップグレードパッケージの15項目のうち、14項目は Long Wheelbase で標準
アップグレードパッケージは Pro にだけ設定があり、中身は次の15項目です。
- ダイナミックコーナリングライト
- ダイナミックライトアシスト
- スタティックコーナリングライト
- LEDマトリックスヘッドライト “IQ.LIGHT”
- オールウェザーライト
- 3ゾーンフルオートエアコンディショナー(運転席/助手席/後席独立調整)
- ラゲージネットパーティション
- マルチフレックスボード
- アームレスト(前席両側/2列目内側)
- LEDテールランプ(ダイナミックターンインジケーター付)
- パワーシート(運転席/助手席、メモリー付)
- パワーランバーサポート(運転席/助手席)
- リラクゼーション機能付シート(運転席/助手席)
- シートヒーター(運転席/助手席/2列目左右)
- ステンレスペダルクラスター(アクセル/ブレーキ)
このうち14項目は、Long Wheelbase では標準装備です。パッケージを付けない Pro は、ヘッドライトがLED、エアコンが運転席と助手席の2ゾーン、シートヒーターが前席のみで、前席は高さ調整式で電動ではありません。Long Wheelbase では、それぞれ IQ.LIGHT、3ゾーン、2列目左右にも付くシートヒーター、メモリー付パワーシートになります。
見落とされやすいのは、残る1項目の、2列目のアームレストです。「アームレスト(前席両側/2列目内側)」は、Pro Long Wheelbase にも、その 1st Anniversary Edition にも設定がありません。Long Wheelbase のアームレストは「アームレスト(前席両側)」で、2列目の内側には付きません。
ラグジュアリーパッケージは Long Wheelbase にだけ設定があり、中身はパノラマガラスルーフと、総出力700W・16チャンネル13スピーカーのプレミアムサウンドシステム “Harman Kardon” の2つです。Pro では、この2つは選べません。
1st Anniversary Edition は、パッケージの中身が標準で付く
主要装備表には、Pro と Pro Long Wheelbase のそれぞれに 1st Anniversary Edition が載っていて、合わせて4タイプです。
Pro 1st Anniversary Edition は、上に並べた15項目がすべて標準です。Pro Long Wheelbase 1st Anniversary Edition は、シート表皮がファブリックからマイクロフリースに変わり、パノラマガラスルーフと Harman Kardon が標準で付きます。
先に決めるのは2列目の人数、装備はそのあと
最初に決めるのは、2列目に3人並んで座る日があるかどうかです。これで Pro か Long Wheelbase かが決まり、全長も最小回転半径もタイヤのインチも同時に決まります。どれも納車後には変えられません。
Long Wheelbase にするなら、自宅の駐車場の奥行きと、いつも曲がる道の幅を次に確かめます。全長は Pro より250mm長く、最小回転半径は0.4m大きくなります。
装備は、そのあとで考えても間に合います。Pro にアップグレードパッケージを足せば、上の15項目のうち14項目は Long Wheelbase と同じ内容になります。ヘッドライトも、エアコンのゾーン数も、シートヒーターの範囲も、Long Wheelbase と同じです。
最後に残るのが、2列目の内側のアームレストです。Long Wheelbase には、どのパッケージを足しても付きません。2列目を2人でゆったり使うつもりなら、これが Pro を選ぶ理由になります。
実際に乗っている人の評価は、みんカラのID. Buzzのレビューで読めます。
※諸元・装備は、2026年11週以降生産車両の主要装備表・主要諸元表(Issue:June, 2026)にもとづく執筆時点の情報です。