VW ティグアンのグレード比較|減衰力を変えるサスペンションはどれに付く?

フォルクスワーゲン ティグアン(3代目)の外観
写真: Alexander-93 / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・調整してトリミング。ドイツで撮影された個体のため、日本仕様と細部が異なる場合があります)
── この記事の結論を先に4コマで ──
左のシキが白紙の書類を両手で胸の前に持ち、眉を寄せてクラのほうを見ている。右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている ティグアン、ガソリンのActiveでもDCC Proは付く?
シキが白紙の書類の束を片手に抱え、もう片方の手のひらを上に向けてクラへ差し出しながら話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして聞いている TDI 4MOTIONは3グレードとも標準。eTSIはR-Lineだけだ
クラが白いマグカップを両手で持ったまま身を乗り出し、目を見開いて大きく口を開けて驚いている。シキは白紙の書類の束を片手で抱え、目を閉じて落ち着いた表情をしている え、ガソリンで付けると20インチになるの?R-Lineは255/40 R20。全幅も1,860mmになる
クラが片手を顎に当てて考え込み、もう片方の手で白いマグカップを持っている。シキは白紙の書類を両手で胸の前に持ち、真顔でクラを見て答えている じゃあ、何から決めればいい?DCC Proが要るか。次に駐車場の車幅の上限だ

日本仕様のティグアンは、ガソリンのeTSI(前輪駆動)とディーゼルのTDI 4MOTION(フルタイム4WD)に、Active・Elegance・R-Lineの3グレードを組み合わせた6通りです。

グレード名は2つのパワートレインで同じですが、足回りの装備は同じではありません。減衰力を制御するサスペンション“DCC Pro”が標準で付くのは、TDI 4MOTIONの3グレードと、eTSIのR-Lineです。eTSIのActiveとEleganceでは、DCC Proをオプションでも選べません。

「ガソリンのActiveにして、足回りはあとで考えよう」と決めかけているなら、順番を入れ替えたほうが確実です。DCC Proはグレードと一緒に決まる装備で、オプションの一覧にありません。グレードより先に、DCC Proが要るかどうかを決めることになります。

DCC Proが付く4グレードのうち、いちばん安いのはTDI 4MOTION Active

足回りでは、4MOTION(フルタイム4輪駆動)とDCC Proが付くかどうかと、タイヤのサイズがグレードで分かれます。ステアリングは、プログレッシブステアリングが付くのがeTSIとTDI 4MOTIONのR-Lineだけです。下の表は、DCC Proとタイヤとヘッドライトの付き方に、公式の見積りシミュレーションに出る価格を合わせたものです。

項目eTSI ActiveeTSI EleganceeTSI R-LineTDI ActiveTDI EleganceTDI R-Line
価格(見積りシミュレーションの「From」表示)4,949,000円5,584,000円6,014,000円5,709,000円6,344,000円6,664,000円
サスペンションシステム“DCC Pro”ーー標準標準標準標準
LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”HDー標準標準ー標準標準
タイヤ215/65 R17235/55 R18255/40 R20215/65 R17235/55 R18255/40 R20

※表の「TDI」はTDI 4MOTIONです。「ー」は、オプションでも選べないことを示します。

eTSIでDCC Proが付くのはR-Lineだけで、TDI 4MOTION Activeはそれより約30万円安くなります。

DCC Proはどちらにも付きますが、ほかの装備はActiveとR-Lineで違うものが多くあります。TDI 4MOTION Activeのヘッドライトは“IQ.LIGHT”HDではなくLEDヘッドライトで、タイヤは215/65 R17です。ほかにもたとえば、スポーツコンフォートシート(運転席/助手席)とリラクゼーション機能は、eTSI R-Lineには付き、TDI 4MOTION Activeには付きません。シートヒーターは、TDI 4MOTION Activeが運転席と助手席、eTSI R-Lineは後席左右までです。純正のナビ(インフォテイメントシステム)は、TDI 4MOTION Activeが“Discover”、eTSI R-Lineが“Discover Pro Max”です。

DCC Proの仕組みは、フォルクスワーゲンが発売時の発表資料で説明しています。内部で伸び側と縮み側のオイル回路が分かれていて、それぞれの減衰力を制御する構造です。同じ資料は、コンフォートモードでは「快適なフラットライド」になるとしています。

サスペンションの形式は6グレードとも同じで、フロントがマクファーソンストラット、リヤが4リンク(どちらもスタビライザー付)です。DCC Proが付いても形式は変わらず、違うのは減衰力を制御する仕組みがあるかどうかです。

クラ

減衰力を制御するって、乗って分かるくらい違うものなの?

シキ

資料から言えるのは、どのグレードに付くかと、仕組みの説明までだ。付いた車と付かない車の乗り心地を比べた数字は載っていない

クラ

じゃあ試乗を頼むときは、DCC Proが付いたグレードと付いていないグレードを1台ずつにしてもらおう

全幅はR-Lineだけ1,860mm。タイヤはグレードごとに3種類

見落とされやすいのは、全幅がeTSIかTDI 4MOTIONかではなく、グレードで変わることのほうです。

項目ActiveEleganceR-Line
全長4,545mm4,545mm4,540mm
全幅1,840mm1,840mm1,860mm
トレッド(前/後)1,585/1,580mm1,585/1,580mm1,590/1,585mm
タイヤ215/65 R17(7Jx17)235/55 R18(7.5Jx18)255/40 R20(8.5Jx20)
サイドウォールの高さ(タイヤサイズからの計算値)約140mm約129mm約102mm

どの行も、eTSIとTDI 4MOTIONで同じ値です。ホイールベース2,680mm、全高1,655mm、最小回転半径5.4m、乗車定員5名は6グレード共通です。

駐車場に車幅の上限があるなら、その上限をR-Lineの全幅1,860mmと比べてください。

タイヤサイズから計算したサイドウォールの高さは、R-Lineの255/40 R20が約102mmで、Activeの215/65 R17より約38mm、Eleganceの235/55 R18より約27mm低くなります。サイドウォールが低いほどタイヤがたわむ量は小さく、路面の段差が車体に伝わりやすくなります。

クラ

うちの駐車場の車幅の上限が、1,860mmより狭かったら?

シキ

R-LineはeTSIもTDI 4MOTIONも全幅が1,860mmだから、2つとも候補から外れる。上限が1,840mm以上なら、DCC Proが要るとき残るのはTDI 4MOTIONのActiveとEleganceだ

クラ

DCC Proが要るなら、駐車場の上限で候補が2つまで減るんだ。管理会社に上限を聞くのは、見積りより先だね

同じグレードで比べると、TDI 4MOTIONはeTSIより65万〜76万円高い

TDI 4MOTIONはeTSIより、ActiveとEleganceで76万円、R-Lineで65万円高くなります。TDI 4MOTIONにすると、駆動方式がフルタイム4WDになり、エンジンは2.0Lのディーゼルになります。ActiveとEleganceでは、DCC Proも付きます。ヒルディセントアシストは、TDI 4MOTIONの3グレードに標準で付き、eTSIには付きません。

TDI 4MOTIONは400Nmを1,750〜3,250rpmで出し、eTSIは250Nmを1,500〜3,500rpmで出します。最高出力もeTSIの110kW(150PS)に対して142kW(193PS)です。

同じグレードどうしで、TDI 4MOTIONは140〜150kg重くなります(ActiveとEleganceで150kg、R-Lineで140kg)。電動パノラマスライディングルーフを付けると、どちらのパワートレインでも30kg増えます。このルーフはEleganceとR-Lineに設定があるオプション(ラグジュアリーパッケージ)で、レザーシートパッケージとのセットでしか選べません。

燃費はWLTCモードでeTSIが15.6km/L、TDI 4MOTIONが15.1km/Lで、140〜150kg重い4WDでも差は0.5km/Lです。燃料の単価は軽油のほうが安く、資源エネルギー庁の調査による2026年9月14日時点の全国平均は、ハイオク(無鉛プレミアム)が1Lあたり約181円、軽油が約159円です。

カタログ燃費(WLTCモード)で見た1kmあたりの燃料代は、eTSIが約11.6円、TDI 4MOTIONが約10.5円です。1万km走って約1万円の差なので、Activeどうしの価格差76万円を燃料代の差だけで取り戻すのは現実的ではありません。

クラ

うちは年に1万kmも走らないから、燃料代の差は年に1万円くらいまでってこと?

シキ

カタログの燃費どおりに走ればそうなる。実際の燃費は、気象や道路や運転の仕方で変わる

クラ

だったらディーゼルにするかどうかは、燃料代より、冬に雪道を走るかどうかと、DCC Proが欲しいかどうかで考えるよ

シキ

eTSIとTDI 4MOTIONでDCC Proが付くかどうかが違うのは、ActiveとEleganceだ。R-LineはeTSIにもTDI 4MOTIONにも付いている

eTSIはマイルドハイブリッドで、エンジンに電動機(型式4452)とリチウムイオン電池(総電圧44V)を組み合わせています。TDI 4MOTIONには、電動機も駆動用バッテリーもありません。

項目eTSI(Active/Elegance/R-Line)TDI 4MOTION(Active/Elegance/R-Line)
車両型式3AA-CT153DA-CT20
エンジン型式DXDDXN
種類直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
内径×行程74.5×85.9mm81.0×95.5mm
総排気量1,497cc1,968cc
圧縮比1215.5
最高出力110kW(150PS)/5,000-6,000142kW(193PS)/3,500-4,200
最大トルク250Nm(25.5kgm)/1,500-3,500400Nm(40.8kgm)/1,750-3,250
電動機型式4452・13.5kW(18PS)・56Nm(5.7kgm)なし
駆動用バッテリーリチウムイオン電池(総電圧44V)なし
変速機7速DSG7速DSG
変速比(第1速/第7速)3.190/0.6613.578/0.560
最終減速比5.200(1・4・5速、後退)/3.900(2・3・6・7速)4.812(1・4・5速、後退)/3.666(2・3・6・7速)
使用燃料無鉛プレミアム軽油
燃料タンク容量60L61L
駆動方式前輪駆動フルタイム4WD
車両重量1,600〜1,610kg(ルーフ装着車1,630〜1,640kg)1,750kg(ルーフ装着車1,780kg)
WLTCモード燃費15.6km/L15.1km/L
市街地モード11.9km/L11.4km/L
郊外モード15.9km/L15.3km/L
高速道路モード17.7km/L17.3km/L
JC08モード18.3km/L16.9km/L

※ルーフ装着車は、電動パノラマスライディングルーフを付けたEleganceとR-Lineの値です。

見積りの前に、DCC Proが要るかと駐車場の車幅の上限を確かめる

  1. DCC Proの付いた車と付いていない車を、試乗で乗り比べる。 付けないなら、eTSIのActiveとEleganceも候補に残ります。
  2. 駐車場の車幅の上限を確かめる。 駐車場の車幅の上限が1,860mmより狭ければ、eTSIとTDI 4MOTIONのR-Lineは2つとも候補から外れます。
  3. 残った候補を、オプションまで含めた金額で比べる。 見積りシミュレーションの価格は「From」付きの表示です。電動パノラマスライディングルーフを付けるなら、ラグジュアリーパッケージとレザーシートパッケージの2つを足した金額で比べることになります。

カーセンサーの平均買取相場額(2026年8月更新)は49.4万円〜379.9万円、平均走行距離は5万kmです。ティグアンという車名全体の集計で、年式もグレードも揃えていないため、この幅から現行型のどのグレードがいくらで売れるかは読み取れません。実際の査定額は、状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。

価格・装備・相場は執筆時点の情報です。装備と諸元はフォルクスワーゲン公式の装備・諸元表(2025年28週以降生産車両・Issue:December, 2025)、価格は公式の見積りシミュレーション、DCC Proの構造は2024年11月19日の発売時の発表資料、燃料価格は資源エネルギー庁の石油製品価格調査(2026年9月14日調査)、買取相場はカーセンサー(2026年8月更新)によります。仕様・価格は予告なく変更される場合があるため、購入前には正規ディーラーで最新の資料をご確認ください。

オーナーが書いたレビューは、みんカラのティグアンのレビューにあります。