VW ID. ティグアン世界初公開|欧州仕様で発表された数字はどこまで?

フォルクスワーゲン ID. ティグアン(欧州仕様)について、2026年10月9日の発表文に載っている数字を並べた図。出力は140kW(190PS)・210kW(286PS)・220kW(299PS)の3種類で、駆動方式は順に後輪駆動・後輪駆動・四輪駆動、電池は58kWh・77kWh・77kWh、牽引できる重量は58kWhの仕様が最大1,800kg、77kWhの仕様が最大2,000kg。航続距離は最大600km(WLTP)、荷室は最大534ℓ、前の収納は32ℓ、5人乗り。寸法と充電の出力・時間は発表文に記載がなく、日本仕様は未発表
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている。シキは白紙の書類の束を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている ID.4の後継が出たんだって。待つか決められる数字は出てる?
シキが白紙を1枚、胸の前で持って指で示しながら、口元をゆるめて説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口を開けている 欧州仕様は140・210・220kWの3つ。電池は58と77kWhです
クラが白いマグカップを両手で持ち、眉を下げて不安そうな顔でシキに問いかけている。シキは白紙の書類の束を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔で答えている 全幅は?充電は日本の急速充電器に合う?寸法も充電の数字も、発表文に載っていません
シキが白紙を片手で持ち、目を細めて微笑んでいる。クラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をポケットに入れて、口を開けて明るく笑っている 日本仕様は未発表です。出たら全幅から確かめますそれまでは、いま買える2台の数字で比べるよ

ID.4 かティグアンの見積もりを取ろうとしていたところに、「ID.4 の後継が発表された」というニュースが入ってくる。そんな場面で気になるのは、「待つかどうかを決められるだけの数字が、もう出ているのか」ではないでしょうか。

フォルクスワーゲンは2026年10月9日、電気自動車の新型SUV「ID. ティグアン(ID. Tiguan)」を世界初公開しました。発表文には、出力・電池の容量・航続距離・牽引できる重量・荷室の容量が数字で載っています。全長や全幅などの寸法と、充電の出力や時間は、発表文に1つも載っていません。

ID. ティグアンについては、フォルクスワーゲンがドイツ本社(ウォルフスブルク)から2026年10月9日に出したプレスリリースの範囲で書いています。ID. ティグアンの数字は、すべて欧州仕様のものです。日本仕様は、執筆時点(2026年10月12日)でメーカーから発表されていません。主要諸元表の公開後と、日本仕様の発表後に更新します。

発表文に載っている、出力・電池・航続距離・牽引・荷室の数字

ID. ティグアンは、ID.4 と ID.5 の後継として発表されました。ID.5 は ID.4 のファストバック版で、フォルクスワーゲン ジャパンのモデル一覧には載っていない車です。この2車種は、これまでに95万台以上が生産されています。

発売時期は2027年の初めと発表されていて、先行受注はドイツと欧州のほかの多くの国で2026年10月13日に始まります。エンジンを積む現行のティグアン(ガソリン・ディーゼル・ハイブリッド)は、ID. ティグアンと並行して販売されます。日本で発売するかどうかと、その時期は書かれていません。

仕様は出力の違う3つで、電池の容量が次のように分かれています。

140kW210kW220kW
最高出力140kW(190PS)210kW(286PS)220kW(299PS)
駆動方式後輪駆動後輪駆動四輪駆動(4MOTION)
電池の容量58kWh77kWh77kWh
電力消費量(複合)16.3〜14.9kWh/100km16.2〜14.6kWh/100km17.2〜15.7kWh/100km

牽引できる重量は、電池の容量ごとに発表されています。58kWhの電池で最大1,800kg、77kWhの電池で最大2,000kgです。77kWhを積む210kW(後輪駆動)と220kW(四輪駆動)で同じ値かどうかは、書かれていません。

航続距離は「最大600km」の1つだけが出ています。測定方式は欧州のWLTPで、脚注によれば、航続距離がいちばん長くなる装備の組み合わせで測った値です。3つのうちどの仕様の値かは示されていません。

仕様を分けずに発表された項目は次のとおりです。

  • 乗車定員は5人
  • 荷室の容量は最大534ℓ。車体の前側にある収納(フランク)は32ℓ
  • 装備の内容で分かれるライン(グレードにあたる区分)は Trend・Life・Style・R-Line の4つ
  • 先行受注での価格は42,695ユーロから

42,695ユーロはドイツ市場の価格で、日本での販売価格ではありません。3つの仕様と4つの装備ラインのうち、どの組み合わせの価格なのかは書かれていません。

クラ

ID.4かティグアンで迷ってるんだ。後継が出るなら待つべき?

シキ

日本で発売するかどうかも、時期も出ていません。待つ期間は決められません

クラ

いつまで待つのか分からないなら、まず数字を今の2台と比べたい

日本で買える ID.4・ティグアンと、同じ行に並べる

ID. ティグアンの列は欧州仕様の発表値、ID.4 とティグアンの列は日本でいま販売されている日本仕様の値です。数字が並んでいても、測り方がそろっていない行があります。

日本で販売されているフォルクスワーゲン ID.4 を斜め前から見た外観。青い車体の展示車で、前面のプレートに ID.4 と書かれている。写真は ID. ティグアンではない
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)。写真は ID.4 で、ID. ティグアンではありません
項目ID. ティグアン(欧州仕様・発表値)ID.4(日本仕様)ティグアン(日本仕様)
動力電気モーター電気モーターeTSI は1.5ℓガソリンターボのマイルドハイブリッド/TDI は2.0ℓディーゼルターボ
駆動方式140kW と 210kW は後輪駆動/220kW は四輪駆動(4MOTION)RR(リヤモーター・リヤ駆動)eTSI は前輪駆動/TDI 4MOTION はフルタイム4輪駆動
最高出力140kW(190PS)/210kW(286PS)/220kW(299PS)Lite 125kW(170PS)/Pro 210kW(286PS)eTSI 110kW(150PS)/TDI 4MOTION 142kW(193PS)
駆動用の電池58kWh/77kWh(総電力量か、使える容量かは記載なし)Lite 55.0kWh/Pro 82.0kWh(どちらも総電力量。諸元表の注記ではグロス値)eTSI は総電圧44Vのリチウムイオン電池(容量の記載なし)/TDI は搭載なし
航続距離最大600km(WLTP。どの仕様の値かは記載なし)Lite 409km/Pro 587km(WLTCモード)ー(エンジン車)
牽引できる重量58kWh は最大1,800kg/77kWh は最大2,000kg装備・諸元表に記載なし装備・諸元表に記載なし
乗車定員5人5名5名
荷室の容量最大534ℓ(測定方式の記載なし)543ℓ(後席を倒すと1,575ℓ。VDA方式)652ℓ(後席を倒すと1,650ℓ。VDA方式)
前側の収納(フランク)32ℓ装備・諸元表に記載なし装備・諸元表に記載なし

出力の行で同じ数字になるのは、欧州仕様の ID. ティグアンの210kW(286PS)と、日本仕様の ID.4 Pro です。駆動方式の行では、欧州仕様の ID. ティグアンに四輪駆動の仕様があります。日本仕様の ID.4 は RR で、装備・諸元表に四輪駆動の設定は載っていません。ID.4 とティグアンの2台で四輪駆動を選べるのは、ティグアンの TDI 4MOTION(Active・Elegance・R-Line の3グレード)です。

クラ

電池は77kWhか。ID.4 Proの82kWhより小さくなったの?

シキ

82.0は総電力量です。77が総電力量か使える容量かは書かれていません

クラ

基準が同じか分からない数字で、引き算はできないね

シキ

航続距離も同じです。600kmはWLTP、587kmはWLTCモードです

測定方式をそろえて比べられるのは、日本仕様の航続距離がWLTCモードで発表されてからになります。

牽引できる重量は、日本仕様の ID.4 とティグアンの装備・諸元表に対応する行が無く、この項目は3台で比べられません。トレーラーを牽く使い方を考えている場合、1,800kgと2,000kgは欧州仕様の値として読むことになります。

荷室は、ID.4 とティグアンの数字がVDA方式(ドイツ自動車工業会の測り方)で、後席を起こした状態の値です。ID. ティグアンの「最大534ℓ」は、測定方式も後席の状態も書かれていません。ティグアンの荷室をほかのSUVと比べた数字は、T-Cross・T-Roc・ティグアン|大きい車ほど荷室も広いか?にあります。

寸法・重さ・充電は、発表文に ID. ティグアンの数字がない

見落とされやすいのは、発表文に載っていない項目のほうです。日本仕様の ID.4 とティグアンでは公式の資料で確かめられる項目のうち、次の行は ID. ティグアンの数字が発表文にありません。

項目ID. ティグアン(発表文)ID.4(日本仕様)ティグアン(日本仕様)
全長×全幅×全高記載なし4,585×1,850×1,640mmR-Line の2グレードは4,540×1,860×1,655mm/ほかの4グレードは4,545×1,840×1,655mm
ホイールベース記載なし2,770mm2,680mm
最小回転半径記載なし5.4m5.4m
車両重量記載なしLite 1,920kg/Pro 2,140kgeTSI 1,600〜1,640kg/TDI 4MOTION 1,750〜1,780kg(電動パノラマスライディングルーフ装着車を含む)
最大トルク記載なしLite 310N・m/Pro 545N・meTSI 250N・m/TDI 4MOTION 400N・m
タイヤサイズ記載なしLite 235/60 R18/Pro 前235/50 R20・後255/45 R20Active 215/65 R17/Elegance 235/55 R18/R-Line 255/40 R20
サスペンション(前/後)記載なしマクファーソンストラット/マルチリンクマクファーソンストラット/4リンク
充電の規格・出力・時間記載なし普通充電(200V)と急速充電(CHAdeMO規格)ー(エンジン車)
日本で販売されているフォルクスワーゲン ティグアン eTSI R-Line を斜め前から見た外観。赤い車体の展示車で、前面のプレートに Tiguan と書かれている。エンジンを積む現行のティグアンで、ID. ティグアンではない
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)。写真はエンジンを積む現行のティグアンで、ID. ティグアンではありません

駐車場に入るかどうかを確かめるとき、先に見るのは全幅です。日本仕様の ID.4 は全幅が1,850mmです。ティグアンは R-Line の2グレードが1,860mm、ほかの4グレードが1,840mmで、グレードによって20mm違います。

クラ

後継なら、幅はID.4と同じ1,850mmと見ていい?

シキ

発表文は外観を全面的に変えたと書き、寸法は書いていません

クラ

同じとは言えないのか。駐車場に入るかは数字が出てから確かめるよ

走り出しの加速を比べるときに見る数字は、最大トルクと車両重量です。ID.4 Pro は545N・mを0〜3,675rpmで出し、車両重量は2,140kgです。ティグアンの TDI 4MOTION は400N・mを1,750〜3,250rpmで出し、車両重量は1,750〜1,780kgです。ID. ティグアンの210kWという出力が ID.4 Pro と同じでも、加速まで同じかどうかは、最大トルクと車両重量が出てから比べることになります。

乗り心地に関わるタイヤサイズとサスペンションの形式は、日本仕様の2台なら表の値で確かめられます。ティグアンのグレードごとのサスペンションの違いは、VW ティグアンのグレード比較|減衰力を変えるサスペンションはどれに付く?にまとめています。

充電は、日本仕様の ID.4 が普通充電(200V)と急速充電(CHAdeMO規格)の2種類に対応しています。ID. ティグアンの発表文が充電として挙げているのは、スマートフォンのワイヤレス充電と、車から電気製品に給電するアダプターで、車を充電する規格や出力の数字はありません。ID.4 の Lite と Pro で充電の回数がどう変わるかは、VW ID.4の航続距離|年1万km走ると充電は何回違う?で確かめられます。

装備は、標準かオプションかの区別つきで書かれている

数字のほかに発表文で分量が多いのは、操作のしかたと装備の説明です。重要な機能は、ふたたび物理ボタンで操作します。エアコンの基本操作はセンターコンソールに並んだボタンで行い、ステアリングのスイッチもタッチ式ではなく物理ボタンです。

装備発表文での扱い
ワンペダルドライブ(アクセルペダルだけで強く減速する)標準装備
運転席のディスプレイ(10インチ)と中央のディスプレイ(15インチ)新採用。オプションの注記なし
助手席のディスプレイ(12インチ)オプション
Connected Travel Assist(高速道路での車線変更を支援し、赤信号で自動的に止まる)オプション
前席の電動調整(マッサージ・メモリー・ベンチレーション機能付き)オプション
Harman Kardon のサウンドシステム(出力480W)オプション
パノラマサンルーフオプション
スマートフォンのワイヤレス充電(Qi2規格・2か所)オプション
デジタルキー(対応するスマートフォンで解錠・施錠・始動)オプション
PowerSocket(充電口に差し込み、車から電気製品に給電するアダプター)オプション

脚注によると、装備の内容はドイツ市場のものです。Connected Travel Assist には、システムの限界の範囲で作動し、運転の責任は運転者にあるという注記も付いています。Trend・Life・Style・R-Line のどのラインに何が付くかは、発表文には書かれていません。

ID.4 を手放す場合の買取相場は、発表前の9月に更新された値

すでに ID.4 に乗っていて、後継の発表を見て手放す時期を考える場合に見る数字は、買取相場です。カーセンサーの買取相場ページでは、ID.4 の買取相場額は182.5万円〜242.2万円です(2026年9月更新)。中古車店の販売価格ではなく、買取の相場です。

9月に更新された数字なので、10月9日の世界初公開より前に集計された値にあたります。発表のあとに買取相場額が上がったか下がったかは、次の更新を見るまで分かりません。実際の金額は年式・走行距離・車の状態・業者によって変わるので、査定で確かめるのが確実です。

日本仕様の発表が出たら、全幅、充電口、航続距離の順に確かめる

フォルクスワーゲン ジャパンが ID. ティグアンについて出している発表は、2026年10月12日時点で、世界初公開を予告した本社発表の日本語訳(9月29日付)です。日本に導入するかどうかにも、日本での時期・価格・グレードにも触れていません。

日本仕様の主要諸元表が公開されたときに、確かめる順番は次のとおりです。

  1. 全幅と全長。駐車場の制限と比べる数字です
  2. 充電口の規格と、急速充電の出力。ふだん使う急速充電器をそのまま使えるかが、ここで分かります
  3. 航続距離と電池の容量。航続距離がWLTCモードの値で出れば、ID.4 と同じ方式で比べられます。電池の容量が総電力量か、使える容量かも見ます
  4. 牽引できる重量と、四輪駆動の仕様が日本仕様にあるか

乗り換えの期限が先に決まっている場合、寸法と重さ、ID.4 なら充電の規格まで数字で確かめられるのは、いま買える2台です。期限に余裕がある場合は、日本仕様が発表されたときに、上の順で ID.4・ティグアンと比べていくことになります。

数字は、2026年10月12日時点でフォルクスワーゲンが公開している発表文と、日本仕様の ID.4・ティグアンの装備・諸元表、公式モデルページにもとづいています。