T-Cross・T-Roc・ティグアン|大きい車ほど荷室も広いか?

3BA-A1DPC型のフォルクスワーゲン T-Roc TSI Style を右後ろから見た外観。白いボディにルーフスポイラーとシルバーのルーフレールが付き、テールゲートにT-ROCのロゴが入る
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
シキが書類の束を持って立ち、クラが片手を横に広げて笑顔で話している T-Cross・T-Roc・ティグアン。大きいほど積めるよね
シキが白い紙を1枚持って話し、クラがマグカップを持ったまま口を開けて驚いている 後席を起こしたままだと455、445、652ℓ
シキが書類を持って目を細め、クラが手のひらを上に向けて問いかけている T-Rocのほうが110mm長いのに?
シキが書類を持ったまま指を2本立てて示し、クラが人差し指を1本立てて笑っている 後席が動くかを先に決めるAC100Vは3台でティグアンだけ
クラ

VWのSUVを3台並べるんだよね。大きいほど荷物が積めるって話でしょ

シキ

T-Crossが455、T-Rocが445、ティグアンが652。単位はリットル

クラ

T-Rocのほうが少ないんだ。写真だとT-Crossより一回り大きく見えるのに

シキ

全長は110mm長い。T-Crossが4,140mmで、T-Rocが4,250mm

全長はT-Cross 4,140mm、T-Roc 4,250mm、ティグアン 4,545mm。主要諸元表に載るラゲージスペースの数字は、この順番どおりには増えません。

全長の順に並ばないのは、ラゲージと最小回転半径の2行

寸法と荷室と小回りの行は、3台でこう並びます。

項目T-CrossT-Rocティグアン
全長4,140mm(TSI Active・TSI Style)
4,135mm(TSI R-Line・同Premium Sound Edition)
4,250mm(TSI Active〜TDI 4MOTION Black Styleの7タイプ)
4,245mm(TDI 4MOTION R-Lineの3タイプ)
4,545mm(Active・Elegance)
4,540mm(R-Line)
全幅1,760mm/1,785mm1,825mm1,840mm/1,860mm
全高1,580mm1,590mm1,655mm
ホイールベース2,550mm2,590mm2,680mm
ラゲージスペース(VDA方式)455ℓ445ℓ652ℓ
後席を倒した場合1,281ℓ1,290ℓ1,650ℓ
最小回転半径5.1m5.0m5.4m
車両重量1,260kg1,330〜1,530kg1,600〜1,750kg
車両型式3BA-C1DKR3BA-A1DPC(TSI)/3DA-A1DFF(TDI 4MOTION)3AA-CT15(eTSI)/3DA-CT20(TDI 4MOTION)

T-Rocの表からはRとR Black Style Performanceを外しています(この2タイプは全高1,570mm、車両重量1,540kg、型式7BA-A1DNFF)。重量には電動パノラマスライディングルーフ装着車の値を含めていません。

ラゲージスペースの注記は3台とも同じ2文です。「ラゲージスペースの容量はVDA(ドイツ自動車工業会)方式による。( )内は後席を倒した場合。」

つまり455ℓ・445ℓ・652ℓは、後席を起こしたままの数字ということになります。倒す前はT-Crossが10ℓ多く、倒すとT-Rocが9ℓ多くなります。

クラ

10ℓと9ℓって、どのくらいの違いなんだろう

シキ

455に対しての10だから、2%ぶん。ティグアンとの差のほうは197ℓある

クラ

じゃあ荷室の広さでT-CrossとT-Rocを選び分けるのは、あんまり意味がないんだ

シキ

この2行では決まらない。ティグアンだけは197ℓ多くて、倒したあとでも369ℓ多い

T-Crossの455ℓは4タイプとも同じ値です。ティグアンの652ℓも6タイプとも同じで、グレードごとに分かれていません。ティグアンはeTSIとTDI 4MOTIONでパワートレインが分かれますが、荷室の容量はどちらでも同じです。

最小回転半径は5.1m・5.0m・5.4mです。いちばん短いT-Crossがいちばん小さく回れるわけではなく、110mm長いT-Rocのほうが0.1m小さい値になっています。ティグアンとT-Rocの0.4m差は、回れる円の直径でいうと0.8mです。駐車場の通路で切り返すときや、細い道でUターンするときに出てくる数字になります。

T-Rocの三面図には、ラゲージの枠が2つある

T-Rocだけは、主要諸元表の三面図ページにラゲージスペースの枠が2つ並びます。445〈1,290〉ℓと392〈1,237〉ℓです。

どちらがどのタイプかは、枠の上に書かれたグレード名で分かれています。

ラゲージスペース枠の上に並ぶグレード名
445ℓ(後席を倒すと1,290ℓ)TSI Active/TSI Active Meisterwerk/TSI Style/TSI Black Style/TSI Style Meisterwerk/TDI 4MOTION Style/TDI 4MOTION Black Style/TDI 4MOTION R-Line/TDI R-Line 4MOTION Black Style/TDI 4MOTION R-Line Meisterwerk
392ℓ(後席を倒すと1,237ℓ)R/R Black Style Performance

T-Rocの主要装備表には12タイプの列が並びます。そのうち10タイプが445ℓ、残る2タイプのRとR Black Style Performanceが392ℓです。53ℓの差は、12タイプを通して少しずつ変わるのではなく、Rかどうかで分かれています。

クラ

同じT-Rocの名前で、荷室が53ℓ違うんだ

シキ

Rの2タイプは全高も1,570mmで、ほかより20mm低い。最小回転半径にいたっては値そのものが無い

クラ

無いってどういうこと

シキ

輸入自動車特別取扱制度による届出をしていて、燃費とCO2排出量と最小回転半径は算出していないと注記に書いてある

5.0mという最小回転半径は、TSIとTDI 4MOTIONの10タイプに付く値です。T-Rocの12タイプのグレード別装備差を読むときも、RとR Black Style Performanceの2タイプは主要諸元表そのものが別ページに分かれています。

T-Rocの後席は、前後に動かない

荷室の容量とは別に、後席そのものの造りが3台で違います。

車種主要装備表の行適用
T-Cross分割可倒式シート(後席、スライド機能)4タイプとも標準
T-Roc分割可倒式シート(後席)12タイプとも標準
ティグアン分割可倒式シート(後席、スライド&リクライニング機能)6タイプとも標準

T-Rocの行は括弧の中が「後席」だけです。「スライド」という語は、T-Rocの主要装備表・主要諸元表のどこにも出てきません。

3BA-C1DKR型のフォルクスワーゲン T-Cross TSI R-Line を右後ろから見た外観。イエローのボディに横一文字のLEDテールランプが入り、テールゲート下端にT-CROSSのロゴが並ぶ
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)
クラ

後席が前後に動くと、何が変わるの

シキ

後ろに人が乗らない日は、座面を前に寄せて荷室を長くできる。人を乗せる日は後ろに戻せる

クラ

ベビーカーを積む日と、大人4人で出かける日で使い分けられるってことだよね。T-Rocは後席が前後に動かないんだ

シキ

その代わり、倒したときの容量はT-Crossより9ℓ大きい。倒すか倒さないかの二択になる

T-Crossの主要装備表に、パワーテールゲートの行はありません。T-Rocは「パワーテールゲート(挟み込み防止機能、“Easy Open & Easy Close”機能付)」の行があり、12タイプのうちTSI ActiveとTSI Active Meisterwerkの2タイプだけが−で、残る10タイプに標準で付きます。ティグアンは6タイプとも標準です。

荷室にコンセントがあるのは、ティグアンだけ

12Vのソケットは3台とも全タイプに標準で付きます。分かれるのはAC100Vのほうです。

車種主要装備表の行適用
T-Cross12V電源ソケット(前席)4タイプとも標準
T-Roc12V電源ソケット12タイプとも標準
ティグアン12V電源ソケット(前席、ラゲージルーム)
AC100V電源ソケット(ラゲージルーム)
どちらも6タイプとも標準

T-CrossとT-Rocの装備表・諸元表には、AC100Vの行も、100Vという文字列もありません。家庭用のプラグをそのまま挿せる口があるのは、3台のうちティグアンだけです。しかも前席ではなく荷室に付いています。

3AA-CT15型のフォルクスワーゲン ティグアン eTSI R-Line を右後ろから見た外観。赤いボディに横一文字のLEDテールランプが入り、テールゲート右下にeTSIのバッジが付く
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)
クラ

荷室のコンセントって、何に使うんだろう

シキ

装備表に書いてあるのは、AC100Vの口が荷室にあることまで。何に使うかは書かれていない

クラ

電源が要る道具を車の後ろで使う予定があるなら、あとから足せない行だよね

シキ

T-CrossとT-Rocは、行そのものが無い。オプションで足す余地も残っていない

タイヤの側面は、いちばん厚い140mmといちばん薄い90mmで50mm違う

3台の使用タイヤサイズは、グレードごとに分かれています。側面の高さ(断面幅×扁平率)を添えると、こうなります。

車種サイズ側面の高さ付くタイプ
T-Cross205/60 R16123mmTSI Active
T-Cross205/55 R17113mmTSI Style
T-Cross215/45 R1897mmTSI R-Line・同Premium Sound Edition
T-Roc215/60 R16129mmTSI Active・TSI Active Meisterwerk
T-Roc215/55 R17118mmTSI Style・TSI Style Meisterwerk・TDI 4MOTION Style
T-Roc215/50 R18108mmTSI Black Style・TDI 4MOTION Black Style・TDI 4MOTION R-Line・同Black Style
T-Roc225/40 R1990mmTDI 4MOTION R-Line Meisterwerk
ティグアン215/65 R17140mmeTSI Active・TDI 4MOTION Active
ティグアン235/55 R18129mmeTSI Elegance・TDI 4MOTION Elegance
ティグアン255/40 R20102mmeTSI R-Line・TDI 4MOTION R-Line

上の表は標準のサイズです。T-CrossのTSI Styleはデザインパッケージを付けると215/45 R18に、T-RocのTDI 4MOTION R-Lineと同Black StyleはDCCパッケージを付けると225/40 R19に変わります。T-RocのRとR Black Style Performanceは235/40 R19(94mm)です。

いちばん厚いのはティグアンのActive(140mm)、いちばん薄いのはT-RocのTDI 4MOTION R-Line Meisterwerk(90mm)です。車体がいちばん大きいティグアンでも、R-Lineの102mmはT-CrossのTSI Activeの123mmより薄くなります。ゴムの層が厚いほど路面の細かい凹凸の衝撃は弱まって伝わるので、段差の当たりは車体の大きさでは決まらないと考えられます。

リヤサスペンションの形式は、3台のあいだで2つに分かれます。形式を分けているのは車種の大小ではありません。

形式付く車種・タイプ
トレーリングアームT-Crossの4タイプ、T-RocのTSI 5タイプ
4リンク(スタビライザー付)T-RocのTDI 4MOTION 5タイプとRの2タイプ、ティグアンの6タイプ

フロントは3台とも、全タイプがマクファーソンストラット(スタビライザー付)です。4リンクは左右の車輪が別々に動く形式なので、片輪だけが段差に乗ったときの姿勢の変化を抑えやすい構成になります。T-Rocは同じ車名の中で、TSIの5タイプだけがトレーリングアームです。

同じDXDでも、ティグアンには電動機の行がある

T-RocのTSIとティグアンのeTSIは、主要諸元表の原動機の欄が一致します。型式DXD、総排気量1,497cc、最高出力110kW(150PS)/5,000-6,000rpm、最大トルク250N·m(25.5kgm)/1,500-3,500rpm。

違うのは、原動機の下に続く行です。

項目T-Roc TSIティグアン eTSI
電動機 型式行なし4452
電動機 最高出力行なし13.5kW(18PS)
電動機 最大トルク行なし56N·m(5.7kgm)
駆動用バッテリー行なしリチウムイオン電池・44V
車両重量1,330kg1,600〜1,610kg

T-Rocの主要装備表・主要諸元表に「電動機」という行はありません。ティグアンのTDI 4MOTIONの3タイプは、電動機と駆動用バッテリーの行がすべて「ー」です。

同じ250N·mで、ティグアンのeTSIは270kg以上重い車体を動かします。1,500rpmから3,500rpmまでの帯でトルクが出るので、日常の速度域で高い回転まで回さずに走らせる組み合わせではありますが、T-Rocと同じ感覚で加速するとは限りません。ディーゼルを選ぶと数字はさらに変わり、ティグアンのTDIは400N·m(40.8kgm)/1,750-3,250rpm、T-RocのTDIは360N·m(36.7kgm)/1,600-2,750rpmです。

WLTCモード燃費は、T-Crossが17.0km/ℓ、T-RocがTSI 15.7km/ℓ・TDI 17.0km/ℓ、ティグアンがeTSI 15.6km/ℓ・TDI 15.1km/ℓです。燃料タンク容量はT-Cross 40ℓ、T-Roc 50ℓ(TSI)・55ℓ(TDI)、ティグアン 60ℓ(eTSI)・61ℓ(TDI)。無鉛プレミアムを入れるのはT-Crossの4タイプとT-RocのTSI、ティグアンのeTSIで、TDIは軽油です。

買取相場の表に、いまのティグアンの型式は出てこない

カーセンサーの買取相場は3台とも出ています。いずれも2026年8月更新です。

車種平均買取相場額平均走行距離グレード別表に出る型式
T-Cross134.6万円〜157.8万円2万km3BA-C1DKR
T-Roc135.3万円〜166.8万円4万km3BA-A1DPC/3DA-A1DFF
ティグアン49.4万円〜379.9万円5万kmLDA-5NDFGF

T-CrossとT-Rocは、グレード別表に出る型式が上の諸元表と同じです。ティグアンの表に並ぶのはLDA-5NDFGF(令和2年5月〜)だけで、3AA-CT15と3DA-CT20の行はありません。49.4万円〜379.9万円という幅は、この記事で扱った2つの型式の値としては、そのまま読めない数字です。

決める順番

最初に決めるのは、後席を前後に動かすかどうかです。動かしたいなら、T-Rocの12タイプが候補から外れます。どれを選んでも装備表の行は「分割可倒式シート(後席)」の1行だけで、オプションの設定もありません。

次が荷室の電源です。AC100Vの口が要るならティグアンの6タイプ、要らないなら3台とも候補に残ります。AC100V電源ソケットの行はT-CrossとT-Rocの装備表に存在しないので、車種を決めた時点で確定します。

最後がタイヤです。ここだけはグレードで選べます。同じ車種の中でも、側面の高さはT-Crossで26mm、T-Rocで39mm、ティグアンで38mmの幅があります。路面の凹凸の伝わり方は、車種を変えなくてもグレードで変えられるということになります。T-Crossは16・17・18インチの3段階、T-Rocは16・17・18・19インチの4段階、ティグアンは17・18・20インチの3段階です。

455ℓと445ℓの10ℓ差は、後席・電源・タイヤを決めたあとで考えれば足ります。

仕様・装備は変更されることがあります。ここで挙げた数値と記号は、T-Crossが「2026年18週以降生産車両」、T-Rocとティグアンが「2025年28週以降生産車両」の主要装備表・主要諸元表のものです。ティグアンには2026年36週以降と2026年48週以降の生産モデルについての案内が別に出ていますが、そちらに書かれているのはボディカラーの設定廃止だけで、ここで扱った諸元と装備には触れていません。契約前には販売店で最新のカタログを確かめてください。