VW T-Rocのグレード比較|同じ価格で装備が多いのはどれか?

フォルクスワーゲン T-Roc TSI Style(3BA-A1DPC)の前方斜めからの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
左のシキが白紙の書類を両手で胸の前に持ち、眉を寄せてクラのほうを見ている。右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている T-Roc、いちばん安いTSI Activeだと何が付かない?
シキが白紙の書類の束を片手に抱え、もう片方の手のひらを上に向けてクラへ差し出しながら話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして聞いている 同じ価格のMeisterwerkなら、ナビとシートヒーターが標準
クラが白いマグカップを両手で持ったまま身を乗り出し、目を見開いて大きく口を開けて驚いている。シキは白紙の書類の束を片手で抱え、目を閉じて落ち着いた表情をしている え、同じ値段で装備が多いの?ただしバックカメラは、TSI Active系の2グレードには設定がない
クラが片手を顎に当てて考え込み、もう片方の手で白いマグカップを持っている。シキは白紙の書類を両手で胸の前に持ち、真顔でクラを見て答えている じゃあ、何から決めればいい?パワーシートが要るかどうか。要るならMeisterwerkの3グレードは選べない

T-Rocの日本仕様は12グレードあり、車両本体価格は429万9,000円から724万9,000円までです。いちばん安いのは TSI Active ですが、特別仕様車ではない TSI Active を選ぶ理由は見当たりません。 同じ429万9,000円の TSI Active Meisterwerk に、Discover Pro(ナビ)とシートヒーターが標準で付くからです。

「どうせ特別仕様車だから、素のグレードに付いている装備のどれかを外しているのでは」と疑いたくなるところですが、装備表と価格表を並べてみると、Meisterwerk は素のグレードに、ナビやシートヒーターを最初から載せたグレードだと分かります。

運転支援は12グレードとも同じ。グレードで変わるのはシートヒーター、バックカメラ、タイヤ

Travel Assist も ACC も Side Assist Plus も、12グレードすべてに標準です。運転支援のために、価格の高いグレードを選ぶ必要はありません。

グレードで変わり、納車後に足せないのは3つです。シートヒーター、バックカメラ(Rear Assist)、タイヤのインチ。それとは別に、パワーシートが要る人は、Meisterwerk の3グレードが候補から外れます。パワーシートはレザーシートパッケージにしか入っておらず、Meisterwerk ではこのパッケージを選べないからです。

Meisterwerk で標準になる装備と、名前の似たインフォテイメント

Meisterwerk の3グレードで標準になるもの

TSI Active Meisterwerk は素の TSI Active と同額で、Discover Pro とシートヒーターが標準です。TDI R-Line Meisterwerk は R-Line より2万6,000円安いうえに、Discover Pro と19インチアルミホイールが付きます。

比較価格差Meisterwerk 側で標準になるもの
TSI Active → TSI Active Meisterwerk0円Discover Pro、シートヒーター
TSI Style → TSI Style Meisterwerk+31,000円Discover Pro、シートヒーター
TDI R-Line → TDI R-Line Meisterwerk−26,000円Discover Pro、19インチアルミホイール

フォルクスワーゲン自身も「ベースモデルにオプションを加えた価格と比較して、約19〜25万円お求めやすい価格」と説明しています。

TSI Active のシートヒーターは、オプションでも付けられない

TSI Active には、シートヒーターの設定が標準にもオプションにもありません。注文するときにも、納車後にも足せません。Style 系ではレザーシートパッケージに入っていますが、シートヒーターだけを単独で選ぶことはできません。

Ready 2 Discover はナビではない

見落とされやすいのは、インフォテイメントの名前です。TSI Active、TSI Style、TDI 4MOTION Style、TDI 4MOTION R-Line の4グレードは Ready 2 Discover で、装備表の脚注には「Ready 2 Discoverはナビゲーション機能を提供しておりません」と書かれています。残り8グレードは Discover Pro が標準です。

クラ

名前に Discover が入ってるから、両方ナビだと思ってた

シキ

装備表の脚注では、ナビゲーション機能を提供しないと書かれているのは Ready 2 Discover のほうです

クラ

見積りをもらったら、グレード名より先にインフォテイメントの欄を見るようにするよ

カーセンサーの買取相場は、Rまで混ざった幅

カーセンサーの平均買取相場額は134.5万円〜343.0万円ですが、この幅を自分のT-Rocにそのまま当てはめることはできません。1台700万円台のRまで同じ表に混ざっているからで、3年落ちと4年落ちの上限が1年落ちの上限を超えているのもそのためです。査定満足度の口コミも2件(5点満点で5点)しかありません。

12グレードの価格と、この記事の前提

グレード車両本体価格(税込)タイヤ
TSI Active4,299,000円215/60 R16
TSI Active Meisterwerk4,299,000円215/60 R16
TSI Style4,568,000円215/55 R17
TSI Style Meisterwerk4,599,000円215/55 R17
TSI Black Style4,761,000円215/50 R18(ブラック)
TDI 4MOTION Style5,226,000円215/55 R17
TDI 4MOTION Black Style5,439,000円215/50 R18(ブラック)
TDI 4MOTION R-Line Meisterwerk5,459,000円225/40 R19
TDI 4MOTION R-Line5,485,000円215/50 R18
TDI 4MOTION R-Line Black Style5,645,000円215/50 R18(ブラック)
R6,999,000円235/40 R19
R Black Style Performance7,249,000円235/40 R19

R Black Style Performance は全国限定172台とプレス資料に明記されています。

価格・装備は2026年8月時点の公式資料(装備表・価格表・プレスリリース)、相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。契約前に販売店で最新版をご確認ください。

グレードごとに、選ぶ理由と弱点

TSI Active Meisterwerk 429万9,000円|素の TSI Active と同額で、ナビとシートヒーターが標準

TSI Active と TSI Active Meisterwerk はどちらも429万9,000円です。Meisterwerk を選ぶと、Discover Pro とシートヒーターが標準で付きます。

シートヒーターの付き方は、12グレードで3通りあります。

付き方グレード
標準TSI Active Meisterwerk、TSI Style Meisterwerk、TDI R-Line、TDI R-Line Black Style、TDI R-Line Meisterwerk、R、R Black Style Performance
レザーシートパッケージに同梱TSI Style、TSI Black Style、TDI 4MOTION Style、TDI 4MOTION Black Style
設定なしTSI Active

TSI Style でシートヒーターを付ける場合は、手順が少し込み入っています。レザーシートパッケージは29万7,000円ですが、装備表の脚注に、Discover Pro パッケージ(16万5,000円)とのセットオプションだと書かれています。レザーシートパッケージだけを選ぶことはできず、公式価格表でも2つを合わせて46万2,000円と表示されます。

シートヒーターが欲しいだけなら、TSI Style に46万2,000円を足すより、Meisterwerk を選ぶほうが安く済みます。 TSI Active Meisterwerk は TSI Active と同額、TSI Style Meisterwerk は TSI Style との差が3万1,000円です。

タイヤは、TSI Active 系の215/60 R16がT-Rocでいちばんサイドウォールの厚いサイズです。

タイヤサイドウォール高さ該当グレード
215/60 R16129.0mmTSI Active、TSI Active Meisterwerk
215/55 R17118.3mmTSI Style、TSI Style Meisterwerk、TDI Style
215/50 R18107.5mmTSI Black Style、TDI Black Style、TDI R-Line、TDI R-Line Black Style
225/40 R1990.0mmTDI R-Line Meisterwerk
235/40 R1994.0mmR、R Black Style Performance

※サイドウォール高さは断面幅×扁平率で求めた値です。

いちばん厚い129.0mmと、いちばん薄い R-Line Meisterwerk の90.0mmでは、差は39mm、率にして3割です。サイドウォールが厚いほど、橋の継ぎ目やマンホールの縁を越えたときにタイヤがたわむ余地が大きくなります。

クラ

でも19インチのほうが見た目はいいんだよね。乗り心地はどのくらい違うの?

シキ

資料で分かるのはタイヤのサイズまでです。グレードごとの乗り心地を比べた数字は、装備表にも価格表にも載っていません

クラ

じゃあ試乗を頼むときは、215/60 R16 の TSI Active Meisterwerk と225/40 R19 の TDI R-Line Meisterwerk を1台ずつにしてもらって、家の近くの段差がある道で比べよう

TSI Active 系の弱点は、視界に関わる3装備に設定がないことです。TSI Active 系にはリヤビューカメラ “Rear Assist”、ダイナミックライトアシスト、スタティックコーナリングライトの設定がありません。ヘッドライトもLEDヘッドライトで、ほかの10グレードのLEDマトリックスヘッドライト “IQ.LIGHT” とは別のものです。パワーテールゲートも設定がありません。

もうひとつ、Meisterwerk の3グレードはレザーシートパッケージそのものを選べません。パワーシートとパワーランバーサポートは付けられないので、運転席のポジションをメモリーで戻したい人には向きません。

TSI Style Meisterwerk 459万9,000円|バックカメラが要るならこのグレード

毎日の駐車でバックカメラの映像を見たいなら、TSI Style Meisterwerk が候補になります。 TSI Style は TSI Active より26万9,000円高く、TSI Style Meisterwerk はそこからさらに3万1,000円高いだけで、Discover Pro とシートヒーターまで標準になります。

パークディスタンスコントロールは TSI Active にも付くので、後方の障害物は音で知らせてくれます。ただ、TSI Active 系には後方を映像で確かめる装備がありません。

クラ

うちの駐車場、後ろがすぐブロック塀なんだよね。音だけでいけるかな

シキ

TSI Active 系で後方を知らせるのは、パークディスタンスコントロールの音までです。リヤビューカメラ “Rear Assist” が付くのは、TSI Active 系を除く10グレードです

クラ

それなら、今の車でカメラを見ずに塀の手前で止められるか、一度やってみてから決める。怖かったら TSI Style Meisterwerk だね

タイヤは215/55 R17で、サイドウォールは118.3mmです。5サイズのうち、2番目に厚いサイズです。

フォルクスワーゲン T-Roc TSI Style(3BA-A1DPC)の17インチアルミホイールとタイヤ
TSI Style の215/55 R17。サイドウォールは118.3mmで、5サイズのうち2番目に厚いサイズです

TSI Style Meisterwerk の弱点も、パワーシートを選べないことです。パワーシートが要るなら、TSI Style に46万2,000円を足すか、R-Line にするかのどちらかになります。

TDI 4MOTION|選べば4WDとリヤ4リンクが付き、あとから変えられない

TDI 4MOTION を選ぶと、駆動方式とリヤサスペンションの形式が同時に決まります。TDI 4MOTION Style の価格は、TSI Style より65万8,000円高くなります。

項目TSI(FF)TDI 4MOTIONR
エンジン1.5L直4ターボ2.0L直4ディーゼルターボ2.0L直4ターボ
最高出力110kW(150PS)/5,000-6,000rpm110kW(150PS)/3,000-4,200rpm221kW(300PS)/5,300-6,500rpm
最大トルク250N·m/1,500-3,500rpm360N·m/1,600-2,750rpm400N·m/2,000-5,200rpm
リヤサスペンショントレーリングアーム4リンク(スタビライザー付)4リンク(スタビライザー付)
車両重量1,330kg1,530kg1,540kg
燃費(WLTCモード)15.7km/L17.0km/L未算出
ラゲージ容量445L(1,290L)445L(1,290L)392L(1,237L)

TDI 4MOTION の最大トルク360N·mは、1,600rpmから出ます。車両重量は1,530kgありますが、市街地の速度域ではエンジンの回転を上げずに走れる組み合わせです。燃料は軽油で、タンクは55Lです。

4リンクは左右の車輪が独立して動く形式で、納車後に変更することはできません。

クラ

雪の日しか4WDは要らないんだけど、それでも TDI 4MOTION?

シキ

T-Rocで4WDなのは TDI 4MOTION と R です。TSI はFFなので、4WDが要るならTSIは候補から外れます

クラ

冬に雪の坂を上る日が年に何回あるか、まず数えてみる。数回なら、その日だけ車を置いていく手もあるし

TDI 4MOTION R-Line では、もう1つ選ぶものがあります。DCCパッケージ23万1,000円を付けると、タイヤが215/50 R18から225/40 R19に変わります。乗り心地の設定を電子制御で切り替えられるようになる一方、サイドウォールは17.5mm薄くなります。DCCパッケージも、Discover Pro パッケージとのセットでしか選べません。

フォルクスワーゲン T-Roc TDI 4MOTION R-Line Black Style(3DA-A1DFF)の前方からの外観
TDI 4MOTION R-Line Black Style。R-Line専用エクステリアと専用スポーツサスペンションが付きます

R|ステアリングヒーターが付く2グレード

R と R Black Style Performance だけ、ステアリングヒーターが標準です。ほかの10グレードには標準でもオプションでも用意されていません。

ラゲージ容量は、R と R Black Style Performance が392Lで、ほかのグレードより53L少なくなります。後席を倒したときの1,237Lも、ほかのグレードより53L少ない数字です。いずれもVDA方式による公表値です。

予防安全で TSI Active 系に付かないのは、視界に関わる3装備

予防安全の装備のうち、グレードで付く・付かないが分かれるのは視界に関わる3つだけです。表の「TSI Active系」は、TSI Active と TSI Active Meisterwerk の2グレードを指します。

装備適用グレード
Travel Assist(同一車線内全車速運転支援)全12グレード
ACC(全車速追従機能付)全12グレード
Lane Assist/Side Assist Plus全12グレード
Front Assist(歩行者検知対応)全12グレード
Park Assist/パークディスタンスコントロール全12グレード
リヤトラフィックアラート全12グレード
Emergency Assist全12グレード
リヤビューカメラ “Rear Assist”TSI Active系を除く10グレード
ダイナミックライトアシストTSI Active系を除く10グレード
スタティックコーナリングライトTSI Active系を除く10グレード

T-Crossとの寸法差

項目T-Roc(TSI Style)T-Cross(TSI Style)
全長×全幅×全高4,250×1,825×1,590mm4,140×1,760×1,580mm
ホイールベース2,590mm2,550mm
車両重量1,330kg1,260kg
最小回転半径5.0m5.1m

いちばん大きな差は全幅で、T-RocのほうがT-Crossより65mm広くなります。T-Rocの1,825mmは、機械式立体駐車場によっては、幅の上限を超える寸法です。一方で最小回転半径は、車体の大きいT-Rocのほうが0.1m小さくなっています。狭い道での切り返しは、車体の大きさから想像するほど不利ではありません。

クラ

マンションの機械式、幅の上限って何mmだったっけ

シキ

T-Rocの全幅は1,825mmです。駐車場の上限がそれより狭いと、T-Rocは入りません

クラ

じゃあ、グレードを比べる前に管理会社へ上限を聞いておく。入らなかったら、グレード選びの前にT-Crossと比べ直すことになるし」T-Crossのグレードごとの装備差はT-Crossのグレード比較にまとめています。

買取相場(カーセンサー・2026年7月更新)

年式買取相場
2025年(1年落ち)215.4万円〜328.9万円
2024年(2年落ち)189.8万円〜287.2万円
2023年(3年落ち)168.5万円〜338.4万円
2022年(4年落ち)146.9万円〜325.2万円
2021年(5年落ち)145.3万円〜172.4万円

平均走行距離は4万kmと表示されています。

最初に決めるのは、パワーシートが要るかどうか

納車後に変えられないものから順に、3つ決めていきます。

  1. パワーシートとメモリー機能が要るか。 要るなら、Meisterwerk の3グレードはどれも選べません。パワーシートがレザーシートパッケージにしか入っていないためで、TSI Style に46万2,000円を足すか、R-Line を選ぶことになります。これを最初に決めるのは、答えが「要る」だと、この記事の結論(Meisterwerk を選ぶ)がそのまま使えなくなるからです
  2. 雪道を走るか、後席に人を乗せる頻度が高いか。 TDI 4MOTION を選ぶと、4WDとリヤ4リンクが同時に決まります。TDI 4MOTION Style は TSI Style より65万8,000円高くなります
  3. バックカメラが要るか。 要らなければ TSI Active Meisterwerk で足ります。要るなら TSI Style Meisterwerk です。TSI Style との差は3万1,000円で、シートヒーターとナビまで標準で付きます

夫婦で交代して運転し、体格が違う家庭なら、1の答えは販売店で運転席に交代で座り、シートの位置を合わせ直す手間を確かめてから出すと決めやすくなります。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのT-Rocのレビューで読めます。