ハリアーとクラウン スポーツ|同じ価格帯で装備は何が違う?

トヨタ ハリアー ハイブリッド Z“Leather Package”2WD(6AA-AXUH80-ANXSB(S))を斜め前から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小。撮影は2020年9月)

ハリアーの最上級グレードZ“Leather Package”の2WDが518万6,500円。クラウン スポーツのいちばん安いSPORT Gが520万円。差は1万3,500円です。同じ金額を出しても、ハリアーではこの最上級グレードが買え、クラウン スポーツではいちばん安いグレードしか買えません。

520万円で買えるもの、買えないもの

2台の価格を、安いほうから1つの表に並べます。どちらもトヨタの5人乗りSUVで、2.5Lハイブリッドが主力です。

価格(税込)ハリアークラウン スポーツ
439万6,700円G(2WD)ー
461万6,700円G(E-Four)ー
486万6,400円Z(2WD)ー
508万6,400円Z(E-Four)ー
518万6,500円Z“Leather Package”(2WD)ー
520万0,000円ーSPORT G
540万6,500円Z“Leather Package”(E-Four)ー
590万0,000円ーSPORT Z
765万0,000円ーSPORT RS(PHEV)

上の表はベースになるグレードだけを並べたものです。これに特別仕様車が加わります。ハリアーはZとZ“Leather Package”それぞれに黒の装備を足した“Night Shade”があり、いちばん高い仕様が約556万円。クラウン スポーツには“THE 70th”が2つあり、高いほうは770万円です。

それを入れても、2台の価格帯が重なるのは518万6,500円から556万1,600円までの範囲だけで、そこに入るクラウン スポーツはSPORT Gの1グレードしかありません。 クラウン スポーツの2番目に安いSPORT Zは590万円で、ハリアーのどの仕様よりも高くなります。

つまり520万円という予算は、ハリアーでは「上位グレードに手が届く金額」、クラウン スポーツでは「これ以上は下げられない金額」になります。

同じ金額で、シートヒーターが付く1台と付かない1台に分かれる

冬に使う装備の付き方は、同じ金額でも2台で違います。

ハリアー Z“Leather Package”クラウン スポーツ SPORT G
シート表皮本革上級ファブリック+合成皮革
前席シートヒーター標準設定なし
ステアリングヒーター標準設定なし
前席シートベンチレーション標準設定なし
後席左右シートヒーター設定なし設定なし(SPORT RSのみ標準)
助手席シート4ウェイパワーシートー
パノラマルーフ19万8,000円のメーカーオプション設定なし

クラウン スポーツで前席シートヒーターを付けるには、590万円のSPORT Zまで上げるしかありません。 オプションでの追加も用意されていないので、SPORT Gを選んだ時点でこの装備は付きません。ステアリングヒーターも同じSPORT Zからです。

ハリアーは3グレードとも前席シートヒーターとステアリングヒーターが標準で、約440万円のGから付いてきます。寒い土地で使うなら、この2つは価格ではなく車種の選択で決まります。

パノラマルーフはハリアーがZ“Leather Package”とZに19万8,000円(消費税抜き18万円)のメーカーオプション、クラウン スポーツはSPORT RSとSPORT Zに11万円(同10万円)のメーカーオプションです。いま並べている2つのグレードで付けられるのは、ハリアーだけです。

トヨタ クラウン スポーツ SPORT Zを前方から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

クラウン スポーツのSPORT Gに付いてくるもの

装備一覧だけ見ると一方的ですが、SPORT Gには標準で入っていて、ハリアーでは選べないものもあります。

クラウン スポーツは3グレードともE-Four(電気式4輪駆動方式)で、2WDの設定がありません。ハリアーで同じE-Fourにすると、Z“Leather Package”は540万6,500円になり、SPORT Gより20万6,500円高くなります。520万円という予算をE-Four込みで考えるなら、順番が入れ替わります。

SPORT Gが履くのは235/45R21で、クラウン スポーツは3グレードとも21インチです。ハリアーのZ系は225/55R19、Gは225/60R18になります。

ハリアー Z“Leather Package”クラウン スポーツ SPORT G
タイヤ225/55R19235/45R21
サイドウォールの高さ約124mm約106mm
リヤサスペンションダブルウィッシュボーン式マルチリンク式
最小回転半径5.7m5.4m
全高1,660mm1,565mm
最低地上高190mm160mm

サイドウォールで18mmの差があります。空気の層が薄いほど段差の角が丸まりにくいので、乗り味は21インチのクラウン スポーツのほうが硬めになると考えられます。一方で最小回転半径は5.4mと5.7m。全長はクラウン スポーツが20mm短いだけですが、狭い駐車場での切り返しはクラウン スポーツのほうが少なくて済みます。

全高の差95mmと最低地上高の差30mmが関わるのは、駐車場の高さ制限と段差です。機械式駐車場でよく見る1,550mmの制限には、1,660mmのハリアーも1,565mmのクラウン スポーツも入りません。屋根付きの駐車場やルーフボックスを載せる場面では、この95mmぶんだけクラウン スポーツに余裕が出ます。逆に輪止めや縁石を越える場面では、最低地上高190mmのハリアーが40mm多く床下を空けています。

エンジンは同じ型式で、出力と電池が違う

ハリアーの3グレードと、クラウン スポーツのSPORT Z・Gは、エンジン型式がどちらもA25A-FXS、総排気量2.487Lです。フロントモーターも同じ3NM型で88kW(120PS)/202N·m、リヤモーターも同じ4NM型で40kW(54PS)/121N·m。PHEVのSPORT RSだけは別で、フロントモーターが5NM型の134kW(182PS)/270N·m、電池もリチウムイオンになります。

数字が分かれるのは、エンジン出力と電池の種類、そして燃費の3か所だけです。

ハリアークラウン スポーツ(SPORT Z・G)
エンジン最高出力131kW(178PS)/5,700rpm137kW(186PS)/6,000rpm
動力用主電池リチウムイオン電池ニッケル水素電池
WLTCモード燃費Z系 22.4km/L(2WD)/21.7km/L(E-Four)、G 22.7/22.0km/L21.3km/L

エンジン単体の最高出力はクラウン スポーツが6kW(8PS)大きいものの、最大トルクはどちらも221N·m/3,600〜5,200rpmで同じです。日常の速度域で使う部分は共通と見てよさそうです。

燃料タンクは2台とも55L。満タンからの航続距離はハリアーの2WDで約1,230km、クラウン スポーツで約1,170kmになります。60kmほどの差で、給油の回数が変わるほどではありません。

トヨタ クラウン スポーツ SPORT Zの運転席まわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

ハリアーは室内長と室内高、クラウン スポーツは室内幅が大きい

ハリアークラウン スポーツ
室内長1,880mm1,850mm
室内幅1,520mm1,540mm
室内高1,215mm1,175mm
全長4,740mm4,720mm
全幅1,855mm1,880mm
ホイールベース2,690mm2,770mm

ハリアーは室内長と室内高が大きく、クラウン スポーツは室内幅が広くなっています。室内高の40mm差は、後席に座ったときの頭上の余裕として出る数字です。ホイールベースはクラウン スポーツが80mm長く、直進での落ち着きはこちらが有利な寸法になります。

なお、クラウン スポーツでパノラマルーフを選ぶと室内高は1,145mmになります。ハリアーの調光パノラマルーフも同様に1,185mmまで下がります。屋根の装備は、頭上の寸法とセットで考えることになります。

買取相場は、比べる前に世代を確かめる

カーセンサーの平均買取相場額(2026年7月更新)です。買取価格であって、中古車として売られる価格ではありません。

クラウン スポーツは337.5万〜436.1万円。グレード別では2.5 Z E-Four 4WD(新車価格590.0万円)が376.3万〜436.1万円で出ています。2023年11月からの1世代だけなので、いま新車で買えるクルマとそのまま対応します。

ハリアーは85.4万〜374.4万円と幅が広く出ますが、この車種コードは1997年12月以降の全世代をまとめたものです。先代・先々代とガソリン車が同じ表に混ざるので、この数字を現行ハイブリッドの相場として読まないでください。 年式別では2025年(1年落ち)が222.5万〜371.3万円、クラウン スポーツが362.4万〜427.9万円です。

金額は状態と走行距離で動くので、ここで見えるのは幅までです。ハリアーの相場表でSやガソリン車の行が現行グレードと混同されやすい点は、ハリアーのグレード比較にも書きました。

決める順番は、駆動方式が先

最初に決めるのは4WDが要るかどうかです。ここで候補の並びが変わります。E-Fourで揃えるなら520万円ではハリアーのZ(E-Four・508万6,400円)とクラウン スポーツのSPORT Gが並び、Z“Leather Package”は予算を超えます。2WDでよいならハリアーの最上級が同じ金額で手に入ります。

次が冬の装備です。シートヒーターとステアリングヒーターは、クラウン スポーツのSPORT Gでは金額を足しても付きません。ここが要るなら、クラウン スポーツの予算は590万円からになります。

最後に屋根とタイヤです。パノラマルーフはどちらもメーカーオプションなので、注文時に決める必要があります。21インチと19インチの差も、あとから選び直せません。

この3つはすべて、買ったあとでは変えられません。 装備の数を数えるより先に、ここを順に決めるほうが早いです。

クラウン スポーツにはPHEVのSPORT RSもあり、同じ「RS」でもクロスオーバーとは動力が別物です(クラウン クロスオーバー vs スポーツ)。ハリアーで2WDのままもう一段安く収めたいなら、エンジンとホイールベースを共有するRAV4との比較が次の一手になります。

※価格・相場は執筆時点の情報です。実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。