ナンバーの平仮名|普通車と軽で意味が変わる字はどれか?

ナンバーの平仮名の意味を、登録自動車(自動車登録規則 別表第三)と検査対象軽自動車(道路運送車両法施行規則 別表第二の五)の2列で並べた表。あいうえかきくけこ・をの10字は登録が事業用、軽が自家用。りは登録が自家用、軽が事業用。れは登録が貸渡、軽が事業用。よは登録が免税の自家用車など、軽が自家用。合計13字で意味が変わる。下段に、さからろまでの28字とわはどちらも同じ意味で、お・し・へ・んはどちらの表にも出てこないと添えている
写真: 型式ラボ編集部 (自作図版・自動車登録規則 第十三条・別表第三、道路運送車両法施行規則 第三十六条の十七・別表第二の五をもとに編集部で作成。ナンバープレートの様式や色を表す図ではありません)
── この記事の結論を先に4コマで ──
左のシキが白紙の書類を両手で胸の前に持ち、眉を寄せてクラのほうを見ている。右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている ナンバーの「れ」ってレンタカーだよね?
シキが白紙の書類の束を片手に抱え、もう片方の手のひらを上に向けてクラへ差し出しながら話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして聞いている 登録自動車なら貸渡です。軽自動車だと事業用です
クラが白いマグカップを両手で持ったまま身を乗り出し、目を見開いて大きく口を開けて驚いている。シキは白紙の書類の束を片手で抱え、目を閉じて落ち着いた表情をしている 同じ文字で意味が変わるの?根拠の省令が別だからです
クラが片手を顎に当てて考え込み、もう片方の手で白いマグカップを持っている。シキは白紙の書類を両手で胸の前に持ち、真顔でクラを見て答えている 意味が変わる平仮名は13字あります先に見るのは車検証の「自動車の種別」だね

ナンバーの平仮名の意味を調べるとき、最初に確かめるのは平仮名ではありません。その車が登録自動車なのか、検査対象軽自動車なのかのほうです。平仮名を決めている別表が別の省令にあり、同じ字でも意味が変わるものが13字あります。

中古車サイトの写真にナンバーの「れ」が写っていて、「これ、元レンタカーかな」と疑う。ナンバーの平仮名が気になるのは、たとえばこうした場面です。ところが「れ」が指しているものは、その車が登録自動車か検査対象軽自動車かで変わります。

ナンバーの決め方は、登録自動車と検査対象軽自動車で別の省令にある

登録自動車(新規登録を受けた自動車。道路運送車両法 第十三条第一項)のナンバーは、条文では「自動車登録番号」と呼ばれます。決め方を書いているのは自動車登録規則(昭和四十五年運輸省令第七号)第十三条第一項です。

検査対象軽自動車(軽自動車のうち、検査対象外軽自動車以外のもの。道路運送車両法 第五十九条第一項)と二輪の小型自動車のナンバーは「車両番号」です。新規検査の結果が保安基準に適合すると認められたときに、国土交通大臣が指定します(第六十条第一項)。決め方は道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)第三十六条の十七第一項にあります。

道路運送車両法 第四条は、登録を受けなければ運行の用に供してはならない「自動車」から、軽自動車・小型特殊自動車・二輪の小型自動車を外しています。登録を受ける車と受けない車では、ナンバーの呼び名も、決め方を書いた省令も違います。

登録自動車検査対象軽自動車
条文上の呼び名自動車登録番号車両番号
決め方の条文自動車登録規則 第十三条第一項道路運送車両法施行規則 第三十六条の十七第一項
1つめ運輸監理部又は運輸支局を表示する文字(別表第一)同じ別表第一による(第三十六条の十七第二項)
2つめ種別及び用途による分類番号。二字以下の数字か、最初がアラビア数字の三字(別表第二)用途による分類番号。二字の数字か、最初がアラビア数字の三字(別表第二の四)
3つめ自動車運送事業の用に供するかどうかの別等を表示する平仮名又はローマ字(別表第三)自家用又は事業用の別等を表示する平仮名又はローマ字(別表第二の五)
4つめ四けた以下のアラビア数字四けた以下のアラビア数字

同じなのは地名の文字と、末尾の四けた以下の数字です。第三十六条の十七第二項は「自動車登録規則(昭和四十五年運輸省令第七号。以下『規則』という。)の別表第一に定めるところによる」と書いていて、検査対象軽自動車のナンバーの地名は、自動車登録規則の別表第一をそのまま使っています。なお別表第一は、使用の本拠の位置(車を使う人の拠点。個人ならふだん住んでいる所)がどの運輸支局の管轄かで、表示する地名を決める表です。

3つめの文字を定めた条文は、書き出しの言葉が2つの省令で別です。自動車登録規則は「自動車運送事業の用に供するかどうかの別等」、道路運送車両法施行規則は「自家用又は事業用の別等」です。

クラ

じゃあ地名だけ見ていても、登録の車か軽かは分からないんだ

シキ

共通なのはそこだけです。平仮名は登録が別表第三、軽が別表第二の五で、行の中身が違います

クラ

それ、どこで分かるの。中古車を見に行く前に確かめておきたい

シキ

車検証の『自動車の種別』欄です。電子車検証でも、券面に印字されている項目に入っています

白地に黒い文字のナンバープレートを正面から写した写真。Wikimedia Commons の説明では、排気量660cm3以上の自家用車のものとされている
写真: Gzzz — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

意味が変わる平仮名は13字

平仮名とローマ字を割り当てている別表は、どちらも4行です。

号登録自動車(自動車登録規則 別表第三)検査対象軽自動車(道路運送車両法施行規則 別表第二の五)
第1号自動車運送事業の用に供する自動車:あいうえかきくけこを(10字)事業用自動車:りれ(2字)
第2号自家用自動車(第3号・第4号を除く):さすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆらりるろ(29字)自家用自動車(第3号・第4号を除く):あいうえかきくけこさすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆよらるろを(39字)
第3号道路運送法施行規則第52条の許可を受けた自家用自動車:れわ(2字)同じ許可を受けた自家用自動車:わ(1字)
第4号日本国籍を有しない者が所有する自家用自動車で、法令の規定により関税又は消費税が免除されているもの及び別に国土交通大臣が指定するもの:EHKMTYよ(7字)日本国籍を有しない者が所有する自家用自動車で、法令の規定により関税又は消費税が免除されているもの:AB(2字)

いちばん大きく違うのは第1号です。登録自動車は事業用に10字を割り当てていますが、検査対象軽自動車では「り」と「れ」の2字だけです。その10字は、検査対象軽自動車では第2号の自家用に入っています。

その13字は次のとおりです。

平仮名登録自動車検査対象軽自動車
あ・い・う・え・か・き・く・け・こ・を(10字)事業用(第1号)自家用(第2号)
り自家用(第2号)事業用(第1号)
れ貸渡し(第3号)事業用(第1号)
よ免税の自家用車など(第4号)自家用(第2号)

残りの29字は、どちらの別表でも同じ意味です。さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・ら・る・ろの28字はどちらも自家用、「わ」はどちらも第3号の許可を受けた自家用自動車です。

ひらがな46字のうち、お・し・へ・んの4字は、どちらの別表にも出てきません。二輪の小型自動車の別表第三を合わせても、この4字は出てきません。

ローマ字は、2つの別表で同じ文字が使われていません。登録自動車がE・H・K・M・T・Yの6字、検査対象軽自動車がA・Bの2字で、いずれも第4号に割り当てられています。

同じ「あ」のナンバーでも、登録自動車なら事業用、検査対象軽自動車なら自家用です。中古車を2台並べて見比べているとき、平仮名だけを見て同じ用途だと思うと取り違えます。

緑地に白い文字のナンバープレートを正面から写した写真。Wikimedia Commons の説明では、排気量660cm3以上の事業用車のものとされている
写真: Gzzz — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

「れ」は登録自動車で貸渡し、検査対象軽自動車で事業用

13字のうち、いちばん誤解を招きやすいのが「れ」です。

登録自動車の別表第三では、「れ」は「わ」と並んで第3号にあります。第3号の区分は「道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車」です。この第五十二条は有償貸渡しの許可申請を定めた条で、道路運送法 第八十条第一項の許可により、貸渡人を自動車の使用者として自家用自動車を貸し渡す場合を扱っています。

検査対象軽自動車の別表第二の五では、第3号にあるのは「わ」1字だけです。

平仮名登録自動車検査対象軽自動車
わ第3号(貸渡しの許可を受けた自家用自動車)第3号(同じ)
れ第3号(同上)第1号(事業用自動車)

検査対象軽自動車のナンバーの「れ」は、貸渡しではなく事業用です。

貸渡しの許可と、そこから決まる車検の年数は、用途で変わる車検の周期で、道路運送法の条文をもとに説明しています。

クラ

白いナンバーか黄色いナンバーかで見分けてたんだけど、それじゃ足りないの

シキ

自動車登録規則にも道路運送車両法施行規則にも、ナンバーの地色を決めた規定がありません。色の指定が出てくるのは、臨時運行許可番号標と回送運行許可番号標の2か所だけです

クラ

色で見分けるところまでは構わないけど、最後は車検証を開くってことね。中古車屋さんで写真だけ見て決めつけない

黒地に黄色い文字のナンバープレートを正面から写した写真。Wikimedia Commons の説明では、排気量660cm3未満の事業用車のものとされている
写真: Gzzz — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

分類番号の別表は、登録自動車が8行、検査対象軽自動車が3行

ナンバーの並びで平仮名の1つ前に来るのが分類番号です。

自動車登録規則 別表第二は8行あります。普通自動車が貨物・乗車定員11人以上・乗車定員10人以下の3行、小型自動車が貨物と人の2行、特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車が1行、大型特殊自動車が2行という並びです。

道路運送車両法施行規則 別表第二の四は3行です。次はその全行で、表記は別表のままです。

自動車の用途による区分分類番号
1 貨物の運送の用に供する自動車40から49まで、400から499まで、600から699まで、40Aから49Zまで、60Aから69Zまで、4A0から4Z9まで、6A0から6Z9まで、4AAから4ZZまで及び6AAから6ZZまで
2 人の運送の用に供する自動車50から59まで、500から599まで、700から799まで、50Aから59Zまで、70Aから79Zまで、5A0から5Z9まで、7A0から7Z9まで、5AAから5ZZまで及び7AAから7ZZまで
3 散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車その他特種の用途に供する自動車80から89まで、800から899まで、80Aから89Zまで、8A0から8Z9まで及び8AAから8ZZまで

貨物・人・特種の3つしかありません。別表第二にある乗車定員11人以上と10人以下の区別も、大型特殊自動車の2行も、ここにはありません。

第十三条第一項第二号は「二字以下のアラビア数字」と書き、第三十六条の十七第一項第二号は「二字のアラビア数字」と書いています。別表第二には1桁の数字が0から9まで10通りそろっていますが、別表第二の四は40から49までのような2桁から始まります。「3ナンバー」「5ナンバー」と1桁で呼ぶ言い方が当てはまるのは、登録自動車のほうです。

どこで普通自動車と小型自動車に分かれるかは 車検証に「3ナンバー」とは書いていない に、8で始まる番号が付く「特種の用途」の要件は キャンピングカーの8ナンバー要件 にあります。

黄色地に黒い文字のナンバープレートを正面から写した写真。Wikimedia Commons の説明では、排気量660cm3未満の自家用車のものとされている
写真: Gzzz — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

二輪の小型自動車には、分類番号そのものがない

3つめの別表が、道路運送車両法施行規則 別表第三です。この別表を使っているのは第三十六条の十八で、二輪の小型自動車の車両番号を定めています。

この条が挙げる文字は3つです。運輸監理部又は運輸支局を表示する文字、自家用又は事業用の別等を表示する平仮名又はローマ字(別表第三)、四けた以下のアラビア数字。分類番号の号がありません。

別表第三では、第1号の事業用自動車が「ゆりれ」の3字、第3号の貸渡しの許可を受けた自家用自動車が「ろわ」の2字、第4号がA・B・E・H・K・M・T・Yと「よ」です。第2号の自家用自動車は(1)と(2)に分かれていて、(1)に平仮名36字が並び、(2)に「次に掲げる文字をその順序により組み合わせたもの」が置かれています。組み合わせるのは、イの「CLV」と、ロの「(1)に掲げる文字」です。

クラ

分類番号がないと、貨物か人かはどこで見るの

シキ

二輪の小型自動車の車両番号は、地名の文字と平仮名と四けた以下の数字の3つだけです

クラ

『ゆ』が事業用なのは、3つの別表のうちここだけだね

シキ

登録自動車と検査対象軽自動車では、『ゆ』は自家用の行に入っています

平仮名を引く前に決めておく順番

手元の車のナンバーを読むなら、決める順番は3つです。

引く別表を決めるのが先です。車検証の「自動車の種別」欄を見て、登録自動車なら自動車登録規則 別表第三、検査対象軽自動車なら道路運送車両法施行規則 別表第二の五、二輪の小型自動車なら同規則 別表第三を開きます。ここを取り違えると、上の13字を、実際とは違う区分として読んでしまいます。

次に見るのが平仮名です。車検証の「自家用・事業用の別」欄と突き合わせれば、引いた行が合っているかを確かめられます。

分類番号は最後で構いません。別表第二も別表第二の四も、区分しているのは車の用途と種別で、平仮名の意味とは関係がありません。分類番号は、車検証の「用途」「乗車定員」の欄と見比べて読みます。

型式指定番号と類別区分番号の並びについては 車検証の型式指定番号・類別区分番号 が、ナンバープレートの取付けと封印の位置については ナンバーの封印 が、それぞれ別に扱っています。

条文と別表は、この記事の執筆時点で e-Gov 法令検索に載っている内容によります。