カングーのガソリンとディーゼル|満タンで走れる距離は何km違う?

日本仕様のルノー カングー ディーゼル(プルミエール エディション)を左前方から見た外観。横長のグリルの中央にルノーのロザンジュが付き、その左右にLEDヘッドライトが並ぶ
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラがマグカップを持って首をかしげ、考えこんでいる。シキは書類の束を持って隣に立っている カングーはガソリンとディーゼルの2種類なんだ
シキが書類を1枚取り出して前に差し出し、まっすぐ前を向いて話している タンクはどちらも54L。WLTCは15.0と19.6
クラが目を見開いて驚き、マグカップを手に持ったまま口を開けている。シキは書類を抱えて冷静に立っている 同じ54Lで、走れる距離が約250km違うんだ
シキが片手を前に出して順番を示すしぐさをし、クラがうなずいている 先に決めるのは燃料。色はそのあと
クラ

カングーってガソリンとディーゼルの2種類なんだ。差は20万円だよね

シキ

タンクはどっちも54L。計算だと、満タンで走れる距離は810kmと1,058km

クラ

タンクが同じなのに、なんでそこまで開くの?

シキ

WLTCモードが15.0km/Lと19.6km/L。差は4.6km/L

ルノー カングーの日本仕様は、ガソリンとディーゼルの2種類です。グレード名はありません。主要装備一覧の列も1つで、81行が2つのエンジンに共通です。シートも空調もタイヤも、どちらを選んでも同じものが付きます。

主要諸元表でも、ガソリンとディーゼルで欄が分かれているのは、38項目のうち14項目です。

タンクは同じ54L。走れる距離が約250km違う

その14項目の1つが、燃料タンク容量/使用燃料です。タンクの容量はどちらも54Lで、分かれているのは使用燃料のほうです。無鉛プレミアムガソリンと軽油と書かれています。

WLTCモードは15.0km/Lと19.6km/L。タンクを空になるまで使い切って、この数字どおりに走ったとして計算しました。ルノーが公表している航続距離ではありません。

ガソリンディーゼル差
燃料タンク容量54L54L0L
WLTCモード15.0km/L19.6km/L4.6km/L
満タン航続(計算値)810.0km1,058.4km248.4km
1万kmあたりの給油回数12.3回9.4回2.9回

同じ54Lのタンクで、走れる距離が約250km違います。

年に1万km走る人なら、給油に立ち寄る回数は約12回と約9回です。1回の給油でもつ日数にすると約30日と約39日で、9日ぶん違います。10年で10万km走れば約123回と約94回になり、29回ぶん開きます。

WLTCには市街地・郊外・高速道路の内訳も付いています。航続は同じ54Lで計算した値です。

モードガソリンの燃費ガソリンの航続ディーゼルの燃費ディーゼルの航続航続の差
市街地(WLTC-L)11.7km/L631.8km16.2km/L874.8km243.0km
郊外(WLTC-M)15.2km/L820.8km19.7km/L1,063.8km243.0km
高速道路(WLTC-H)16.9km/L912.6km21.5km/L1,161.0km248.4km

高速道路をあまり使わない乗り方でも、差はほとんど縮みません。市街地モードで計算した差は約243kmで、高速道路モードとほぼ同じです。

クラ

街乗り中心なら差が小さくなると思ってたんだ

シキ

燃費の比でいちばん開くのは市街地。ディーゼルがガソリンの約1.38倍で、高速道路モードだと約1.27倍まで縮む

クラ

じゃあ、変速機やタイヤも燃料で変わるの?

日本仕様のルノー カングー ディーゼル(プルミエール エディション)を右前方から見た外観。後席側のスライドドアと、ボディ下部を回る黒い樹脂プロテクターが見える
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

変速機は、どちらも電子制御7速AT(7EDC)です。変速比は1速の4.461から後退の3.651まで8つとも共通で、ガソリンの欄とディーゼルの欄に別々の数字はありません。分かれているのは、最終減速比の行です。

ガソリンディーゼル
変速比 1速/2速/3速/4速4.461/2.647/1.437/0.975左と同じ
変速比 5速/6速/7速/後退0.754/0.682/0.547/3.651左と同じ
減速比4.176(1・2・6・7速)/4.733(3・4・5速)3.789(1・2・6・7速)/4.235(3・4・5速)

ディーゼルはトルクが30N·m多く、最高出力は11kW少ない

ガソリンとディーゼルで欄が分かれている14項目は、型式・エンジン型式・エンジンタイプ・総排気量・内径×行程・燃料供給装置・最高出力・最大トルク・車両重量・燃料タンク容量/使用燃料・減速比・JC08モード・WLTCモード・主要燃費向上対策です。

ガソリンディーゼル
型式3BA-KFKH5H3DA-KFKK9K
エンジン型式H5HK9K
エンジンタイプターボチャージャー付 筒内直接噴射 直列4気筒 DOHC 16バルブターボチャージャー付 筒内直接噴射 直列4気筒 SOHC 8バルブ
総排気量1.333L1.460L
内径×行程72.2×81.4mm76.0×80.5mm
最高出力96kW/5,000rpm85kW/3,750rpm
最大トルク240N·m/1,600rpm270N·m/1,750rpm
車両重量1,570kg1,660kg
WLTCモード15.0km/L19.6km/L

ディーゼルの最大トルクは270N·mで、出るのは1,750rpm。ガソリンの240N·mは1,600rpmです。トルクはディーゼルが30N·m多く、最高出力は96kW/5,000rpmと85kW/3,750rpmで、ガソリンが11kW大きい数字です。

車両重量の差は90kgあります。ただし自動車重量税が見る0.5トンごとの段では、1,570kgも1,660kgも同じ4段目に入ります。90kg重くなっても、この税額は変わりません。

型式の頭に付く3BAと3DAは、排出ガス規制と燃費基準の識別記号です。エンジン型式のH5HとK9Kは、車検証の原動機の型式の欄にそのまま書き写されます。

パワートレインを替えると何が変わるかを1台ぶん並べたのがパサートです。カングーは、変速比の8行に差がありません。

装備一覧は列が1つ。81行が2つのエンジンに共通

主要装備一覧のヘッダーは「ルノー カングー ガソリンエンジン/ ディーゼルエンジン」の1つで、エンジンごとの列はありません。安全性・エクステリア・インテリア・機能装備・オーディオ・快適装備・収納スペース・足回りの8つの節に81行が並びます。80行が●の標準装備で、〇のディーラーオプションはマルチルーフレール(クロスバー機能付)の1行です。

節標準装備の例
安全性アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)/アクティブエマージェンシーブレーキ(歩行者・自転車検知機能付)/ブラインドスポットインターベンション/パーキングセンサー(フロント/サイド/リア)/リアカメラ
エクステリアLEDヘッドライト/スライドドア/ダブルバックドア/プライバシーガラス/ヒーター付電動格納式ドアミラー
インテリアファブリック×レザー調コンビシート/運転席シートリフター/6:4分割可倒式リアシート/チルト&テレスコピックステアリング/10インチデジタルインストゥルメントパネル
快適装備防塵フィルター付2ゾーンオートエアコン/後席エアダクト(センターコンソールボックス背部・フロントシート下)/トランクルーム12V電源ソケット/フロントシートバックテーブル
足回り17インチアロイホイール/パンク修理キット

シート表皮はファブリックとレザー調のコンビです。前席の調整機構として載っているのは運転席シートリフターと高さ調整式ヘッドレストで、シートヒーターとパワーシートの行はありません。後席は6:4分割可倒式で、高さ調整式ヘッドレストが3個付きます。

電源は12Vのソケットが2か所です。1つはトランクルーム、もう1つは前席アームレスト付センターコンソールボックスの中にあります。USBポートはインストゥルメントパネルアッパーボックスとセンターコンソールボックスに付いていて、100Vのコンセントの記載はありません。

クラ

装備で悩まなくていいのは楽だよね

シキ

悩まない代わりに、あとから足す手もない。ディーラーオプションの行はルーフレール1つだけ

日本仕様のルノー カングー ディーゼル(プルミエール エディション)を右後方から見た外観。左右に開くダブルバックドアと、リアワイパー、縦長のリアコンビランプが見える
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

車体の数字は2つのエンジンで同じ

寸法も足まわりもタイヤも、諸元表では1つのマスにまとまっています。

ガソリン・ディーゼル共通
全長×全幅×全高4,490×1,860×1,810mm
ホイールベース2,715mm
トレッド(前/後)1,570/1,580mm
乗車定員5名
駆動方式前輪駆動(FF)
懸架方式前:マクファーソン/コイル、後:トーションビーム/コイル
ブレーキ前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤ/ホイール205/55R17/7J×17
最小回転半径5.6m

最小回転半径5.6mは、向きを変えるのに直径11.2mの円が要るということです。全長4,490mmのカングーが2台半ならぶ幅にあたります。タイヤは205/55R17で、サイドウォールの高さは約113mm。諸元表に載るタイヤはこの1サイズで、エンジンを替えても変わりません。

全幅1,860mmは、小型自動車の4要件にある1.70mを160mm超えています。全長4,490mmも全高1,810mmも総排気量も要件の内側なので、カングーを3ナンバーにしているのは幅の1項目です。機械式駐車場を使う予定があるなら、全幅1,860mmと全高1,810mmの両方を、その駐車場の制限値と照らし合わせてください。

ボディカラーは、ガソリンが5色でディーゼルが3色

価格表の2つの行には、どちらにも「※1 ボディカラーにより価格が異なります」という注記が付いています。選べるのはガソリンが5色、ディーゼルが3色です。

ボディカラーガソリンディーゼル
ジョン アグリュム選べる選べる
ブラン ミネラル選べる選べる
グリ カシオペM+55,000円+55,000円(受注生産)
ブルー ソーダライトM+55,000円設定なし
ブラウン テラコッタM+55,000円設定なし

青と茶に塗りたいなら、選べるのはガソリンだけです。

有償色に付く55,000円は、両方にあるグリ カシオペMなら同じ額です。ディーゼルのグリ カシオペMは、受注生産の扱いになっています。

ジョン アグリュムを選んだときは、ドアハンドルとスライドレールガーニッシュがボディ同色ではなくブラックになります。装備一覧81行のうち、色の名前が注記されているのはこの2行です。

価格は429万円と449万円

モデルメーカー希望小売価格(税込)型式ミッション
KANGOO Gasoline4,290,000円3BA-KFKH5H電子制御7速AT(7EDC)
KANGOO Diesel4,490,000円3DA-KFKK9K電子制御7速AT(7EDC)
KANGOO Couleur Gasoline(限定車)4,490,000円3BA-KFKH5H電子制御7速AT(7EDC)
KANGOO Couleur Diesel(限定車)4,490,000円3DA-KFKK9K6速MT

通常ラインアップの差は20万円です。この2つの額はボディカラーによって変わりますが、有償色の55,000円は両方に同じ額が加わるので、グリ カシオペMどうしで比べても差は20万円のままです。

限定車のカングー クルールは、ガソリンもディーゼルも4,490,000円で同額です。ただしクルールのディーゼルは6速MTで、7速ATではありません。限定車を見に行くと、ATかMTかの選択がここに一緒に付いてきます。

買取相場は、上限の2つがディーゼル

カーセンサーの2026年8月更新の数字です。カングーの相場ページのグレード別表は、平成21(2009)年9月からの12グレードが1つに並んでいるので、現行型にあたる令和5(2023)年3月〜の4行を抜き出します。

グレード買取相場当時の新車価格
クレアティフ 7EDC ディーゼルターボ179.5万円〜239.8万円419.0万円
インテンス 7EDC ディーゼルターボ186.2万円〜230万円419.0万円
クレアティフ 7EDC(ガソリン)187.2万円〜229.3万円395.0万円
インテンス 7EDC(ガソリン)176.8万円〜221.6万円395.0万円

上限が高い2行はディーゼルで、239.8万円と230万円。ガソリンは229.3万円と221.6万円です。下限のほうは、上限ほどきれいには分かれていません。いちばん高い187.2万円もいちばん低い176.8万円もガソリンで、ディーゼルの2行はその間に入ります。当時の新車価格はディーゼルが24万円高かったのですが、いまの相場でその順に並ぶのは上限だけです。

この表はクレアティフとインテンスというグレード名で分かれていますが、いまの価格表にグレード名はなく、ガソリンとディーゼルの2行です。相場は掲載された物件の価格から集計された参考値で、実際の査定額は装備や状態で変わります。ページ全体の平均買取相場額は18.7万円〜239.8万円、平均走行距離は2万kmです。

決める順番は、燃料が先で色があと

最初に決めるのは燃料の種類です。給油に立ち寄る回数を決めるのはこの選択で、納車後には変えられません。装備一覧が1列である以上、装備で埋め合わせる手もありません。

次がボディカラーです。ディーゼルを選んだ時点で、候補は3色に絞られます。ブルー ソーダライトMとブラウン テラコッタMは選べません。逆に色を先に決める人は、この2色を選んだ時点でガソリンに決まります。ディーゼルにブルー ソーダライトMを組み合わせることは、あとからでもできません。

限定車のクルールを見に行くなら、その前にATかMTかを決めておく必要があります。クルールのディーゼルは6速MTです。

※価格・諸元・装備は、ルノー・ジャポンの主要諸元・主要装備PDF(内容は2025年9月現在)と、2026年9月8日時点の価格表・車種ページの数値です。満タンで走れる距離と給油回数は、タンク容量とWLTCモード燃費から計算した値で、ルノーが公表している航続距離ではありません。買取相場は2026年8月更新のカーセンサーの数字です。いずれも執筆時点の情報で、最新の内容は販売店にご確認ください。