エルグランドで車中泊|1500W電源は全グレードに付くか?

日産 エルグランド G e-4ORCE(6AA-NE53)を左前方から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラがマグカップを持ったまま手のひらを上に向けて質問し、シキが書類を抱えて聞いている エルグランドで寝るなら、電気はどこから取るの
シキが1枚の紙を両手で持って目を落とし、右のクラはマグカップを持ったまま口を開いて話している 100Vが3口あります。セカンドに1口、ラゲッジに2口です
シキが指を差して説明し、クラが目を見開いて驚いている 標準で付くのは6グレード中4つですあとの2つは?
シキが人差し指を立てて順番を示し、クラが目を閉じてうなずいている XとXがベース車のAUTECH LINEは、注文時のオプションです注文の前に決めるのか
クラ

エルグランドで寝るとして、電気ってどこから取るの?

シキ

100Vのコンセントが3口あります。セカンドに1口、ラゲッジに2口です

クラ

3口もあるんだ。どのグレードを買っても付いてくる?

シキ

6グレードのうち4つには標準で付きます。残る2つはメーカーオプションで、注文のときに選ばないと付きません

100V AC電源(1500W)は、セカンドに1口とラゲッジに2口

主要装備一覧では、この装備が次の1行で載っています。

100V AC電源(1500W)〈セカンド1個、ラゲッジ2個〉

日産の「よくあるご質問」によると、セカンドの1口はセンターコンソールボックスの後方に、ラゲッジの2口はラゲッジルームの右側にあります。行の文言は6グレードで共通で、グレードごとに違うのは、この行に入る記号です。

グレード価格ベース車100V AC電源(1500W)
X e-4ORCE6,897,000円ー◇ メーカーオプション
AUTECH LINE e-4ORCE7,179,700円X e-4ORCE◇ メーカーオプション
G e-4ORCE7,579,000円ー● 標準装備
AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”7,784,700円G e-4ORCE● 標準装備
AUTECH e-4ORCE8,247,800円G e-4ORCE● 標準装備
VIP e-4ORCE8,698,800円G e-4ORCE● 標準装備

◇の凡例は「メーカーオプション(ご注文時に申し受けます)」です。メーカーの工場などで装着するため、注文後は受け付けられないという注記も付いています。

6グレードを価格の安い順に並べると、◇は安いほうの2つに、●は残りの4つに入ります。ただ、記号を分けているのは価格ではなく、ベース車です。◇が付く2つは、X e-4ORCEと、X e-4ORCEをベース車にしたAUTECH LINE e-4ORCEです。 ●が付く4つは、G e-4ORCEそのものか、ベース車の欄にG e-4ORCEと書かれているグレードになっています。

AUTECH LINEの2タイプを並べると、この関係がそのまま見えます。外寸は2タイプとも同じで、ベース車がX e-4ORCEのAUTECH LINE e-4ORCEは◇、ベース車がG e-4ORCEの”G-spec”は●です。2タイプの価格差は約60万円あります。

エルグランドは6グレードとも動力も駆動方式も定員もタイヤも1種類なので、決めるのはグレードだけです。同じ全長5m級のアルファードでは、1500Wのコンセントが付かないのはガソリン車だけです。

1500Wという数字について、日産のFAQは、電気製品の最大負荷が1500Wを超えると使えないと説明しています。使える電気製品の例には、電気ポット(1250W)やホットプレート(1300W)、電気毛布(75W)などが挙がっています。3口に同時に挿したときに合計で何Wまで使えるかは、主要装備一覧にもこのFAQにも書かれていません。家電ごとの消費電力は車中泊のAC100V電源にまとめてあります。

使うときの手順もFAQにあります。ブレーキペダルを踏んでパワースイッチを押し、メーターの走行可能表示灯が点いた状態で、100V AC電源のメインスイッチを押します。走行可能表示灯が消えているあいだは使えません。エンジンが止まっているときに使い続けてバッテリーの残量が減ると、充電のためにエンジンが自動で始動します。「使用上の注意」には、使っているあいだはクルマから離れないこと、車内で使うときは電気製品が落下や転倒をしないよう安定した場所で使うこと、タコ足配線をしないこと、車外で使うときにドアや窓にコードを挟まないことなどが並んでいます。

クラ

ということは、電気毛布をつけたまま寝ると、夜中にエンジンがかかることもあるのか

シキ

あります。バッテリーの残量がどこまで減ると始動するのか、何時間使えるのかは、FAQに数字がありません。走行可能表示灯を点けたまま車内で眠ることについても、このFAQは何も書いていません

クラ

エンジンがかかれば、音だけじゃなくて排気も出るよね。眠るときにどうするかは、取扱説明書を読んでから決める。いまのところは、電気毛布で寝袋を温めるのは寝る前までにして、眠るときはパワースイッチを切るつもりでいるよ

日産 エルグランド X e-4ORCE(6AA-NE53)を真後ろから見た外観。バックドアとリヤコンビネーションランプ
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

ベンチレーションシートは、X e-4ORCEとAUTECH LINE e-4ORCEではオプションでも選べない

100V電源の行には◇が入っていましたが、主要装備一覧には、同じ2グレードに◇も入らない行があります。車内で長く過ごすときにかかわる4行を、100V電源の行と並べます。

主要装備一覧の行X e-4ORCE / AUTECH LINE e-4ORCEG e-4ORCE / VIP / AUTECH / AUTECH LINE “G-spec”
100V AC電源(1500W)〈セカンド1個、ラゲッジ2個〉◇ メーカーオプション● 標準装備
前席ベンチレーションシート設定なし● 標準装備
2列目ベンチレーションシート設定なし● 標準装備
足元照明設定なし(販売店オプションにフットウェルランプ)● 標準装備
プラズマクラスター技術搭載フロントオートエアコン設定なし● 標準装備

X e-4ORCEとAUTECH LINE e-4ORCEには、プラズマクラスターの付かない「フロントオートエアコン」が標準で付きます。空調が付かないのではなく、フロントのエアコンがプラズマクラスター技術の付かない仕様になります。

足元を照らす装備は、販売店で付ける純正アクセサリーに「フットウェルランプ」があります。1列目と2列目の足元を照らすもので、取付費込みで約4万3,000円、適用グレードは全車です。ベンチレーションシートは、純正アクセサリーのページにも載っていません。

諸元表の全高も、グレードによって書き方が違います。行名は「全高(プロパイロット2.0装備車)」で、G e-4ORCE・VIP・AUTECH・AUTECH LINE “G-spec”の4グレードは1,975mmのうしろに(1,970mm)が付き、X e-4ORCEとAUTECH LINE e-4ORCEに括弧の数字はありません。

クラ

コンセントは、Xと、Xがベース車のAUTECH LINEでも、オプション代を払えば付く。ベンチレーションシートは、払っても付かない。標準で付かないのは同じでも、オプションで付けられるかどうかが違うんだね

シキ

◇は注文のときに選べる装備で、何も入っていない欄は選べない装備です。この2グレードで見積もりを取るなら、最初に見るのは、100V電源のオプションが入っているかどうかです

クラ

夏は背中が蒸れるのが苦手なんだ。夏にも泊まるなら、僕が見積もりを取るのは、ベンチレーションシートが標準で付く4つのほうか

後ろで電気を使う手段は、100VとUSBの2つ

USB電源ポートはTYPE-Cが7個で、6グレードとも標準装備です。内訳はフロント3個、セカンド2個、サード2個。このうち最大60Wの急速充電に対応するのはセカンドシート左席の1個で、ほかの6個は最大15Wです。

DC12Vの電源ソケットも全車標準ですが、〈全車標準装備〉の欄に載っているのは「電源ソケット(DC12V)〈フロント1個〉」で、前席まわりに1個あるだけです。後席から後ろで挿せるのは、セカンド2個とサード2個のUSBと、100Vの3口になります。スマートフォンの充電はUSBで足り、15Wや60Wでは動かない電気製品を使うなら100Vのコンセント、という使い分けです。USBについても、FAQの注意事項は、12Vバッテリーあがりを防止するためエンジンを始動して使うよう求めています。

X e-4ORCE・G e-4ORCE・VIP e-4ORCEの〈全車標準装備〉の欄には、ラゲッジまわりの装備も並んでいます。ラゲッジアンダーボックス、ラゲッジフック(4個)、ラゲッジランプ、ルームランプです。カップホルダーはフロント4個・セカンド4個・サード3個で、コートハンガーはセカンドとサードの左右2席ずつに付きます。ルーフの読書灯は、VIP e-4ORCEだけの特別装備です。

室内長3,165mmは6グレード共通。3列目を跳ね上げた床の奥行きは約1,105〜1,580mm

項目X/G/VIP e-4ORCEAUTECH LINE e-4ORCE(2タイプ)AUTECH e-4ORCE
全長4,995mm5,020mm5,045mm
全幅1,895mm1,895mm1,910mm
全高1,975mm1,975mm1,975mm
室内 長/幅3,165/1,730mm3,165/1,730mm3,165/1,730mm
室内 高(ツインガラスルーフ装備車)1,315mm(1,310mm)1,315mm(1,310mm)1,315mm(1,310mm)
ホイールベース3,000mm3,000mm3,000mm
最低地上高165mm165mm165mm
乗車定員7名7名7名
車両重量2,430/2,440/2,510kg2,430/2,440kg2,440kg

全長は4,995mm・5,020mm・5,045mmの3種類ありますが、室内の長さは6グレードとも3,165mmで変わりません。室内寸法と最低地上高は「社内測定値」です。

この3,165mmを、そのまま寝られる長さとして読むことはできません。どこからどこまでを測った値なのかが主要諸元表には書かれておらず、シートを動かしたあとに残る床の長さを、この行から引き算で出せないためです(室内長と荷室長の違い)。

荷室の寸法は主要諸元表に行がなく、日産の「よくあるご質問」に参考値として載っています。

測る場所と条件寸法(参考値)
3列目を跳ね上げ、2列目が標準位置のときの、2列目後端からバックドアまでの奥行き約1,105mm
同じ奥行きで、2列目を最前端までスライドさせたとき約1,580mm
3列目を跳ね上げたときの荷室幅(前方位置で跳ね上げ/後方位置で跳ね上げ)約835mm/約665mm
荷室幅(最小/最大)約1,025mm/約1,270mm
3列目後端からバックドアまでの奥行き(3列目を最前端/最後端にスライド)約730mm/約270mm
高さ(サンルーフなし車/サンルーフ付き車)約1,280mm/約1,230mm
地上からラゲッジルーム開口部までの高さ約650mm

3列目は、左右に跳ね上げて格納する形です。FAQの図では、3列目を跳ね上げたときの荷室幅は、跳ね上げたシートどうしのあいだで測られています。主要装備一覧で屋根のガラスに当たる装備は、メーカーオプションのツインガラスルーフです。

床に寝る場合に自分の身長と比べるのは、2列目を最前端までスライドさせたときの約1,580mmです。シートの上で休む形としては、日産のユーティリティのページがシートアレンジの1つに「2-3列目フルリクライニングモード」を挙げています。倒したシートの上の長さは、このページにもFAQにも数字がありません。

シキ

3列目は『サードシート(スライド、リクライニング、マルチアップ)』の行で、6グレードとも標準です。マルチアップは、前方と後方の2か所で跳ね上げて格納できることを指しています

クラ

前で跳ね上げるか後ろで跳ね上げるかは、どう使い分けるの?

シキ

日産は、前方位置を荷室を最大限に広く使いたいとき、後方位置を荷物を載せつつ2列目でゆったり座りたいときの形として紹介しています

クラ

マットを買うのは、展示車で3列目を前と後ろの両方で跳ね上げてもらって、床に残る幅を見てからにするよ

2列目は「2列目パワーシート(デュアルリクライニング、オットマン)」で、これも6グレードとも標準です。定員は6グレードとも7名で、選択肢がありません。3列目を跳ね上げた床に何人が寝られるかは、乗車定員とは別に考えることになります。セレナのマルチベッドのような純正のベッドキットは、エルグランドの主要装備一覧にも純正アクセサリーのページにも載っていません。

スライドドアを開けた日産 エルグランド(6AA-NE53)のセカンドシートまわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

ヒーター・サンシェード・遮音は6グレード共通

車内で過ごすあいだに使う装備のうち、次の行は、6グレードで設定が同じです。

行適用
前席ヒーター付シート/2列目ヒーター付シート6グレードとも標準装備
ロールサンシェード〈セカンド、サード〉6グレードとも標準装備
リヤオートエアコン6グレードとも標準装備
エアコン独立温度調整機能〈運転席、助手席、後席〉6グレードとも標準装備
アクティブ・ノイズ・コントロール6グレードとも標準装備
UVカットプライバシーガラス〈バックドア、リヤサイド〉6グレードとも標準装備
ツインガラスルーフ(電動チルト&スライド、UVカットプライバシーガラス)6グレードともメーカーオプション

窓まわりでは、リヤドアのガラスがIRカット&スーパーUVカット高遮音プライバシーガラスで、VIP e-4ORCEはそのプレミアム仕様です。バックドアとリヤサイドはUVカットプライバシーガラス。ロールサンシェードが付くのはセカンドとサードで、主要装備一覧にバックドアのサンシェードの行はありません。バックドアの窓を覆うものが要るなら、別に用意することになります。

ツインガラスルーフを付けると、主要諸元表の室内高は1,315mmから1,310mmになります。こちらは5mmの差ですが、先に見たFAQの荷室の高さでは、サンルーフ付きの車のほうが約50mm低くなっています。

X e-4ORCE・G e-4ORCE・VIP e-4ORCEでは、シート地が3つに分かれます。X e-4ORCEが合皮、G e-4ORCEがテーラーフィット、VIP e-4ORCEがプレミアムナッパレザー(グレーステッチ、キルティング)です。プレミアムナッパレザーには「シートメインの一部に本革を、その他の部位には人工皮革を使用しています」という注記が付いています。汗をかいたまま座る時間が長くなる車中泊では、表皮の違いは、ベンチレーションシートの有無とあわせて見ておきたいところです。

動力・サスペンション・タイヤは6グレード共通

動力は6グレードとも「YM52-MM45+ZR15DDTe(e-POWER)」の4WDです。フロントモーターYM52は151kW(205PS)と330N·m、リヤモーターMM45は100kW(136PS)と195N·m。330N·mは0〜4,300rpm、195N·mは0〜3,000rpmの範囲で出るので、2,430〜2,510kgの車体でも、動き出しから最大トルクが出ます。発電用のエンジンZR15DDTeは1.498Lの直列3気筒で、燃料タンクは67Lです。

足まわりは前が独立懸架ストラット式、後ろが独立懸架マルチリンク式で、前後とも左右の車輪が別々に上下する形式です。インテリジェント ダイナミックサスペンション(電子制御ショックアブソーバー)も、6グレードに標準で付きます。

タイヤは235/60R18 103Hの1種類で、サイドウォールの高さは約141mmあります。タイヤのサイズも、電子制御ショックアブソーバーが標準で付くことも6グレード共通で、乗り心地にかかわるこの2つに、主要装備一覧と諸元表の上ではグレードによる違いがありません。

ホイールベースは3,000mm、最小回転半径は5.8mです。道の駅やキャンプ場の区画に入れるときに先に確かめるのは、この5.8mより、5m前後の全長と1,895mmの全幅(AUTECH e-4ORCEだけ1,910mm)のほうになります。AUTECH e-4ORCEとAUTECH LINEの2タイプの諸元表には、専用パーツを装着しているため、縁石や段差の大きな場所、不整地路などでは路面と干渉する場合があるという注記も付いています。

決める順番は、100V電源が標準の4グレードか、オプションの2グレードかから

最初に決めるのは、100V電源が標準で付く4グレードから選ぶか、メーカーオプションになるX e-4ORCEかAUTECH LINE e-4ORCEを選ぶかです。後の2つにするなら、100V電源のメーカーオプションを付けるかどうかを、契約の前に決めます。注文後は受け付けられない装備だからです。ベンチレーションシート、足元照明、プラズマクラスター技術搭載のエアコンが標準で付くかどうかも、この選択と同時に決まります。「泊まる先で100Vの電気製品を使うか」「夏にも泊まるか」の2つを先に決めておくと、4グレードと2グレードのどちらから選ぶかを決めやすくなります。

次がツインガラスルーフです。6グレードともメーカーオプションなので、これも注文の前に決める装備です。屋根のガラスと、寝るときの頭上の高さの、どちらを優先するかを決めます。

VIP e-4ORCE、AUTECH e-4ORCE、AUTECH LINEの2タイプを検討しているなら、諸元表の注記も読んでおきます。VIP e-4ORCEの注記は「『VIP e-4ORCE』は持込み登録でNMC扱いとなります。登録時の車両重量等は実測値が適用されますので、主要諸元(設計値)とは異なる場合があります」で、AUTECH e-4ORCEとAUTECH LINEの2タイプの諸元表にも、同じ内容の注記があります。VIP e-4ORCEならカタログの2,510kgは設計値で、車検証に載るのは実測値です。車検証のどの欄がどの状態の重さなのかは車検証の軸重の欄にまとめてあります。

ステップタイプは、ロングステップとステップイルミネーションが標準で付く仕様で、この6グレードとは別に主要装備一覧が用意されています。列はX/G/AUTECH LINE/AUTECH LINE “G-spec”の4つで、「本車両は持込み登録でNMC扱いとなります」と書かれています。100Vのコンセントは、この4列でもXとAUTECH LINEが◇、GとAUTECH LINE “G-spec”が●です。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのエルグランドのレビューで読めます。

※価格・装備は、2026年10月14日に日産自動車の公式資料(主要諸元・主要装備一覧、グレード別価格、純正アクセサリーのページ)で確認した執筆時点の情報です。荷室の寸法と、100V AC電源・USB電源の使い方は、日産「よくあるご質問」の記載にもとづきます。