車検証の軸重|人や荷物の重さは入っているか?

車検証の記載事項の十六号から十九号を縦に並べ、車両重量と軸重を空車状態の重さ、車両総重量を、車両重量に最大積載量と五十五キログラム×乗車定員を足した重さとして、色を分けた図
写真: 型式ラボ編集部 (自作図版・道路運送車両法 第四十条、道路運送車両の保安基準 第一条、道路運送車両法施行規則 第三十五条の三、および国土交通省 電子車検証特設サイトの券面記載事項をもとに編集部で作成)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが眉を下げて首をかしげ、片手を開いてシキに問いかけている。シキは無地の紙を手に、表情を変えずに立っている 軸重って、いま前後に何キロ乗ってるかの数字?
シキが人差し指を1本立てて話している。クラは両手でマグカップを持ち、口を閉じて聞いている 空車状態。燃料は満タンで、人も荷物もゼロ
クラが肩を落として口を開け、空いたほうの手を下ろしている。シキは同じ表情のまま横に立っている じゃあ荷物を積んだあとの前と後ろの重さは、券面に書いてない
シキが手に持った無地の紙を指さしている。クラは目を閉じて小さくうなずいている 券面で人の重さを足しているのは車両総重量だけ欄ごとに、前提の状態が違うんだ

乗せた人と積んだ荷物の重さが多すぎないかを車検証で確かめるなら、車両総重量の欄から車両重量の欄を引いた差と比べます。車検証の重さの欄のうち、人の重さが入っているのは車両総重量だけで、軸重と車両重量は、燃料を満タンにして人も荷物も乗せていない状態の重さです。

券面で重さに関わる欄は、乗車定員、最大積載量、車両重量、車両総重量と、前前・前後・後前・後後の4つに分かれた軸重です。キャンプ道具を積んで家族で出かける日も、券面の軸重は、そのとき前と後ろにかかっている重さではありません。

車両総重量から車両重量を引くと、人と荷物のぶんが残る

車両総重量には、車両重量のほかに、最大積載量と乗車定員ぶんの人の重さが入っています。人は実際の体重ではなく1人55kgで数えるので、人のぶんは5人乗りなら275kg、7人乗りなら385kgです。道路運送車両法の第四十条は、2つの重さをカッコ書きでこう定めています。

三 車両総重量(車両重量、最大積載量及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和をいう。)

四 車輪にかかる荷重

五 車輪にかかる荷重の車両重量(運行に必要な装備をした状態における自動車の重量をいう。)に対する割合

乗せた人と積んだ荷物の重さを比べる相手は、車両総重量から車両重量を引いた差です。 乗用登録のミニバンのように最大積載量の欄に数字が無い車なら、この差は人のぶんだけで、荷物の重さは入っていません。

券面の欄人の重さ
車両重量入らない
車両総重量五十五キログラム×乗車定員が入る
軸重(前前・前後・後前・後後)入らない
最大積載量入らない(積む物のほうの重さ)
クラ

同じ車種でも、定員の違うグレードだと車両総重量が変わるってこと?

シキ

人の重さとして足す量が変わる。7人乗りと5人乗りなら、人のぶんだけで110kgの差だ

クラ

それなら、2台の車両総重量を並べても、車体が重いのか定員が多いのかは分からないね

シキ

分からない。車体どうしを比べるなら、車両重量の欄を見る

空車状態は、燃料・潤滑油・冷却水を全量積んだ状態

車検証に書く事項を決めた道路運送車両法施行規則の第三十五条の三第一項で、軸重は「空車状態における軸重」とされています。

十六 乗車定員又は最大積載量

十七 車両重量及び車両総重量

十八 空車状態における軸重

道路運送車両の保安基準の第一条第一項第六号にある定義では、空車状態は、燃料・潤滑油・冷却水などを全量積み、その車の用途に必要な固定的な設備も付けた状態です。

「空車状態」とは、道路運送車両が、原動機及び燃料装置に燃料、潤滑油、冷却水等の全量を搭載し及び当該車両の目的とする用途に必要な固定的な設備を設ける等運行に必要な装備をした状態をいう。

燃料タンクは満タンで数え、人と荷物は入りません。乗車定員ぶんの重さと最大積載量は、車両総重量の欄で別に足されます。

車両重量も、軸重と同じ空車状態の重さです。法第四十条第五号のカッコ書きで車両重量は「運行に必要な装備をした状態」の重さとされ、保安基準の第一条第二項がその状態を空車状態としています。

法第四十条第五号の運行に必要な装備をした状態とは、前項第六号に規定する状態をいう。

クラ

うちの車、ガソリンはいつも半分くらいで走ってるよ

シキ

それなら、燃料のぶんは券面の数字より少ない。何kg違うかは、条文からは出てこない

クラ

家族と荷物の重さを車両重量に足して見積もると、ガソリンは満タンで入ってるってことだね

シキ

そうだ。満タンでないときは、実際の重さはその見積もりより、燃料が少ないぶん軽い

軸重は、前の車輪と後ろの車輪にかかる空車状態の重さ

券面の軸重は、前前・前後・後前・後後の4つの欄に分かれています。有効期間のようにICタグにだけ記録される項目とは違い、車両重量や車両総重量と同じく、券面に書かれている欄です。

車輪1個が路面を押す力が輪荷重です。車の中心線に垂直な面を1メートル離して2枚立て、そのあいだに中心がある車輪の輪荷重を全部足したものが軸重です。保安基準の第一条第一項の第十五号と第十七号にあたります。

十五 「軸重」とは、自動車の車両中心線に垂直な一メートルの間隔を有する二平行鉛直面間に中心のあるすべての車輪の輪荷重の総和をいう。

十七 「輪荷重」とは、自動車の一個の車輪を通じて路面に加わる鉛直荷重をいう。

クラ

欄が4つあるなら、前の車軸と後ろの車軸で2つずつなのかな

シキ

国交省の見本の車検証だと、数字が入っているのは前前の1,070kgと後後の910kgの2つで、前後と後前は『-』だ。足すと車両重量の1,980kgになる

クラ

それなら、空車のときの前後の重さが分かるから、後ろに荷物を積めば後ろが重くなるくらいは見当がつくよ

シキ

見当はつく。ただ、何kg増えるかは券面からは出せない。積んだあとの前後の重さは、車検証のどの欄にも書かれていない

重量税は車両重量、免許の区分は車両総重量・最大積載量・乗車定員の欄で確かめる

軽自動車を除く乗用車の自動車重量税は、車両重量の欄の数字を0.5トンごとに区切って数えます。軽自動車は、重さによらない定額です。運転できる免許の区分は、車両重量ではなく、車両総重量・最大積載量・乗車定員の欄で決まります。