車中泊で寝られる長さ|諸元表のどの行を見ればいい?
ノアの室内長は2,805mm。これって寝られる長さ?
室内長には座席が含まれる。見るのは「荷室長」の行
シエンタは7人乗りのほうが515mm長いのに?3列目のぶん伸びただけ。荷室を広く使えるのは5人乗り
まず諸元表で荷室長の行を探す。なければ実物で確かめる室内長で車種を並べるのは、やめておくね 車中泊できるクルマの候補を何台かに絞ると、主要諸元表の「室内長」を横に並べたくなります。「ノア/ヴォクシーは室内長2,805mm。ハイエース バンの3,000mmとそう変わらないなら、ミニバンで足りるのでは」と考えるのは、たとえばこうした場面です。
この二つの数字は、同じものを測っていません。ハイエースの3,000mmは「荷室長」で、荷物を積める長さです。ノアの2,805mmは「室内長」で、座席がそのまま長さに含まれています。
諸元表を開いたら、最初に「荷室長」の行があるかを探してください。行があれば、その車は諸元表の数字で寝床の長さを比べられます。行がなければ、諸元表だけでは判断できません。
室内長の2,805mmには、座席がそのまま入っている
室内長は、インストルメントパネル(ダッシュボード)から最後列の背もたれの後ろ端までを測った寸法で、そのあいだにある座席も長さに含まれます。ノア/ヴォクシーの2,805mmは、運転席から3列目までの座席を含んだ長さです。家族が3列目まで座って出かける日の座席も、すべてこの長さの中にあります。この数字を、そのまま寝床の長さとして読むことはできません。
諸元表を並べてみると、商用バンと乗用車では、長さの行の名前そのものが違うことに気づきます。ハイエース・キャラバン・軽バンのような商用バンは「荷室長」を、ミニバンやSUVのような乗用車は「室内長」を公表しています。名前は似ていても、測っている範囲が違うので、直接比べることはできません。
じゃあノアで2列目と3列目を倒したら、何mmになるの?
倒したときの長さは、ノアの主要諸元表に行がない。2,805mmから引き算して出すこともできない
いちばん知りたい数字が、表にないんだ
荷室長の行があれば、その数字が寝られる長さに近い
| 車種 | 諸元表の項目 | 数値 |
|---|---|---|
| キャラバン バン(プレミアムGX) | 荷室長 | 3,055mm |
| ハイエース バン(スーパーGL 標準ボディ) | 荷室長 | 3,000mm |
| ハイゼットカーゴ(デラックス/スペシャル系) | 荷室長 | 1,915mm |
| エブリイ PA | 荷室長 | 1,910mm |
| ノア/ヴォクシー | 室内長 | 2,805mm |
| シエンタ(7人乗り) | 室内長 | 2,545mm |
| シエンタ(5人乗り) | 室内長 | 2,030mm |
| ヤリスクロス | 室内長 | 1,845mm |
| カローラクロス | 室内長 | 1,800mm |
荷室長は、後席を畳んだ状態で荷物を積める長さとして測られています。「その長さの荷物が積める」という意味なので、寝られる長さに近い数字です。ハイエース バンの3,000mmやエブリイ PAの1,910mmは、そのまま寝床の長さの目安に使えます。寝る人の身長と、敷くマットの長さを書き出して、この列と並べてみるだけで見当がつきます。
エブリイの1,910mmって、後ろの座席はどうなってるときの数字?
2名乗車時。後席を畳んで、前の2人だけが乗っている状態で測ってる。4名乗車時は975mmまで縮む
測り方の前提は、メーカーごとに違います。キャラバンの3,055mmは「パーテーションパイプからバックドアまで」「荷室最大時」の値で、ハイエースの3,000mmとは前提が別です。この違いはハイエース vs キャラバンで詳しく扱っています。
乗用車の主要諸元表には、後席を倒したときの長さの行がない
車中泊で本当に知りたいのは、後席を倒して平らにしたときの長さです。この記事で並べた乗用車(シエンタ、ノア/ヴォクシー、ヤリスクロス、カローラクロス)の主要諸元表には、その寸法の行がありません。この記事で並べた商用バン4車種は、荷室長を後席を畳んだ状態(2名乗車時や荷室最大時)で公表しています。
| 項目 | 乗用車 | 商用バン |
|---|---|---|
| 全長・全幅・全高 | ○ | ○ |
| ホイールベース | ○ | ○ |
| 室内長・幅・高 | ○ | 車種による |
| 荷室長・幅・高 | ×(多くは非掲載) | ○ |
| 後席を倒したときの長さ | × | 荷室長がこの状態で測られている(2名乗車時など) |
| ラゲージ容量(L) | 車種による | 車種による |
車種紹介ページやカタログの写真ページで「フルフラット」として紹介されることはありますが、主要諸元表の数字としては出てきません。乗用車を候補に入れるなら、まず車種紹介ページのシートアレンジの説明を読みます。それでも長さが分からなければ、実車の後席を倒して巻き尺を当てるか、架装メーカーや販売店に確認することになります。
同じシエンタでも、室内長は7人乗りのほうが515mm長い
見落とされやすいのは、車種どうしより、同じ車種の仕様違いを比べるときのほうです。
| 仕様 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 |
|---|---|---|---|
| 7人乗り | 2,545mm | 1,530mm | 1,300mm |
| 5人乗り | 2,030mm | 1,530mm | 1,300mm |
シエンタの見積もりを取るとき、「どうせなら長いほうを」と7人乗りを選びたくなるかもしれません。7人乗りの室内長は5人乗りより515mm長く、室内幅と室内高は同じです。
ただ、同じ駆動方式どうしなら、全長・全幅・全高は7人乗りと5人乗りで変わりません。室内長は最後列の後ろまでを測るので、3列目シートのある7人乗りは、そのぶん数字が伸びています。車体が大きくなったわけではありません。
車中泊で荷室を広く使えるのは、3列目のない5人乗りのほうです。トヨタのシエンタ車種ページでは、後席を畳んだフラットラゲージモード(最大2名乗車)の荷室長を、5人乗りは2,045mm、7人乗りは1,525mm(2列目シートのクッションから測った値)としています。室内長だけを見て選ぶと、結論が逆になります。
でも、年に何回か実家の両親も乗せるなら、7人乗りは外しにくいよ
それは定員で決めていい。ただ、その判断にも寝床の長さにも、室内長の515mmは使えない
7人乗りにするなら、1,525mmに身長とマットの長さを当ててみる
幅と高さで、寝る向きと車内での過ごし方が決まる
「ふたりで並ぶなら、横向きに寝られないか」と考えたときに見るのが幅です。車内で着替えられるかどうかは、高さで決まります。
| 車種 | 幅 | 高 | 項目 |
|---|---|---|---|
| ハイエース(スーパーGL 標準ボディ)/キャラバン(プレミアムGX) | 1,520mm | 1,320/1,325mm | 荷室 |
| ハイゼットカーゴ(デラックス/スペシャル系) | 1,270mm | 1,250mm | 荷室 |
| エブリイ PA | 1,320mm | 1,240mm | 荷室 |
| ノア/ヴォクシー | 1,470mm | 1,405mm | 室内 |
| シエンタ | 1,530mm | 1,300mm | 室内 |
表の幅は1,270〜1,530mmで、横向きに寝るにはどれも1.8mに届きません。どの車種でも、前後方向に寝る前提になります。軽バンの1,270〜1,320mmなら、なおさらです。
高さは1,240〜1,405mmの範囲に収まり、大人が車内で立ち上がるには足りません。朝の着替えや身支度は、座った姿勢ですることになります。
8ナンバー要件と突き合わせられるのも、荷室長がある車種だけ
キャンピング車として8ナンバー登録するなら、大人用就寝設備に長さ1.8m以上が要ります。
| 車種 | 荷室長 | 1.8m(1,800mm)の充足 |
|---|---|---|
| キャラバン バン(プレミアムGX) | 3,055mm | 満たす |
| ハイエース バン(スーパーGL 標準ボディ) | 3,000mm | 満たす |
| ハイゼットカーゴ(デラックス/スペシャル系) | 1,915mm | 満たす |
| エブリイ PA | 1,910mm | 満たす |
| ハイゼットカーゴ クルーズ/クルーズターボ | 1,820mm | 満たす |
表のハイゼットカーゴとエブリイは、軽バンでも荷室長が長さの要件に届いています。グレードごとの荷室寸法の表は軽キャンパーのベース車両比較にあります。
室内長しか公表されていない乗用ミニバン・SUVでは、この判定が諸元表だけではできません。構造要件の全体像は8ナンバー(キャンピング車)の構造要件を数値で全整理にまとめています。
8ナンバーにするつもりはないけど、この1.8mは見ておいたほうがいい?
登録しないなら、要件としては関係ない。大人用の就寝設備に置かれた基準の長さだから、足を伸ばせるかの目安にはなる
候補が挙がったら、荷室長の行の有無から確かめる
最初に確かめるのは、候補ごとの主要諸元表に「荷室長」の行があるかどうかです。ここで候補が、諸元表の数字で比べられる車と、実物を見ないと寝床の長さが分からない車に分かれます。
荷室長の行がある商用バンは、この時点で数字どうしを比べ終えられます。キャラバンの「荷室最大時」のような測り方の前提だけ、あわせて確かめておきます。
行がない乗用車は、室内長の数字は使わずに、車種紹介ページのシートアレンジの説明を読みます。それでも長さが分からない車だけを、販売店で後席を倒して測ってもらう候補に残します。販売店に足を運ぶ台数は、この段階で絞れます。
本記事の数値は、トヨタ自動車・日産自動車・スズキ・ダイハツ工業が公開する公式の主要諸元表と車種ページ(執筆時点)によります。測定条件はメーカーごとに違うので、数値の差をそのまま優劣として読まないほうが安全です。