ハリアー vs エクストレイル|440万円前後で7人乗れるのはどっち?

トヨタ ハリアー ハイブリッド Z 2WD(6AA-AXUH80-ANXSB)を斜め前から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小。撮影は2020年6月)

ハリアーの全長は4,740mm、エクストレイルは4,690mm(AUTECHとNISMOだけ4,705mm)。全幅は1,855mmと1,840mm。隣に並べても大きさで迷う2台です。全高だけは1,660mmと1,720mmで、60mmの差があります。

サイズが近いので、比較は装備と乗り味の話になりそうに見えます。ところが、6人目が乗るかどうかで、ハリアーが候補に残るかが先に決まります。ハリアーの乗車定員は5名で、7人乗りの設定そのものがありません。

エクストレイルには7人乗りがあります。16グレードのうち3つです。そしてその3つは、値段の順に並べると、ハリアーの価格帯に収まります。

440万円のあたりで、選べるものが変わる

ハリアーは10通り、エクストレイルは16通りの価格が付いています。両方の価格が並ぶ範囲を、安い順にまとめるとこうなります。

税込価格ハリアー(5人乗り)エクストレイル
434万9,400円ーX e-4ORCE[2列・5名]
439万6,700円G(2WD)ー
447万9,200円ーX e-4ORCE[3列・7名]
461万6,700円G(E-Four)ー
464万6,400円ーG(2WD・5名)
475万6,400円ーROCK CREEK e-4ORCE[2列・5名]
486万6,400円Z(2WD)ー
488万6,200円ーROCK CREEK e-4ORCE[3列・7名]
494万6,700円ーG e-4ORCE(5名)
502万1,500円Z“Night Shade”(2WD)ー
508万6,400円Z(E-Four)ー
514万1,400円ーAUTECH e-4ORCE[2列・5名]
518万6,500円Z“Leather Package”(2WD)ー
524万1,500円Z“Night Shade”(E-Four)ー
527万1,200円ーAUTECH e-4ORCE[3列・7名]

表の下には、エクストレイルのS(384万3,400円)、S e-4ORCE(403万8,100円)、X(404万9,100円)が続きます。ハリアーはG(2WD)の439万6,700円が下限です。表の上は、ハリアーが556万1,600円まで、エクストレイルが596万2,000円までです。

ハリアーの下限439万6,700円に対して、エクストレイルの7人乗りの下限は447万9,200円。差は約8万円です。同じ予算でも、片方は5人乗りのいちばん安いグレード、もう片方は7人乗りのグレードが買えます。

7人乗りは3グレードだけで、どれも4WD

3列シートが付くのは、次の3つです。

3列シート車税込価格同じグレードの2列シート車差額
X e-4ORCE[3列]447万9,200円X e-4ORCE[2列] 434万9,400円12万9,800円
ROCK CREEK e-4ORCE[3列]488万6,200円ROCK CREEK e-4ORCE[2列] 475万6,400円12万9,800円
AUTECH e-4ORCE[3列]527万1,200円AUTECH e-4ORCE[2列] 514万1,400円12万9,800円

3列目そのものは、どのグレードでも約13万円です。

引っかかるのは前提のほうで、3つとも e-4ORCE、つまり4WDです。 2WDのS・X・G・AUTECH Advanced Packageに3列の設定はありません。Xで数えると、404万9,100円の2WDを7人乗りにするまで約43万円かかります。その内訳は、4WD化が約30万円、3列目が約13万円です。

そしてGには、4WDのG e-4ORCEにも3列の設定がありません。G e-4ORCEは約495万円で、7人乗りのX e-4ORCEより約47万円高い。それでも乗れるのは5人です。

ヘッドアップディスプレイは、3列シート車の3グレードのどれにも付きません。いちばん安いX e-4ORCE[3列]で言えば、シート地は標準のファブリックか、メーカーオプションの防水シート(セルクロス®)の2択で、Gのテーラーフィットもナッパレザーも選べません。助手席パワーシートも、Gでは標準ですがXでは防水シートとセットのメーカーオプション(◇5)になります。

日産 エクストレイル(T33型)G e-4ORCE を斜め前方から見た外観
写真: Aos.1905 — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

1500Wのコンセントは、7人乗りだけ選べない

ハリアーには、ラゲージ右側にアクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム+外部給電アタッチメント付)が付きます。主要装備一覧表のZ“Leather Package”・Z・Gの3列とも標準です。応急用スペアタイヤを選ぶと非装着になります。

エクストレイルにも同じ1500Wの100V AC電源がラゲッジに1個あります。標準で付くのは6グレード。G、G e-4ORCE、AUTECH Advanced Package、AUTECH Advanced Package e-4ORCE、AUTECH SPORTS SPEC e-4ORCE、NISMO Advanced Package e-4ORCEです。残る7グレードでは、セットオプションの中身として入っています。

設定がないのは、3列シート車の3グレードだけです。

分かれ目はセットオプションの中身です。2列シート車のXに付くのは◇2で、アラウンドビューモニター・NissanConnect・ETC2.0・USB電源ポート・プロパイロット緊急停止支援システムと並んで、1500WのAC100V電源が入っています。3列シート車に付くのは◇3。内容は同じで、100V電源だけが入っていません。

車中泊の電気ケトルや、停電時の給電を当てにしているなら、エクストレイルでは7人乗りと1500Wは両立しません。ハリアーなら1500Wは標準で付いてきて、そのかわり5人までです。

3列目を足すと、室内長が55cm伸びる

項目ハリアーエクストレイル(2列)エクストレイル(3列)
乗車定員5名5名7名
室内長1,880mm1,980(1,990)mm2,530(2,545)mm
室内幅/室内高1,520/1,215mm1,540/1,255mm1,540/1,255mm
車両重量1,650〜1,750kg1,740〜1,900kg1,880〜1,910kg
車両総重量1,925〜2,025kg2,015〜2,175kg2,265〜2,295kg

カッコ内はNissanConnectインフォテインメントシステム装備車の値です。ハリアーの重量は調光パノラマルーフを付けると20kg増えます。エクストレイルの3列車は、2列車より室内長が550mm長い数値が入ります。ホイールベースは2,705mmで全グレード共通なので、車体が伸びたわけではなく、測る範囲が後ろに延びています。

車両重量は2列車より30kg増えます。X e-4ORCEなら1,850kgから1,880kg。車両総重量は2,125kgから2,265kgへ140kg増えます。3列目は、車検証の定員に数えられる席です。

サードシートは5:5分割で、リクライニングとダイブダウン機構が付きます。カップホルダーも〈フロント2個、セカンド2個〉から〈フロント2個、セカンド2個、サード2個〉に変わります。

セカンドシートは、3列車も2列車も4:2:4分割でスライドとリクライニング付き。ハリアーは6:4分割で倒れるだけです。後ろ向きのチャイルドシートを付けたあとで前後の間隔を取り直せるのは、エクストレイルのほうです。

ただし、チャイルドシートの取付装置は3列車でも増えません。i-Sizeチャイルドシート対応のISOFIX取付装置は、2列車も3列車もセカンドシート左右2席です。ハリアーも、汎用ISOFIX対応の固定専用バーとトップテザーアンカーがリヤ左右席の2つです。小さい子が3人いる家庭では、7人乗りにしても固定できる席は2つのままです。

グレードごとに何が付くかはエクストレイルのグレード比較に、ハリアーはハリアーのグレード比較にまとめています。

E-Fourとe-4ORCEは、後輪のモーターの出力が2.5倍違う

どちらも「後輪をモーターで回す4WD」ですが、モーターの出力とトルクは大きく違います。

ハリアー E-Fourエクストレイル e-4ORCE
リヤモーター4NM/40kW(54PS)/121N·mMM48/100kW(136PS)/195N·m(0〜4,897rpm)
フロントモーター3NM/88kW(120PS)/202N·mBM46/150kW(204PS)/330N·m(0〜3,505rpm)
エンジンA25A-FXS 2,487cc 直4/131kW(178PS)/221N·m(3,600〜5,200rpm)KR15DDT 1,497cc 直3/106kW(144PS)/250N·m(2,400〜4,000rpm)
2WDとの価格差5仕様とも一律22万円S 19万4,700円/X・G 30万300円
2WDとの重量差60〜70kg100kg
最低地上高190mm(2WD・E-Four共通)200mm→185mm

後輪に回せる出力は40kWと100kWで2.5倍、トルクは121N·mと195N·mで1.6倍の開きがあります。

エクストレイルの諸元表は、KR15DDTを「発電用エンジン型式」の欄に書いています。ハリアーは「エンジン」の欄で、トランスミッションの欄に電気式無段変速機が入ります。

エクストレイルのフロントモーターは、330N·mを0〜3,505rpmで出します。停止した状態から最大トルクが出ている構成です。ハリアーはエンジンの221N·mが3,600〜5,200rpmで出て、そこにフロントモーターの202N·mが加わります。低い回転で使えるトルクの上限は、エクストレイルのほうが大きい構成です。

エクストレイルは4WDにすると200mmから185mmへ15mm下がり、ハリアーの190mmより低くなります。 3列シートは4WDにしかないので、7人乗りを選んだ時点で185mmが確定します。輪止めの高さや雪の轍を気にするなら、この高さは変えられません。

5人で使うなら、冬と夏で答えが分かれる

装備ハリアーエクストレイル
前席シートヒーターZ“Leather Package”・Z・Gとも標準(3段階温度設定)全16グレードに標準
後席シートヒーター(セカンド左右)設定なしS(2WD)のみ設定なし。X(2WD)はホットプラスパッケージ、他は標準
ステアリングヒーターZ“Leather Package”・Z・Gとも標準S(2WD)のみ設定なし。X(2WD)はホットプラスパッケージ、他は標準
前席シートベンチレーションZ“Leather Package”に標準(Z・Gは設定なし)設定なし
セカンドシート6:4分割可倒式4:2:4分割・スライド・リクライニング
遮音ガラスウインドシールドとフロントドアに全車標準フロントとフロントドアに全車標準
リヤサスペンションダブルウィッシュボーン式マルチリンク式
最小回転半径5.5m(G)/5.7m(Z系)全16グレード 5.4m

冬に後席へ人を乗せる時間が長いなら、エクストレイルです。ハリアーには、どのグレードにも後席のシートヒーターがありません。 エクストレイルで設定がないのは2WDのSだけで、残り15グレードには後席ヒーターとステアリングヒーターの設定があります。X(2WD)はホットプラスパッケージというメーカーオプション扱いで、e-4ORCEを選べば標準です。

夏はハリアーのほうが有利です。前席シートベンチレーションが付くのは約519万円のZ“Leather Package”で、シート表皮は本革。本革に送風が組み合わさるのは、2台の中でこの1グレードだけです。エクストレイルには、どのグレードにも送風の設定がありません。

タイヤは、厚みで並べると順番が入れ替わります。

サイズ装着グレードサイドウォールの高さ
235/60R18エクストレイル S・X・G・S e-4ORCE・X e-4ORCE(2列・3列)・G e-4ORCE141mm
225/60R18ハリアー G135mm
235/55R19エクストレイル ROCK CREEK(2列・3列)約129mm
225/55R19ハリアー Z・Z“Leather Package”約124mm
255/45R20エクストレイル AUTECH・NISMO約115mm

両車の全グレードで、いちばん厚いのはエクストレイルの標準タイヤです。空気の層が厚いほど路面の細かい段差の衝撃は弱まって伝わるので、目地や補修跡の当たりは穏やかになると考えられます。ハリアーのZ系は19インチで124mm。同じ道を走っても、路面とのあいだにある空気の層が17mm薄いことになります。

小回りもエクストレイルです。車体の長さはほとんど変わらないのに、最小回転半径は16グレードすべて5.4m。ハリアーは18インチのGで5.5m、19インチのZ系で5.7mです。7人乗れるエクストレイルのほうが、駐車場での切り返しは少なくて済む数字になっています。

日産 エクストレイル G e-4ORCE(SNT33)の運転席まわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

3年落ちは、下限がエクストレイル・上限がハリアー

カーセンサーの車種コードは、どちらも複数世代を束ねています。ハリアーは85.4万〜374.4万円、エクストレイルは20.1万〜322.0万円という全体レンジになりますが、これは先代・先々代を含んだ数字です。現行型に当たる年式だけを取り出します。

年式ハリアーエクストレイル
2024年式(2年落ち)215.2万〜320.4万円240.5万〜284.1万円
2023年式(3年落ち)159.7万〜328万円195万〜272万円

3年落ちで比べると、下限はエクストレイルが35.3万円高く、上限はハリアーが56万円高い。ハリアーは上下の幅が広く、エクストレイルは狭い範囲に固まっています。

平均走行距離はハリアーが5万km、エクストレイルが7万km(ともに2026年7月更新)。買取相場はカーセンサーネットの掲載物件からの集計値です。

5人か7人かを、いちばん先に決める

最初に決めるのは、5人か7人かです。ここでハリアーが候補に残るかどうかが決まります。

7人と決めたなら、次の3つが同時に決まります。4WDになること、最低地上高が185mmになること、1500WのAC100V電源が選べなくなること。どれも納車後には変えられません。 そのうえで選べるのはX・ROCK CREEK・AUTECHの3グレードだけで、ヘッドアップディスプレイやGのシート地は付きません。

5人でいいなら、順番は逆になります。先に決めるのは冬か夏かです。後席に人を乗せる時間が長いならエクストレイル、前席の蒸れが気になるならハリアーのZ“Leather Package”。シートヒーターもベンチレーションも、あとから付けられる装備ではありません。

駆動方式は最後で構いません。ハリアーのE-Fourは5仕様とも一律22万円で、5人乗りのままです。エクストレイルは同じ4WDでも、Sを選ぶと19万4,700円の中にステアリングヒーターと後席ヒーターまで入ってきます。2WDのSは、4WDにしないと冬の装備が付かない唯一のグレードです。

5人乗りのまま別の候補も見るなら、ハリアー vs RAV4とエクストレイル vs CX-5があります。

※価格・相場は執筆時点(2026年8月)の情報です。装備の設定はハリアーが2026年8月版、エクストレイルが2025年11月版の公式PDFにもとづきます。実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。