セレナのグレード比較|4WDでも8人乗りは選べる?

日産セレナ ハイウェイスターV(5BA-FC28)を前方から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている セレナを4WDにすると、8人乗れなくなるの?
シキが白紙を1枚、片手でクラのほうへ向けて見せながら、落ち着いた表情で話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口を小さく開けている ガソリンの4WDは8人乗りです。e-4ORCEは全部7人乗りです
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をポケットに入れて、口を大きく開けてシキに話しかけている。シキは白紙の束を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔で聞いている いちばん高いLUXIONなら8人乗れる?LUXIONも7人乗りです
シキが白紙を片腕で胸に抱え、眉を下げて目を閉じている。クラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げて困ったような表情でシキのほうを見ている 約500万円のグレードでも、2列目の真ん中に席はありませんじゃあ最初に決めるのは、何人で乗るかだね

セレナはX・XVパッケージ・ハイウェイスターVの3グレードに、それぞれガソリンかe-POWER、2WDか4WDを選べます。防水シート車まで数えると、この3グレードだけで価格表に20通り並びます。ところが装備一覧を並べてみると、グレード名で決まる装備は思ったより少ないことに気づきます。乗車定員もリヤサスペンションも最低地上高も、グレードではなくパワートレインと駆動方式で決まります。

注文したあとで変えられないもの

乗車定員、駆動方式、シート表皮、シートヒーターの4つは、注文したあとで変えられません。この記事はこの4つを中心に見ていきます。

アルミホイールもドライブレコーダーも購入後に足せるので、ここでは差として扱いません。付くグレードと付かないグレードの分かれ方は、日産が公開している主要装備一覧(X・XVパッケージ・ハイウェイスターV・e-POWER LUXION)にもとづきます。AUTECH系はオーテック側の別資料になるため、価格は載せますが、装備の比較は定員を除いて含めていません。以下で「全グレード」と書くときも、この4グレードを指します。

ノアと並べて比べた記事はセレナ vs ノアです。

ガソリンなら4WDでも8人乗れる、Xでもプロパイロットが付く

4WDで8人乗りにするならガソリン車

「雪道を走るから4WDにしたい。でも8人で乗る日もある」と迷うところです。

8人乗りが7人乗りになるのは、ここで比べる4グレードではe-4ORCE(4WDのe-POWER)とe-POWER LUXIONの2つだけです。ガソリンは2WDも4WDも8人乗りのままです。

AUTECH系は例外があります。オーテックの装備一覧では、e-4ORCEのAUTECH/AUTECH LINEに加えて、AUTECHのe-POWER(2WD)とAUTECH SPORTS SPECも7名です。

シキ

7人乗りで減るのは、2列目の真ん中の1席です。8人乗りにだけ、セカンド中央席のヘッドレストがあります。3列目は7人乗りでも3人掛けのままです

クラ

じゃあ、3列目に子ども3人を並べるのはどっちでもできるんだ

シキ

できます。できないのは、2列目に3人並ぶ乗り方です

クラ

うちは祖父母を乗せる日に8人になるから、4WDならガソリン一択だね

Xのハンズフリースライドドアは助手席側だけ

Xでもスライドドアは電動です。違うのは開け方です。Xでハンズフリーになるのは助手席側だけ(しかもメーカーオプション)で、運転席側は手で開けます。両側ハンズフリーは、XVパッケージとハイウェイスターVでは標準です。

フロントガラスの遮音は全車標準、フロントドアはLUXIONだけ

フロントガラスのスーパーUVカットグリーン遮音ガラスは、Xを含む全車標準です。価格の高いグレードほど遮音ガラスが増える、という設定ではありません。例外はフロントドアで、遮音ガラス(IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス)が入るのはe-POWER LUXIONだけです。

プロパイロットは全グレード標準、2.0はLUXIONだけ

プロパイロットはXを含む全グレードに標準装備です。運転支援が目的なら、Xより高いグレードを選ぶ必要はほぼありません。手放し運転に対応するプロパイロット2.0だけが、e-POWER LUXION専用になります。

買取相場の8.1万〜292.3万円は先代以前を含む幅

カーセンサーの集計(2026年7月更新)では、セレナの平均買取相場額は8.1万〜292.3万円です。この下限は現行型の数字ではありません。セレナは1991年から続く名前で、集計には先代以前も入っています。幅の広さは世代の差であって、グレードの差ではありません。

グレードを変える差額と、e-POWERにする差額

表は2WDの価格です。防水シート車を選べるのはXVパッケージとハイウェイスターVだけで、どちらもこの表より4万4,000円高くなります。

グレードガソリンe-POWER
X2,785,200円3,293,400円
X(XVパッケージ)3,043,700円3,583,800円
ハイウェイスターV3,228,500円3,775,200円
AUTECH LINE3,338,500円3,885,200円
AUTECH3,703,700円4,250,400円
AUTECH SPORTS SPECー4,437,400円
e-POWER LUXIONー4,998,400円

4WDにするときの加算額は、グレードで20万円台から36万円台まで幅があります。

グレードガソリン→4WDe-POWER→e-4ORCE
X/X(XVパッケージ)205,700円305,800円
ハイウェイスターV266,200円366,300円
AUTECH LINE266,200円366,300円
AUTECH200,200円300,300円

ガソリン車の2WDで比べると、XからXVパッケージにすると約26万円、XVパッケージからハイウェイスターVにすると約18万円高くなります。同じグレードのままガソリンからe-POWERに変えると、Xで約51万円、XVパッケージとハイウェイスターVでは約54万〜55万円です。

XからXVパッケージに変える差額より、e-POWERにする差額のほうが2倍近く大きくなります。

クラ

約51万円あれば、XからハイウェイスターVに変えられるってこと?

シキ

変えられます。XからハイウェイスターVに変えても、差額はガソリン車どうしで約44万円、e-POWERどうしで約48万円です

クラ

e-POWERにお金を払うか、ハイウェイスターVにするほうに払うか、か。先に家族の使い方を書き出してみる

価格・装備・相場は執筆時点の情報です。装備と数値は日産の主要装備一覧/主要諸元(2026年3月版)と価格・グレードページ、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態や装備で変わります。

ホットプラスパッケージがあるのは、ハイウェイスターV系とLUXION

ハイウェイスターV|X・XVパッケージでは選べない冬の装備

寒い地域で使うなら、いちばん安く選べるのはハイウェイスターVです。 ステアリングヒーター、前席とセカンド左右のシートヒーター、ヒーター付ドアミラーの3点は、ホットプラスパッケージとしてまとめられています。設定があるのはハイウェイスターV系とe-POWER LUXIONだけで、XとXVパッケージにはオプションとしても用意されていません。

そのハイウェイスターVでも、駆動方式とナビの有無で扱いが変わります。

ハイウェイスターVの仕様ホットプラスパッケージ
4WD標準装備
2WD(ナビ非装着)設定なし
2WD(日産オリジナルナビ取付パッケージ装着車)メーカーオプション
2WD(NissanConnect装着車)メーカーオプション

2WDのハイウェイスターVで冬の装備が欲しいなら、ナビも同時に決めることになります。あとから販売店で足せる装備ではありません。ホットプラスパッケージとナビのセット価格は公式のグレード一覧に出ていないため、金額は見積りで確かめてください。

クラ

2WDでナビなしにして、あとでスマホをつなげばいいかと思ってた

シキ

その選び方だと、ホットプラスパッケージは付けられません。ナビ取付パッケージかNissanConnectのどちらかを一緒に頼むのが条件です

クラ

見積りのときに、ナビとヒーターを1行ずつ並べてもらえばいいのか

シート表皮はジャカード織物/トリコット(撥水加工)&合皮コンビで、これに防水シート(ネオソフィール®)を4万4,000円で足せます。防水シートは、表面を拭いて汚れを落とせる表皮です。

弱点は、全幅1,715mmで3ナンバーになることです。X系の1,695mmより20mm広く、バンパー形状の違いで全長も75mm長くなります。室内長は3,145mm(NissanConnect装着車は3,135mm)でX系と共通なので、室内の広さは同じまま、車体の外寸だけが大きくなります。

日産セレナ ハイウェイスターVの運転席まわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

X(XVパッケージ)|防水シートを選べる、いちばん安いグレード

小さい子どもやペットを乗せるなら、Xは候補から外れます。防水シートを選べるのはXVパッケージとハイウェイスターVだけで、素のXにはオプション設定自体がありません。

両側ハンズフリーオートスライドドア、全ドア連動ロック機能、リヤオートエアコン&リヤヒーターダクトも、XVパッケージとハイウェイスターVでは駆動方式を問わず標準です。全幅1,695mmの5ナンバーのままなのも、Xと同じです。

足りないのは冬の装備です。シートヒーターもステアリングヒーターも、オプションで足せません。

X|デュアルバックドアとタイヤサイズはXVパッケージと同じ

いちばん安いXでも、XVパッケージやハイウェイスターVと同じ装備が意外とあります。デュアルバックドアは標準で、壁際に停めてもバックドアの上半分だけを開けて荷物を出し入れできます。タイヤも205/65R16でXVパッケージ・ハイウェイスターVと共通です。

装備XX(XVパッケージ)ハイウェイスターV
ハンズフリーオートスライドドア〈助手席側〉メーカーオプションーー
ハンズフリーオートスライドドア〈両側〉ー標準標準
全ドア連動ロック機能メーカーオプション標準標準
16インチアルミホイールーメーカーオプション標準
デュアルバックドア標準標準標準
リヤクーラー2WDのみ標準ーー
リヤオートエアコン&リヤヒーターダクト4WD標準/2WDはメーカーオプション標準標準

X系の2WDに標準で付く後席の空調は、天井のリヤクーラーだけです。後席用の暖房も備えたリヤオートエアコン&リヤヒーターダクトはメーカーオプションになります。X系でも4WDなら標準です。

クラ

冬に3列目へ子どもを乗せると、前の暖房だけで足りるのかな

シキ

X系の2WDでリヤヒーターダクトが欲しいなら、注文時のメーカーオプションです。あとからは付けられません

日産セレナ e-POWER XVパッケージの後ろ姿
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

e-POWER LUXION|フロントドアの遮音ガラスとプロパイロット2.0が付く

価格は約500万円です。LUXIONだけに付く装備は、フロントドアの遮音ガラス(IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス)と、手放し運転に対応するプロパイロット2.0、専用のテーラーフィットシートです。

前席の真横は、風切り音と外の話し声が入ってくる場所です。ドアガラスまで遮音ガラスにしているのは、この1グレードに限られます。

ホットプラスパッケージにナビの条件は付かず、高濃度不凍液とのセット(◇9)か、クリアビューパッケージまで含むセット(◇8)で選べます。どちらにしても、単品では選べません。

乗車定員は7名です。2列目の中央にも人を座らせて8人で乗る予定があるなら、いちばん高いグレードが候補から外れます。

パワートレイン別の車両重量・最低地上高・リヤサスペンション

仕様乗車定員車両重量全高最低地上高リヤサスペンション
ガソリン 2WD8名1,670〜1,690kg1,870mm135mmトーションビーム式
ガソリン 4WD8名1,780〜1,790kg1,895mm135mmマルチリンク式
e-POWER 2WD8名1,790〜1,810kg1,870mm135mmトーションビーム式
e-4ORCE 4WD7名1,900〜1,930kg1,885mm150mmトーションビーム式
e-POWER LUXION7名1,850kg1,885mm135mmトーションビーム式

e-4ORCEには後輪用のモーター(MM48・60kW)が付き、8人乗りの設定はありません。最低地上高も150mmで、ほかより15mm高くなります。深い轍にはまったとき、車体の底が雪に接して動けなくなるまでの余裕が、その15mmぶん増えます。

ガソリンの4WDだけ、リヤサスペンションがマルチリンク式です。左右の車輪が別々に動く形式で、トーションビーム式は左右がつながっています。片輪が段差に乗り上げても、反対側の車輪が引っぱられません。リヤサスペンションの形式で比べるなら、後席の乗り心地に有利なのはガソリンの4WDだと思います。

クラ

雪道ならe-4ORCEのほうが走りやすいと思ってた。ガソリンの4WDにも、選ぶ理由があるんだ

シキ

最低地上高はe-4ORCEのほうが15mm高くなっています。リヤサスペンションはガソリンの4WDだけマルチリンク式です。地上高と後席の乗り心地のどちらを優先するかは、雪の深さと後席に誰が乗るかで決まります

クラ

うちの駐車場は除雪されるから、後席の子どもの乗り心地のほうを取るかな

WLTCモード燃費は、e-POWERとe-4ORCEではXがXVパッケージ・ハイウェイスターVより高くなります。

仕様XX(XVパッケージ)ハイウェイスターV
ガソリン 2WD13.0km/L13.0km/L13.0km/L
ガソリン 4WD11.6km/L11.6km/L11.6km/L
e-POWER 2WD20.3km/L19.0km/L19.0km/L
e-4ORCE 4WD16.8km/L16.0km/L16.0km/L

e-POWER LUXIONは18.1km/Lです。e-POWERの2WDの車両重量は、Xが1,790kg、XVパッケージとハイウェイスターVが1,810kgです。

100V AC電源(1500W・室内1個、ラゲッジ1個)はe-POWERとe-4ORCEのメーカーオプションで、ガソリン車には設定がありません。最小回転半径は全グレード5.7mで変わりません。

全長と全幅は、X系とハイウェイスターV系で異なります。

グレード全長全幅全高
X/X(XVパッケージ)4,690mm1,695mm1,870mm(ガソリン4WDは1,895mm、e-4ORCEは1,885mm)
ハイウェイスターV4,765mm1,715mm1,870mm(ガソリン4WDは1,895mm、e-4ORCEは1,885mm)
e-POWER LUXION4,765mm1,715mm1,885mm

立体駐車場や機械式駐車場を使うなら、全幅の20mmと全長の75mmの差を、駐車場の制限寸法と先に突き合わせておく価値があります。全幅1,695mmと1,715mmで5ナンバーと3ナンバーに分かれる理由は、5ナンバーと3ナンバーの違いで扱っています。

何人で乗るかを決めてから、グレードを選ぶ

最初に決めるのは、8人で乗る日があるかどうかです。あるなら、4WDはガソリン車に絞られます。パワートレインと駆動方式が決まると、乗車定員(8名か7名か)、リヤサスペンションの形式、最低地上高の3つが同時に決まり、どれも納車後には変えられません。

2番目がシートの表皮です。防水シートを選べるのはXVパッケージとハイウェイスターVだけなので、内装が汚れる使い方をするなら、Xは候補から外れます。

3番目が冬の装備です。ホットプラスパッケージを付けるならハイウェイスターV系かe-POWER LUXIONになり、ハイウェイスターVの2WDならナビの機種も同じ注文で決めることになります。

価格を最後に見るのは、ここまでの3つがどれも注文時にしか決められないからです。アルミホイールやドライブレコーダーのように後から足せる装備は、最初の予算から外して考えられます。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのセレナのレビューで読めます。

※価格・相場は執筆時点の情報です。セレナの純正の車中泊仕様はセレナ マルチベッド/マルチボックスで扱っています。