新型ムーヴ4グレードの違い|電動パーキングブレーキはどのグレードから?

ダイハツ 新型ムーヴ RS(型式5BA-LA850S-GBVZ)ブラックの前方斜めからの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC0 1.0 ・2025年6月10日撮影。トリミングして縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
右のクラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手を頬に当てて、口を開けてシキに相談している。左のシキは白紙を胸に抱え、穏やかな表情でクラのほうを向いて聞いている ムーヴの4グレード、どこで選べばいいの?
左のシキが片手に白紙の束を持ち、もう片方の手で白紙を1枚クラのほうへ差し出しながら話している。右のクラはマグカップを両手で持ち、目を丸くしてその紙を見ている 装備の差はXとGのあいだ。ここだけ26万4000円ひらく
右のクラがマグカップを両手で包むように持ち、眉を下げて汗をかきながら、口を開けて質問している。左のシキは白紙を片手に持ち、もう片方の手の人差し指を立てて答えている 電動パーキングブレーキって、あとから付けられない?付けられない。GとRSだけの装備
左のシキが白紙を両手で持ち、口を開けて笑いながら話している。右のクラはマグカップを片手に持ち、もう片方の手をあごに当てて、にっこり笑って考えている ACCが欲しいならGに4万4000円足す手もあるRSとの差、13万7500円まで縮むんだ

新型ムーヴのグレードは L・X・G・RS の4つ。分かれ目は X と G のあいだの26万4000円で、装備の差の大半もここにあります。 先代まであった「カスタム」が廃止され、代わりにスライドドアが付いたので、選び方そのものが以前とは変わりました。

2026年上半期の軽自動車販売台数では63,272台、前年同期比124.4%。上位車種のなかで唯一の2桁成長でした。

「カスタムがないなら、いちばん安いLでいいのでは」。そう考えて4つの価格を並べたときに引っかかるのが、XとGのあいだの26万4000円です。

電動パーキングブレーキはGから、ACCはRSから

決め手になるのは2つです。電動パーキングブレーキとオートエアコンを日常で使いたいか。そして、ACC(アダプティブクルーズコントロール。先行車との車間を保って追従する機能)を標準で持ちたいか。

前者はGから、後者はRSからです。衝突回避支援ブレーキ、車線逸脱警報・抑制、ふらつき警報、オートハイビームは4グレードとも標準なので、ここでは差になりません。

装備一覧表で付くグレードと付かないグレードが分かれるのは、ぶつからないための装備ではなく、止まったあとの操作と、車内の温度合わせのほうです。

クラ

ぶつからないための装備が同じなら、いちばん安いLでもよくない?

シキ

そこは同じ。ただGとRSにはオートブレーキホールドも付く。信号待ちでブレーキから足を離せるかどうかが変わる

クラ

渋滞のたびに右足を踏み続けるかどうか、か

RSだけがターボ。室内も型式も4グレードで共通

エンジンが違うのはRSだけ

RSだけがターボで、G・X・L は同じKF型の自然吸気です。ターボと自然吸気のカタログ燃費差は2WDで1.1km/L、トルクは100N·mと60N·mで1.6倍以上ひらきます。人を乗せて坂を上がる場面や、高速の合流で差が出やすい構成です。G・X・L は燃費の数値も同じです。

項目RS(ターボ)G・X・L(自然吸気)
エンジン型式KF型KF型
総排気量658cc658cc
圧縮比9.011.5
最高出力47kW〈64PS〉/6,400rpm38kW〈52PS〉/6,900rpm
最大トルク100N·m〈10.2kgf·m〉/3,600rpm60N·m〈6.1kgf·m〉/3,600rpm
WLTCモード燃費(2WD)21.5km/L22.6km/L
WLTCモード燃費(4WD)19.9km/L20.6km/L

内訳は次のとおりです(2WD)。

モードRSG・X・L
市街地モード(WLTC-L)19.5km/L19.9km/L
郊外モード(WLTC-M)22.6km/L24.0km/L
高速道路モード(WLTC-H)21.7km/L23.1km/L

室内寸法も型式も、4グレードで変わらない

軽自動車規格なので、全長3,395×全幅1,475mm、室内2,140×1,335×1,270mm、ホイールベース2,460mm、乗車定員4名、燃料タンク30Lは4グレード共通です。型式も2WDが5BA-LA850S、4WDが5BA-LA860Sで共通になります。人を乗せて荷物を積んだときの広さは、どれを選んでも同じということです。

グレードで差が出るのは、車両重量、燃費、最小回転半径、エンジンの4つだけになります。

4WDにすると、全高と最低地上高とリヤサスペンションが変わる

4WDは全グレード一律126,500円高で、全高が15mm上がって1,670mm、最低地上高も150mmから165mmになります。車両重量は40〜50kg増え、WLTCモード燃費は2WD比で1.6〜2.0km/L落ちます。

見落とされやすいのは足まわりのほうです。リヤサスペンションは2WDのトーションビーム式に対して、4WDでは3リンク式コイルスプリングになります。左右輪が別々に動く形式なので、片輪だけが段差に乗ったときの姿勢の乱れは4WDのほうが抑えやすい構成です。

クラ

雪が降らない土地なら、4WDは要らないってこと?

シキ

駆動だけの話ではない。リヤの形式が変わるのも4WDのほう。しかも納車後には変えられない

4WDの上乗せは、4グレードとも126,500円

グレード2WD4WD差額(4WD-2WD)
L1,369,500円1,496,000円126,500円
X1,501,500円1,628,000円126,500円
G1,765,500円1,892,000円126,500円
RS1,947,000円2,073,500円126,500円

4WDの上乗せは4グレードで同じでも、グレード間の価格差は一定ではありません。2WDで比べると、L→X が 132,000円、X→G が 264,000円、G→RS が 181,500円。最廉価の L(2WD)と最上位の RS(4WD)の価格差は70万4000円です。

ムーヴのグレード別価格を比較した横棒グラフ。L 1,369,500円、X 1,501,500円、G 1,765,500円、RS 1,947,000円で、X→Gの差額264,000円が最大

1グレード上げるごとに、何が足されるか

G 176万5,500円|あとから付けられない2つが標準装備になる

ムーヴのグレードごとに追加される装備を並べた図。LからXでプッシュボタンスタート等、XからGで電動パーキングブレーキ・オートエアコン等、GからRSでターボとACC標準装備が加わる

「26万4000円あったら、ナビやドライブレコーダーに回したい」。そう考えたときに引っかかるのが、あとから付けられるものと付けられないものの分かれ目です。

Xから26万4000円を足して買うのは、電動パーキングブレーキ+オートブレーキホールドと、オートエアコンです。 この2つはあとから付けられません。ほかにLEDフォグランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)、コーナーセンサー(フロント2個/リヤ4個)、14インチアルミホイール、内装の加飾一式が加わります。

エアコンは制御方式そのものが変わります。GとRSがオート(プッシュ式)、XとLはマニュアル(ダイヤル式)です。パーキングブレーキも、XとLは足踏式になります。

内装では、フロントセンターアームレスト(ボックス付)、メッキインナードアハンドル、メッキエアコンレジスターノブ、イルミネーション付のインパネセンタートレイ、助手席のシートバックポケットとユーティリティフックが、Gから付きます。メーターも7インチTFTになります。

では、ACCのためにRSまで上げる必要があるのでしょうか。

Gに44,000円のスマートクルーズパックを足すと1,809,500円。RSの1,947,000円との差は137,500円まで縮まります。ACCだけが目的なら、RSまで上げなくても手に入ります。

裏を返すと、Gまで上げてもACC・LKC・CTAは標準になりません。★A スマートクルーズパック(44,000円/消費税抜40,000円)を選ばないかぎり、この3つは付かないままです。

RS 194万7,000円|137,500円で買うのは、ターボと足まわり

Gにスマートクルーズパックを付けた1,809,500円と比べたときの差額137,500円で加わるのは、ターボエンジン、15インチアルミ(切削)、本革巻ステアリング、スポーティサスペンション、サイドストーンガードです。ACC・LKC・CTAは標準になります。

引き換えになるのが取り回しと燃費です。最小回転半径は4.7mで、ほかの3グレードの4.4mより0.3m大きくなります。タイヤも165/55R15で、ほかの3グレードの155/65R14とは違うサイズです。狭い駐車場では、切り返しが1回増える場面があると考えられます。WLTCモード燃費も2WDで1.1km/L落ちます。

クラ

0.3mって、運転していて分かるものなの?

シキ

数字としては4.4mと4.7m。切り返しが増えるかどうかは、いつも停める場所の幅で決まる

X 150万1,500円|プッシュボタンスタートはここから

Lに132,000円を足して買うのは、プッシュボタンスタートとキーフリーシステムです。Lだけがキーレスエントリーなので、鍵をかばんから出さずに乗り降りできるかどうかが変わります。

電動パーキングブレーキもオートエアコンも、Xにはありません。標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)はメーカーオプション扱いです。

L 136万9,500円|最安。安全装備の基本は同じ

いちばん安い136万9,500円でも、衝突回避支援ブレーキ、車線逸脱警報・抑制、ふらつき警報、先行車発進お知らせ、オートハイビームはGやRSと同じく標準です。

見た目と操作でX以上と分かれるのは、ピラーがカラードになる点と、キーレスエントリーである点になります。

装備一覧

表の記号は、●が標準装備、○がメーカーオプション、−が設定なしを表します。

運転支援・安全装備

装備RSGXL
衝突回避支援ブレーキ(対四輪車/対歩行者)●●●●
車線逸脱警報機能・車線逸脱抑制制御機能●●●●
ふらつき警報/先行車発進お知らせ機能●●●●
AHB(オートハイビーム)●●●●
ADB(アダプティブドライビングビーム)●●−−
標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)●●○○
ACC(アダプティブクルーズコントロール)●○−−
LKC(レーンキープコントロール)●○−−
CTA(コーナリングトレースアシスト)●○−−
コーナーセンサー(フロント2個/リヤ4個)●●−−
サイドビューランプ●●−−

G の ACC・LKC・CTA は「★A スマートクルーズパック」(44,000円/消費税抜40,000円)に含まれます。

快適装備・操作系

装備RSGXL
電動パーキングブレーキ●●−−
オートブレーキホールド機能●●−−
足踏式パーキングブレーキ−−●●
エアコンオート(プッシュ式)オート(プッシュ式)マニュアル(ダイヤル式)マニュアル(ダイヤル式)
プッシュボタンスタート/キーフリーシステム●●●−
キーレスエントリー−−−●
ウェルカムドアロック解除●●−−
ヘッドランプ点灯延長機能●●−−
D assist切替ステアリングスイッチ●●−−
リヤヒーターダクト4WDに設定4WDに設定4WDに設定4WDに設定

外装・足まわり

装備RSGXL
ホイール15インチアルミ(切削)14インチアルミ14インチフルホイールキャップ14インチフルホイールキャップ
タイヤサイズ165/55R15 75V155/65R14 75S155/65R14 75S155/65R14 75S
フロントグリルコンビネーション(ガンメタリック塗装/メッキモール付)コンビネーションブラックブラック
LEDフォグランプ●●−−
フルLEDヘッドランプ●(オートレベリング付)●(オートレベリング付)●(マニュアルレベリング付)●(マニュアルレベリング付)
リヤスポイラー●●−−
サイドストーンガード●−−−
ピラーブラックアウト●●●−(カラードピラー)
スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)●●−−
スポーティサスペンション●−−−

内装の加飾

装備RSGXL
ステアリングホイール本革巻ウレタン(メッキオーナメント・プレミアムシャインブラック加飾付)ウレタンウレタン
インパネセンターシフト本革巻(メッキボタン/メッキ加飾付)材着(メッキボタン/メッキ加飾付)材着材着
メーター7インチTFTマルチインフォメーションメーター7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイマルチインフォメーションディスプレイ
フロントセンターアームレスト(ボックス付)●●−−
メッキインナードアハンドル/メッキエアコンレジスターノブ●●−−
インパネセンタートレイ(イルミネーション/シルバー加飾付)●●−−
シートバックポケット・ユーティリティフック(助手席)●●−−

車両重量と最小回転半径

項目RSGXL
車両重量(2WD)890kg860kg860kg860kg
車両重量(4WD)940kg910kg900kg900kg
最小回転半径4.7m4.4m4.4m4.4m

主なパックオプション

すべて税込(カッコ内は消費税抜)。

パックオプション価格主な内容
★A スマートクルーズパック44,000円(40,000円)ACC、LKC、CTA
★B 純正ナビ装着用アップグレードパック33,000円(30,000円)バックカメラ、ステアリングスイッチ、USBソケット ほか
★C パノラマモニター対応カメラ33,000円(30,000円)フロント/サイドカメラ ほか
★K コンフォータブルパック33,000円(30,000円)運転席/助手席シートヒーター、360°スーパーUV&IRカットガラス
★L 右側パワースライドドア55,000円(50,000円)ワンタッチオープン機能/タッチ&ゴーロック機能付

※上記以外にディスプレイオーディオやパーキングアシストを組み合わせたパックが複数設定されています。グレードごとに選べる組み合わせが異なるため、実際の選択可否は公式の主要装備一覧表と販売店で確認してください。

手放すときに残る差

買うときに気になるのは、手放すときにどれだけ残るかではないでしょうか。以下はカーセンサーが公表している買取相場です(2026年7月更新)。販売店の売値ではなく、業者が買い取る側の価格帯になります。

年式買取相場
2026年92.3万円〜136.6万円
2025年(1年落ち)76.7万円〜136.6万円
2023年(3年落ち)64.6万円〜80.5万円
2022年(4年落ち)46.2万円〜75.6万円
2021年(5年落ち)34.8万円〜71.0万円
2020年(6年落ち)35.3万円〜59.0万円
走行距離買取相場
10,000km以下85.4万円〜121.2万円
10,001〜20,000km35.9万円〜86.8万円
20,001〜30,000km29.3万円〜63.3万円
60,001〜70,000km14.3万円〜44.4万円
150,001km以上3.0万円〜28.5万円

1万kmを超えるあたりで、相場の下限が大きく下がります。年式よりも走行距離のほうが、下限の落ち方は急です。

現行型(2025年6月〜)はまだ買取実績が少なく、グレード別の相場は集計されていません。参考として、先代(2014年12月〜2023年7月)のグレード別買取相場を挙げます。

グレード(先代)買取相場
660 カスタム RS ハイパーリミテッド SAIII72.1万円〜87.9万円
660 カスタム X VS SAIII 4WD70.8万円〜84.7万円
660 カスタム X リミテッド SAIII60.3万円〜77.6万円
660 X リミテッドII SAIII56.1万円〜76.4万円
660 L SAIII39.8万円〜57.8万円

最上位と最廉価で、上限どうしの差は約30万円残っています。先代のL SAIIIとカスタムRSの新車価格差はこれより大きかったので、金額としての差は縮んでいますが、消えてはいません。ターボ、4WD、電動パーキングブレーキとオートエアコンという、あとから追加できない要素が相場を分けていると読めます。

ただしこれは先代の傾向からの推定で、現行型で同じ差が出る保証はありません。実際の金額は査定でご確認ください。

決める順番は、26万4000円で付く装備から

金額から入ると、26万4000円で何が加わるかを知らないまま迷います。この順で確かめてください。

  1. 電動パーキングブレーキとオートエアコンが要るかを決める。要るならG以上で、ここで L と X が候補から外れます。どちらもあとから付けられないので、10年乗るあいだの停車と温度合わせを、どちらの操作でやりたいかで決まります
  2. ACCが要るかを確かめる。要るならGに44,000円のスマートクルーズパックを足して1,809,500円。RSの1,947,000円と並べると、差は137,500円です
  3. その137,500円をターボと足まわりに払うかを決める。払うならRSですが、最小回転半径が4.4mから4.7mに大きくなり、燃費も1.1km/L落ちます
  4. 最後に4WDを検討する。一律126,500円高で、リヤサスペンションが3リンク式コイルスプリングに変わります

価格・装備・相場は執筆時点の情報です。数値はダイハツ公式サイトの主要諸元表・主要装備一覧表および価格表、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。価格はすべて税込のメーカー希望小売価格です。買取価格は個体の状態、走行距離、時期、業者、地域で大きく変わります。購入前には公式サイトと販売店でご確認ください。