エスティマ エミーナ/ルシーダ|5ナンバーになるのはどのエンジンか?

銀色のトヨタ エスティマ エミーナを左斜め前から見た外観。ヘッドライトのあいだに黒いグリルバーが横に走り、その中央にトヨタのエンブレムが付く
写真: Mytho88 / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 3.0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
白衣のシキが左に立ち、右のクラがマグカップを片手に首をかしげて笑いながら話しかけている 幅を110mmせばめて、5ナンバーになったんだよね?
シキが両手で持った書類に目を落として読み上げ、右のクラはマグカップを持って聞いている 長さも幅も上限まで残り10mmです。でもガソリン車は5ナンバーになりません
クラが目を見開いて口を開け、片手を上げて驚いている。左のシキは表情を変えずに書類を持って立っている 寸法は収まってるのに、なんでダメなの?
シキが1枚の紙を胸の高さに掲げ、右のクラはマグカップを両手で持ち、目を閉じて小さくうなずいている 4つ目の条件が、総排気量2.00リットル以下です軽油なら5ナンバーか

エスティマ エミーナとエスティマ ルシーダで5ナンバー(小型自動車)になるのは、2.2Lのディーゼルターボ車です。2,438ccのガソリン車は、車体の寸法が小型自動車の条件を満たしていても、小型自動車になりません。

トヨタ自動車75年史の「エスティマ エミーナ」のページは、この車をこう書き出しています。

「エスティマ」のボデー幅を110mmせばめ、日本の5ナンバーボデーサイズに仕立て直したモデルで1992年1月に発売。

ルシーダのページにも同じ文があり、発売日はどちらも1992年1月13日です。

エスティマと、幅を110mmせばめた2台の数字

項目エスティマエミーナ/ルシーダ
表の列(グレード)2400・16VALVE・2WD/4WD2400・16VALVE・EFI・G/X/F
車両型式E-TCR11W(2WD)・E-TCR21W(4WD)E-TCR11G(G)・E-TCR10G(X・F)
全長4,750mm4,690mm
全幅1,800mm1,690mm
全高1,780mm(4WDは1,790mm)1,780mm
ホイールベース2,860mm2,860mm
車両重量1,770kg(2WD)・1,860kg(4WD)1,670kg(G)・1,600kg(X)・1,550kg(F)
エンジン2TZ-FE・直列4気筒DOHC2TZ-FE・直列4気筒DOHC
総排気量2,438cm³2,438cm³
最高出力135PS/5,000rpm(ネット値)135PS/5,000rpm(ネット値)

表は、75年史が代表として載せているグレードの値です。エミーナ/ルシーダの列は1992年1月の発売時のグレードで、ガソリン車のFはトヨタ認定中古車の車種カタログ(トヨタの公式サイトにある、発売年月ごとのグレードと諸元の一覧)でも、1992年1月発売のモデルにだけ載っています。エスティマの列は、1994年にスーパーチャージャー付きの160PSのエンジンが加わる前からある、135PSのグレードです。

エンジンは、表のどのグレードも2TZ-FEの2,438ccで、ホイールベースも3台とも2,860mmです。

小型自動車の条件は4つで、寸法はそのうちの3つ

小型自動車かどうかを決めているのは、道路運送車両法施行規則の別表第一(第二条関係)です。長さ4.70m以下・幅1.70m以下・高さ2.00m以下という寸法の3つはよく知られていますが、いまの条文の小型自動車の欄には、括弧書きでもう1つ条件が入っています。

四輪以上の自動車及び被けん引自動車で自動車の大きさが下欄に該当するもののうち軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの(内燃機関を原動機とする自動車(軽油を燃料とする自動車及び天然ガスのみを燃料とする自動車を除く。)にあつては、その総排気量が二・〇〇リットル以下のものに限る。)

括弧書きにある「総排気量が二・〇〇リットル以下」が、4つ目の条件です。ガソリン車は、寸法の3つと合わせた4つのうち1つでも外れれば、小型自動車ではなく普通自動車になります。条文の読み方は3ナンバーと5ナンバー|車検証のどの欄で見分ける?にまとめてあります。

この4つの条件と、エスティマ、エミーナ/ルシーダの数字を並べたのが次の表です。

別表第一・小型自動車の条件エスティマエミーナ/ルシーダ
長さ 4.70m以下4,750mm。50mm超える4,690mm。上限より10mm短い
幅 1.70m以下1,800mm。100mm超える1,690mm。上限より10mm狭い
高さ 2.00m以下1,780mm(4WDは1,790mm)1,780mm
総排気量 2.00リットル以下2,438cm³。438cm³超える2,438cm³。438cm³超える

エミーナ/ルシーダは、長さも幅も上限まで残り10mmです。寸法の3つはすべて収まっていて、2,438ccのガソリン車が満たしていないのは4つ目の総排気量の条件だけです。

高さは2.00mの上限に対して1,780mmで、220mm余っています。寸法のうちエスティマから小さくなったのは、上限を超えていた長さと幅の2つです。

トヨタ認定中古車の車種カタログには、1992年1月発売から1998年4月発売までのモデルが載っていて、長さ4,690mmと幅1,690mmは、ガソリン車・ディーゼル車のどのグレードでも同じです。高さは屋根の仕様で変わり、いちばん高いジョイフルキャノピー仕様車が1,910mmで、これも2.00mの上限に収まります。

クラ

上限ぎりぎりに合わせたように見えるね。そこまで小さくしたのに、ガソリンのほうは5ナンバーにならないの?

シキ

なりません。75年史も、車体については『5ナンバーボデーサイズ』、登録については、ディーゼルを『選べば5ナンバー登録となった』と書いています

クラ

サイズの話と登録の話は別なんだ。『5ナンバーサイズ』と書いてある中古車を見たら、燃料まで確かめることにするよ

ワインレッドのトヨタ エスティマをショールームの展示台の上で左斜め前から見た外観。前端にグリルがなく、ボンネットからフロントガラスまでがひと続きの曲面になっている
写真: Mytho88 — Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

軽油を燃料とする車は、総排気量の条件から除かれている

総排気量の上限がかかるのは「内燃機関を原動機とする自動車」で、括弧書きはそこから、軽油を燃料とする自動車と、天然ガスのみを燃料とする自動車を除いています。軽油で走る車には2.00リットルの上限がかからず、長さ・幅・高さの3つを満たせば小型自動車になります。

別表第一を通して見ると、燃料で除いているのはこの欄だけだと分かります。総排気量の上限が出てくるのは、小型自動車の2.00リットル、軽自動車の0.660リットル、二輪の軽自動車の0.250リットルの3か所で、軽自動車の0.660リットルは軽油で走る車にもそのままかかります。

エミーナとルシーダには、その軽油で走るエンジンの設定がありました。75年史はこう続けています。

加えて、新たにインタークーラー付ディーゼルターボ2.2リッターの100PSユニット(3C-T型)も新登場。こちらを選べば5ナンバー登録となった。

75年史の表にはディーゼル車の列がありませんが、寸法はトヨタ認定中古車の車種カタログに載っています。1992年1月発売のディーゼル車は総排気量2,184ccで、長さと幅はガソリン車と同じ4,690mm・1,690mmです。同じ寸法の車体が、燃料が軽油かガソリンかで小型自動車と普通自動車に分かれます。

75年史のエミーナのページは、この車の型式を8つ挙げています。

TCR10G(2400), TCR11G(2400), TCR20G(2400), TCR21G(2400), CXR10G(2200ディーゼル), CXR11G(2200ディーゼル), CXR20G(2200ディーゼル), CXR21G(2200ディーゼル)

TCRで始まる4つが2400のガソリン車、CXRで始まる4つが2200のディーゼル車です。75年史の表や車種カタログでは、この前に排出ガス規制の記号が付きます(型式の頭の記号)。車種カタログに載っている記号は、ガソリン車が E- と、1998年1月発売のモデルからの GF- です。ディーゼル車は1992年1月発売のモデルが Q-、1993年8月発売のモデルから Y-、1995年1月発売のモデルから KD- に替わります。

エンジンの型式は、ガソリン車が2TZ-FE、ディーゼル車は1992年1月発売のモデルが3C-Tで、1993年8月発売のモデルからは3C-TEです。車検証では、ガソリン車とディーゼル車の違いが「型式」の欄と「原動機の型式」の欄の両方に出ます。

クラ

月極の駐車場で『5ナンバーまで』と言われたら、ガソリンのほうは断られるのかな

シキ

長さと幅は、ガソリン車もディーゼル車も同じです。その決まりが寸法のことなのか、登録の区分のことなのかは、契約の前に駐車場へ聞くことになります

クラ

寸法なら同じ、区分なら別か。5ナンバーって言葉、使う人によって指してるものが違いそうだね

エミーナとルシーダは、寸法もエンジンも同じ

エミーナとルシーダは、寸法もエンジンも同じ車です。75年史によると、2つの販売店系列に合わせてサブネームを付けたもので、エミーナがトヨタ店、ルシーダがトヨタカローラ店の扱いでした。

75年史の表では、全長・全幅・全高・ホイールベース・エンジンのどの行も、2台で同じ値です。4,690×1,690×1,780mm、2,860mm、2TZ-FEの2,438ccが並びます。差があるのは車両型式の行で、エミーナはGが E-TCR11G・RFSGK(N)、Xが E-TCR10G・RMEK(N)、Fが E-TCR10G・RRMNK(N)。ルシーダは同じ順に RFSGK、RRMEK、RRMNK で、(N)が付かず、Xは RMEK と RRMEK で符号の綴りも違います。

車両重量は、75年史の表ではG・X・Fが2台とも1,670kg・1,600kg・1,550kgです。一方、トヨタ認定中古車の車種カタログでは、1992年1月発売のガソリン車のF(5段MT)が、エミーナは1,550kg、ルシーダは1,580kgと載っていて、2台で30kg違います。

クラ

写真で見比べると、エンブレムの位置が違うね。エミーナはヘッドライトのあいだ、ルシーダはボンネットの先に付いてる

シキ

75年史は『フロントまわりのデザインで差別化を図った』と書いていて、どこを変えたかまでは挙げていません。エンブレムの位置は、この記事のエミーナとルシーダの写真に写っている違いです

クラ

寸法もエンジンも同じなら、中古で探すときは両方の車名で検索したほうが、候補が増えそうだね

青灰色のトヨタ エスティマ ルシーダを左斜め前から見た外観。ボンネットの先端にトヨタのエンブレムがあり、その下に細いグリルが横に入る
写真: Mytho88 — Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

表のグレードはどれも135PSで、車両重量の差は310kg

75年史の表に載っているグレードは、最高出力がどれも135PS/5,000rpm(ネット値)です。車両重量は、エミーナ/ルシーダのFの1,550kgから、エスティマの4WDの1,860kgまで310kgの差があります。同じ135PSのエンジンを、表のなかでいちばん軽い車体に載せているのがFです。エミーナ/ルシーダのガソリン車は、車種カタログに載っているどのモデルも2TZ-FEの135PSです。

2つの資料を並べると、エスティマの車両重量も値が違うことに気づきます。トヨタ認定中古車の車種カタログの1990年5月発売のモデルは、2WDが1,730kg、4WDが1,820kgで、75年史と同じ1,770kg・1,860kgはツインムーンルーフ付きの仕様の値です。

ホイールベースは3台とも2,860mmなので、全長の60mmの差は前後のオーバーハング(前輪より前と、後輪より後ろに出ている車体の部分)にあります。その合計は、エスティマが1,890mm、エミーナ/ルシーダが1,830mmです。駐車枠に入れたときは、車体の前後が合わせて60mm短くなります。

サスペンションの形式は、エスティマのページの本文に「前がマクファーソンストラット、後ろがダブルウィッシュボーンの4輪独立懸架」とあり、1993年2月には「セカンドシートを3人掛けベンチシートに、リヤサスペンションを4リンク式にした8人乗りの廉価モデル」が加わったと続きます。エミーナ/ルシーダのページは「全幅はせまく、全長がわずかに短い以外の機構面は『エスティマ』とほぼ共通」と書いていて、形式の名前は挙げていません。

エンジンの搭載位置は、エスティマのページに「フロア中央部下にエンジンを75度倒して搭載」とあります。広告の「天才タマゴ」というコピーは、北米デザインスタジオのキャルティが担当したスタイリングのテーマ「卵形」と、このエンジンの搭載方法に合わせて使われたものです。エミーナ/ルシーダのページは、駆動方式を「MR(ミッドエンジン後輪駆動)またはビスカスカップリング式フルタイム4WDの2種」、室内を「3列シートの7または8名乗り」と書いています。

エスティマのページには「アンダーフロア・ミドシップ・エンジンレイアウトを採用した『エスティマ』は一代限りで、2代目以降は一般的なフロントエンジンとなった」ともあります。

中古車で先に確かめるのは、型式がTCRかCXRか

最初に確かめるのは燃料です。型式のハイフンのあとがTCRならガソリン車、CXRならディーゼル車で、小型自動車になるかどうかもここで決まります。燃料は買ったあとに選び直せないので、ほかの条件より先に見ることになります。

2つ目が変速機です。エスティマが4段ATだけなのに対して、エミーナとルシーダには5段MTがあります。ただし、トヨタ認定中古車の車種カタログに5段MTが載っているのは、1992年1月発売のモデルではガソリン車とディーゼル車の両方、1996年8月発売のモデルからはディーゼル車のXだけです。

3つ目が席の数です。75年史の本文は「3列シートの7または8名乗り」と書いていて、表に乗車定員の行はありません。何名乗りの個体かは、車検証の乗車定員の欄で確かめられます。

エミーナかルシーダかは、燃料・変速機・席の数を決めたあとに残る選択です。

クラ

この2台は、いつまで売ってたの?

シキ

2000年1月までです。エスティマを2代目に切り替えるときに、エスティマとこの2台の3車が1つに統合されて、エミーナとルシーダは1代で終わりました

クラ

1代で終わった車なら、探すときに世代を取り違える心配はないね。見るのは燃料と年式だ

実際に乗っている人の評価は、みんカラのエスティマ エミーナのレビューとエスティマ ルシーダのレビューで読めます。

諸元と引用文は、トヨタ自動車75年史の車両詳細ページと、トヨタ認定中古車の車種カタログによります。75年史の各ページには「代表するグレードのスペックを表示しております。」の注記があり、表に載っていないグレードがあります。区分の根拠は道路運送車両法施行規則の別表第一(第二条関係)です。引用した条文は2026年10月時点のものです。1992年の発売当時にディーゼル車が5ナンバー登録だったことは、75年史の記述によります。制度は改正されることがあるため、実際の判断が必要な場面ではe-Gov法令検索で最新の条文をご確認ください。