ジープ ラングラー|高いグレードほど車幅は広いか?
いちばん高いRubiconにすれば、全部入りで安心だよね?
Rubiconの50万円で、全幅と歯車の比が変わる。サイドステップは付かない
冬のシートヒーターは? Sportにあとから付けられる?Sportには販売店オプションもない。付くのはSaharaから
先に測るのは車庫。Rubiconの全幅1,930mmが入るか入らなければ、あとは70万円を足すかどうかだね ラングラー アンリミテッドは、Sport 814万円、Sahara 884万円、Rubicon 934万円の3グレードです。70万円と50万円という2つの価格差のうち、車体の寸法と歯車の比まで違ってくるのは、安いほうの50万円です。
Sport から Sahara への70万円で変わるのは、主にシートの表皮と調整機構、フロントシートヒーターとヒーテッドステアリングホイール、12Vと115Vの電源アウトレット、スピーカー、ホイールとタイヤです。グリルとハードトップの色、リアシートのアームレスト、アンチスピンリアディファレンシャルなども Sahara で加わります。一方で全幅1,895mm、全高1,845mm、トレッド1,600mmは Sport と同じ数字のままで、エンジンも8速ATも、4X4システムの名前も変わりません。
Sahara から Rubicon への50万円では、全幅が1,930mmに、車両重量が2,000kgから2,110kgに、副変速機の低速側が2.717から4.000に変わります。
「どうせ800万円を超えるなら、いちばん上の Rubicon にしておけば間違いない」。3グレードの価格を並べると、そう考えたくなるところです。ただ、その50万円で広がった車幅が自宅の車庫に入らなければ、装備を比べる前に Rubicon は候補から外れます。
| Unlimited Sport | Unlimited Sahara | Unlimited Rubicon | |
|---|---|---|---|
| メーカー希望小売価格(税込) | 8,140,000円 | 8,840,000円 | 9,340,000円 |
| ひとつ下との差 | ー | +700,000円 | +500,000円 |
| リサイクル料金 | 17,050円 | 17,050円 | 17,050円 |
| 全幅 | 1,895mm | 1,895mm | 1,930mm |
| 全高 | 1,845mm | 1,845mm | 1,855mm |
| トレッド 前/後 | 1,600/1,600mm | 1,600/1,600mm | 1,635/1,635mm |
| 車両重量 | 1,990kg | 2,000kg | 2,110kg |
| 車両総重量 | 2,265kg | 2,275kg | 2,385kg |
| タイヤサイズ | 245/75R17 | 255/70R18 | LT255/75R17 |
| 副変速機 変速比(低) | 2.717 | 2.717 | 4.000 |
| 最終減速比 | 3.454 | 3.454 | 4.100 |
| 燃費(WLTCモード) | 9.8km/L | 9.8km/L | 9.2km/L |
| 4X4システム | セレクトラック | セレクトラック | ロックトラック |
| シート表皮 | ファブリック | 合成皮革 | ナッパレザー |
全長4,870mm、ホイールベース3,010mm、乗車定員5名、最小回転半径6.2mは、3グレードとも同じです。エンジンは1,995ccの直列4気筒DOHCターボで、最高出力200kW(272ps)/5,250rpm、最大トルク400N·m(40.8kg·m)/3,000rpm。電子制御式8速AT、前後ともコイルリジットのサスペンション、81Lのタンクに入れる無鉛レギュラーガソリンも共通で、型式も3グレードとも 3BA-JL20L です。
この価格には、2026年1月1日から加わった「経済変動加算額」が含まれています。ラングラーのぶんは20万円もしくは40万円(税込)と幅があり、どのグレードにいくら含まれているかは、プライスリストに書かれていません。
70万円で変わるのは、座るところと電気の来るところ

装備表の Sport と Sahara の列を並べてみると、シートの欄だけで、表皮も調整の仕方もヒーターも、背もたれのポケットの形まで分かれていることに気づきます。
表皮は3グレードで3種類です。Sport がファブリック、Sahara がプレミアムマッキンリーシート(合成皮革)、Rubicon がナッパレザー(フロントにRubicon刺繍入り)です。
Sport の前席は2ウェイのマニュアル調整で、ランバーサポートは運転席の2ウェイ手動、それに運転席の高さ調整が付きます。Sahara と Rubicon は前席が8ウェイパワーシートになり、ランバーサポートも4ウェイの電動です。長い距離を走って腰の位置を少し変えたくなったとき、手で動かすか、スイッチで動かすかの違いになります。
Sahara と Rubicon では、リアシートにセンターアームレスト(カップホルダー付)が加わり、フロントシートバックポケットはネットタイプに変わります。運転席・助手席のサンバイザーに照明付きバニティミラーが付くのも、この2グレードです。
フロントシートヒーターとヒーテッドステアリングホイールは Sahara と Rubicon に付き、Sport には標準でも販売店オプションでも設定がありません。12Vと115Vのアクセサリー電源アウトレットも同じ分かれ方で、Sport にはどちらもありません。
冬の朝にハンドルが温まれば十分なんだけど、そのために70万円?
ヒーターだけを選ぶ注文の仕方がない。合成皮革の8ウェイパワーシートや電源アウトレットと一緒に、70万円ぶんをまとめて買う形になる
スピーカーは Sport が8基で、Sahara と Rubicon にはサブウーハー付きのアルパイン製プレミアムスピーカーが9基入ります。反対に、12.3インチのタッチパネルモニター(Apple CarPlay・Android Auto・DSRC ETC2.0対応)とオートエアコンディショナーは、価格に関係なく3グレードとも標準です。ブラインドスポットモニター、ParkSenseのフロント・リアパークアシスト、STOP機能付きのアダプティブクルーズコントロール、前面衝突警報も同じで、安全装備の欄で Sport だけ付かないのは、ブラックカラーフューエルフィラードアの1項目にとどまります。
外から見て Sahara と分かるのは、グリルサラウンドがプラチナシルバーで、フリーダムトップ3ピースモジュラーハードトップとオーバーフェンダーがボディ同色になるところです。Sport と Rubicon はグリルサラウンドがニュートラルグレーメタリックで、ハードトップはブラックです。いちばん高い Rubicon より、中間グレードの Sahara のほうが街乗り向けの外観です。
ホイールは Sahara で17インチから18インチになり、タイヤも245/75R17のオールテレインから255/70R18のオールシーズンへ替わります。後輪にはアンチスピンリアディファレンシャルが加わります。ただし4X4システムは、Sport も Sahara も同じセレクトラックフルタイム4X4です。
70万円を出しても、諸元表の数字はほとんど変わりません。全幅も全高もトレッドも燃費も副変速機の比も、Sport と Sahara で同じ数字が入っていて、分かれるのはタイヤサイズと重量の欄だけです。245/75R17が255/70R18になり、車両重量は1,990kgから2,000kgへ、車両総重量は2,265kgから2,275kgへ、どちらも10kg増えます。重量税は車両重量を0.5トンごとに切り上げた区分で決まるので、この10kgでは同じ区分に収まります(区分の考え方は重量税は車検証のどの重さで決まるか)。
同じ800万円台で国産のクロスカントリーも見ておくなら、ランクルのFJ・70・250・300が価格順に並んでいます。
50万円で全幅が1,930mmになり、柱までの隙間が片側17mm減る

全幅1,895mmが1,930mmになります。増える35mmは左右に分かれるので、片側では17mmちょっとです。
「いまの車でも、車庫の柱まではそれほど余裕がない」。そういう家では、同じ車庫に入れるのが Sahara か Rubicon かで柱までの隙間がそのぶん変わり、ドアをどこまで開けられるかも変わります。トレッドも前後とも1,600mmから1,635mmへ、同じ35mmぶん広がっています。全高は1,845mmから1,855mmです。
同じジープのコンパスは、全幅1,810mm、最小回転半径5.7m(諸元表の Longitude と Limited に共通の値)です。ラングラー アンリミテッドは3グレードとも6.2mなので、差は0.5m。同じ場所で切り返さずにUターンするなら、要る道幅は1mぶん広くなります。全長4,870mm・ホイールベース3,010mmの車体で6.2mに収まっているとも言えますが、車庫に入るかどうかを決めるのは、回転半径より全幅のほうです。全幅で候補が絞られるのは、軽の枠をまたぐかどうかで分かれるジムニーとジムニーシエラでも同じです。
車両重量は2,000kgから2,110kgへ、110kg増えます。Sport の1,990kgと Sahara の2,000kgは10kg違っても同じ区分に入り、Sahara と Rubicon の110kgは区分をひとつまたぎます。重量税は、重さの差の大きさではなく、区分の境目をまたぐかどうかで変わる仕組みです。
副変速機の低速側は2.717から4.000へ、最終減速比は3.454から4.100へ変わります。8速ATの変速比は、1速の4.714から8速の0.667まで3グレードとも同じ数字なので、歯車で違うのはこの2か所です。どちらも Rubicon のほうが大きく、同じエンジン回転でもタイヤはゆっくり回ります。

副変速機はフロアチェンジ式で、シフトレバーの隣にもう1本レバーが立ちます。このレバーの操作は3グレードとも同じで、引いたときに何倍になるかだけが違います。
4X4システムは、Sport と Sahara のセレクトラックフルタイム4X4から、Rubicon ではロックトラックフルタイム4X4に置き換わります。OFF-ROADプラスモードと電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムも Rubicon だけです。逆に、主要燃費向上対策の欄にある「フロントアクスル分離機能」には(Sport / Sahara)と限定が付いていて、Rubicon にはこの記載がありません。
最低地上高は、主要諸元表に項目そのものがありません。アプローチアングルも登坂能力も載っていないので、Rubicon が悪路でどれだけ有利かを、公式の諸元・装備表の数字で比べることはできません。読めるのは、装備が付くか付かないかまでです。
見落とされやすいのは、Rubicon で選べなくなる装備のほうです。サイドステップが付くのは Sport と Sahara で、Rubicon には設定がなく、代わりにロックレールが付きます。3グレードでいちばん背の高い1,855mmのクルマから、足を掛ける段が無くなります。
ステップがなくなると、背の低い家族は乗り降りで困らない?
最低地上高の数字もないから、乗り込む高さは表では比べられない。乗る家族が販売店で実車に足を掛けて、確かめることになる
燃費はWLTCモードで9.8km/Lから9.2km/Lへ下がります。市街地モードは7.4km/Lから7.0km/L、高速道路モードは11.1km/Lから10.2km/Lです。タンクは3グレードとも81Lなので、満タン1回で走れる距離は Rubicon のほうが短くなります。
タイヤの側面は、18インチで薄くなり、17インチに戻って厚くなる
段差の角を最初に受け止めるのはタイヤの側面です。サイドウォールの高さは、Sport の245/75R17が約184mm、Sahara の255/70R18が約179mm、Rubicon のLT255/75R17が約191mmです。
70万円を足すとホイールが1インチ大きくなって側面は薄くなり、さらに50万円を足すと、3グレードでいちばん厚くなります。いちばん薄い Sahara といちばん厚い Rubicon の差は12mmです。サスペンションは3グレードとも前後コイルリジットで同じなので、細かい凹凸に対してタイヤの側面が使える厚みは、この12mmぶん違います。
静粛性の項目は装備表になく、選べるのはハードトップの内張りだけ
静粛性のための装備は、主要装備一覧に項目そのものがありません。この装備表では、静かさはグレードの差として比べられる項目になっていません。
静かさに関わりそうな装備として近いのは、Mopar製ハードトップヘッドライナーです。Rubicon には標準で付き、Sport と Sahara では販売店オプションです。下の2グレードでは、3ピースのハードトップに内張りを足すかどうかを自分で選ぶことになります。
内張りを足したら、車の中は静かになるの?
静かになるかどうかは、装備表には書かれていない。書かれているのは、どのグレードで標準か、販売店オプションかまで
ティンテッドガラス(全ガラス)、リアディープティンテッドガラス、コーニングゴリラガラス、熱線リアウィンドウ、格納式ヒーテッドパワードアミラーは、3グレードとも標準です。
買取相場では、ルビコンの下限がサハラの上限に並ぶ
では、手放すときの相場にも、グレードの差は残っているのでしょうか。
カーセンサーのラングラーのページは、年式別の集計が2012年式から並んでいます。全体の平均買取相場額110.5万円〜404.1万円(平均走行距離4万km・2026年7月更新)は、その14年ぶんをまとめた数字なので、現行型の相場としては読めません。
グレード別の集計のうち、型式が現行の諸元表と同じ 3BA-JL20L のグレードは次のとおりです。
| グレード(カーセンサーの表記) | 買取相場 | 掲載時の新車価格 | 年式 |
|---|---|---|---|
| アンリミテッド サハラ アルティチュード 4WD | 394.1万円〜503.4万円 | 880.0万円 | 令和5(2023)年7月〜 |
| アンリミテッド ルビコン 2.0L 4WD | 403.4万円〜500.8万円 | 905.0万円 | 令和5(2023)年2月〜 |
| アンリミテッド サハラ パワートップ 4WD | 376.3万円〜485.2万円 | 880.0万円 | 令和5(2023)年5月〜 |
| アンリミテッド ルビコン パワートップ 4WD | 390.3万円〜460.5万円 | 820.0万円 | 令和4(2022)年11月〜 |
| アンリミテッド サハラ 2.0L 4WD | 326.6万円〜404.1万円 | 870.0万円 | 令和5(2023)年2月〜 |
| アンリミテッド 80th アニバーサリー エディション 4WD | 325.5万円〜388.3万円 | 616.0万円 | 令和3(2021)年8月〜 |
| アンリミテッド オーバーランド ナチョ 4WD | 318.9万円〜374.8万円 | 623.0万円 | 令和3(2021)年8月〜 |
下の2行は令和3年の特別仕様で、掲載時の新車価格が600万円台です。同じ型式でも、新車のときの値段が違えば、買取相場も別の金額になります。
現行の Sport(2.0L)にあたる行は、このグレード別の集計に出てきません。並んでいる「アンリミテッド スポーツ アルティチュード 4WD」は3,600ccの 3BA-JL36L で、別の型式です。
名前がそのまま対応する2行で見ると、ルビコン2.0Lの下限403.4万円が、サハラ2.0Lの上限404.1万円とほぼ重なります。掲載時の新車価格の差は35万円でしたが、ルビコン2.0Lの買取相場は上限も下限も、サハラ2.0Lより高い金額になっています。
売るときに高いなら、Rubicon に50万円足しても損はしないってこと?
この2行は、掲載時の新車価格の差が35万円の2台。いまの差は50万円だから、同じ幅でずれるとは言えない。査定額も、状態や装備で変わる
1,930mmが車庫に入るかを、いちばん先に確かめる
販売店に行く前に答えを出しておけることが、順番に3つあります。
最初は車庫です。自宅と職場の駐車場で、柱と柱のあいだをメジャーで測っておきます。1,930mmが入らなければ、Rubicon はここで候補から外れます。残る Sport と Sahara は寸法が同じなので、駐車場のことを考えるのはこの1回で済みます。
次が、冬の朝と電源の使い道です。シートヒーター、ヒーテッドステアリングホイール、電源アウトレットは、どれも Sport に販売店オプションの設定がなく、あとから販売店で付けることもできません。要るなら、検討は884万円の Sahara からになります。
最後に残るのが、Rubicon だけのオフロード装備と、低速側4.000の歯車です。これを使う場面が年に何回あるかで、50万円を足すかどうかが決まります。同じ注文で、サイドステップが付かないことと、燃費が0.6km/L下がることも決まります。
3つのうち、メジャー1本で答えが出るのは車庫だけです。1,930mmが入らないと分かれば、残る問いは、シートヒーターと電源アウトレットのために70万円を足すかどうかの1つになります。
※装備と数値は、ジープ(Stellantisジャパン)の主要装備/主要諸元表(掲載内容は2026年2月現在)と、Jeepプライスリスト(表示価格は2026年7月1日現在の消費税10%込)にもとづきます。相場は執筆時点の情報です。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態や装備で変わります。