ジープ ラングラー|高いグレードほど車幅は広いか?

ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ(JL型)を左前から見た外観
写真: HJUdall / Wikimedia Commons ( CC0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けた笑顔でシキに話しかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている いちばん高いRubiconにすれば、全部入りで安心だよね?
シキが白紙を1枚、胸の前で持ってクラに見せながら、落ち着いた表情で説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口をすぼめて聞いている Rubiconの50万円で、全幅と歯車の比が変わる。サイドステップは付かない
画面左のシキが白紙の束を片手に持ち、もう片方の手のひらを軽く上げて、真顔で答えている。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げた心配そうな顔で問いかけている 冬のシートヒーターは? Sportにあとから付けられる?Sportには販売店オプションもない。付くのはSaharaから
画面左のシキが白衣の前で両手を軽く組み、口元をゆるめて穏やかに微笑んでいる。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、目を閉じて明るく笑っている 先に測るのは車庫。Rubiconの全幅1,930mmが入るか入らなければ、あとは70万円を足すかどうかだね

ラングラー アンリミテッドは、Sport 814万円、Sahara 884万円、Rubicon 934万円の3グレードです。70万円と50万円という2つの価格差のうち、車体の寸法と歯車の比まで違ってくるのは、安いほうの50万円です。

Sport から Sahara への70万円で変わるのは、主にシートの表皮と調整機構、フロントシートヒーターとヒーテッドステアリングホイール、12Vと115Vの電源アウトレット、スピーカー、ホイールとタイヤです。グリルとハードトップの色、リアシートのアームレスト、アンチスピンリアディファレンシャルなども Sahara で加わります。一方で全幅1,895mm、全高1,845mm、トレッド1,600mmは Sport と同じ数字のままで、エンジンも8速ATも、4X4システムの名前も変わりません。

Sahara から Rubicon への50万円では、全幅が1,930mmに、車両重量が2,000kgから2,110kgに、副変速機の低速側が2.717から4.000に変わります。

「どうせ800万円を超えるなら、いちばん上の Rubicon にしておけば間違いない」。3グレードの価格を並べると、そう考えたくなるところです。ただ、その50万円で広がった車幅が自宅の車庫に入らなければ、装備を比べる前に Rubicon は候補から外れます。

Unlimited SportUnlimited SaharaUnlimited Rubicon
メーカー希望小売価格(税込)8,140,000円8,840,000円9,340,000円
ひとつ下との差ー+700,000円+500,000円
リサイクル料金17,050円17,050円17,050円
全幅1,895mm1,895mm1,930mm
全高1,845mm1,845mm1,855mm
トレッド 前/後1,600/1,600mm1,600/1,600mm1,635/1,635mm
車両重量1,990kg2,000kg2,110kg
車両総重量2,265kg2,275kg2,385kg
タイヤサイズ245/75R17255/70R18LT255/75R17
副変速機 変速比(低)2.7172.7174.000
最終減速比3.4543.4544.100
燃費(WLTCモード)9.8km/L9.8km/L9.2km/L
4X4システムセレクトラックセレクトラックロックトラック
シート表皮ファブリック合成皮革ナッパレザー

全長4,870mm、ホイールベース3,010mm、乗車定員5名、最小回転半径6.2mは、3グレードとも同じです。エンジンは1,995ccの直列4気筒DOHCターボで、最高出力200kW(272ps)/5,250rpm、最大トルク400N·m(40.8kg·m)/3,000rpm。電子制御式8速AT、前後ともコイルリジットのサスペンション、81Lのタンクに入れる無鉛レギュラーガソリンも共通で、型式も3グレードとも 3BA-JL20L です。

この価格には、2026年1月1日から加わった「経済変動加算額」が含まれています。ラングラーのぶんは20万円もしくは40万円(税込)と幅があり、どのグレードにいくら含まれているかは、プライスリストに書かれていません。

70万円で変わるのは、座るところと電気の来るところ

ジープ ラングラー アンリミテッド スポーツ S(JL型)を左前から見た外観。17インチホイールに245/75R17のオールテレインタイヤを履き、サイドステップが付く
写真: HJUdall — Wikimedia Commons(CC0)

装備表の Sport と Sahara の列を並べてみると、シートの欄だけで、表皮も調整の仕方もヒーターも、背もたれのポケットの形まで分かれていることに気づきます。

表皮は3グレードで3種類です。Sport がファブリック、Sahara がプレミアムマッキンリーシート(合成皮革)、Rubicon がナッパレザー(フロントにRubicon刺繍入り)です。

Sport の前席は2ウェイのマニュアル調整で、ランバーサポートは運転席の2ウェイ手動、それに運転席の高さ調整が付きます。Sahara と Rubicon は前席が8ウェイパワーシートになり、ランバーサポートも4ウェイの電動です。長い距離を走って腰の位置を少し変えたくなったとき、手で動かすか、スイッチで動かすかの違いになります。

Sahara と Rubicon では、リアシートにセンターアームレスト(カップホルダー付)が加わり、フロントシートバックポケットはネットタイプに変わります。運転席・助手席のサンバイザーに照明付きバニティミラーが付くのも、この2グレードです。

フロントシートヒーターとヒーテッドステアリングホイールは Sahara と Rubicon に付き、Sport には標準でも販売店オプションでも設定がありません。12Vと115Vのアクセサリー電源アウトレットも同じ分かれ方で、Sport にはどちらもありません。

クラ

冬の朝にハンドルが温まれば十分なんだけど、そのために70万円?

シキ

ヒーターだけを選ぶ注文の仕方がない。合成皮革の8ウェイパワーシートや電源アウトレットと一緒に、70万円ぶんをまとめて買う形になる

スピーカーは Sport が8基で、Sahara と Rubicon にはサブウーハー付きのアルパイン製プレミアムスピーカーが9基入ります。反対に、12.3インチのタッチパネルモニター(Apple CarPlay・Android Auto・DSRC ETC2.0対応)とオートエアコンディショナーは、価格に関係なく3グレードとも標準です。ブラインドスポットモニター、ParkSenseのフロント・リアパークアシスト、STOP機能付きのアダプティブクルーズコントロール、前面衝突警報も同じで、安全装備の欄で Sport だけ付かないのは、ブラックカラーフューエルフィラードアの1項目にとどまります。

外から見て Sahara と分かるのは、グリルサラウンドがプラチナシルバーで、フリーダムトップ3ピースモジュラーハードトップとオーバーフェンダーがボディ同色になるところです。Sport と Rubicon はグリルサラウンドがニュートラルグレーメタリックで、ハードトップはブラックです。いちばん高い Rubicon より、中間グレードの Sahara のほうが街乗り向けの外観です。

ホイールは Sahara で17インチから18インチになり、タイヤも245/75R17のオールテレインから255/70R18のオールシーズンへ替わります。後輪にはアンチスピンリアディファレンシャルが加わります。ただし4X4システムは、Sport も Sahara も同じセレクトラックフルタイム4X4です。

70万円を出しても、諸元表の数字はほとんど変わりません。全幅も全高もトレッドも燃費も副変速機の比も、Sport と Sahara で同じ数字が入っていて、分かれるのはタイヤサイズと重量の欄だけです。245/75R17が255/70R18になり、車両重量は1,990kgから2,000kgへ、車両総重量は2,265kgから2,275kgへ、どちらも10kg増えます。重量税は車両重量を0.5トンごとに切り上げた区分で決まるので、この10kgでは同じ区分に収まります(区分の考え方は重量税は車検証のどの重さで決まるか)。

同じ800万円台で国産のクロスカントリーも見ておくなら、ランクルのFJ・70・250・300が価格順に並んでいます。

50万円で全幅が1,930mmになり、柱までの隙間が片側17mm減る

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン(JL型・2.0L 4WD)を正面から見た外観。マッド&テレインタイヤとオーバーフェンダーが左右に張り出している
写真: Damian B Oh — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

全幅1,895mmが1,930mmになります。増える35mmは左右に分かれるので、片側では17mmちょっとです。

「いまの車でも、車庫の柱まではそれほど余裕がない」。そういう家では、同じ車庫に入れるのが Sahara か Rubicon かで柱までの隙間がそのぶん変わり、ドアをどこまで開けられるかも変わります。トレッドも前後とも1,600mmから1,635mmへ、同じ35mmぶん広がっています。全高は1,845mmから1,855mmです。

同じジープのコンパスは、全幅1,810mm、最小回転半径5.7m(諸元表の Longitude と Limited に共通の値)です。ラングラー アンリミテッドは3グレードとも6.2mなので、差は0.5m。同じ場所で切り返さずにUターンするなら、要る道幅は1mぶん広くなります。全長4,870mm・ホイールベース3,010mmの車体で6.2mに収まっているとも言えますが、車庫に入るかどうかを決めるのは、回転半径より全幅のほうです。全幅で候補が絞られるのは、軽の枠をまたぐかどうかで分かれるジムニーとジムニーシエラでも同じです。

車両重量は2,000kgから2,110kgへ、110kg増えます。Sport の1,990kgと Sahara の2,000kgは10kg違っても同じ区分に入り、Sahara と Rubicon の110kgは区分をひとつまたぎます。重量税は、重さの差の大きさではなく、区分の境目をまたぐかどうかで変わる仕組みです。

副変速機の低速側は2.717から4.000へ、最終減速比は3.454から4.100へ変わります。8速ATの変速比は、1速の4.714から8速の0.667まで3グレードとも同じ数字なので、歯車で違うのはこの2か所です。どちらも Rubicon のほうが大きく、同じエンジン回転でもタイヤはゆっくり回ります。

ジープ ラングラー アンリミテッド(JL型)の運転席まわり。12.3インチのタッチパネルモニターの下、シフトレバーの左に副変速機のレバーが立つ
写真: Deathpallie325 — Wikimedia Commons(CC BY 4.0・縮小。北米仕様の左ハンドル車)

副変速機はフロアチェンジ式で、シフトレバーの隣にもう1本レバーが立ちます。このレバーの操作は3グレードとも同じで、引いたときに何倍になるかだけが違います。

4X4システムは、Sport と Sahara のセレクトラックフルタイム4X4から、Rubicon ではロックトラックフルタイム4X4に置き換わります。OFF-ROADプラスモードと電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムも Rubicon だけです。逆に、主要燃費向上対策の欄にある「フロントアクスル分離機能」には(Sport / Sahara)と限定が付いていて、Rubicon にはこの記載がありません。

最低地上高は、主要諸元表に項目そのものがありません。アプローチアングルも登坂能力も載っていないので、Rubicon が悪路でどれだけ有利かを、公式の諸元・装備表の数字で比べることはできません。読めるのは、装備が付くか付かないかまでです。

見落とされやすいのは、Rubicon で選べなくなる装備のほうです。サイドステップが付くのは Sport と Sahara で、Rubicon には設定がなく、代わりにロックレールが付きます。3グレードでいちばん背の高い1,855mmのクルマから、足を掛ける段が無くなります。

クラ

ステップがなくなると、背の低い家族は乗り降りで困らない?

シキ

最低地上高の数字もないから、乗り込む高さは表では比べられない。乗る家族が販売店で実車に足を掛けて、確かめることになる

燃費はWLTCモードで9.8km/Lから9.2km/Lへ下がります。市街地モードは7.4km/Lから7.0km/L、高速道路モードは11.1km/Lから10.2km/Lです。タンクは3グレードとも81Lなので、満タン1回で走れる距離は Rubicon のほうが短くなります。

タイヤの側面は、18インチで薄くなり、17インチに戻って厚くなる

段差の角を最初に受け止めるのはタイヤの側面です。サイドウォールの高さは、Sport の245/75R17が約184mm、Sahara の255/70R18が約179mm、Rubicon のLT255/75R17が約191mmです。

70万円を足すとホイールが1インチ大きくなって側面は薄くなり、さらに50万円を足すと、3グレードでいちばん厚くなります。いちばん薄い Sahara といちばん厚い Rubicon の差は12mmです。サスペンションは3グレードとも前後コイルリジットで同じなので、細かい凹凸に対してタイヤの側面が使える厚みは、この12mmぶん違います。

静粛性の項目は装備表になく、選べるのはハードトップの内張りだけ

静粛性のための装備は、主要装備一覧に項目そのものがありません。この装備表では、静かさはグレードの差として比べられる項目になっていません。

静かさに関わりそうな装備として近いのは、Mopar製ハードトップヘッドライナーです。Rubicon には標準で付き、Sport と Sahara では販売店オプションです。下の2グレードでは、3ピースのハードトップに内張りを足すかどうかを自分で選ぶことになります。

クラ

内張りを足したら、車の中は静かになるの?

シキ

静かになるかどうかは、装備表には書かれていない。書かれているのは、どのグレードで標準か、販売店オプションかまで

ティンテッドガラス(全ガラス)、リアディープティンテッドガラス、コーニングゴリラガラス、熱線リアウィンドウ、格納式ヒーテッドパワードアミラーは、3グレードとも標準です。

買取相場では、ルビコンの下限がサハラの上限に並ぶ

では、手放すときの相場にも、グレードの差は残っているのでしょうか。

カーセンサーのラングラーのページは、年式別の集計が2012年式から並んでいます。全体の平均買取相場額110.5万円〜404.1万円(平均走行距離4万km・2026年7月更新)は、その14年ぶんをまとめた数字なので、現行型の相場としては読めません。

グレード別の集計のうち、型式が現行の諸元表と同じ 3BA-JL20L のグレードは次のとおりです。

グレード(カーセンサーの表記)買取相場掲載時の新車価格年式
アンリミテッド サハラ アルティチュード 4WD394.1万円〜503.4万円880.0万円令和5(2023)年7月〜
アンリミテッド ルビコン 2.0L 4WD403.4万円〜500.8万円905.0万円令和5(2023)年2月〜
アンリミテッド サハラ パワートップ 4WD376.3万円〜485.2万円880.0万円令和5(2023)年5月〜
アンリミテッド ルビコン パワートップ 4WD390.3万円〜460.5万円820.0万円令和4(2022)年11月〜
アンリミテッド サハラ 2.0L 4WD326.6万円〜404.1万円870.0万円令和5(2023)年2月〜
アンリミテッド 80th アニバーサリー エディション 4WD325.5万円〜388.3万円616.0万円令和3(2021)年8月〜
アンリミテッド オーバーランド ナチョ 4WD318.9万円〜374.8万円623.0万円令和3(2021)年8月〜

下の2行は令和3年の特別仕様で、掲載時の新車価格が600万円台です。同じ型式でも、新車のときの値段が違えば、買取相場も別の金額になります。

現行の Sport(2.0L)にあたる行は、このグレード別の集計に出てきません。並んでいる「アンリミテッド スポーツ アルティチュード 4WD」は3,600ccの 3BA-JL36L で、別の型式です。

名前がそのまま対応する2行で見ると、ルビコン2.0Lの下限403.4万円が、サハラ2.0Lの上限404.1万円とほぼ重なります。掲載時の新車価格の差は35万円でしたが、ルビコン2.0Lの買取相場は上限も下限も、サハラ2.0Lより高い金額になっています。

クラ

売るときに高いなら、Rubicon に50万円足しても損はしないってこと?

シキ

この2行は、掲載時の新車価格の差が35万円の2台。いまの差は50万円だから、同じ幅でずれるとは言えない。査定額も、状態や装備で変わる

1,930mmが車庫に入るかを、いちばん先に確かめる

販売店に行く前に答えを出しておけることが、順番に3つあります。

最初は車庫です。自宅と職場の駐車場で、柱と柱のあいだをメジャーで測っておきます。1,930mmが入らなければ、Rubicon はここで候補から外れます。残る Sport と Sahara は寸法が同じなので、駐車場のことを考えるのはこの1回で済みます。

次が、冬の朝と電源の使い道です。シートヒーター、ヒーテッドステアリングホイール、電源アウトレットは、どれも Sport に販売店オプションの設定がなく、あとから販売店で付けることもできません。要るなら、検討は884万円の Sahara からになります。

最後に残るのが、Rubicon だけのオフロード装備と、低速側4.000の歯車です。これを使う場面が年に何回あるかで、50万円を足すかどうかが決まります。同じ注文で、サイドステップが付かないことと、燃費が0.6km/L下がることも決まります。

3つのうち、メジャー1本で答えが出るのは車庫だけです。1,930mmが入らないと分かれば、残る問いは、シートヒーターと電源アウトレットのために70万円を足すかどうかの1つになります。

※装備と数値は、ジープ(Stellantisジャパン)の主要装備/主要諸元表(掲載内容は2026年2月現在)と、Jeepプライスリスト(表示価格は2026年7月1日現在の消費税10%込)にもとづきます。相場は執筆時点の情報です。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態や装備で変わります。