ランクルFJ・70・250・300|4車種は何が違う?

トヨタ ランドクルーザー“FJ” VX(3BA-TRJ240W)を斜め前方から見た外観
写真: TTTNIS / Wikimedia Commons ( CC0 )

ランドクルーザーの名前は、いま4つのモデルに付いています。数字が大きいモデルほど価格も高いと思って価格表を開くと、順番が合いません。300のいちばん安いグレードは、250のたった1つのグレードより52万円以上安く、しかも3.5LのV6が載っています。

トヨタ ランドクルーザー“250” VXを前方左から見た外観
写真: Mr.choppers — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

450万円から814万円まで、8つの価格

モデルグレード価格(税込)エンジン定員
FJVX4,500,100円2.7L 直4ガソリン5名
70AX4,800,000円2.8L 直4ディーゼル5名
300GX5,252,500円3.5L V6ガソリン5名
300AX5,630,900円3.5L V6ガソリン7名
250VX5,779,400円2.7L 直4ガソリン7名
300VX6,436,100円3.5L V6ガソリン7名
300ZX7,436,000円/7,736,300円3.5L V6ガソリン/3.3L V6ディーゼル7名/5名
300GR SPORT7,836,400円/8,136,700円3.5L V6ガソリン/3.3L V6ディーゼル7名/5名

FJと70と250は、公式の価格・グレードページに載っているグレードが1つずつです。選ぶ余地があるのは300だけで、5グレード・7通りあります。数値はトヨタの主要諸元表(FJ 2026年6月版、70 2023年11月版、250 2026年4月版、300 2025年3月版)、価格は各モデルの公式価格・グレードページ、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。

なお、250の先代にあたるプラドは公式サイトの現行ラインアップから外れているため、本記事では扱いません。

300のGXは、250のVXより安い

300 GX250 VX
価格5,252,500円5,779,400円
エンジン3.5L V6ツインターボ(V35A-FTS)2.7L 直4(2TR-FE)
最高出力305kW(415PS)/5,200rpm120kW(163PS)/5,200rpm
最大トルク650N·m/2,000〜3,600rpm246N·m/3,900rpm
定員5名7名
車両重量2,360kg2,240kg
使用燃料無鉛プレミアム無鉛レギュラー
WLTCモード燃費8.0km/L7.5km/L

出力は2.5倍、トルクは2.6倍で、価格は約53万円安いほうが300です。 7人乗りの300 AX(563万円)でも、250より約15万円安く収まります。

引き換えになるのは、定員と燃料です。300のGXは5人乗りで、3列目がありません。300で7人乗せるならAX・VX、またはガソリンのZX・GR SPORTになり、いちばん安いAXでも250との価格差は15万円弱まで縮みます。燃料も300のガソリン車は無鉛プレミアム指定で、250はレギュラー。給油するたびに単価が違います。

それでも、250より300が上位という順序は、価格では成立していません。250を検討していて7人乗せない年のほうが多いなら、300のGXは同じ予算で買えます。

トヨタ ランドクルーザー“300” 3.3 ZXを前方から見た外観
写真: Ethan Llamas — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

FJと250は、同じエンジンで128万円違う

FJのVXと250のVXは、型式まで同じ2TR-FEを積みます。総排気量2.693L、最高出力120kW(163PS)/5,200rpm、最大トルク246N·m/3,900rpm。数字は1つも違いません。

価格差は約128万円。何が増えるかを並べます。

FJ VX250 VX
定員5名7名
全長4,575mm4,925mm
全幅1,855mm1,980mm
ホイールベース2,580mm2,850mm
車両重量1,960kg2,240kg
駆動方式パートタイム4WDフルタイム4WD(トルセン®LSD[センターデフ]付トランスファー)
燃料タンク63L80L
WLTCモード燃費8.7km/L7.5km/L

同じ163PSで、250は280kg重い。 エンジンが同じで車重だけが増えれば、発進で重いのは250のほうです。WLTCモードの燃費も8.7km/Lに対して7.5km/L。タンク容量の差(63Lと80L)でおおむね埋まる程度の開きです。

250が上回るのは、3列目と、常時4輪を駆動するフルタイム4WDです。FJのパートタイム4WDは、ふだんは2WDで走り、必要なときに4WDへ切り替えて使う方式になります。毎日雪の上を走るなら、フルタイム4WDの250を選ぶ理由になります。逆に、林道と舗装路を行き来する使い方で3列目も要らないなら、FJで足ります。

最低地上高がいちばん高いのは、いちばん安いFJ

悪路の走破性を先に決めるのは、床下の余裕と、切り返しの少なさです。そのどちらも、4モデルで最も安いFJがいちばん良い数値です。

FJ70250300
最低地上高250mm200mm215mm225mm
最小回転半径5.5m6.3m6.0m5.9m
全長4,575mm4,890mm4,925mm4,950〜4,985mm
全幅1,855mm1,870mm1,980mm1,980mm(GR SPORTは1,990mm)

FJの250mmは、2番目に高い300より25mm高く、いちばん低い70より50mm高い数字です。最小回転半径5.5mも4モデルで最小です。狭い林道でも立体駐車場の柱まわりでも、4モデルのなかでは切り返しが少なくてすみます。

回転半径でも順番が入れ替わります。車体が大きい300のほうが、250より小回りが利きます(5.9mと6.0m)。全長は300が25mm以上長く、ホイールベースはどちらも2,850mmで同じです。

全幅は、FJの1,855mmと70の1,870mmに対して、250と300は1,980mm。125mm広いということは、幅1,900mm前後を上限にしている駐車場に250と300は入らないということです。 幅の制限が何によって決まるかは5ナンバーと3ナンバーの違いにまとめました。

70のタンクは130L。ほかの1.6倍以上ある

トヨタ ランドクルーザー“70” AXを前方左から見た外観
写真: TTTNIS — Wikimedia Commons(CC0)

70のAXだけ、燃料タンクが130Lあります。FJは63L、250と300は80Lです。

WLTCモード燃費は10.1km/Lなので、タンクを使い切るまでおよそ1,300km。250は約600km、FJは約550kmで、倍以上の開きです。給油所の間隔が広い土地なら、装備表のどの項目より先にここを見ることになります。

エンジンは2.8Lの直4ディーゼルで、最大トルク500N·mを1,600〜2,800rpmで出します。300の3.3L V6ディーゼル(700N·m/1,600〜2,600rpm)とは200N·m違いますが、70の車重は2,300kg。300のディーゼル(2,550〜2,560kg)より250〜260kg軽い車体です。

軽油と130Lという組み合わせは、4モデルで70にしかありません。 諸元表の日付が2023年11月と最も古いのも、この1台です。

足まわりは3種類。乗り心地は等級順にならない

サスペンション形式で分けると、4モデルは3通りになります。

フロントリヤ
FJダブルウィッシュボーン式独立懸架ラテラルロッド付き4リンクリジット式コイル
70車軸式コイル車軸式半楕円リーフ
250・300ダブルウィッシュボーン式独立懸架トレーリングリンク車軸式

前後ともリジッドで、リヤがリーフスプリングなのは70だけです。板バネは荷重をかけたときの耐久性で選ばれる形式で、空荷の舗装路では当たりが柔らかくなりにくい構成です。

タイヤの厚みは、価格の順番とは一致しません。

タイヤサイドウォールの高さ
70 AX265/70R16約186mm
250 VX265/65R18約172mm
300 GX・AX・VX・GR SPORT265/65R18約172mm
FJ VX265/60R18約159mm
300 ZX265/55R20約146mm

300で20インチを履くのはZXだけで、GR SPORTを含む残り4グレードは18インチです。GR SPORTに次いで高いZXが、いちばん薄い146mmを履きます。 70の186mmとは40mm差。段差を越えたときに、ゴムがつぶれて逃がせる量がそれだけ違います。

買取相場では、70と300のディーゼルが新車価格を上回っている

カーセンサーの平均買取相場額(2026年7月更新)です。買取価格であって、中古車として売られる価格ではありません。

モデル平均買取相場額
70286.5万円〜567.9万円
250369.4万円〜632.0万円
300662.4万円〜877.5万円

グレード単位で見ると、新車価格を超えている行があります。70のAX(2.8ディーゼルターボ4WD)は505.1万〜567.9万円で、新車価格480.0万円より高い。300の3.3 ZXディーゼルターボは818.6万〜1,030.7万円で、こちらも新車価格773.7万円を上回ります。

一方で250の2.7 VX 4WDは430.4万〜474.3万円で、新車価格578.0万円を下回ります。

FJはカーセンサーのトヨタ車一覧にページがなく、相場を確認できません。諸元表が2026年6月版の新しいモデルで、中古の母数がまだそろっていないのだと見ています。

同じ「ランクル」でも、新車価格を超えるかどうかはモデルによって違います。 ここで見えるのは傾向までで、金額は査定でしか決まりません。

何人乗せるかを先に決めると、候補が2つに減る

3列目が要るかどうかで、4モデルは2つに分かれます。FJと70は5人乗りしかなく、7人乗せるなら250か300のAX以上に絞られます。ここを先に決めれば、8通りの価格表は2〜3行まで縮みます。

人数を後から変えられないのが、この4モデルの厄介なところです。FJと70に3列目を足すことはできず、300で7人乗りを選べばGXは選べません。装備は買い足せますが、席は買い足せません。

3列目が要らないと決まれば、残るのはFJ・70・300のGXの3台です。ここまで来れば、悪路の頻度と航続距離で選べます。

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※価格・相場は執筆時点の情報です。実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。