MR2 AW11・SW20とMR-S|3代で車体の寸法はどう変わった?

初代トヨタ MR2(AW11)を斜め前から見た外観。片側のリトラクタブルヘッドランプが開いている
写真: 先従隗始 / Wikimedia Commons ( CC0 1.0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている MR2からMR-Sまでの3代で、車体は大きくなったの?小さくなったの?
シキが白紙を1枚、片手でクラのほうへ向けて見せながら、落ち着いた表情で話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口を小さく開けている 発売時の全長は3,925→4,170→3,885mm。3代目は初代より短い
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をポケットに入れて、口を大きく開けてシキに話しかけている。シキは白紙の束を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔で聞いている じゃあ、ホイールベースも短くなった?ホイールベースは2,320→2,400→2,450mm。2回とも伸びた
シキが白紙を片腕で胸に抱え、眉を下げて目を閉じている。クラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げて困ったような表情でシキのほうを見ている MR2の買取相場は、初代と2代目を分けて見られる?分けられない。カーセンサーは2世代を1つのページに載せている

MR2は、初代AW11から2代目SW20で全長が伸びて重くなり、3代目のMR-S(ZZW30)で初代に近い全長と重さに戻っています。ホイールベースは戻らず、3代のあいだ伸び続けました。

トヨタ自動車75年史が各世代の発売時の代表グレードとして載せている数字では、全長は3,925mm→4,170mm→3,885mmで、3代目は初代より40mm短くなっています。ホイールベースは2,320mm→2,400mm→2,450mmです。車両重量は、初代の1600G-LimitedとGの5速MTが950kg、2代目のターボのGTが1,240kg、3代目のMR-SとS EDITIONが970kgです。

3代目は、初代より40mm短い車体に、初代より130mm長いホイールベースを収めています。

前後のオーバーハングの合計は、初代から3代目で170mm短くなった

75年史の車両詳細に載っているのは、各世代のモデルチェンジ時点の主だったグレードです。マイナーチェンジ後の数値や、あとから加わったグレードは表にありません。寸法は、同じ世代の3グレードで共通です。

初代 AW112代目 SW203代目 MR-S(ZZW30)
発売1984年6月8日1989年10月17日1999年10月12日
ボディタイプクーペクーペロードスター
全長3,925mm4,170mm3,885mm
全幅1,665mm1,695mm1,695mm
全高1,250mm1,240mm1,235mm
ホイールベース2,320mm2,400mm2,450mm

全長からホイールベースを引くと、前後のオーバーハング(前輪の中心より前と、後輪の中心より後ろに張り出している部分)を足した長さになります。

初代 AW112代目 SW203代目 MR-S
全長 − ホイールベース1,605mm1,770mm1,435mm
ホイールベースが全長に占める割合59.1%57.6%63.1%

この長さは、初代から3代目までに170mm減りました。初代と比べて全長が4cm短くなり、ホイールベースが13cm伸びたので、そのぶん前後のオーバーハングが短くなっています。2代目と3代目の差なら335mmです。

75年史の解説は、どういう車として開発したかを、世代ごとに違う言葉で説明しています。

初代は、GMがポンティアック フィエロで「スポーティコミューター」という新しい需要を喚起しようとしたことに呼応して開発した車とされ、「乗降性、シート高さ、ラゲッジスペースなど、使い勝手の良さに配慮した」とあります。日本の小型乗用車として初のミッドシップエンジン車でした。

2代目は「サイズは初代よりひとまわりほど大きくし」「スポーツカー的性格を強めた」と書かれ、表では全長が245mm伸びています。

3代目は「当初から軽量スポーツカーとして設計」し、「パワーよりも軽快なハンドリングを優先して開発した」とされています。配慮した点に使い勝手を挙げていた車が、3代目では軽快なハンドリングを優先した車になり、そのあいだに全長からホイールベースを引いた長さは1,605mmから1,435mmへ減っています。

オーバーハングが短いと何が変わるのかは、カーセンサーのMR-Sの車種解説が説明しています。前後のオーバーハングを短くすることでヨー慣性モーメントを小さくしており、ステアリング操作に対するレスポンスの良い応答性が持ち味だった、という説明です。同じ解説は、3代目の2,450mmを「ロングホイールベース」と呼んでいます。2,450mmは3代のうちいちばん長く、全長の3,885mmは3代のうちいちばん短い数字です。

クラ

ヨー慣性モーメントって、初めて聞く言葉なんだけど

シキ

車を上から見て回したときの、回りにくさのことです。同じ重さでも、重いものが車体の端に寄っているほど大きくなります

クラ

端の出っ張りを短くして、向きを変えやすくしたってことか。でも前後が短くなると、荷物を積む場所はどうなるの?

シキ

75年史の初代の解説は、配慮した点のひとつにラゲッジスペースを挙げています。75年史の3代目の解説には、ラゲッジスペースという言葉が出てきません

クラ

3代目に2人ぶんの荷物を積んで出かけたいなら、どこにどれだけ載るかを実車で見てから決めることになりそう

75年史の表で1tを超えるのは、2代目の3グレード

75年史の表に載っているグレードごとの車両重量と最高出力は、次のとおりです。

世代グレード車両型式車両重量エンジン排気量最高出力
初代1600G-Limited・G・5速MTE-AW11-WCMQF950kg4A-GELU 直4DOHC1,587cc130PS/6,600rpm
初代1600G-Limited・G・ECT-SE-AW11-WCPQF980kg4A-GELU 直4DOHC1,587cc130PS/6,600rpm
初代1500S・5速MTE-AW10-WCMSS920kg3A-LU 直4OHC1,452cc83PS/5,600rpm
2代目2000ツインカム16ターボ・GTE-SW20-ACMZZ1,240kg3S-GTE 直4DOHCターボ1,998cc225PS/6,000rpm
2代目2000ツインカム16・G-LimitedE-SW20-ACMQF(L)1,180kg3S-GE 直4DOHC1,998cc165PS/6,800rpm
2代目2000ツインカム16・GE-SW20-ACMQF1,160kg3S-GE 直4DOHC1,998cc165PS/6,800rpm
3代目MR-S・S EDITIONGH-ZZW30-AKMQH(S)970kg1ZZ-FE 直4DOHC1,794cc140PS/6,400rpm
3代目MR-SGH-ZZW30-AKMQH970kg1ZZ-FE 直4DOHC1,794cc140PS/6,400rpm
3代目MR-S・B EDITIONGH-ZZW30-AKMQH(B)960kg1ZZ-FE 直4DOHC1,794cc140PS/6,400rpm

冒頭の950kgと1,240kgは、初代の自然吸気(ターボやスーパーチャージャーを付けていないエンジン)と2代目のターボを並べた数字です。この表の自然吸気どうしで比べると、初代の1600でいちばん軽い5速MTが950kg、2代目でいちばん軽いGが1,160kgで、差は210kgあります。3代目の970kgは、そこから190kg軽い数字です。どちらで比べても、2代目で増えて3代目で減るという順は変わりません。

クラ

中古車の広告でMR-Sを見つけたら、その車も970kgだと思っていいの?

シキ

970kgは、発売時のMR-SとS EDITIONの数字です。あとから加わったシーケンシャルの車や、2002年8月に6速になってからの車の重量は、75年史の表にありません

クラ

じゃあ広告を見るときは、年式と変速機を先に見て、この表と同じ車かどうかを確かめるよ

車両重量を最高出力で割ると、1PSあたりの重さが出ます。

車両重量 ÷ 最高出力
初代 1600(950kg・130PS)7.3kg/PS
初代 1500S(920kg・83PS)11.1kg/PS
2代目 GT ターボ(1,240kg・225PS)5.5kg/PS
2代目 G(1,160kg・165PS)7.0kg/PS
3代目(970kg・140PS)6.9kg/PS

初代の2行は、2代目・3代目の行と同じ条件の数字とは言い切れません。75年史の表の注記は最高出力をネット値としていますが、同じページの解説は、初代の1600のエンジンを「グロス130PS」と書いています。グロスとネットは最高出力の測り方が違うので、初代の数字を2代目・3代目と並べて大小を言うことはできません。

2代目と3代目を発売時の自然吸気どうしで比べると、2代目のGが7.0kg/PS、3代目が6.9kg/PSです。3代目は2代目のGより出力が25PS低く、車両重量が190kg軽いので、1PSあたりの重さはほぼ同じになっています。

2代目トヨタ MR2(SW20)の赤いGTを斜め前から見た外観。屋根の中央にTバールーフの梁が通っている
写真: 先従隗始 — Wikimedia Commons(CC0)

75年史の表に載っているエンジンは、初代が1,587ccのDOHCと1,452ccのOHCの2種類、2代目が1,998ccのターボと自然吸気の2種類です。3代目は1ZZ-FEの1機種で、S EDITIONもB EDITIONも同じ140PS/6,400rpmです。75年史の解説にも、3代目のエンジンはこの1種類のみと書かれています。

見落とされやすいのは、この表に発売後の変更が入っていないことです。初代には1986年夏のマイナーチェンジでスーパーチャージャー付きのモデルが加わり、2代目はモデルライフの間にエンジンの性能向上をはかったと、それぞれの解説にあります。

中古で初代や2代目を探すなら、どのエンジンの個体かを先に決めることになります。3代目では、エンジンを選ぶ必要がありません。

ボディタイプは、3代目でクーペからロードスターに変わった

75年史のボディタイプ欄は、初代と2代目がクーペ、3代目がロードスターです。3代目のソフトトップにはビニールではなくガラス製のリヤウインドウが使われ、オプションで着脱式ハードトップも用意されました。全高は1,235mmで、3代のうちいちばん低い数字です。

初代には、1986年夏のマイナーチェンジでTバールーフがオプションに加わっています。ルーフを左右に分割して着脱できる仕様で、75年史のボディタイプ欄はクーペのままです。2代目にも、カーセンサーのMR2のページのグレード一覧に「2.0 GT Tバールーフ」「2.0 Gリミテッド Tバールーフ」など、名前にTバールーフが付くグレードが並んでいます。末期にはトヨタテクノクラフトがオープンモデルを限定製作していますが、75年史の表の3グレードには入っていません。

3代目が発売された1999年には、同じ2シーターのオープンであるホンダ S2000も発売されています。

3代目は2002年8月に、変速機が6速に、リヤタイヤが16インチになった

3代目のサスペンションは、カーセンサーの車種解説によると、フロントがLアーム・マクファーソンストラット式、リヤがデュアルリンク・マクファーソンストラット式で、四輪とも左右の車輪が別々に動く独立懸架です。パワーステアリングはEHPSという方式で、電動ポンプの油圧でハンドル操作をアシストし、アシストは車速に応じて制御されます。

2002年8月のマイナーチェンジでは、変速機が5速から6速になり、リヤタイヤが205/50R15から215/45R16へ変わりました。サイドウォール(タイヤの側面)の高さは、断面幅と扁平率から205/50R15が約103mm、215/45R16が約97mmで、リヤは6mmほど低くなっています。カーセンサーは、前後輪のグリップバランスを整えるための変更だと説明しています。

中古で3代目を見るなら、2002年8月より前か後かで、変速機の段数とリヤタイヤのサイズが違います。

3代目トヨタ MR-S(ZZW30)の赤い個体を斜め前から見た外観。ソフトトップを閉じている
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

MR2の買取相場は、初代と2代目が1つのページにまとまっている

「初代はいくらで売れるのか」「2代目のターボならどうか」を知りたくてカーセンサーの買取相場を開いても、MR2のページ(TO/S028)からは世代別の金額が読み取れません。掲載グレードの一覧に「1.6 Gリミテッド スーパーチャージャー」と「2.0 GT」が並んでいて、初代のAW11と2代目のSW20が同じ1つのページにまとめられているためです。MR-Sは、MR2とは別のページに載っています。この章の金額は、どれも次の表にある更新月の時点のものです。

MR2(TO/S028)MR-S(TO/S027)
平均買取相場額123.7万円〜216.1万円33.1万円〜157.3万円
平均走行距離3万km8万km
更新2026年7月2026年7月

MR2のページの基本スペック欄は、全長4.17m・排気量1998ccと、2代目の数値で出ています。10・15モード燃費は10〜12km/L、駆動方式はMR、乗車定員は2名です。MR-Sのページは10・15モード燃費が14〜15km/Lで、駆動方式と乗車定員はMR2のページと同じです。

75年史の表に載っている型式は、初代と2代目がE-AW11・E-AW10・E-SW20で、先頭のEは昭和53年度規制に適合した乗用車を指します。3代目は、発売時がGH-ZZW30のGHで、平成12年規制です。カーセンサーの相場表に並んでいる3代目はTA-ZZW30で、TAは平成12年規制に加えて排出ガス25%低減の認定を受けた車を指します。同じZZW30でも、発売時の車と相場表に載っているグレードとでは、型式の先頭の2文字が違います。記号の体系は型式の頭の記号の読み方にまとめてあります。

シーケンシャルは新車で約8万円高く、買取相場はマニュアルより低い

MR-Sのページには、グレード別の買取相場が新車価格と並んで載っています。

グレード型式年式買取相場新車価格
1.8 Vエディション ファイナルバージョンTA-ZZW30平成18年11月〜79.2万〜157.3万円2,320,000円(税込)
1.8 SエディションTA-ZZW30平成17年12月〜69.9万〜129.1万円2,132,000円(税込)
1.8 Vエディション ファイナルバージョン シーケンシャルTA-ZZW30平成18年11月〜48.8万〜109.4万円2,400,000円(税込)
1.8 Sエディション シーケンシャルTA-ZZW30平成17年12月〜40.1万〜99.3万円2,211,000円(税込)

Vエディション ファイナルバージョンは、新車ではシーケンシャルのほうが8万円高い設定でした。買取相場の上限は、マニュアルが157.3万円、シーケンシャルが109.4万円で、マニュアルのほうが約48万円高くなっています。Sエディションも、新車ではシーケンシャルが約8万円高く、買取相場の上限はシーケンシャルが約30万円低い金額です。どちらの組も、グレード名で違うのは「シーケンシャル」が付くかどうかです。

クラ

新車で高かったシーケンシャルのほうが買取相場は低いなら、買うぶんにはお得ってこと?

シキ

この表に出ているのは買取の相場で、販売店が付けている販売価格ではありません。表から言えるのは、売るときに付く金額の上限がマニュアルより低い、というところまでです

クラ

買う値段は店で聞くしかないのか。いつか手放す日のことも考えて、走行距離より先に変速機を決めておく

走行距離別の買取相場は、次のとおりです。

走行距離MR2MR-S
10,001〜20,000kmー91.3万〜155.5万円
30,001〜40,000kmー70.2万〜145.1万円
50,001〜60,000kmー55.1万〜114.4万円
60,001〜70,000km139.1万〜233.2万円47.3万〜113.3万円
100,001〜110,000km95.4万〜172.7万円38.2万〜103.9万円
150,001km以上82.7万〜158.6万円38.1万〜83.8万円

2026年7月更新の時点で、MR2のページで金額が入っていたのは、走行距離が6万km台以上の行だけでした(最初の表の平均走行距離3万kmは、この走行距離別の集計とは別に出ている数字です)。MR-Sは1万km台から金額が入っていて、上限は1万km台が155.5万円、15万km超が83.8万円です。ただし、この走行距離別の表はグレードを分けていません。MR-Sの走行距離による差には、グレード別の表で見た変速機による差も含まれています。

決める順番は、屋根が開くかどうか、エンジン、変速機、走行距離

最初に決めるのは、屋根が開く車にするかどうかです。75年史のボディタイプがロードスターなのは3代目で、初代と2代目はクーペです。ボディタイプは買ったあとで変えられません。ロードスターにするなら3代目、クーペにするなら初代か2代目に絞られます。初代と2代目のクーペには、Tバールーフの車もあります。

次に決めるのはエンジンです。3代目は1ZZ-FEの1機種なので、選ぶものがありません。初代は1,587ccか1,452ccか、2代目はターボか自然吸気かを、世代と一緒に決めることになります。初代の1986年夏以降の車なら、スーパーチャージャー付きも候補に入ります。75年史の表では、同じ2代目でもGTは1PSあたり5.5kg、Gは7.0kgです。

3代目を選ぶなら、その次が変速機です。Vエディション ファイナルバージョンの買取相場の上限には、マニュアルとシーケンシャルで約48万円の差があります。変速機は買ったあとで選び直せないので、走行距離より先に決めておく項目です。2002年8月より前か後か、つまり5速か6速かも、ここで一緒に決まります。

走行距離は最後です。予算に合わせて探す範囲を狭めるための条件で、車の仕様を決めるものではありません。屋根が開くかどうかと変速機は買ったあとで選び直せませんが、走行距離は、探し続ければ別の個体が出てきます。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのMR2のレビューとMR-Sのレビューで読めます。


価格・相場は2026年8月30日時点の情報です。買取相場はカーセンサーが掲載物件から独自に集計した参考値で、実際の査定額は装備や状態によって1台ごとに変わります。諸元はトヨタ自動車75年史の車両詳細に掲載された代表グレードの値で、いずれも各世代の発売時のものです。