ヴェゼルのタイプ比較|4WDにすると冬の装備は何が付く?

ホンダ ヴェゼル e:HEV Z 2WD(6AA-RV5)を前方斜めから見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けた笑顔でシキに話しかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている ガソリンのGなら、前輪駆動でいちばん安く買えるよね?
シキが白紙を1枚、胸の前で持ってクラに見せながら、落ち着いた表情で説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口をすぼめて聞いている Gは4WDだけ。前輪駆動ならe:HEV Xの約300万円から
画面左のシキが白紙の束を片手に持ち、もう片方の手のひらを軽く上げて、真顔で答えている。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げた心配そうな顔で問いかけている 冬の装備は、4WDにすれば全部そろう?Xでもシートヒーターは付く。ハンドルのヒーターはZ以上
画面左のシキが白衣の前で両手を軽く組み、口元をゆるめて穏やかに微笑んでいる。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、目を閉じて明るく笑っている 駆動方式を最初に決める。納車後には変えられない18インチは、Zを選ぶと付いてくるんだね

ヴェゼルの価格表でいちばん目を引くのは、ガソリンのG(275万8,800円)です。いちばん安いe:HEVより24万円安く、最廉価のタイプに見えます。

ただし、Gは4WDの1本だけで、前輪駆動の設定はありません。前輪駆動で買うなら、いちばん安い選択肢はe:HEV Xの299万8,600円です。

「雪は降らないし、ガソリン車の前輪駆動をいちばん安く買えればいい」。そう考えてタイプ一覧を開いても、その組み合わせは載っていません。

価格表と装備表を並べてみると、ヴェゼルのタイプはグレードの上下より先に、前輪駆動か4WDかで分かれていることに気づきます。駆動方式を変えると、価格だけでなく、冬の装備とリヤサスペンションの形式まで変わります。

ガソリンのGは4WDだけ、e:HEVは前輪駆動と4WDから選べる

タイプは6つで、駆動方式まで含めると11通りになります。

タイプFF4WD
e:HEV X2,998,600円3,218,600円
e:HEV X・HuNTパッケージ3,108,600円3,328,600円
e:HEV Z3,268,100円3,488,100円
e:HEV Z・PLaYパッケージ3,699,300円3,919,300円
e:HEV RS3,748,800円3,968,800円
G(ガソリン)ー2,758,800円

e:HEVは、どのタイプも4WDにすると22万円上がります。この形から外れているのがGで、前輪駆動の欄が空いています。ガソリン車を安く買いたいという動機と、4WDは要らないという条件は、ヴェゼルでは両立しません。

クラ

雪が降らない地域なら、4WDはいらないんだけどな

シキ

それでもGにすれば、4WDの分も込みで買うことになる。前輪駆動が条件なら、候補はe:HEVの5タイプ

クラ

じゃあGは、4WDが要る人のためのタイプってこと?

シキ

表で見ると、4WDをいちばん安く買えるタイプ。e:HEVの4WDは、どれもGより高い

4WDにすると、寒い日の装備が3つ付いてくる

冬の朝、霜の付いたドアミラーとフロントガラスが晴れるのを待ってから走り出す。そうした季節の装備には、e:HEVでは4WDにしか付かないものがあります。

装備e:HEV XHuNTパッケージe:HEV ZPLaYパッケージe:HEV RSG
運転席&助手席シートヒーター4WDのみ4WDのみ標準標準標準標準
PTCヒーター4WDのみ4WDのみ4WDのみ4WDのみ4WDのみー
親水/ヒーテッドドアミラー+熱線入りフロントウインドウ4WDのみ4WDのみ4WDのみ4WDのみ4WDのみ標準
ステアリングヒーターーー標準標準標準ー

e:HEV XとHuNTパッケージの前輪駆動を選ぶと、表の4つはひとつも付きません。4WDにすれば上の3つが付き、付かないのはステアリングヒーターだけになります。シートヒーターには単体のオプション設定がないので、XとHuNTパッケージで欲しいときは、4WDにするかZまで上げるかのどちらかです。

PTCヒーターは、エンジンの熱に頼らず電気で車内を温める補助ヒーターです。e:HEVでは5タイプとも4WDにだけ設定があり、Gには設定がありません。ステアリングヒーターは駆動方式と関係なく、Z・PLaYパッケージ・RSの3タイプに限られます。Gには4WDでも付きません。

シキ

冬の装備を重く見るなら、Xでも4WDにすれば、シートヒーターとヒーテッドドアミラーまでそろう

クラ

でも冬の朝にいちばん冷たいのは、ハンドルなんだよね

シキ

ハンドルのヒーターは、Zから上の3タイプ。表で並べると、Xの4WDとZの前輪駆動は価格が近い

クラ

ハンドルを温めたいならZの前輪駆動、ミラーとPTCヒーターが欲しいならXの4WD。そこで迷うんだ

6タイプの寸法と、駆動方式で替わる足まわり

自宅の車庫や、ふだん使う駐車場の高さと幅に収まるかを見るときは、下の表の全高と全幅を使います。

e:HEV X/HuNTe:HEV Z/PLaYe:HEV RSG
全長4,340mm4,340mm4,385mm4,340mm
全幅1,790mm1,790mm1,790mm1,790mm
全高1,580mm1,590mm1,545mm1,580mm
最低地上高(FF/4WD)185/170mm195/180mm180/165mmー/170mm
車両重量(FF/4WD)1,350/1,430kg1,380/1,450kg1,380/1,460kgー/1,320kg
タイヤ215/60R16225/50R18225/50R18215/60R16
最小回転半径5.3m5.5m5.5m5.3m

ホイールベースは2,610mm、客室内寸法は2,020×1,445×1,225mm、乗車定員は5名で、全タイプ共通です。ほかの車と車体の大きさを比べるなら、ヴェゼル vs CX-30で寸法の差を確かめられます。

諸元表で駆動方式ごとに書き分けられているのは、最低地上高と車両重量だけではありません。リヤサスペンションは、前輪駆動が車軸式、4WDがド・ディオン式です。ド・ディオン式は、左右の車輪を1本の管でつなぎ、デファレンシャルを車体側に固定する形式です。スタビライザーも、前輪駆動は前だけ、4WDは前後に入ります。4WDを選ぶと、足まわりの構成そのものが替わります。

e:HEV Zで装備が増え、タイヤは18インチになる

装備で迷ったときの分かれ目はZです。ステアリングヒーター、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、リアベンチレーション、左右独立温度コントロール式のフルオートエアコン、自動防眩ルームミラー、雨滴検知式ワイパー、アダプティブドライビングビーム、ブラインドスポットインフォメーションの8つは、いずれもZ以上(Z・PLaYパッケージ・RS)にしかありません。前輪駆動どうしで比べると、Xとの差は約27万円です。

買い物袋を両手に提げたまま荷室を開けたい、後席に座る家族にもエアコンの風を届けたい。そうした場面に関わる装備が、この8つに入っています。

その代わり、Zを選ぶとタイヤは225/50R18になり、16インチの設定はありません。サイドウォールはXの215/60R16より約17mm薄く、荒れた舗装の継ぎ目をタイヤで受け止められる量が、その分だけ減ります。最小回転半径も5.3mから5.5mへ0.2m大きくなり、狭い路地でのUターンや車庫入れで、切り返しが増える場面が出てきます。

e:HEV XとHuNTパッケージは16インチで、最小回転半径は5.3m

Xは約300万円(前輪駆動)です。16インチのタイヤと5.3mの最小回転半径はGと共通で、Zより小回りが利きます。

ホンダ ヴェゼル e:HEV X 2WD(6AA-RV5)の運転席まわり
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

e:HEVの5タイプのうち、コンビシートの設定がないのはXだけです。プライムスムース(合皮)とファブリックを組み合わせたコンビシートが入るのはHuNTパッケージ・Z・PLaYパッケージで、RSはそこにラックス スェードが加わります。

「とりあえずXで注文して、HuNTパッケージはあとから足せばいい」と考えたくなりますが、HuNTパッケージはXに付けるオプションではありません。タイプ一覧で独立した価格を持つタイプで、PLaYパッケージも同じです。Xに11万円払ってHuNTにする、という買い方はできないので、どのタイプにするかは注文の時点で決めます。

HuNTパッケージはXより11万円高く、コンビシートに加えてFABTECT(撥水・撥油加工)が付きます。撥水加工が入るのは、6タイプ中HuNTパッケージだけです。後席で子どもが飲みものをこぼしたときに、拭き取りで済むか繊維に染みるかが、ここで分かれます。

スピーカーはXとHuNTパッケージが4個、Z以上が6個です。10スピーカーのプレミアムオーディオはZ以上のメーカーオプションで、XとHuNTパッケージには設定がありません。

e:HEV Z・PLaYパッケージは、パノラマルーフを選べる唯一のタイプ

パノラマルーフのメーカーオプションを選べるのはPLaYパッケージだけで、ZにもRSにも付けられません。PLaYパッケージの前輪駆動は約370万円で、Zより約43万円高くなります。パノラマルーフを付けると、客室内の高さは1,225mmから1,240mmになります。

パノラマルーフは工場で装着するメーカーオプションなので、注文したあとからは追加できません。家族で欲しいかどうか意見が分かれそうなら、見積もりの前に話しておくところです。

クラ

屋根のガラスを付けると、約43万円ってこと?

シキ

43万円は、ZとPLaYパッケージの価格差。パノラマルーフは、PLaYパッケージを選んだうえで注文時に足すメーカーオプション

e:HEV RSは、全長が45mm長く、全高が45mm低い

RSだけ全長が4,385mmで、ほかの4,340mmより45mm長くなります。全高1,545mmは、Z・PLaYパッケージより45mm、X・HuNTパッケージ・Gより35mm低い値です。前輪駆動の最低地上高も180mmで、Zの195mmより15mm低く設定されています。

高さ制限のある駐車場をよく使うなら、この差は寸法表で確かめておきたいところです。

シートはプライムスムース×ラックス スェード×ファブリックのコンビシートで、ステッチは赤です。Z以上にしかない8つの装備はRSにもそろっていて、価格は約375万円(前輪駆動)です。RSは装備を足すためのタイプというより、車高を下げた見た目を選ぶタイプです。

Gは275万8,800円の4WDで、燃費は15.0km/L

エンジンはL15Z型の1.5Lガソリンで、87kW(118PS)・142N·mです。e:HEVのモーターは96kW/253N·mで、最大トルクはGのエンジンを大きく上回り、その値を低い回転域から発生します。発進や上り坂で、回転を上げなくても力を出せるのはe:HEVのほうです。

WLTCモード燃費は15.0km/Lで、e:HEVの4WDは21.3〜21.5km/Lです。走る距離が伸びるほど、燃料代の差が車両価格の差を詰めていきます。週末の買い物が中心の家庭と、毎日長い距離を通勤する家庭とでは、この差が1年でいくらになるかが変わります。

装備では、シートヒーターとヒーテッドドアミラーが標準で付く一方、ステアリングヒーター、アイドリングストップ、リアベンチレーション、パワーテールゲートはありません。

静粛性に関わる装備で見落とされやすいのは、フロントウインドウガラスの注記です。IRカット(遮熱)/UVカット機能付フロントウインドウガラスに「遮音機能付」と書かれているのは、e:HEVの5タイプだけです。Gにも同じガラスが入りますが、遮音機能の記載はありません。

クラ

うちは週末に近所を回るくらいだから、燃費の差より、買うときの安さのほうが大きそう

シキ

走る距離が短いなら、そういう見方になる。ただGは4WDで、前輪駆動のe:HEV Xと比べると、差は24万円まで縮む

買取相場は、初代と2代目が混ざった数字

カーセンサーの買取相場は49.8万〜315.8万円(2026年7月更新)です。

ヴェゼルは2013年12月の初代から続くモデルで、この相場は初代のRU型と、現行の2代目にあたるRV型を合わせた集計になります。下限の49.8万円は、初代の数字とみておくのが無難です。現行型の水準を知りたいときは、年式で絞った表示を見てください。

クラ

初代に乗っていて下取りに出す人なら、むしろ下限のほうが自分に近い数字だよね

シキ

そう読める。下取りに出す車の世代で、見るべき数字が変わる

前輪駆動か4WDかを、いちばん先に決める

見積もりの前に家族で最初に決めるのは、前輪駆動か4WDかです。ここでGを候補に残せるかが決まり、PTCヒーターとヒーテッドドアミラーの有無、リヤサスペンションの形式も同時に決まります。どれも納車後には変えられません。

次がタイプです。ハンドルのヒーターやパワーテールゲートが欲しければZ以上、屋根のガラスが欲しければPLaYパッケージまで、この段階で絞れます。

タイヤと小回りは最後に確かめます。18インチはZ以上を選んだ結果として付いてくるもので、単独では選べません。ふだん通る道が荒れた舗装や細い路地なら、16インチと最小回転半径5.3mのXかHuNTパッケージにする、という判断も成り立ちます。

トヨタが同じ装備をどこで分けているかは、ヤリスクロスのグレード比較が参考になります。

装備と数値はホンダの主要装備表・主要諸元表、価格はタイプ一覧、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。※価格・相場は執筆時点の情報です。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。