ZR-Vで車中泊|ヴェゼルより大きい車体は、車内も長いか?

ホンダ ZR-V e:HEV Zを左後方から見た外観。テールゲートの上に大きなスポイラーが張り出し、車体はホワイト
写真: TTTNIS / Wikimedia Commons ( CC0 1.0 )
── この記事の結論を先に4コマで ──
シキが書類の束を持って立ち、クラが両手を左右に広げて笑顔で話している ZR-Vはヴェゼルより車体が大きいよね。中も広い?
シキが白い紙を左右の手に1枚ずつ持って見比べるように示し、クラが笑顔でマグカップを持っている 客室内の長さは1,930mm。ヴェゼルは2,020mm
シキが書類を持って目を閉じ、クラが片手を出して困った顔をしている 大きいほうが短いのか
シキが書類を持って立ち、クラが人差し指を1本立てて笑っている 先に決まるのは駆動方式寝る話は倒し方のほう
クラ

ZR-Vとヴェゼル、後ろで寝るならどっちが広いんだろう

シキ

客室内寸法という欄なら、両方の諸元表にある。ZR-Vが1.930/1.530/1.195m。ヴェゼルが2.020/1.445/1.225m

クラ

長さはヴェゼルのほうが90mm長いんだ。車体はZR-Vのほうが大きいのに

シキ

全長はZR-Vが4.570mで、ヴェゼルは4.340mか4.385m。ホイールベースも2.655mと2.610mでZR-Vが長い

クラ

大きいほうの数字が短いって、ちょっと不思議だね

シキ

この欄が車内のどこからどこまでなのかは、どちらの諸元表にも書いていない。分かるのは、型式指定申請書に出した数値がこれだ、ということだけ

客室内寸法はZR-Vが1.930m、ヴェゼルが2.020m。どちらも全タイプ共通

ZR-Vの客室内寸法1.930/1.530/1.195mは、e:HEV XのFFと4WD、e:HEV ZのFFと4WDのどれを選んでも同じ数字です。特別仕様車のBLACK STYLEとCROSS TOURINGは、正式名を「e:HEV Z 特別仕様車 BLACK STYLE」「e:HEV Z 特別仕様車 CROSS TOURING」といい、諸元表ではZと同じ扱いです。

ヴェゼルの2.020/1.445/1.225mにも、タイプ差はありません。e:HEV X・e:HEV Z・e:HEV RSのFFと4WD、それにGの4WD。この7つとも同じ数字です。

項目ZR-V(全タイプ共通)ヴェゼル
客室内寸法 長さ1.930m2.020m(全タイプ共通)
客室内寸法 幅1.530m1.445m(全タイプ共通)
客室内寸法 高さ1.195m1.225m(全タイプ共通。パノラマルーフ装着車は1.240m)
全長4.570m4.340m(e:HEV X・e:HEV Z・G)/4.385m(e:HEV RS)
全幅1.840m1.790m(全タイプ共通)
全高1.620m1.580m(X)/1.590m(Z)/1.545m(RS)/1.580m(G)
ホイールベース2.655m2.610m(全タイプ共通)
最低地上高0.190m0.165〜0.195m(7列に別々の値が入る)
車両重量1,560〜1,630kg1,320〜1,460kg
乗車定員5名5名
車名・型式ホンダ・6AA-RZ4(FF)/6AA-RZ6(4WD)ホンダ・6AA-RV5(FF)/6AA-RV6(4WD)/5BA-RV4(G)

どちらもタイプ差がないので、ここで比べているのは車種と車種の差だけです。

長さは90mm、高さは30mm、ヴェゼルが上回ります。逆に幅はZR-Vが85mm上回ります。パノラマルーフを付けたヴェゼルと比べると、高さの差は45mmに開きます。ヴェゼルの数字だけを追った記事がヴェゼルで車中泊です。

そして、この3つの数字が車内のどこからどこまでを測ったものかは、どちらの注記にも書かれていません。両方に載っているのは「主要諸元は道路運送車両法による型式指定申請書数値」の1行だけです。前席が付いたままの数字ですから、1.930mを寝られる長さとして読むことはできません。 欄の名前がメーカーごとに違う話は車中泊で寝られる長さは諸元表のどこを見るかにまとめています。

同じホンダのWR-Vの客室内寸法には、タイプによる10mmの差があります。ZR-Vとヴェゼルには、その差すらありません。

いちばん安いe:HEV Xでも、後席は6:4で倒れる

「ダイブダウン機構付6:4分割可倒式リアシート」は、主要装備一覧の【全タイプ標準装備】欄に入っています。グレード別の行ではないので、タイプを上げても下げても背もたれの分かれ方は変わりません。

ただ、ダイブダウンで座面がどう動くのかは、この装備一覧には書かれていません。装備名が1行あるだけです。倒したあとの床がどれだけの長さになるかも読み取れません。荷室の長さ・高さ・容量にあたる行が、主要諸元にも主要装備一覧にもないためです。

荷室まわりで使う装備も、【全タイプ標準装備】の欄に並びます。

  • アクセサリーソケット(DC12V)〈フロント/ラゲッジルーム〉
  • LEDラゲッジルームランプ
  • コンビニフック(ラゲッジルーム内左右2ヵ所)
  • タイダウンフック(4ヵ所)
  • リアセンターアームレスト(ドリンクホルダー付)

ラゲッジルームにDC12Vの口があること、そこに灯りが付くこと、荷物を縛る金具が4か所あること。ここまでは4タイプに共通です。

ホンダ ZR-V。テールゲートを開けた状態で展示されている青いボディの個体
写真: Brokkoriis — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

パーセルカバーは、e:HEV Zと2つの特別仕様車にはFF・4WDとも標準で付き、e:HEV Xには付きません。荷室の上を1枚で覆えるかどうかは、寝る場所の脇に何を置けるかを左右します。リア用LEDスポットランプとLEDテールゲートランプも、e:HEV Xだけ空欄のままです。

パワーテールゲート(予約クローズ機能付)のほうは、e:HEV Xを含めて4タイプとも標準です。荷物を抱えたままテールゲートを閉じられる装備なので、ここでタイプを上げる理由はありません。タイプを上げて増えるのはハンズフリーアクセス機能で、こちらはe:HEV Zから付きます。

冬に寝るつもりなら、先に決まるのは駆動方式

ZR-Vのタイプは、e:HEV X/e:HEV Z/e:HEV Z 特別仕様車 BLACK STYLE/e:HEV Z 特別仕様車 CROSS TOURING の4つ。暖房まわりの4行のうち3行は、同じタイプでもFFと4WDで、標準か、オプションか、空欄かが変わります。

行X FFX 4WDZ FFZ 4WDBLACK STYLE FFBLACK STYLE 4WDCROSS TOURING FFCROSS TOURING 4WD
シートヒーター 運転席/助手席◎●●●●●●●
シートヒーター リア左右席ーー◎●●●●●
ステアリングヒーターーー●●●●●●
コンフォートビューパッケージー●ー●ー●ー●

●は標準装備、◎はメーカーオプション(ご注文時にお申し付けください)。「ー」は記号も塗りも無い空欄です。

コンフォートビューパッケージは、親水/ヒーテッドドアミラーとフロントドア撥水ガラスと熱線入りフロントウインドウの3点をまとめた行です。4タイプとも、●が付くのは4WDの列だけ。FFの4列には◎もありません。

FFを選ぶと、ドアミラーもフロントウインドウも、お金を出して温められません。

前席のシートヒーターは、e:HEV XのFFだけが◎。同じXでも4WDなら●です。後席のシートヒーターが付くタイプはさらに少なく、e:HEV Xには◎も付きません。e:HEV ZでもFFは◎で、●になるのは4WDからです。ステアリングヒーターに至っては、e:HEV XはFFも4WDも空欄のままです。

車中泊で寝袋やマットを持ち込むかどうかは、納車後にいくらでも変えられます。ここに並ぶ4行は変えられません。

後席の空調にあたるリアベンチレーションとリアヒーターダクトは、4タイプともFF・4WDとも標準です。左右独立温度コントロール式フルオート・エアコンディショナーも全タイプ●で、プラズマクラスター技術搭載のほうだけがe:HEV Xで空欄になります。

電気はDC12VとUSB。AC100Vの行は無い

DC12Vのアクセサリーソケットは、フロントとラゲッジルームの2か所です。4タイプとも、FFでも4WDでも、この2口は付いてきます。

グレード別の行になっているのはUSBのほうです。装備一覧にはUSBジャックが2行、USBチャージャーと後席用USBチャージャーが2行ずつ。ワイヤレス充電器もここに並びます。

行e:HEV Xe:HEV ZBLACK STYLECROSS TOURING
USBジャック Type-A/急速充電対応タイプ※6ーーー
USBジャック Type-C/Power Delivery対応タイプ※7●●●
USBチャージャー(Type-C)急速充電対応タイプ●ーーー
USBチャージャー(Type-C)Power Delivery対応タイプ※8●●●
後席用USBチャージャー(Type-C/2個付)急速充電対応タイプ●ーーー
後席用USBチャージャー(Type-C/2個付)Power Delivery対応タイプ※9●●●
ワイヤレス充電器◎●●●

e:HEV Xの列に並ぶ※6から※9は、記号ではなく脚注番号です。※8と※9は「Google搭載9インチ Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器」を選んだ場合の注記で、標準の急速充電対応タイプに替わってPower Delivery対応タイプが装着されます。USBジャックのType-C(※7)も同じディスプレーを選んだときに装着され、Type-A(※6)は「ギャザズ ナビゲーション」を装着すると使えるようになります。

後席用のType-Cが2個付くところは4タイプとも同じです。違うのは規格のほうで、e:HEV Zと2つの特別仕様車はPower Delivery対応が標準、e:HEV Xは急速充電対応が標準で、ディスプレーを選ぶとPower Delivery対応に替わります。後ろで寝ながら手元の機器を充電するなら、差込口の数はタイプでは減りません。

AC100V電源に当たる行は、主要諸元にも主要装備一覧にもありません。電子レンジや電気毛布のような100Vの機器は、クルマの受け口では賄えません。ワット数から順に決める手順は車中泊のAC100V電源で扱っています。

遮音と書かれたガラスは、フロントウインドウの1枚だけ

ガラスの行は3つあり、どれも全車に付きます。

  • 遮音/IRカット〈遮熱〉/スーパーUVカット機能付フロントウインドウガラス
  • IRカット〈遮熱〉/スーパーUVカットフロントドアガラス
  • UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア/リアクォーター/テールゲート)

「遮音」の語が付くのはいちばん上の1行だけです。フロントドアはIRカットとスーパーUVカットで、遮音は付きません。吸音材やアクティブノイズコントロールに当たる行も、この装備一覧には見当たりません。

色が入って視線を遮るのは、リアドアとリアクォーターとテールゲートです。フロントウインドウとフロントドアは日射をカットするガラスで、目隠しの話には出てきません。

ホンダ ZR-V e:HEVの運転席まわり。右ハンドルで、センターディスプレイとデジタルメーターが並ぶ
写真: Aos.1905 — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)
クラ

後ろが暗くて、前は透明。頭をどっち向きにして寝るかの問題になるんだ

シキ

サンシェードに当たる行が、装備一覧に無い。前を隠すものは自分で買い足すことになる

クラ

そう考えると、この表は寝るための表じゃないんだね

シキ

装備一覧に『車中泊』という言葉は一度も出てこない。荷室の装備を寝床に使えるかどうかは、読む側で当てはめる話

ZR-Vのリヤはどのタイプもマルチリンク式、ヴェゼルはFFと4WDで形式が変わる

タイヤは4タイプとも225/55R18 98Hで、FFと4WDでも変わりません。サイドウォールの高さは約124mmです。ヴェゼルはe:HEV Zとe:HEV RSが225/50R18で約113mm、e:HEV XとGが215/60R16で約129mm。18インチどうしなら、ZR-Vのサイドウォールが11mmぶん厚くなります。ここに出た3つのサイズでサイドウォールがいちばん厚いのは、16インチを履くヴェゼルのe:HEV XとGです。

サスペンションは前がマクファーソン式、後ろがマルチリンク式。ここも4タイプ共通で、FFでも4WDでも形式は同じです。ヴェゼルは同じ行が「FF車:マクファーソン式/車軸式 4WD車:マクファーソン式/ド・ディオン式」となっていて、駆動方式で後ろの形式が入れ替わります。マルチリンク式は左右のタイヤが別々に動く形式です。ヴェゼルの車軸式とド・ディオン式は、どちらも左右が1本の部材でつながります。片側が段差に乗れば、反対側にも動きが伝わります。

ホンダ ヴェゼル e:HEV Z(6AA-RV5)を前方から見た外観。ダークカラーのボディ
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0)

最小回転半径は4タイプとも5.5mで、FFと4WDでも変わりません。ヴェゼルはe:HEV XとGが5.3m、e:HEV Zとe:HEV RSが5.5m。同じ18インチを履くヴェゼルとは同じ数字で、16インチの2タイプより0.2m大きい円を描きます。車中泊の場所を探して細い道に入り込むと、同じ道でも切り返しが1回増える場面が出ます。この0.2mでヴェゼルとCX-30を並べた記事がヴェゼル vs CX-30です。

電動機の最大トルクは315N・m(32.1kgf・m)で、0〜2,000rpmの範囲で出ます。最高出力は135kW[184PS]/5,000〜6,000rpm。エンジンのほうは104kW[141PS]/6,000rpmと182N・m(18.6kgf・m)/4,500rpmです。これらの出力とトルクは、4タイプともFF・4WDとも同じ数字です。315N・mは0rpmから出るので、1,560〜1,630kgの車体は停まったところから最大トルクで動き出します。ヴェゼルのe:HEVは253N・m/0〜3,500rpm。最大値そのものは、ZR-Vのほうが62N・m大きい数字です。

燃料タンクは57Lで、ヴェゼルの40Lより17L多く入ります。WLTCモード総合の燃料消費率は、e:HEV XのFFが22.1km/L、4WDが20.8km/L、e:HEV ZのFFが22.0km/L、4WDが20.5km/L。4WDにすると1.3〜1.5km/Lぶん下がり、車両重量も50kg増えます。

e:HEV Xのヘッドライトには、コーナリングライトが付かない

ヘッドライトそのものは4タイプともフルLEDで、e:HEV Xはマニュアルレベリング機構、e:HEV Z・BLACK STYLE・CROSS TOURINGはオートレベリング機構です。LEDアクティブコーナリングライトとアダプティブドライビングビームは、e:HEV Xには付きません。街灯のない道を夜に走って現地に着くなら、ここは見ておく行です。後退出庫サポートとマルチビューカメラシステムは、e:HEV Xだけメーカーオプション、ほかの3タイプは標準になります。

衝突軽減ブレーキ(CMBS)、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)、ブラインドスポットインフォメーション、パーキングセンサーシステムなどをまとめたHonda SENSINGの行は、4タイプとも標準です。

【全タイプ標準装備】欄には「応急パンク修理キット(スペアタイヤレス)※13」があり、※13は「工具(ジャッキ/ジャッキハンドルバー/ホイールナットレンチ(兼ジャッキハンドル))は装備しておりません」と書いています。スペアタイヤもジャッキも、最初から積まれていません。人の少ない場所で車中泊をするなら、道具は自分で足すことになります。

相場は127.4万円から261.3万円

カーセンサーのZR-Vのページは、平均買取相場額を127.4万円〜261.3万円と表示しています(2026年8月更新)。平均走行距離は2万kmです。

年式最新買取価格相場
2026年243.8万円~261.7万円
2025年(1年落ち)215.9万円~257.9万円
2024年(2年落ち)199.5万円~249.6万円
2023年(3年落ち)122.1万円~270.8万円
2022年(4年落ち)192.7万円~219.3万円

3年落ちの行だけ、下限が約122万円まで落ち、上限はこの表でいちばん高い約271万円です。

このページのグレード一覧には「1.5 X」「1.5 Z」も並びます。ホンダが公開している主要諸元PDFに載っているのはe:HEVだけなので、この記事で扱った諸元はe:HEVの話です。中古で1.5を見に行くなら、諸元は別の表になります。

決める順番

最初に決めるのは駆動方式です。FFか4WDかで、コンフォートビューパッケージが付くかどうかが確定します。e:HEV Xなら前席シートヒーターが標準になるかメーカーオプションになるかが、e:HEV Zなら後席シートヒーターが標準になるかメーカーオプションになるかが、同じところで決まります。車両重量も50kg増え、燃料消費率も1.3〜1.5km/L下がります。どれも納車後には戻せません。

次がタイプです。e:HEV Xを選ぶと空欄になる行はいくつもありますが、車中泊で使う行には、パーセルカバー、ステアリングヒーター、後席シートヒーター、運転席8ウェイパワーシート、リア用LEDスポットランプ、LEDテールゲートランプ、ハンズフリーアクセス機能があります。なかでもパーセルカバーは、荷物を積んだまま後ろで寝るときに、上を1枚で覆えるかどうかで荷物の置き場所を決めてしまいます。

客室内寸法の1.930mは、この2つを決めるときの材料になりません。ヴェゼルとの90mm差も、決め手には使えません。後席を倒したあとに何センチ取れるかは、展示車の後ろに実際に寝てみて、自分の身長を当てるしかないからです。


相場は2026年9月6日時点の情報です。諸元と装備は本田技研工業の公式PDF(ZR-Vの主要諸元・主要装備一覧、ヴェゼルの主要諸元)、買取相場はカーセンサーの実ページから読み取りました。仕様は予告なく変更されることがあります。