WR-Vで車中泊|一番安いタイプに付かないものは?

ホンダ WR-V Z+(5BA-DG5・2024年1月撮影、2025年3月の一部改良より前の個体)を左後方から見た外観。テールゲートとリアクォーターのガラスが暗い色をしている
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが片手を開いて問いかけ、シキが書類を抱えて横で聞いている WR-Vって、後ろを倒したら寝られるのかな
シキが白紙の1枚をクラのほうへ向けて示し、クラが眉を上げてのぞき込んでいる 後席を倒すと、荷室長は2,181mmです
クラが手のひらを上に向けて肩を落とし、シキが書類を下ろして横を見ている 目隠しと、寝ている間の電気は自分で用意か
シキが人差し指を1本立てて示し、クラが手をあごに当てて笑顔で気づいた顔をしている 先に決めるのは、16インチか17インチかですパーセルカバーもそこで決まる
クラ

WR-Vって、後ろを倒したら寝られるのかな

シキ

2,181mmです。後席を倒したときの荷室長で、Hondaが測った数字です

クラ

足は伸ばせそうだね。それなら、いちばん安いXで足りるのかな

Xにするか、X以外の4タイプにするかで、荷室の上を覆うパーセルカバーと、後席のリアセンターアームレストの有無が変わります。どちらもXにだけ付かず、パーセルカバーは純正アクセサリーにもありません。シートの表皮も、Xはファブリック、ほかの4タイプはプライムスムース(合成皮革)を使ったシートです。

どのタイプを選んでも、別に用意するものが4つあります。後ろの窓の分まで含めた目隠し、倒した背もたれと荷室の床の段差をならすマット、エンジンを止めたまま使える電源、そして冬に泊まるなら寝袋や毛布です。

後席を倒した荷室長は2,181mm

後席を倒した2名乗車時の荷室長は2,181mmで、幅がいちばん狭くなる左右のホイールハウスのあいだは1,020mmです。

項目(Honda測定値)寸法
荷室長(2名乗車時)2,181mm
荷室長(5名乗車時)840mm
荷室床面最小幅(ホイールハウス)1,020mm
荷室最大幅1,350mm
開口部荷室高882mm
荷室容量(5名乗車時/床下収納を除く・VDA方式)458L

後席は6:4に分かれていて、片側ずつ前へ倒せます。この6:4分割可倒式リアシートは5タイプとも標準です。倒すときは、中央の3点式シートベルトを外して収納し、ヘッドレストを下げ、アームレストがあれば収納してから、背もたれのノブを引きます。

倒した背もたれと荷室の床のあいだには段差が残ります。この段差を少なくするラゲッジボード(33,000円・取付費別)を、ホンダアクセスがA-Collectの商品として扱っていますが、Honda純正用品ではありません。ボードを使わないなら、厚みのあるマットで段差をならします。

客室内寸法の長さは、Xが1.945m、ZとZ+が1.955mで、Xだけ10mm短くなっています。ただ、客室内寸法は荷室長とは別に測った数字なので、寝る長さの目安には荷室長を使います。諸元表の寸法と荷室長の違いは、車中泊で寝られる長さで説明しています。

カーゴスペースに人を乗せたまま走ると、ブレーキや加速、衝突のときにけがをするおそれがあります。寝床を作ったまま場所を移るときは、人は座席に座ります。

Xにだけ付かない、パーセルカバーとリアセンターアームレスト

パーセルカバーとリアセンターアームレストは、ZとZ+、2つのBLACK STYLEには付き、Xには付きません。

装備XZZ BLACK STYLEZ+Z+ BLACK STYLE
6:4分割可倒式リアシート●●●●●
パーセルカバーー●●●●
リアセンターアームレスト(ドリンクホルダー付)ー●●●●
リアベンチレーション●●●●●
充電用USBジャック(Type-A/助手席用)●●●●●
16インチスチールホイール+フルホイールキャップ●ーーーー
17インチアルミホイールー●●●●
ホンダ WR-V Z+(5BA-DG5)のテールゲートを開けた荷室。後席の背もたれの高さでカバーが荷室の上を覆っている
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)。2025年3月の一部改良より前の個体です(2024年1月撮影)

写真のZ+では、後席の背もたれの高さに1枚のカバーが渡してあり、荷室の上を覆っています。これがパーセルカバーで、荷室の中を外から見えにくくし、防犯性を高めます。キャンプ道具を積んだまま道の駅で車を離れることが多いなら、標準で付くX以外の4タイプが向いています。

Xを買ってから付けようとしても、WR-Vの純正アクセサリーにパーセルカバーはありません。

リアセンターアームレストは、後席の中央にあるドリンクホルダー付きのひじ掛けです。後席を倒す前に収納するので、寝床を作っているあいだは使いません。差が出るのは、後席に人が座って移動しているときです。

窓の目隠しは、後ろの窓の分も要る

リアドア、リアクォーター、テールゲートのガラスは、5タイプともUVカット機能付ソフトプライバシーガラスです。冒頭の写真で暗く見えているのがこのガラスですが、可視光線透過率は約57%で、色が暗くても光の半分以上を通します。

前の窓は、フロントウインドウがIRカット〈遮熱〉/UVカット機能付ガラスで可視光線透過率約80%、フロントドアがIRカット〈遮熱〉/スーパーUVカットガラスで約74%です。

ホンダ WR-V Z+(5BA-DG5)の運転席まわり。センターディスプレイとメーター、右ハンドルのステアリング
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)。2025年3月の一部改良より前の個体で、シートは今のZ+(ブラウン基調のフルプライムスムースシート)と違います(2024年1月撮影)
クラ

後ろは黒っぽいから、隠すのは前の窓だけでいいと思ってた

シキ

窓のシェードやカーテンは、WR-Vの純正アクセサリーにありません。前も後ろも、市販品から選びます

クラ

夜に車内の明かりをつけて着替えるなら、後ろの窓も覆わないと落ち着かないな

寝ているあいだの電源と防寒具は自分で用意する

車内で電気が取れるのは、全タイプ標準の2種類です。DC12Vのアクセサリーソケットがフロントとリアのコンソールに、USBジャック(Type-A)が運転席用と助手席用に1つずつあります。WR-Vには100Vのコンセントがなく、純正アクセサリーとしても用意されていません。

アクセサリーソケットに挿せるのは消費電力180W(15A)以下の機器で、バッテリーあがりを防ぐため、エンジンがかかっている状態で使います。いっぽうで、仮眠するときはエンジンを止めます。無意識にセレクトレバーやアクセルペダルを動かして、思わぬ事故につながるおそれがあるためです。排気ガスには一酸化炭素が含まれていて、雪が降っているときや積もった場所でエンジンをかけたままにすると、周りの雪で排気ガスがたまって車内に入り、重大な傷害や死亡にいたるおそれもあります。

このため、寝ているあいだに使う電気は、クルマのソケットに頼れません。電気毛布や扇風機を使うなら、ポータブル電源のように電気をためて持ち込むものを用意します。家電のワット数を足して、電源の出力の上限に収まるかを確かめる手順は、車中泊のAC100V電源で、上限1500Wの電源を例に説明しています。

シートヒーターとステアリングヒーターは、どのタイプにも付きません。冬に泊まるなら、エンジンを止めたまま暖かく眠れる寝袋や毛布を用意します。

走っているあいだにスマートフォンを充電する口を後席側にも足すなら、純正アクセサリーにUSBチャージャー(USB Type-C・1口、13,200円・取付費別)があります。取り付け位置は、アームレスト付センターコンソールボックスの後席側です。

タイヤはXだけ16インチ。足まわりの形式は共通

2つのBLACK STYLEの諸元は、それぞれZ、Z+と同じです。Xとほかのタイプで数字が違うのは、客室内寸法の長さ、車両重量、タイヤ、燃費です。

項目XZZ+
客室内寸法 長さ1.945m1.955m1.955m
客室内寸法 幅1.460m1.460m1.460m
客室内寸法 高さ1.280m1.280m1.280m
車両重量1,210kg1,230kg1,230kg
タイヤ 前・後215/60R16 95H215/55R17 94V215/55R17 94V
全長/全幅/全高4.325/1.790/1.650m同左同左
ホイールベース2.650m同左同左
最低地上高0.195m同左同左
最小回転半径5.2m同左同左
乗車定員5名同左同左
駆動方式FF同左同左
車名・型式ホンダ・5BA-DG5同左同左
ホンダ WR-V Z+(5BA-DG5)の17インチアルミホイールとタイヤ
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)。2025年3月の一部改良より前の個体です(2024年1月撮影)

Xの16インチタイヤは、ほかのタイプの17インチより側面(サイドウォール)が約11mm厚くなります。Xはスチールホイールにフルホイールキャップ、X以外の4タイプは17インチのアルミホイールです。車両重量はXが20kg軽い1,210kgです。

サスペンション(前がマクファーソン式、後ろが車軸式)、ブレーキ、L15D型1.5Lエンジン、パドルシフト付きの無段変速オートマチックは、XからZ+まで同じです。燃料タンクはどのタイプも40Lで、燃費はWLTCモード総合でXが16.4km/L、ZとZ+が16.2km/Lです。

スペアタイヤはどのタイプにも積まれておらず、代わりに応急パンク修理キットが付きます。ジャッキ、ジャッキハンドルバー、ホイールナットレンチは別売りで、標準で積まれている工具はマイナスドライバーとアイボルトです。

XとZの新車価格の差は約25万円

Xのメーカー希望小売価格は約215万円、Zは約240万円で、差は約25万円です。この約25万円で、パーセルカバー、リアセンターアームレスト、17インチのアルミホイール、コンビシートなどが付きます。表の買取相場は、カーセンサーのグレード別表(2026年9月更新)の値です。

グレード買取相場メーカー希望小売価格(2026年10月時点・消費税込み)年式型式
1.5 Z プラス ブラックスタイル150.1万円〜183.8万円2,580,600円令和7(2025)年03月〜5BA-DG5
1.5 Z ブラックスタイル135.2万円〜167.2万円2,483,800円令和7(2025)年03月〜5BA-DG5
1.5 Z プラス138.6万円〜166.8万円2,549,800円令和7(2025)年07月〜5BA-DG5
1.5 X133万円〜152.1万円2,149,400円令和7(2025)年07月〜5BA-DG5
1.5 Z108.4万円〜133.7万円2,398,000円令和7(2025)年03月〜5BA-DG5

決める順番は、Xにするかどうかから

注文の前に決めておくのは、16インチのXにするか、17インチのほかの4タイプにするかの1つです。パーセルカバーとリアセンターアームレストの有無、シートの表皮がファブリックかどうか、タイヤのサイズ、車両重量が、ここで一緒に決まります。

車中泊の道具は、注文書には出てきません。納車のあと、実際の荷室と窓を測りながらそろえられます。マットは長さ2,181mm、幅1,020mmに収まるものを選び、窓の目隠しは前後の窓の形に合わせて選びます。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのWR-Vのレビューで読めます。