BMW X3の日本仕様|20万円高いディーゼルは何が違う?

BMW X3(G45)M Sportのアルピン・ホワイトを斜め前方から見た外観
写真: Damian B Oh / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
左のシキが白紙の書類を両手で胸の前に持ち、眉を寄せてクラのほうを見ている。右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けてシキに問いかけている X3、いちばん安いガソリンの20 xDriveと何が違う?
シキが白紙の書類の束を片手に抱え、もう片方の手のひらを上に向けてクラへ差し出しながら話している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして聞いている 20dは20万円高く、最大トルクが90Nm大きく、燃費も2.7km/L良い
クラが白いマグカップを両手で持ったまま身を乗り出し、目を見開いて大きく口を開けて驚いている。シキは白紙の書類の束を片手で抱え、目を閉じて落ち着いた表情をしている え、20万円でそんなに違うの?ただ、アダプティブLEDヘッドライトはどちらにも付かない。オプションでも選べない
クラが片手を顎に当てて考え込み、もう片方の手で白いマグカップを持っている。シキは白紙の書類を両手で胸の前に持ち、真顔でクラを見て答えている 何から決めればいい?燃料から。軽油で困らないなら、次はヘッドライトが要るかどうか

X3のいちばん安い仕様は、ガソリンの20 xDriveで767万円です。次に安いのがディーゼルの20d xDriveで、787万円。20万円高いディーゼルのほうが、最大トルクは90Nm大きく、WLTCモード燃費は2.7km/L良くなります。

「せっかくX3を買うなら、ガソリンかディーゼルかより、M Sportにするかどうかのほうが大事では」と考えたくなるところです。ただ、装備・価格表で4通りを並べてみると、高い仕様を選んで増える装備は、灯火と足まわりと加飾だと分かります。運転支援と前席シートヒーターは、4通りとも標準です。

767万円から1,023万円まで、4通り

モデルライン価格(税込)消費税抜
X3 20 xDriveoriginal7,670,000円6,972,727円
X3 20d xDriveoriginal7,870,000円7,154,545円
X3 20d xDriveM Sport8,870,000円8,063,636円
X3 M50 xDriveー10,230,000円9,300,000円

M Sportというラインを選べるのは20dだけです。20 xDriveと20d originalにMスポーツ・サスペンションを付けたいときは、Mスポーツ・パッケージ(有償オプション)を選ぶことになります。

数値はBMWの装備・価格表(2026年8月以降生産・2026年8月19日現在)、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。この価格表は生産月ごとに更新されるので、契約する時期によって金額が変わります。

20万円高いディーゼルは、最大トルクが90Nm大きい

20 xDrive20d xDrive
エンジン型式B48B20PB47D20B
種類直列4気筒DOHCガソリン直列4気筒DOHCディーゼル
総排気量1,998cc1,995cc
最高出力140kW(190ps)/5,000rpm145kW(197ps)/4,000rpm
最大トルク310Nm/1,500〜4,000rpm400Nm/1,500〜2,750rpm
燃料/タンク無鉛プレミアム/65L軽油/60L
WLTCモード13.6km/L16.3km/L
市街地モード10.4km/L11.7km/L
車両重量1,890kg1,930kg

諸元表で2台を並べると、最高出力はほとんど変わらず、差が出ているのは最大トルクのほうです。どちらも最大トルクは1,500rpmで出始めます。ディーゼルは400Nmが2,750rpmまで続き、ガソリンは310Nmが4,000rpmまで続きます。回転を上げる前の1,500rpmの時点で、ディーゼルのほうが90Nm大きい力を出しています。合流や登り坂で、回転を上げなくても必要な力を得やすいのはディーゼルのほうです。

車重はディーゼルのほうが40kg重くなります。それでも最大トルクの差が90Nmあるので、車重1kgあたりの最大トルクもディーゼルのほうが大きくなります。48Vハイブリッドは両方に付き、モーターは8kW(11ps)/25Nmで、エンジンの310Nm・400Nmと比べると小さな数字です。

年1万km走るとして、WLTCモードで必要な燃料はガソリンが735リットル、ディーゼルが613リットルです。しかもガソリンは無鉛プレミアム、ディーゼルは軽油です。1リットルあたりの値段も違うので、年間の給油代の差は、量の差の122リットルに同じ単価を掛けた額より大きくなります。

クラ

ディーゼルって、信号待ちの音が気になるって聞くんだよね

シキ

トルクと燃費の数字から、音の大きさまでは分かりません。装備・価格表で比べられるのは、上の表の項目までです

クラ

そこは試乗で確かめるしかないか。20 xDriveと20dを同じ日に乗せてもらって、家の近くの信号で止まったときの音を比べてみる

アダプティブLEDヘッドライトが付くのは、887万円のM Sportから

装備20 xDrive20d original20d M SportM50
アダプティブLEDヘッドライト+コーナリング・ライトーー標準標準
Mスポーツ・サスペンションMスポーツ・パッケージのみMスポーツ・パッケージのみ標準ー
アダプティブMサスペンションーーー標準
Mスポーツ・ブレーキ(レッド・キャリパー)ーーー標準
Mスポーツ・ディファレンシャルーーー標準
Mライト・シャドー・ライン/Mドア・ミラーーーー標準
ルーフ・レールサテン・アルミニウムサテン・アルミニウムハイグロス・ブラックハイグロス・ブラック

M Sportにするかどうかを外装の違いで決めようとすると、見落とされやすいのがヘッドライトです。アダプティブLEDヘッドライトは、カーブに合わせて配光が動くヘッドライトで、767万円の20 xDriveと787万円の20d originalでは、オプションでも選べません。 帰りが遅くなる日に街灯の少ない山道を通るなら、887万円のM Sportを選ぶ理由はここにあります。

Mスポーツ・サスペンションと19インチだけなら、20 xDriveと20d originalにも付けられます。Mスポーツ・パッケージ600,000円(消費税抜545,455円)に、Mスポーツ・ステアリング、Mアルカンタラ+ヴェガンザ、ファインブラッシュ・アルミニウム・トリム、サテン・アルミニウム・ラインと一緒に入っています。

20d originalにこのパッケージの60万円を足した場合と、100万円高いM Sportを選んだ場合を比べると、差はアダプティブLEDヘッドライトと外装の色使い、そして40万円です。

高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシスト、アクティブ・クルーズ・コントロール、ステアリング&レーン・コントロール・アシストを含むドライビング・アシスト・プロフェッショナルは、いちばん安い20 xDriveにも付きます。パーキング・アシスト・プラス(サラウンド・ビュー、リモート3Dビュー、リバース・アシスト)、BMWヘッドアップ・ディスプレイ、BMWドライブ・レコーダーも全モデル標準です。

M50は直6で398ps。タイヤは前後でサイズが違う

BMW X3 M50(G45)を斜め前方から見た外観
写真: Alexander-93 — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

1,023万円のM50だけ、エンジンが直列6気筒2,997ccのB58B30Pに変わります。エンジン単体の最高出力は280kW(381ps)/5,500rpm、最大トルクは540Nm/1,900〜4,800rpmです。48Vモーターも13kW(18ps)/200Nmと大きくなり、システム合計では293kW(398ps)/580Nmになります。

モデルタイヤサイドウォールの高さ
20 xDrive/20d original225/60R18約135mm
20d M Sport245/50R19約123mm
M50(フロント)255/45R20約115mm
M50(リヤ)285/40R20約114mm

M50のリヤタイヤは285mm幅で、20 xDriveより60mm太くなります。サイドウォールの高さは、20 xDriveの約135mmに対して、M50のリヤは約114mmです。前後でサイズが違うので、前後を入れ替えるタイヤローテーションはできません。

M50のWLTCモード燃費は12.5km/Lです。システム合計398psに対して、20 xDriveとの差は1.1km/Lにとどまります。

クラ

M50は選ばないとして、M Sportの19インチにしたら乗り心地は変わる?

シキ

サイドウォールが高いほど、段差の衝撃をタイヤが吸収しやすくなります。表のタイヤのなかで高さがいちばんあるのは、18インチを履く20 xDriveと20d originalです

クラ

見た目は19インチのほうが好きなんだけどな。毎朝通る道はマンホールが多いから、Mスポーツ・パッケージの60万円はいったん見積もりから外して、18インチで試乗できるかをディーラーに聞いてみる

前席シートヒーターは4通りとも標準

シートは全モデル共通で、電動シート(運転席メモリー付)とスポーツシート、そして前席シートヒーターが標準です。いちばん安い767万円の20 xDriveでも、冬の朝に前席の座面と背もたれは温まります。

では、後席に家族を乗せる冬はどうでしょうか。リヤシートヒーターは標準では付きません。ベンチレーション(前席)、ステアリングヒーターと合わせた3点が、コンフォート・パッケージ176,000円にまとめられています。

全幅1,920mmは4通りとも同じ

項目全モデル共通
全長/全幅/全高4,755/1,920/1,660mm
ホイールベース2,865mm
最低地上高216mm
最小回転半径5.8m
ラゲージ・ルーム容量570L(後席折りたたみ時1,700L)
定員5名
駆動方式xDrive(4輪駆動)
トランスミッション電子油圧制御式8速AT
サスペンション前:ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット/後:マルチリンク

最低地上高は216mmあり、輪止めをまたぐときや段差で床下を擦りにくくなります。荷室は570Lで、後席を倒すと1,700Lまで広がります。

クラ

マンションの駐車場が機械式なんだよね。M Sportにすると幅が広がったりしない?

シキ

広がりません。寸法は上の表のとおり全モデル共通です。駐車場の幅の上限が全幅より狭ければ、どれを選んでも入りません

クラ

グレードを比べる前に、管理会社に上限を聞いておく。入らなかったら、車体の小さいBMW X1と比べ直すことになるし

現行型の買取相場は422万円から

カーセンサーの平均買取相場額は約210万〜480万円(2026年7月更新)です。X3は2004年から続くモデルで、一覧には先代・先々代のグレードが並びます。現行型(G45)で相場が出ているのは20d M Sportだけです。

グレード買取相場カーセンサー掲載の新車価格
20d xドライブ Mスポーツ ディーゼルターボ 4WD(3CA-12GR20)422.1万円〜480.4万円885.0万円

カーセンサーが併記する新車価格885万円は、2026年8月以降生産の装備・価格表にある887万円と2万円違います。装備・価格表は生産月ごとに改定されるので、同じ仕様でも契約した月によって価格が変わります。

燃料を決めてから、ヘッドライトを決める

最初に決めるのは燃料です。2.0Lエンジンを積む3つの仕様のうち、ガソリンエンジンは767万円の20 xDriveだけで、787万円の20d originalと887万円の20d M Sportはディーゼルです。燃料は納車後に変えられず、これから先の給油のたびに、無鉛プレミアムか軽油かを入れ続けることになります。

ディーゼルを候補から外す理由になるのは、ふだん給油するスタンドで軽油を入れにくいことか、ディーゼルの音や振動が気になることでしょう。どちらも当てはまらないなら、20 xDriveを選ぶ主な理由は、20万円安いことです。

ディーゼルに決めたら、次はアダプティブLEDヘッドライトが要るかどうかです。要るなら20d M Sportになり、20d originalに60万円のMスポーツ・パッケージを足す選び方は候補から外れます。要らないなら、パッケージを付けるかどうかは、19インチとMスポーツ・サスペンションに60万円を払うかどうかの判断になります。

M50だけは、この順番とは別に考えることになります。エンジンが直列6気筒で燃料はガソリンなので、ディーゼルに決めた人の候補には入りません。20d M Sportより136万円高い価格を、直6と398psに払うかどうかで決まる1台です。

同じ2.0Lディーゼルで全高の低いセダンがよければ、BMW 3シリーズ セダンにも320dがあります。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのBMW X3のレビューで読めます。

※価格・相場は執筆時点の情報です。実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。