アクア vs ヤリス ハイブリッド|遮音の装備が多いのはどちら?
エンジンもモーターも同じなら、アクアとヤリスって何が違うの?
遮音の装備は、アクアが全車標準で4点。ヤリスはフロントガラスの1点
狭い駐車場なら、小回りの利くヤリスでしょ?4.8mはG・Xの2WDだけ。Zに上げると5.1mになる
静けさも小回りも気になる。何から決めればいい?先に駐車場の広さ。4.8mが要らなければ、遮音はアクアのXから揃う アクアとヤリスのハイブリッドは、エンジンもフロントモーターも同じ型式です。それでも、遮音を名前に持つ装備が一覧に並ぶのはアクアのほうで、しかも全車標準です。車内の静けさに予算を使うなら、アクアです。
ヤリスには、最小回転半径4.8mというアクアにない数字があります。ただしこれはG・Xの2WDだけのもので、装備を求めてZを選ぶと5.1mになります。
「同じ1.5Lのハイブリッドなら、安いほうのヤリスで足りるのでは」。2台の見積もりを並べる前に迷うのは、たとえばこうしたところです。ヤリスにはガソリン車もありますが、この記事はハイブリッドどうしの比較です。
同じエンジンでも、分かれるのは遮音・タイヤ・シートヒーター
エンジンとフロントモーターは、型式も出力・トルクも同じです。分かれるのは、装備一覧に載る遮音の装備、タイヤのサイズ、シートヒーターを付けられる組み合わせの3つで、どれもあとから替えられません。
燃費はZ・2WDどうしで1.8km/L違い、電池もニッケル水素とリチウムイオンで分かれます。ただ、日々の使い勝手を変えるのは上の3つのほうなので、燃費と電池は判断の材料としては後で考えて構いません。
アクアは遮音の装備4点が全車標準
静けさで比べるときに見るのは、装備一覧の遮音の行です。アクアはフロントガラスに「高遮音性」と明記され、フードサイレンサー、ダッシュサイレンサー(室内・エンジンルーム)、フロアサイレンサーが全車標準で並びます。
| 装備 | アクア | ヤリス |
|---|---|---|
| ウインドシールドガラス | UVカット機能付グリーンガラス(高遮音性)/全車標準 | UVカット機能付グリーンガラス(合わせ)/全車標準 |
| フードサイレンサー | 全車標準 | 一覧表に記載なし |
| ダッシュサイレンサー(室内・エンジンルーム) | 全車標準 | 一覧表に記載なし |
| フロアサイレンサー | 全車標準 | 一覧表に記載なし |
| スタビライザー | 前後・全車標準 | 前後・全車標準 |
ヤリスのフロントガラスは「合わせ」までです。アクアの一覧表が同じ行に「高遮音性」と書いているのに対し、ヤリスは「合わせ」とだけ書かれています。サイレンサー類も一覧に載っていません。名前を挙げて書かれている遮音の装備は、アクアが4点、ヤリスが1点です。
名前が4つ並んでいても、どれくらい静かになるかまでは書いてないよね
厚みも材質も公表されていない。資料から言えるのは、載っている装備の数と、それがどのグレードに付くかまで
アクアの4点は、いちばん安いX(約250万円)にも付きます。ヤリスで装備の多いZ(約267万円)を選んでも、遮音の行はフロントガラス1点のままです。静けさに払う金額で比べると、アクアのXがいちばん安く済みます。
タイヤはZ・G・X・Uが185/65R15で、サイドウォールの高さは約120mmです。この4グレードは駆動方式でもサイズが変わらず、違いはホイールだけで、Zがアルミ、G・X・Uが樹脂フルキャップ付スチールです。GR SPORTだけは205/45R17です。ヤリスと違って2WDとE-Fourでインチが変わらないので、Z・G・X・Uのどれを選んでも標準タイヤの条件は同じです。
後席のセンターアームレストも、Z・G・X・Uに標準で付きます。ヤリスの装備一覧表に後席アームレストの記載はありません。週末に大人4人で長めに出かける家なら、後席に肘の置き場があるかどうかで差が出ます。
弱点はシートヒーターで、GR SPORT以外には標準で付きません。Zでも標準装備には入っておらず、62,700円の「合成皮革+コンフォートパッケージ」を足して初めて付きます。単体では選べません。
ヤリスの4.8mは、G・Xの2WDだけの数字

狭い駐車場や住宅街での切り返しが日常なら、候補はヤリスのG・X(2WD)です。最小回転半径4.8mは、アクアのどのグレードにもありません。
「ヤリスは小回りが利くと聞いたし、装備の揃ったZにしよう」。ここで見落とされやすいのは、4.8mがヤリス全体の数字ではないことです。同じヤリスでもZは5.1m、E-Fourも5.1mで、アクアはZ・G・X・Uが5.2m(GR SPORTは5.3m)です。4.8mが目当てなら、Zは候補から外れます。
G・X(2WD)のタイヤは175/70R14で、サイドウォールの高さは約123mmあります。両車の6通りのなかでいちばん厚く、路面の細かい凹凸をタイヤ側で吸収する余地がもっとも大きい構成です。燃費もXの2WDが36.0km/Lで、両車を通じて最良です。
| 車種・グレード | タイヤ | サイドウォール高さ |
|---|---|---|
| ヤリス G・X・U(2WD) | 175/70R14 | 122.5mm |
| アクア Z・G・X・U | 185/65R15 | 120.3mm |
| ヤリス Z、G・X・U(E-Four) | 185/60R15 | 111.0mm |
| アクア Z(オプション) | 195/55R16 | 107.3mm |
| ヤリス Z・U(オプション) | 185/55R16 | 101.8mm |
| アクア GR SPORT | 205/45R17 | 92.3mm |
※サイドウォール高さは断面幅×扁平率で求めた値です。
弱点は、この2グレードに快適装備がほとんど付かないことです。シートヒーターもステアリングヒーターもナノイーXもZだけの標準装備で、GとXにはオプションでも追加できません。Zに上げれば装備は揃いますが、そのかわり最小回転半径は5.1mに、タイヤは185/60R15に変わります。4.8mと厚いタイヤを取るか、快適装備を取るかは、ヤリスの中では両立しません。
雪が降るところだと4WDにしたいんだけど、G・XをE-Fourにしたら4.8mは残る?
E-Fourは5.1m。タイヤも185/60R15になる。4.8mと14インチの組み合わせは2WDだけ
じゃあ寒いところで4.8mを取ると、シートヒーターのない2WDになるんだ
ステアリングヒーターもZだけ。アクアのGなら、E-Fourに28,600円のパッケージを足すとどちらも付く。回転半径は5.2mになるけれど
シートヒーターの付き方は、2台で逆になっている
ヤリスはZに標準で、ほかのグレードにはオプションの設定がありません。アクアはZでもパッケージが要るかわりに、GのE-Fourなら28,600円で付けられます。冬の朝にシートやハンドルの冷たさを避けたい家なら、この違いで候補のグレードが変わります。
アクアのグレード別の装備は次のとおりです。
| 装備 | Z | G | X | U | GR SPORT |
|---|---|---|---|---|---|
| シート表皮 | 上級ファブリック | 上級ファブリック | 上級ファブリック | 上級ファブリック | AIRNUBUCK®+合成皮革 |
| 合成皮革+柄ファブリック | ★A | — | — | — | — |
| 運転席6ウェイパワーシート | ★A | — | — | — | — |
| 運転席シート上下アジャスター | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 |
| シートヒーター(運転席・助手席) | ★A | E-Fourのみ★B | — | — | 標準 |
| ステアリングヒーター | ★A | E-Fourのみ★B | — | — | 標準 |
| フロントセンターアームレスト | 標準 | 標準 | — | — | — |
| リヤセンターアームレスト | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 | — |
| ナノイーX | 標準 | 標準 | — | — | 標準 |
★Aは「合成皮革+コンフォートパッケージ」62,700円。合成皮革+柄ファブリックシート表皮、運転席6ウェイパワーシート、助手席シートバックポケット、助手席シートアンダートレイ、シートヒーター(運転席・助手席)、ステアリングヒーター、フタ付スクエアミラーのサンバイザーがひとまとめです。★Bは「コンフォートパッケージ」28,600円で、GのE-Fourだけに設定があります。中身は助手席シートアンダートレイ、助手席シートバックポケット、シートヒーター、ステアリングヒーター、サンバイザー。どちらも単体では選べず、Gの2WDにはシートヒーターの設定そのものがありません。
ヤリスのハイブリッドは次のとおりです。
| 装備 | Z | G | X | U |
|---|---|---|---|---|
| シート表皮 | 合成皮革+ツィード調ファブリック | ファブリック | ファブリック | ファブリック |
| フロントシート | ヘッドレストセパレート型 | ヘッドレスト一体型 | ヘッドレスト一体型 | ヘッドレスト一体型 |
| 運転席シート上下アジャスター | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 |
| シートヒーター(運転席・助手席) | 標準 | — | — | — |
| 3本スポークステアリング | 本革巻き(ヒーター付) | ウレタン | ウレタン | ウレタン |
| フロントソフトアームレスト | 標準 | 標準 | — | — |
| リヤセンターアームレスト | 一覧表に記載なし | — | — | — |
| ナノイーX | 標準 | — | — | — |
アクアでいちばん安く付けられるのはZの2WD+★Aで、2,920,500円です。雪道を考えてE-Fourにするなら、GのE-Four+★B(2,930,400円)が、ZのE-Four+★A(3,135,000円)より安く済みます。ヤリスHVでシートヒーターが欲しければ、Z(2WD 2,669,700円/E-Four 2,884,200円)を選ぶ以外にありません。
シートヒーターだけ欲しいのに、アクアのZだとパワーシートや合成皮革まで一緒に付いてくるんだ
いまのところ標準で付くのはGR SPORTだけ。ただし2WDしかなくて、表皮もAIRNUBUCK®+合成皮革に変わる
同じグレード名なら、アクアが約19万〜25万円高い
| グレード | アクア(2WD) | アクア(E-Four) | ヤリスHV(2WD) | ヤリスHV(E-Four) |
|---|---|---|---|---|
| Z | 2,857,800円 | 3,072,300円 | 2,669,700円 | 2,884,200円 |
| G | 2,687,300円 | 2,901,800円 | 2,445,300円 | 2,669,700円 |
| X | 2,497,000円 | 2,711,500円 | 2,249,500円 | 2,473,900円 |
| U(KINTO専用) | ※要確認 | ※要確認 | 2,310,000円 | 2,569,600円 |
| GR SPORT | 3,238,400円 | 設定なし | — | — |
Zどうしの差は18万8,100円です。アクアのU(KINTO専用)は公式に出ているのが月額だけで、諸元表・装備比較表・グレードページのいずれにも車両価格の記載がありません。ヤリスのUは2WDで2,310,000円と公表されています。
手放すときの相場は、カーセンサーの買取相場でアクアが14.6万〜236.0万円、ヤリスが57.2万〜150.6万円です。アクアは初代NHP10を含む集計で、下限は現行型の水準ではありません。ヤリスは2020年登場のモデルだけの集計で、母数は19件です。
下限だけ見ると、ヤリスのほうが値落ちしにくそうに見えるけど
アクアは初代を含む集計で、ヤリスは2020年登場のモデルだけ。世代の構成が違う2つの相場を並べても、値落ちを比べたことにはならない
エンジンとフロントモーターは同じで、車重と電池と減速比が違う
諸元表を並べてみると、エンジンとフロントモーターの行は1N·mも違いません。
| 項目 | アクア | ヤリス(HV) |
|---|---|---|
| エンジン型式 | M15A-FXE | M15A-FXE |
| 総排気量 | 1.490L | 1.490L |
| 最高出力 | 67kW(91PS)/5,500rpm | 67kW(91PS)/5,500rpm |
| 最大トルク | 120N·m/3,800〜4,800rpm | 120N·m/3,800〜4,800rpm |
| フロントモーター | 1NM|59kW・141N·m | 1NM|59kW・141N·m |
| リヤモーター(E-Four) | 1MM|4.7kW・52N·m | 1MM|3.9kW・52N·m |
| 動力用主電池 | ニッケル水素 5.0Ah | リチウムイオン 4.3Ah |
| 減速比(2WD) | 3.218 | 2.834 |
| 燃料タンク | 36L | 36L |
| 車両重量(Z・2WD) | 1,150kg | 1,090kg |
| WLTC燃費(Z・2WD) | 33.6km/L | 35.4km/L |
エンジンは同じでも、車重と電池と減速比は2台で別々です。Z・2WDどうしでアクアが1,150kg、ヤリスが1,090kg。電池はアクアがニッケル水素5.0Ah、ヤリスがリチウムイオン4.3Ahで、最終減速比もアクア3.218、ヤリス2.834です。
| 項目 | アクア | ヤリス |
|---|---|---|
| 全長 | 4,080mm | 3,950mm |
| 全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
| 全高 | 1,485mm[E-Four 1,505mm] | 1,495mm[E-Four 1,510mm] |
| ホイールベース | 2,600mm | 2,550mm |
| 室内(長/幅/高) | 1,830/1,425/1,190mm | 1,845/1,430/1,190mm |
| 最低地上高 | 140mm[155mm] | 145mm[160mm] |
| 最小回転半径 | 5.2m(Z・G・X・U) | Z 5.1m/G・X 4.8m[E-Four 5.1m]/U 5.1m |
| リヤサスペンション | トーションビーム[E-Fourはダブルウィッシュボーン] | トーションビーム[E-Fourはダブルウィッシュボーン] |
外が長いアクアのほうが、後ろの席も広いと思ってた
全長はアクアが130mm長い。でも室内長はヤリスが15mm長くて、室内幅も5mm広い
室内の広さは、この2台を選び分ける理由になりにくいところです。外寸と室内の長さが逆になる組み合わせは、カローラクロスとヤリスクロスにもあります。
リヤサスペンションの考え方は共通で、2WDがトーションビーム、E-Fourだけダブルウィッシュボーンです。左右の輪が別々に動くぶん、片輪だけ段差を踏んだときの揺れを後席に伝えにくいのはE-Fourのほうです。
16インチはどちらもオプションです。アクアZは2WDで39,600円、ヤリスZは82,500円(U 2WDは92,400円、U E-Fourは82,500円)で、どちらもサイドウォールは薄くなります。

駐車場の広さ、静けさ、シートヒーターの順に決める
見積もりを取る前に最初に確かめたいのは、ふだん停める駐車場や家の前の道で、切り返しに苦労しているかどうかです。苦労している場所が日常にあるなら、4.8mのヤリスG・X(2WD)が候補になり、装備を見る前に決まります。ヤリスはZに上げた時点で5.1mになるので、この条件を取ったらグレードは上げられません。
駐車場に余裕があるなら、次は車内の静けさです。遮音を名前に持つ装備を並べたいならアクアで、約250万円のXから付くので、そのために予算を上げる必要はありません。
最後がシートヒーターの要否です。要るなら、ヤリスはZの一択。アクアはZに★Aを足すか、GのE-Fourに★Bを足すか、標準で付くGR SPORT(2WDのみ・3,238,400円)を選ぶかの3通りで、Gで付けるなら駆動方式もE-Fourに決まります。
価格・装備・相場は執筆時点の情報です。装備と数値はトヨタの公式PDF(アクアは2026年7月版、ヤリスは諸元表が2026年4月版・装備比較表が2026年2月版)、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)にもとづきます。価格は税込のメーカー希望小売価格で、北海道・沖縄地区は異なります。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態や走行距離で変わります。