GLCの先代X253と現行X254|中古の世代はどこで見分ける?

左が先代メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4MATIC(X253・2022年)、右が現行GLC 220 d 4MATIC Core(X254)の外観
写真: Charles from Port Chester, New York / Tokumeigakarinoaoshima(Wikimedia Commons) ( CC0 1.0 ・2枚を左右に並置しトリミング・縮小。いずれもCC0の素材です)

中古のGLCを探すと、同じ「GLC 220 d 4MATIC」なのに年式で価格がまるで違います。世代が変わったのか、同じ世代の年次改良なのか。見分けるのは型式の2桁目です。「3DA-」なら先代、「3CA-」なら現行。 年式の表記より確実です。

「2023年式と書いてあるから、たぶん新しいほうの世代だろう」。物件を見比べていると、そう考えたくなるところです。ところが2023年式には、先代と現行が並んでいます。

中古情報に必ず載る型式、まず載らないMPコード

メルセデスは年式を「MPコード」というモデル識別コードで管理しています。ただし中古車情報には出てこないことが多く、物件を絞り込む材料にはなりません。車検証にも中古車情報にも必ず載るのは型式のほうです。

型式で世代を確定したら、次に個体差になる2つを見ます。ISG(マイルドハイブリッド)の有無と、AMGラインパッケージの有無です。後者はホイールが18インチか20インチかを決めます。

クラ

MPコードが分からない物件は、避けたほうがいいのかな

シキ

世代を決めるのは型式のほう。MPコードを確かめるのは、現行だと分かってから

型式の2桁目は、燃料の別とハイブリッドの有無を表す

国土交通省の識別記号の規則では、2桁目が「燃料の別+ハイブリッドの有無」を表します。Cは軽油でハイブリッド有、Dは軽油でハイブリッド無です。現行X254の220 dには先代になかった電動機(EM0023・定格10kW/最高17kW/205N·m)が載っていて、それが型式に出ています。カタログでISG(Integrated Starter Generator)と書かれているものです。記号の読み方そのものは型式の頭の記号の読み方にまとめました。

型式の数字の部分でも見分けられます。2539xxが先代、2546xxが現行です。

2023年式は、先代と現行が混在する

境目は2023年9月です。それより前が先代X253、以降が現行X254になります。年式だけを見て判断すると、世代を取り違えます。

新しい年式ほど諸元や装備がよくなるかというと、そうとは限りません。現行X254の新車価格は約2年で41万円上がっていますが(911.1万円→951.9万円)、諸元が変わらないまま価格だけ動いた期間があります。装備が変わったのはMP202601からMP202602への切り替わりで、ここで中間グレードのAMGライン相当がオプションから標準になりました。

年式ごとの型式と新車価格

GLC 220 dの年式と型式の推移。型式の2桁目がDからCに変わった時点が世代交代
年式グレード型式MP新車価格
2019年1月〜250 4マチック スポーツDBA-253946—729.0万円
2019年5月〜220 d ローレウス エディションLDA-253905C—717.0万円
2020年12月〜220 d ナイト エディション3DA-253915C—794.0万円
2021年5月〜220 d スポーツライン エディション3DA-253915C—741.0万円
2022年6月〜220 d AMGライン3DA-253915—834.0万円
2022年6月〜300 4マチック AMGライン5BA-253984—908.3万円
2023年9月〜220 d 4マチック(ISG)3CA-254605C—911.1万円
2024年3月〜220 d 4マチック(ISG)3CA-254605CMP202401911.1万円
2024年9月〜220 d 4マチック(ISG)3CA-254605CMP202402930.2万円
2025年3月〜220 d 4マチック(ISG)3CA-254605CMP202501939.9万円
2025年9月〜220 d 4マチック(ISG)3CA-254605CMP202502951.9万円

※新車価格はカーセンサー掲載のAMGラインパッケージ装着車の値です。

メルセデスの公式カタログは現行と直前のMPしか公開されていません。それ以前の年式について本記事が記載しているのは、型式・新車価格・買取相場に限られます。装備の詳細は販売店にご確認ください。

現行X254(3CA-254605C)にはISGが付き、最小回転半径は5.5m

電動機の有無で、世代はそのまま決まります。現行の220 dにはISGが付き、先代には付きません。定格10kW・最高17kW・205N·mで、発進時や加速の立ち上がりを補助する構成です。アイドリングストップからの再始動も電動機が担います。

エンジン本体で日常の走りに関わるのは、出力やトルクの絶対値よりも、それが出る回転数のほうです。

項目数値
最高出力145kW(197PS)/3,600rpm
最大トルク440N·m/1,800〜2,800rpm
ISG(EM0023)定格10kW/最高17kW/205N·m
車両重量1,930kg(Core)/1,970kg(Sports)

440N·mが1,800rpmから出ます。一般道の巡航回転数がこの領域に入るので、加速のたびに大きく回転を上げなくても、最大トルクが出る回転数に達する構成です。車重1,930kgに対して1kgあたり約0.23N·m。同じメルセデスのGLA 200 d(320N·m・1,730kg)が約0.19N·mなので、重いにもかかわらずトルクの余裕は大きい計算になります。

クラ

1,800回転って、街なかを走っているときの回転数なのかな

シキ

メーターの針がどこを指すかは、諸元表からは言えない。書いてあるのは、440N·mが1,800から2,800まで続くことだけ

静粛性の装備は、いちばん安いCoreから入っています。主要装備表の「熱反射・ノイズ軽減ガラス」はCore・Sportsとも標準装備です。ガラスに関しては、Coreを選んでもSportsと同じものが付きます。

最小回転半径を縮めるのは、グレードではなくオプションです。ドライバーズパッケージ(526,000円)にAIRMATICサスペンションとリア・アクスルステアリングが含まれ、5.5mから5.1mへ0.4m縮みます。

項目標準ドライバーズパッケージ装着時
最小回転半径5.5m5.1m
全高1,640mm1,635mm
最低地上高180mm175mm
WLTC燃費18.1km/L18.0km/L

5.1mは、全長4,180mmのヤリスクロス(5.3m)より小さい値です。駐車場での切り返しに苦労しているなら、Sportsを選ぶより、ドライバーズパッケージを付けるほうが最小回転半径は縮みます。ただし全幅1,890mmは、オプションでは変わりません。

同じCoreでも、タイヤは18インチと20インチに分かれる

乗り心地と取り回しが変わる装備の差。Coreはアバンギャルドラインなら18インチ、AMGライン装着で20インチになる
仕様タイヤホイール扁平率
Core(アバンギャルドライン)235/60R1818インチ60
Core(AMGラインパッケージ装着)255/45R2020インチAMG45
Sports255/45R2020インチAMG45

装備表で18インチと20インチが分かれるのは、グレード名ではなくAMGラインパッケージ(775,000円)のほうです。同じ「GLC 220 d 4MATIC Core」でも、これを付けるとタイヤが18インチから20インチに変わります。サイドウォールは235/60R18の約141mmから255/45R20の約115mmへ薄くなり、路面からの入力をタイヤが吸収する余地が小さくなります。装備表には「AMGラインパッケージ非装着時にアバンギャルドラインエクステリア/18インチアルミホイール(R41)が装備されます」と明記されています。

クラ

グレード名が同じなら、足まわりも同じだと思ってた

シキ

中古では、同じCoreで18インチと20インチの個体が並ぶ。写真のホイールを数えるより、装備欄でAMGラインパッケージを探すほうが早い

先代X253(3DA-2539xx)にISGはなく、ガソリンの300 4マチックがある

先代の220 dは3DA、つまりハイブリッドなしです。発進時の電動アシストはありません。

一方で、現行にはない位置づけのグレードがあります。5BA-253984(300 4マチック)というガソリン車です。5BAは「ガソリン・ハイブリッドなし」を表します。現行X254のラインアップに同じ位置づけの車はなく、代わりに5LA-254656(350 e)というプラグインハイブリッドが置かれています。5LAのLは「ガソリン・電気」です。ガソリンモデルは、電動機なしからプラグインハイブリッドに変わりました。

WLTC燃費は現行の220 d Coreで18.1km/Lですが、先代の公式諸元は本記事では確認できていません。燃費で世代を比べたい場合は販売店にご確認ください。

MP202602への切り替えで、同等装備なら約42万円安くなった

直近の切り替わりは、価格だけの改定ではありません。この2世代は公式のData Informationが公開されているので、装備やオプションまで比べられます。

MP202601MP202602
GLC 220 d 4MATIC Core(ISG)8,270,000円Core(ISG)8,290,000円
GLC 220 d 4MATIC(ISG)8,850,000円Sports(ISG)9,200,000円
GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star 10,330,000円10,360,000円
Mercedes-AMG GLC 43 4MATIC 12,290,000円12,320,000円
Mercedes-AMG GLC 63 S E PERFORMANCE 18,400,000円18,440,000円
—AMG GLC 43 Edition Night Carbon 15,100,000円(追加)

中間グレードが「GLC 220 d 4MATIC」から「Sports」に改称され、885万円から920万円へ35万円上がりました。ただしオプション表まで並べてみると、値上げとは逆の数字が出てきます。MP202601では中間グレードにAMGラインパッケージが767,000円のオプションとして設定されていましたが、MP202602ではSportsにこのオプションの設定がありません(Coreには775,000円で残っています)。

金額
MP202601:車両8,850,000円+AMGラインパッケージ767,000円10,017,000円
MP202602:GLC 220 d 4MATIC Sports9,200,000円
差額▲417,000円

車両価格だけを見れば35万円の値上げですが、AMGライン相当を付けた総額では約42万円下がっています。

クラ

値上げしたのに安くなるって、どういうこと?

シキ

オプションだったものが標準装備になった。同じ装備にそろえてから比べると、下がる

機械的な諸元は新旧で完全に同一です。車両型式3CA-254605C、654M型1,992cc、197PS、440N·m、タンク62L。変わったのは標準装備とオプションの分け方と、それに伴う車両重量(1,930kg → 1,970kg)だけです。

世代交代で変わったのは、内装の質感とトランスペアレントボンネットとISG

現行X254について、メルセデス・ベンツ日本のプレスリリースは「初のフルモデルチェンジ」と明記しています。発表は2023年3月16日、納車は3月下旬から。先代X253の日本発売が2016年2月8日ですから、7年ぶりの全面刷新です。

公式リリースが挙げているのは、この3つです。

  • リアルウッドインテリアトリムや本革を採用した質感の高いインテリア
  • トランスペアレントボンネット(オフロード性能の向上)
  • ISG(Integrated Starter Generator)による電動化

トランスペアレントボンネットは、カメラ映像でボンネット下の路面を車内のディスプレイに映す機能です。先代のプレスリリースには出てきません。先代(2016年)のリリースで挙がっていたのは「短いオーバーハングにスポーティでダイナミックな最新のメルセデスデザイン」「クーペのようなルーフラインと長いホイールベース」といった意匠と、空力性能のCd値0.31でした。

大きくなったのは全長だけで、小回りはむしろ利く

先代X253と現行X254の外形寸法比較。全長は60mm伸びたが全幅は1,890mmのまま、最小回転半径はむしろ小さい
項目先代 X253現行 X254差
全長4,660mm4,720mm+60mm
全幅1,890mm1,890mm変わらず
全高1,645mm1,640mm−5mm
最小回転半径5.7m5.5m−0.2m

全長は60mm伸びて4,720mmになりましたが、全幅は1,890mmのままです。最小回転半径はむしろ5.7mから5.5mへ0.2m小さくなっています。日本の駐車環境で問題になりやすいのは全幅と取り回しですが、どちらも世代が変わって悪化していません。

※X253の数値はGLC 250 4MATIC(2016年発売時)、X254の数値はGLC 220 d 4MATIC Coreのものです。グレードが異なるため厳密な同条件比較ではありません。またX253は発売後にマイナーチェンジを受けており、後期型の数値は本記事では確認していません。

価格帯そのものも上がっています。

世代グレード発売時期価格
先代X253GLC 250 4MATIC2016年2月6,280,000円
現行X254GLC 220 d 4MATIC Core2026年(MP202602)8,290,000円

いちばん安いグレードどうしで約200万円の差ですが、先代は2.0Lガソリン211PS、現行は2.0LディーゼルISG付197PS。エンジンもグレード構成も違うので、単純な値上げ幅としては読めません。

外観写真

先代X253

先代メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4MATIC(X253・2022年)を斜め前から見た外観
先代 GLC 220 d 4MATIC(X253・2022年・AMGライン装着車)/写真: Charles from Port Chester, New York — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

現行X254

現行メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4MATIC Core(X254)を前から見た外観
現行 GLC 220 d 4MATIC Core(X254)/写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC0 1.0)

フロントグリルの造形とヘッドライトの形状が変わっているのは分かります。ただしこの2枚は装備グレードが違います。先代はAMGライン装着車、現行はCore。AMGラインの有無でグリルやバンパーの意匠は変わるので、この2枚だけで世代差とグレード差は切り分けられません。同一グレード同士で見比べたい場合は、メルセデス・ベンツ正規販売店の展示車や公式サイトの車種ページでご確認ください。

買取相場

年式型式新車価格買取相場残価率の目安
2022年6月〜(先代)3DA-253915834.0万円323.0万〜422.5万円約39〜51%
2020年12月〜(先代)3DA-253915C794.0万円303.2万〜390.0万円約38〜49%
2023年9月〜(現行)3CA-254605C911.1万円390.7万〜445.6万円約43〜49%
2024年3月〜(現行)3CA-254605C911.1万円450.5万〜541.0万円約49〜59%
2025年3月〜(現行)3CA-254605C939.9万円479.4万〜576.4万円約51〜61%

現行世代のほうが残価率は高く出ています。ただし表の中でも年式が新しいほど数字が上がっており、世代の差だけによるものとは言い切れません。買取相場はカーセンサーネット掲載物件をもとにした集計値で、実際の査定額は装備・状態・走行距離によって変わります。

クラ

現行のほうが高く売れるなら、多少高くても現行にしたほうが得ってこと?

シキ

残価率の差が世代によるものか年式によるものかは、この表からは切り分けられない。言えるのはそこまで

物件を見る順番は、型式、ホイールサイズ、MPコード

最初に見るのは型式の頭3文字です。「3DA-」なら先代、「3CA-」なら現行。ここで世代が決まり、ISGの有無も同時に決まります。年式の欄で判断しようとすると、2023年式で両世代が混ざるので決まりません。

世代を決めたら、次はホイールのサイズです。同じCoreでも18インチと20インチの個体があり、扁平率は60と45。サイドウォールの厚みは約141mmと約115mmで違います。乗り心地を重く見るなら、AMGラインパッケージ非装着の18インチを探すことになります。

現行を買うなら、最後にMPコードを確かめます。MP202602以降は「Sports」という名前で、AMGライン相当が標準です。それ以前の中間グレードはAMGラインがオプションだったため、同じ「GLC 220 d 4MATIC」でも個体ごとに装備が違います。

新車で価格を抑えるなら、CoreがMP202601で827.0万円、MP202602で829.0万円と2万円しか上がっていません。Sportsとの差は91万円で、その中身はAMGライン相当の装備です。CoreとSportsの装備差はGLC vs GLC Coupéでも触れています。GLA・GLB・GLCの車種間の違いはメルセデス GLA・GLB・GLCのグレードと年式の違いにまとめました。

※価格・装備・相場は執筆時点の情報です。数値はメルセデス・ベンツ日本の「GLC Data Information」(MP202601版・MP202602版)とプライスリスト(2026年8月7日時点)、カーセンサーの買取相場(2026年7月更新)、国土交通省の識別記号資料にもとづきます。