プログレとブレビス|外寸の大きいブレビスは室内も広いか?

トヨタ プログレ NC250(JCG10)の前方からの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons ( CC0 ・写真の個体の年式は特定していません)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラがシャンパン色と銀色のセダン模型を見比べ、シキも一緒に考えている ブレビスのほうが大きいなら、中も広い?
シキが2台のセダンの外寸とホイールベースを図で説明している 幅は2cm違う。でも前後の車輪の間隔は同じ
クラが並んだ2脚のシートの肘まわりを示し、シキが室内図を確認している 比べたグレードの室内幅はプログレが1cm広い
シキとクラが販売店で銀色のセダンのドア開口部と着座位置を確かめている 車庫を確かめたら、いつもの人と座ろう

プログレより少し大きいブレビス。でも、前輪と後輪の間隔は変わっていません。

発売時の代表諸元で比べると、全幅はプログレの1,700mmに対し、ブレビスが1,720mm。全長も5cm伸びています。それでもホイールベースは、どちらも2,780mmです。

大きいほうを選べば、室内にもそのまま余裕が増えるのでしょうか。この2台は、外寸だけで答えを出すと見誤ります。

2cm広く、5cm長いブレビス

プログレは1998年5月14日、ブレビスは2001年6月4日に発売されました。トヨタ75年史は、ブレビスをプログレから派生した高級4ドアセダンと説明しています。

比較するのは、それぞれの発売時の代表グレードです。同じ年の2台ではなく、プログレの登場時とブレビスの登場時を並べています。

項目プログレ NC250プログレ NC300ブレビス Ai250・2WDブレビス Ai300・2WD
発売年月1998年5月1998年5月2001年6月2001年6月
車両型式GF-JCG10-AEPVFGF-JCG11-AEPZFTA-JCG10-CEAVHTA-JCG11-CEAZH
全長4,500mm4,500mm4,550mm4,550mm
全幅1,700mm1,700mm1,720mm1,720mm
全高1,435mm1,435mm1,460mm1,460mm
ホイールベース2,780mm2,780mm2,780mm2,780mm
車両重量1,460kg1,480kg1,520kg1,550kg
エンジン型式1JZ-GE2JZ-GE1JZ-FSE2JZ-FSE
排気量2,491cc2,997cc2,491cc2,997cc
エンジン配置直列6気筒・縦置き直列6気筒・縦置き直列6気筒・縦置き直列6気筒・縦置き

出典はトヨタ自動車75年史の代表諸元。後年の改良型や4WDは、この表に含めていません。

クラ

幅が2cm違うって、駐車場では気にするほど?

シキ

同じ位置に真ん中を合わせて停めれば、片側では1cmずつの差になる

クラ

それなら、運転席側に壁があるか、柱があるかのほうも見たいね

車庫で車体の横に残る隙間は、ブレビスのほうが左右合計で2cm少なくなります。幅に余裕がある場所なら、この数字だけで候補から外すほどではないと思います。ただ、すでにドアの開け幅がぎりぎりなら、その1cmもドアを開けるのに使う幅です。

駐車場所の幅と車体の幅を比べるだけでなく、普段どちら側に寄せて停めるかまで考えると、差の意味がはっきりします。

トヨタ ブレビス Ai250(TA-JCG10)を斜め前から見た外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小。写真の個体の年式は特定していません)

外幅が広いほうの、室内幅が狭い

室内寸法まで並べると、外側の2cmとは逆の差が出ます。

1998年5月発売のプログレ NC300 ウォールナットパッケージと、2001年6月発売のブレビス Ai250について、トヨタ認定中古車カタログには次の数値が載っています。

項目プログレ NC300 ウォールナットパッケージブレビス Ai250
室内長1,950mm1,990mm
室内幅1,465mm1,455mm
室内高1,165mm1,180mm
最小回転半径5.1m5.1m

ブレビスは外幅が2cm広いのに、ここで比べた室内幅は1cm狭い。

室内長は4cm長く、室内高は15mm高いので、すべてが狭いわけではありません。ただし、全幅の増加をそのまま横方向のゆとりとして受け取ることはできません。

シキ

室内長と室内高なら、ブレビスの数字が大きい

クラ

僕は隣の人と肘が当たるかが気になる。長さが増えても、そこは別だよね

シキ

そう。室内寸法だけでは、肘掛けを使ったときの間隔までは分からない

前席に2人で座るなら、シート位置をそれぞれ合わせてから肘周りを見る。後席を使うなら、前席を普段の位置にしたうえで膝前を見る。この順で確かめたい2台です。室内長の差が、そのまま後席の足元の差になるとは限りません。

短い全長に、長いホイールベースを収めたプログレ

プログレが開発時に掲げたのは「小さな高級車」。トヨタ75年史によると、2代目アリストや10代目クラウンなどとプラットフォームを共有しています。

4.5mの全長に対して、前後の車軸間は2.78m。ブレビスはホイールベースを伸ばさず、全長を4.55mにしています。差の5cmは、前後の車軸より外側にある長さの合計が増えた分です。車体が長くなっても、車輪の間隔まで伸ばしたわけではありません。

小回りについても、先ほどの2グレードは最小回転半径が5.1mで一致します。「ブレビスは少し長いから、それだけ大回りになる」とは読めない組み合わせです。一方、曲がるときの車体の張り出しまで同じとはいえず、狭い入口での扱いやすさを5.1mだけで決めるのも早計でしょう。

プログレの静粛性と乗り心地について、トヨタ75年史はクラウンなどの高級車と遜色のない水準を確保したと説明しています。車を短くすることと、快適さを抑えることを同義にはしていなかったのです。

足回りプログレ NC300 ウォールナットパッケージブレビス Ai250
駆動方式FRFR
前後サスペンションダブルウィッシュボーン式コイルスプリングダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
前後タイヤ195/65R15 91H205/55R16 89V
タイヤ側面の高さ・寸法上の計算値約127mm約113mm

ただし、同じホイールベースだから同じ乗り心地、という話でもありません。上の2グレードは前後ともダブルウィッシュボーンですが、タイヤはプログレが15インチ、ブレビスが16インチ。寸法上のタイヤ側面の高さは約14mm違います。サスペンションの形式名が同じでも、足回りの仕様まで同じではありません。

中古車の年式・型式に合った諸元で比べる

この比較は発売時同士なので、エンジン型式もプログレのGE系とブレビスのFSE系に分かれています。中古車を見つけたときは、車名だけで上の表を当てはめず、購入候補の年式・型式に対応する諸元を使ってください。

そのうえで駐車場所に収まるかを見て、最後にいつも乗る人で席を合わせる。外寸ではブレビスのほうが大きくても、欲しい場所の余裕が増えるとは限らないからです。

クラ

車庫に入るのを確かめたら、次は2人で座る。小さいほうで狭く感じなければ、それでいいんだ

シキ

逆に、長さや高さの余裕が欲しければ、ブレビスを確かめる理由になるね