軽トラキャンパーのハイゼット vs キャリイ|荷台の寸法に差はあるか?

左がダイハツ ハイゼットトラック ジャンボエクストラ2WD(3BD-S500P-ZBGF)、右がスズキ スーパーキャリイ Xリミテッド(3BD-DA16T)の前方からの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima(ハイゼット)/ 先従隗始(キャリイ)/ Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・2枚を左右に並置し縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手のひらを上に向けて、目を細めて楽しそうに問いかけている。シキは白紙の書類の束を胸に抱え、眉を寄せた真顔でクラを見ている ハイゼットとキャリイ、荷台はどっちが広いの?
シキが白紙を1枚、胸の前でクラに見せながら、きりっとした顔で説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、口を結んで真剣に聞いている 荷台長1,940mm、荷台幅1,410mm、積載350kg。同じです
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をポケットに入れて、眉を下げて心配そうに問いかけている。シキは白紙の書類の束を両手で体の前に持ち、眉を寄せた真顔で聞いている じゃあ何で選ぶの?最大トルクが出る回転数と、価格です
シキが白紙の書類を片手で胸に抱え、目を細めて微笑んでいる。クラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をポケットに入れて、口を開けて明るく笑っている キャビンを載せて坂を登るなら、3,500rpmのキャリイです載せられるキャビンの寸法は同じなんだね

軽トラキャンパーは、軽トラックの荷台にキャビン(寝起きするための居住部)を載せたタイプです。ベース車に選べるのは、国内では事実上、ダイハツ ハイゼットトラックとスズキ キャリイの2台です(OEM供給の関係を除く)。

そして、載せられるキャビンの寸法を決める数字は、2台で同じです。荷台長1,940mm、荷台幅1,410mm、最大積載量350kg。 架装できるキャビンの寸法を理由に、どちらかを選ぶことにはなりません。

「せっかく買うなら、広いキャビンを載せられるほうにしたい」。そう思って諸元表を並べても、差のある項目がありません。

差が出るのは、トルクの出る回転数・燃費・車両価格です

架装(荷台にキャビンを組み付けること)をすると、車重は数百kg増えます。その状態で坂を登り、燃料を入れる場面で差になるのが、最大トルクの発生回転数とWLTC燃費(市街地・郊外・高速道路を合わせたカタログ値)です。もうひとつ、架装に使える金額を決めるのが、いちばん安いグレードの価格です。

全長・全幅・最大積載量・最小回転半径は、軽トラックの規格の枠内で両社の設計が同じ値になっていて、比べても違いがありません。見落とされやすいのは、キャビンの寸法ではなく、キャビンを載せて走る場面のほうです。

同じ値が4項目、違いは3項目でいずれも10mm以内です

荷台長・荷台幅・最大積載量・最小回転半径の4つは、まったく同じ値です。諸元表に並ぶ寸法で違うのは、荷台高(285mmと290mm)、荷台床面地上高(660mmと650mm)、ホイールベース(1,900mmと1,905mm)の3つで、いずれも差は10mm以内です。軽トラックという規格の範囲で、両社の設計が似た内容になったと読めます。

荷台床面が10mm低いのはキャリイです

キャビンを載せると、荷台床面の高さが、そのままキャビンの床の高さになります。650mmのキャリイのほうが、出入りの一歩を10mmぶん低い位置から踏み出せます。ただし最低地上高はどちらも160mmで、未舗装路での走破性の差にはなりません。

クラ

10mmって、毎日の出入りで気づくものなのかな

シキ

感じ方までは分かりません。数字で言えるのは、キャビンの床面の地上からの高さが10mm違うところまでです

クラ

じゃあ実車のあるお店で、実車で床面に足をかけてみるのが早そうだね。背の低い家族が乗り降りするかどうかでも、感じ方は変わりそうだし

キャブを広げると、ジャンボは290mm、スーパーキャリイは460mm荷台が短くなります

荷台長を短くして運転席まわりを広げた仕様は、ダイハツが「ジャンボ」、スズキが「スーパーキャリイ」の名前で用意しています。荷台長はジャンボが1,650mm、スーパーキャリイが1,480mm。標準の1,940mmから、それぞれ290mmと460mm短くなります。荷台長を短くした寸法ぶん運転席の後ろが広がるので、キャブの空間を優先するならスーパーキャリイです。全高はどちらも1,885mmで、標準の1,765mmより120mm高くなります。

乗り心地は、諸元表からは決められません

サスペンションは両車とも、フロントがマクファーソンストラット系のコイルスプリング、リヤがリーフスプリングの車軸式です。表記はハイゼットトラックが「L型ロアアーム&マクファーソン・ストラット式コイルスプリング」、キャリイが「マクファーソンストラット式コイルスプリング」と細かさが違いますが、基本構成は同じ系統です。ばね定数は両社とも公表していません。

全長も全幅も同じで、ホイールベースが5mm違います

項目ハイゼットトラック(標準)キャリイ(標準)
全長3,395mm3,395mm
全幅1,475mm1,475mm
ホイールベース1,900mm1,905mm
荷台長1,940mm1,940mm
荷台幅1,410mm1,410mm
荷台高285mm290mm
荷台床面地上高660mm650mm
最低地上高160mm160mm
最大積載量350kg350kg
最小回転半径3.6m3.6m
エンジン型式KF型R06A型
総排気量0.658L0.658L
最高出力34kW(46PS)/5,70037kW(50PS)/6,200
最大トルク60N·m(6.1kgf·m)/4,00059N·m(6.0kgf·m)/3,500
WLTC燃費(2WD・CVT)16.5km/L18.7km/L

数値はダイハツ「ハイゼット トラック 主要諸元表」とスズキ「キャリイ/スーパーキャリイ 主要装備・主要諸元」(いずれも2026年執筆時点)、価格は両社の公式価格ページ、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)によります。価格・仕様は改良で変わるため、購入前には販売店で最新の資料をご確認ください。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。

キャリイ|最大トルクを3,500rpmで出します

キャンパーを載せて走るなら、キャリイです。 違いが出るのは最大トルクの発生回転数で、59N·mを3,500rpmから出します。ハイゼットトラックは60N·mを4,000rpm。トルクの値そのものは1N·mしか違わないので、この数字だけでは、どちらが有利とは言えません。差になるのは、最大トルクが出る回転数が500rpm低いことです。数百kgのキャビンを載せて坂を登るとき、そこまでエンジンを回さずに済みます。

WLTC燃費は、2WD・CVT同士でキャリイが18.7km/L、ハイゼットトラックが16.5km/Lで、差は2.2km/Lです。最高出力はキャリイが50PS、ハイゼットトラックが46PS。走りに関わる数字でハイゼットトラックが上回るのは、最大トルクの値の1N·mだけです。

クラ

燃費も出力もキャリイのほうが大きいなら、もう決まりじゃない?

シキ

カタログ値は、架装する前の車体で測った数字です。キャビンを積んだあとの燃費ではありません

弱点は車両価格です。いちばん安いKCが1,172,600円で、ハイゼットトラックのスタンダードより約8万円高くなります。カーセンサーの買取相場は11.1万円〜152.3万円です。

キャリイのグレード価格(税込・2WD・5MT)
KC1,172,600円〜
KX1,350,800円〜
KC農繁(4WDのみ)1,360,700円〜
スーパーキャリイ L1,291,400円〜
スーパーキャリイ X1,459,700円〜

ハイゼットトラック|いちばん安いグレードが1,094,500円です

スタンダードが1,094,500円で、2台のうちいちばん安い車両価格です。架装の費用に予算を回したいなら、車両で約8万円を抑えられます。

選べるグレードも多く、農用スペシャルからジャンボまで6つあります。ジャンボの荷台長は1,650mmで、スーパーキャリイの1,480mmより170mm長く残ります。キャブ後方の空間と荷台長の両方を欲張るなら、ジャンボです。

ハイゼットトラックのグレード価格(税込・2WD)
スタンダード1,094,500円〜
ハイルーフ1,111,000円〜
スタンダード“農用スペシャル”1,254,000円〜(4WDのみ)
エクストラ1,309,000円〜
ジャンボ スタンダード1,259,500円〜
ジャンボ エクストラ1,419,000円〜

荷台床面地上高660mmは、キャリイより10mm高い位置にあります。荷台の下に潜って作業する使い方なら、その10mmぶん頭上が広くなります。

買取相場は14.7万円〜147.5万円です。キャリイの11.1万円〜152.3万円と比べると、下限はハイゼットトラックが3.6万円高く、上限はキャリイが4.8万円高い。カーセンサーの相場ページに並ぶ「(7件)」「(3件)」は査定満足度の評価件数で、掲載台数ではありません。

シキ

この相場は、どちらが高く売れるかの答えにはなりません

クラ

幅が広すぎるから?

シキ

掲載されている物件を集計した値だからです。状態も走行距離も地域も混ざっています

クラ

じゃあ売るときの値段は選ぶ理由から外しておく。いま払う金額と、載せたいキャビンの寸法で決めるね

決める順番は、坂を登るか・キャブの広さ・予算です

架装できるキャビンの寸法が同じなので、迷うところは3つに絞れます。

最初に決めるのは、坂を登る機会があるかどうかです。キャンパーを載せて坂を登るなら、キャリイ。3,500rpmから最大トルクが出る構成も、18.7km/Lの燃費も、あとから買い足せません。エンジンと変速機は架装では変えられないので、ここを後回しにすると、買ったあとでは直せません。

次がキャブの後ろの空間です。ここを広げると荷台が短くなり、載せられるキャビンも短くなります。荷台長を残したいならジャンボの1,650mm、運転席の後ろを優先するならスーパーキャリイの1,480mm。標準の1,940mmのままでよければ、この項は飛ばして構いません。

予算は最後です。坂とキャブが決まっていれば、あとは車両価格と架装費用の配分だけが残ります。坂を登る機会もなく、キャブ後方の広さも要らないなら、1,094,500円のハイゼットトラック スタンダードで足ります。

軽自動車ベースの車中泊比較は軽キャンパーのベース車両比較、8ナンバー登録の要件は8ナンバー(キャンピング車)の構造要件もどうぞ。