軽トラキャンパーのハイゼット vs キャリイ|荷台の寸法に差はあるか?
ハイゼットとキャリイ、荷台はどっちが広いの?
荷台長1,940mm、荷台幅1,410mm、積載350kg。同じです
じゃあ何で選ぶの?最大トルクが出る回転数と、価格です
キャビンを載せて坂を登るなら、3,500rpmのキャリイです載せられるキャビンの寸法は同じなんだね 軽トラキャンパーは、軽トラックの荷台にキャビン(寝起きするための居住部)を載せたタイプです。ベース車に選べるのは、国内では事実上、ダイハツ ハイゼットトラックとスズキ キャリイの2台です(OEM供給の関係を除く)。
そして、載せられるキャビンの寸法を決める数字は、2台で同じです。荷台長1,940mm、荷台幅1,410mm、最大積載量350kg。 架装できるキャビンの寸法を理由に、どちらかを選ぶことにはなりません。
「せっかく買うなら、広いキャビンを載せられるほうにしたい」。そう思って諸元表を並べても、差のある項目がありません。
差が出るのは、トルクの出る回転数・燃費・車両価格です
架装(荷台にキャビンを組み付けること)をすると、車重は数百kg増えます。その状態で坂を登り、燃料を入れる場面で差になるのが、最大トルクの発生回転数とWLTC燃費(市街地・郊外・高速道路を合わせたカタログ値)です。もうひとつ、架装に使える金額を決めるのが、いちばん安いグレードの価格です。
全長・全幅・最大積載量・最小回転半径は、軽トラックの規格の枠内で両社の設計が同じ値になっていて、比べても違いがありません。見落とされやすいのは、キャビンの寸法ではなく、キャビンを載せて走る場面のほうです。
同じ値が4項目、違いは3項目でいずれも10mm以内です
荷台長・荷台幅・最大積載量・最小回転半径の4つは、まったく同じ値です。諸元表に並ぶ寸法で違うのは、荷台高(285mmと290mm)、荷台床面地上高(660mmと650mm)、ホイールベース(1,900mmと1,905mm)の3つで、いずれも差は10mm以内です。軽トラックという規格の範囲で、両社の設計が似た内容になったと読めます。
荷台床面が10mm低いのはキャリイです
キャビンを載せると、荷台床面の高さが、そのままキャビンの床の高さになります。650mmのキャリイのほうが、出入りの一歩を10mmぶん低い位置から踏み出せます。ただし最低地上高はどちらも160mmで、未舗装路での走破性の差にはなりません。
10mmって、毎日の出入りで気づくものなのかな
感じ方までは分かりません。数字で言えるのは、キャビンの床面の地上からの高さが10mm違うところまでです
じゃあ実車のあるお店で、実車で床面に足をかけてみるのが早そうだね。背の低い家族が乗り降りするかどうかでも、感じ方は変わりそうだし
キャブを広げると、ジャンボは290mm、スーパーキャリイは460mm荷台が短くなります
荷台長を短くして運転席まわりを広げた仕様は、ダイハツが「ジャンボ」、スズキが「スーパーキャリイ」の名前で用意しています。荷台長はジャンボが1,650mm、スーパーキャリイが1,480mm。標準の1,940mmから、それぞれ290mmと460mm短くなります。荷台長を短くした寸法ぶん運転席の後ろが広がるので、キャブの空間を優先するならスーパーキャリイです。全高はどちらも1,885mmで、標準の1,765mmより120mm高くなります。
乗り心地は、諸元表からは決められません
サスペンションは両車とも、フロントがマクファーソンストラット系のコイルスプリング、リヤがリーフスプリングの車軸式です。表記はハイゼットトラックが「L型ロアアーム&マクファーソン・ストラット式コイルスプリング」、キャリイが「マクファーソンストラット式コイルスプリング」と細かさが違いますが、基本構成は同じ系統です。ばね定数は両社とも公表していません。
全長も全幅も同じで、ホイールベースが5mm違います
| 項目 | ハイゼットトラック(標準) | キャリイ(標準) |
|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | 3,395mm |
| 全幅 | 1,475mm | 1,475mm |
| ホイールベース | 1,900mm | 1,905mm |
| 荷台長 | 1,940mm | 1,940mm |
| 荷台幅 | 1,410mm | 1,410mm |
| 荷台高 | 285mm | 290mm |
| 荷台床面地上高 | 660mm | 650mm |
| 最低地上高 | 160mm | 160mm |
| 最大積載量 | 350kg | 350kg |
| 最小回転半径 | 3.6m | 3.6m |
| エンジン型式 | KF型 | R06A型 |
| 総排気量 | 0.658L | 0.658L |
| 最高出力 | 34kW(46PS)/5,700 | 37kW(50PS)/6,200 |
| 最大トルク | 60N·m(6.1kgf·m)/4,000 | 59N·m(6.0kgf·m)/3,500 |
| WLTC燃費(2WD・CVT) | 16.5km/L | 18.7km/L |
数値はダイハツ「ハイゼット トラック 主要諸元表」とスズキ「キャリイ/スーパーキャリイ 主要装備・主要諸元」(いずれも2026年執筆時点)、価格は両社の公式価格ページ、買取相場はカーセンサー(2026年7月更新)によります。価格・仕様は改良で変わるため、購入前には販売店で最新の資料をご確認ください。買取相場は掲載物件からの集計値で、実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。
キャリイ|最大トルクを3,500rpmで出します
キャンパーを載せて走るなら、キャリイです。 違いが出るのは最大トルクの発生回転数で、59N·mを3,500rpmから出します。ハイゼットトラックは60N·mを4,000rpm。トルクの値そのものは1N·mしか違わないので、この数字だけでは、どちらが有利とは言えません。差になるのは、最大トルクが出る回転数が500rpm低いことです。数百kgのキャビンを載せて坂を登るとき、そこまでエンジンを回さずに済みます。
WLTC燃費は、2WD・CVT同士でキャリイが18.7km/L、ハイゼットトラックが16.5km/Lで、差は2.2km/Lです。最高出力はキャリイが50PS、ハイゼットトラックが46PS。走りに関わる数字でハイゼットトラックが上回るのは、最大トルクの値の1N·mだけです。
燃費も出力もキャリイのほうが大きいなら、もう決まりじゃない?
カタログ値は、架装する前の車体で測った数字です。キャビンを積んだあとの燃費ではありません
弱点は車両価格です。いちばん安いKCが1,172,600円で、ハイゼットトラックのスタンダードより約8万円高くなります。カーセンサーの買取相場は11.1万円〜152.3万円です。
| キャリイのグレード | 価格(税込・2WD・5MT) |
|---|---|
| KC | 1,172,600円〜 |
| KX | 1,350,800円〜 |
| KC農繁(4WDのみ) | 1,360,700円〜 |
| スーパーキャリイ L | 1,291,400円〜 |
| スーパーキャリイ X | 1,459,700円〜 |
ハイゼットトラック|いちばん安いグレードが1,094,500円です
スタンダードが1,094,500円で、2台のうちいちばん安い車両価格です。架装の費用に予算を回したいなら、車両で約8万円を抑えられます。
選べるグレードも多く、農用スペシャルからジャンボまで6つあります。ジャンボの荷台長は1,650mmで、スーパーキャリイの1,480mmより170mm長く残ります。キャブ後方の空間と荷台長の両方を欲張るなら、ジャンボです。
| ハイゼットトラックのグレード | 価格(税込・2WD) |
|---|---|
| スタンダード | 1,094,500円〜 |
| ハイルーフ | 1,111,000円〜 |
| スタンダード“農用スペシャル” | 1,254,000円〜(4WDのみ) |
| エクストラ | 1,309,000円〜 |
| ジャンボ スタンダード | 1,259,500円〜 |
| ジャンボ エクストラ | 1,419,000円〜 |
荷台床面地上高660mmは、キャリイより10mm高い位置にあります。荷台の下に潜って作業する使い方なら、その10mmぶん頭上が広くなります。
買取相場は14.7万円〜147.5万円です。キャリイの11.1万円〜152.3万円と比べると、下限はハイゼットトラックが3.6万円高く、上限はキャリイが4.8万円高い。カーセンサーの相場ページに並ぶ「(7件)」「(3件)」は査定満足度の評価件数で、掲載台数ではありません。
この相場は、どちらが高く売れるかの答えにはなりません
幅が広すぎるから?
掲載されている物件を集計した値だからです。状態も走行距離も地域も混ざっています
じゃあ売るときの値段は選ぶ理由から外しておく。いま払う金額と、載せたいキャビンの寸法で決めるね
決める順番は、坂を登るか・キャブの広さ・予算です
架装できるキャビンの寸法が同じなので、迷うところは3つに絞れます。
最初に決めるのは、坂を登る機会があるかどうかです。キャンパーを載せて坂を登るなら、キャリイ。3,500rpmから最大トルクが出る構成も、18.7km/Lの燃費も、あとから買い足せません。エンジンと変速機は架装では変えられないので、ここを後回しにすると、買ったあとでは直せません。
次がキャブの後ろの空間です。ここを広げると荷台が短くなり、載せられるキャビンも短くなります。荷台長を残したいならジャンボの1,650mm、運転席の後ろを優先するならスーパーキャリイの1,480mm。標準の1,940mmのままでよければ、この項は飛ばして構いません。
予算は最後です。坂とキャブが決まっていれば、あとは車両価格と架装費用の配分だけが残ります。坂を登る機会もなく、キャブ後方の広さも要らないなら、1,094,500円のハイゼットトラック スタンダードで足ります。
軽自動車ベースの車中泊比較は軽キャンパーのベース車両比較、8ナンバー登録の要件は8ナンバー(キャンピング車)の構造要件もどうぞ。