アウトランダーPHEVで車中泊|7人乗りにすると何が付かなくなる?

三菱 アウトランダーPHEV P 4WD(5LA-GN0W)の右前方からの外観
写真: オーバードライブ83 / Wikimedia Commons ( CC BY-SA 4.0 ・縮小)
── この記事の結論を先に4コマで ──
クラが白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、口を開けた笑顔でシキに話しかけている。シキは白紙を両手で胸の前に持ち、眉を寄せた真顔でクラを見ている 7人乗りとの差は約9万円。車中泊に使うなら、どっちがいい?
シキが白紙を1枚、胸の前で持ってクラに見せながら、落ち着いた表情で説明している。クラは白いマグカップを両手で持ち、目を丸くして口をすぼめて聞いている 7人乗りには、荷室のラゲッジアンダーボックスが付きません
画面左のシキが白紙の束を片手に持ち、もう片方の手のひらを軽く上げて、真顔で答えている。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、眉を下げた心配そうな顔で問いかけている 電源は、グレードで変わる?AC100V・最大1500Wは、5グレードとも標準です
画面左のシキが白衣の前で両手を軽く組み、口元をゆるめて穏やかに微笑んでいる。画面右のクラは白いマグカップを片手に持ち、もう片方の手をパーカーのポケットに入れて、目を閉じて明るく笑っている 先に決めるのは定員で、グレードはその次です3列目を使う日が、年に何回あるかだね

アウトランダーPHEVには、同じグレードに5人乗りと7人乗りがあります。差額は BLACK Edition でも P Executive Package でも P でも G でも約9万円で、グレードが変わっても1円も違いません。

「約9万円の差なら、念のため7人乗りにしておこうか」。車中泊にも使うつもりで見積もりを頼むとき、そう考えたくなるところです。

ただ、主要装備の表を5人乗りと7人乗りで見比べると、7人乗りには付かない装備が見つかります。荷室の床下に物をしまえる、ラゲッジアンダーボックスです。

3列目に人を乗せないなら、この約9万円を払う理由はありません。

グレード7人乗り 4WD5人乗り 4WD
BLACK Edition6,901,400円6,810,100円
P Executive Package6,791,400円6,700,100円
P6,510,900円6,419,600円
G6,076,400円5,985,100円
M設定なし5,369,100円

いちばん安い M は5人乗りしかありません。7人乗りを選べるのは BLACK Edition・P Executive Package・P・G の4グレードで、5人乗りとの差額はどれも同じです。

ラゲッジアンダーボックスが付くのは5人乗りだけ

主要装備の表で、5人乗りと7人乗りとで標準装備かどうかが分かれる行は、次の3つです。

装備5人乗り7人乗り
サードシート(ベンチシート・床下収納)なし標準
サード3点式ELRシートベルトなし標準
ラゲッジアンダーボックス標準なし

BLACK Edition・P Executive Package・P・G の4グレードとも、この3つの装備が付くか付かないかは同じです。M は5人乗りだけの設定で、ラゲッジアンダーボックスが標準で付きます。

クラ

3列目は、使わない日は畳んでおけるんだよね。それなら7人乗りを買っておいて、ふだんは5人乗りのつもりで使えばいいんじゃない?

シキ

サードシートは床下に収納する形式なので、座席の使い方としてはそのとおりです。違うのは収納で、ラゲッジアンダーボックスは7人乗りの4グレードすべてで設定がありません

クラ

それが付かないと、雨の日に脱いだレインウェアとか、泥の付いた靴とか、寝るときにどこへ置くかだね

ラゲッジアンダーボックスが付かない7人乗りでは、濡れたものや汚れたものの置き場を、寝る場所と同じ荷室の床の上か、前の席に見つけることになります。主要装備の表に載っているのはラゲッジアンダーボックスという名前までで、容量の数字はありません。靴や雨具がどこまで入るかは、販売店で5人乗りの実車を見て確かめておきたいところです。

三菱 アウトランダーPHEV G 5人乗り(5LA-GN0W-XDHHZ)の後方からの外観
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)

車両重量も、7人乗りはどのグレードでも40kg重くなります。P は5人乗り2,120kg・7人乗り2,160kg、G は2,110kgと2,150kg、BLACK Edition と P Executive Package は2,140kgと2,180kgです。

7人乗りを選ぶと、サード3点式ELRシートベルトが付いて乗車定員が7名になります。ただし7名という数字は、7人で寝られるという意味ではありません。定員の数字と寝られる人数の関係は、乗車定員と就寝定員で扱っています。

寝床になる荷室は、長さ2,040mm・幅は最小1,070mm

寝床になるのは、セカンドシートを折り畳んだ荷室です。三菱の公式サイトには、荷室長が2,040mm、荷室幅が最小1,070mm・最大1,300mmと載っています。いずれも社内測定値で、荷室長はフロントシートを最前端までスライドした位置で測った値です。

長さの2,040mmなら、身長180cmの人が足を伸ばして24cm余ります。一方で幅は、狭いところが1,070mmしかありません。大人2人が並ぶと、1人あたり535mmです。

クラ

2,040mmは、前の席を一番前まで出したときの長さなんだ。寝るときは、運転席をそこまで動かしておくってこと?

シキ

注記の条件はそうです。フロントシートを後ろへ下げた位置での荷室長は、同じページには載っていません

クラ

幅は1,070mmと1,300mmのどっちで考えればいい? マットを買うときに迷いそう

シキ

1,070mmが最小、1,300mmが最大です。荷室の長さいっぱいに敷くマットなら、狭いほうの1,070mmに収まるかどうかで見ることになります

見落とされやすいのは、主要諸元に載っている室内長のほうです。5人乗りが1,920mm、7人乗りが2,450mmと、室内長は7人乗りのほうが大きい数字で載っていますが、これは座席が入ったままの室内の長さです。身長と比べるのは、荷室長の2,040mmのほうになります。

同じ三菱のデリカD:5も、主要諸元に載っているのは室内長の2,980mmで、荷室長の項目はありません。荷室長は公式サイトのシートアレンジの紹介に社内測定値として載っていて、2列目の座面を起こして前へ寄せ、3列目を跳ね上げた2名乗車の状態で1,610mmです。

2列目のリヤシートバックフォールディング機構(4:2:4分割)は5グレードすべてに標準で、荷室側のワンタッチリヤシートフォールディングレバーも全車標準装備です。後席のドアまで回らなくても、テールゲートを開けたところからレバーで2列目を倒せます。

AC100V・最大1500Wのコンセントは5グレードとも標準

アクセサリーコンセント(AC100V、最大1500W)は、BLACK Edition・P Executive Package・P・G・M の5グレードすべてに標準です。「電源を使うなら、高いグレードを選ばないといけないのでは」と考えたくなりますが、いちばん安い M にも同じものが付きます。

V2H用のDC電源(10kW)も、同じ5グレードに標準です。車内のコンセントは合計2ヶ所で、駆動用バッテリーの総電力量は22.7kWhです。

リヤゲートを開けた三菱 アウトランダーPHEV(5LA-GN0W)。荷室に置いた冷蔵庫を車両の電源で動かしている
写真: Tokumeigakarinoaoshima — Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・縮小)
クラ

コンセントが2ヶ所あるなら、電気ケトルでお湯を沸かしながら、もう片方で電子レンジも使える?

シキ

1500Wは2ヶ所の合計です。同時に使うときは消費電力の合計が1500Wを超えないように、と注記されています。超えると、給電が止まるか出力が下がる場合があります

家電のワット数を足して1500W以下になるかどうかの考え方は、車中泊のAC100V電源で整理しています。

アクセサリーコンセントを使っていて駆動用バッテリーの残量が少なくなると、エンジンが自動で始動して充電します。 停車中にエンジンがかかると、アイドリングストップに関する条例に抵触することがある、と三菱も注記しています。道の駅やキャンプ場で一晩使うつもりなら、寝る前にバッテリーの残量を見ておく必要があります。

充電は、AC200V・15Aの普通充電で満充電まで約7.5時間、急速充電なら80%まで約32分です。

M ではロールサンシェードとヒートポンプ式エアコンが標準で付かない

ロールサンシェード(リヤウインドウ)は、リヤドアの内張りから引き出して使う日よけです。標準で付くのは BLACK Edition・P Executive Package・P・G の4グレードで、M には標準でもメーカーオプションでも設定がありません。UVカット機能付プライバシーガラス(リヤドア/テールゲート)のほうは全車標準です。

M に足したいときに見ておきたいのが、三菱の純正アクセサリーです。後席ドアの窓ガラスの内側に付けるロールアップ式のロールサンシェードが左右セットで載っていて、価格は参考取付工賃を含めて40,700円です。装着できる車種は「アウトランダー」とあり、グレードまでは書かれていません。M に付けられるかどうかは、見積もりのときに販売店で確かめておくと安心です。

ヒートポンプ式エアコンは4グレードに標準で、M ではセットオプションです。MITSUBISHI CONNECT とフロントワイパーデアイサーを合わせた3点のセットで約18万円になり、ヒートポンプ式エアコンだけを選ぶことはできません。

クラ

冬に泊まるとき、ヒートポンプ式エアコンがあるのとないのとで、何が違うの?

シキ

三菱の説明では、非装着車は暖房を使うとエンジンがかかり、EVプライオリティモードを選んでいるときは暖房が使えません。装着車でも、外気温やバッテリーの残量によってはエンジンがかかる場合があるとされています

クラ

キャンプ場でエンジンをかけたくないなら、M は約18万円のセットまで入れた金額で考えるんだね

リヤシートヒーター(座面・背もたれ面)が付くのは BLACK Edition・P Executive Package・P の3グレードで、G と M には設定がありません。寝るときには倒してしまう席の装備なので、関わるのは移動中に後席へ座る人です。前席のシートヒーターは5グレードすべてに標準です。

シート表皮は M がファブリック、G が人工皮革と合成皮革のコンビネーション、P がレザー、P Executive Package と BLACK Edition がセミアニリンレザーです。

M だけが18インチで、サイドウォールが厚い

タイヤは4グレードが255/45R20、M だけが235/60R18です。サイドウォール(タイヤの側面で、ホイールの縁から接地面までの部分)の高さは20インチが約115mm、18インチが約141mmで、M のほうが厚くなります。厚いぶん、舗装の継ぎ目やマンホールを越えたときの衝撃は、M のほうが伝わりにくいと考えられます。

最低地上高は M が195mm、ほかの4グレードが200mmで、差は5mmです。全高も M だけ1,745mmで、同じく5mm低くなります。

全長は4,720mm、全幅は1,860mm、最小回転半径は5.5mで、3つとも全車共通です。サスペンションは前がマクファーソンストラット式、後ろがマルチリンク式で、こちらも全車共通です。車両重量は、いちばん軽い M が2,070kg、いちばん重い7人乗りの BLACK Edition と P Executive Package が2,180kgで、差は110kgです。

遮音ガラスや吸音材は、主要諸元にも主要装備にも項目がありません。グレードによって静かさが変わるかどうかは、この2つの表からは読み取れません。

エンジンは4B12型の2.4Lで98kW/5,000rpm・195N·m/4,300rpm、モーターは前が85kW・255N·m、後ろが100kW・195N·mです。ハイブリッド燃料消費率はWLTCモードで17.2km/L、EV走行換算距離は102kmです。M だけ17.6km/Lと106kmで、どちらも少し大きい数字になります。

買取相場は、車名「アウトランダー」のページに2021年式からの数字が載っている

カーセンサーの買取相場ページでは、平均買取相場額が168.9万円〜303.5万円、平均走行距離が6万kmです(2026年9月更新)。

このページの車名は「アウトランダー」で、グレード別の表に並ぶ型式は DBA-GF7W と DBA-GF8W で、どちらも PHEV のものではありません。ただ、同じページの解説は、168.9万円〜303.5万円を2021年式からの3代目の買取相場としています。解説によると、2代目のガソリン車は2020年11月に生産を終えていて、いま売られている3代目はPHEVだけです。

5人乗りか7人乗りかを先に決め、グレードはそのあとで選ぶ

最初に決めるのは、5人乗りか7人乗りかです。5人乗りと7人乗りでは、サードシートとサード3点式ELRシートベルト、ラゲッジアンダーボックスが付くかどうかが違うので、注文のときに決めておきます。3列目に人を乗せる日が年に何回あるかを数えるのは、グレードを比べるより前の作業です。

定員が決まったら、次がグレードです。M を選ぶと5人乗りに決まり、タイヤはサイドウォールの厚い18インチ、車両重量は5グレードでいちばん軽い2,070kgになります。そのかわり、ロールサンシェードは標準では付かず、リヤシートヒーターは設定がなく、ヒートポンプ式エアコンは約18万円のセットオプションです。冬にも泊まるつもりなら、M の価格にこのセットオプションを足した金額で、G と比べておきたいところです。

最後がメーカーオプションです。エレクトリックテールゲートは4グレードに標準で、M では約6万円のメーカーオプションになります。電動パノラマサンルーフは M 以外の4グレードで選べるメーカーオプションで、付けると車両重量が20kg増え、室内高は1,220mmから1,195mmになります。ただ、主要諸元の図では、室内高は前席の背もたれのあたりで床から天井までを測った寸法で、セカンドシートを倒した荷室の床から天井までの高さではありません。荷室の床から天井までの高さは、主要諸元にも積載性のページにも載っていません。マットを敷いて上体を起こせるかどうかは、実車で確かめることになります。

※価格・相場は執筆時点の情報です。実際の査定額は状態・走行距離・時期・業者・地域で変わります。

実際に乗っている人の評価は、みんカラのアウトランダーPHEVのレビューで読めます。